甲状腺ホルモン薬で体重は減るのか 量を変えても体組成に差は出ず、多いと感じた量が好まれた

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体重が減ると、TSHのほうが下がることがある

向きを逆にした研究もある。胃バイパス手術という減量手術を受ける前の503人を調べると、71人(14.1%)が新たに潜在性機能低下症と分かった。甲状腺の薬をまだ飲んでいない人たちで、TSHが10 mU/Lを超えていたのは3人だけだった[7]。12か月後に追えた61人では、BMIが47から33へ下がり、TSHは5.8から2.8 mU/Lへ下がった。FT4も15.2から13.9 pmol/Lへ下がった[7]。潜在性機能低下症は53人(87%)で解消し、著者らは、多くの人は経過を見るだけで足りると書いている[7]。

BMI47という手術の対象の話で、比べる組も無い。それでも順番は見ておきたい。薬でTSHを下げて痩せたのではなく、痩せたらTSHが下がった。肥満の人のTSHの高値が、体重の結果である場合を考える材料になる。

では、TSHが高い人はその後太っていくのか。米国の65歳以上で甲状腺の薬を飲んでいない人を、潜在性機能低下症の427人と正常な2,864人に分けて6年の体重の変化を見た調査がある[10]。潜在性機能低下症は、1回の測定でも2年続いた場合でも、体重の変化の差と関連しなかった。一部の人でX線を使って測った除脂肪量、脂肪量、体脂肪率にも差はなかった。調査全体では、追跡の間に男性が年に0.38 kg、女性が年に0.37 kgのペースで体重を減らしていた[10]。

女性に限ると、TSHが1 mU/L高いごとに開始時の体重が0.51 kg重かったが、その後の体重の変化とは関連しなかった。逆にFT4が1 ng/dL高い女性は、開始時の体重が軽く、年に0.32 kg多く減っていた[10]。ここだけ見れば冒頭の筋書きに味方する数字だが、これは血液の値と体重の関連で、薬でFT4を上げたらそうなるという結果ではない。薬で試した結果は、前の節までに見たとおりである。読者の多くより上の年代の観察の調査であり、著者らは、潜在性機能低下症が体重に臨床的に意味のある影響を与えるとは言えないと結んだ[10]。

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すでに飲んでいる人の代謝と、変わっていく薬の量

治療中の人にとって切実なのは、数値が正常でも代謝は同じなのかという問いだろう。肥満の女性が通う1か所の外来の記録を振り返った研究では、糖尿病がなくTSHが基準の範囲にある649人のうち、LT4を飲む85人の安静時の消費は、甲状腺が正常な564人より低かった。除脂肪量1 kgあたり1日28.59 kcalと29.91 kcalで、順にLT4を飲む人、正常な人の値である。年齢、BMI、体組成、活動量をそろえても差は残った[8]。

著者らは、標準の補充では代謝の変化がすべては直らない可能性を挙げる。ただし差が弱まったのは、インスリン抵抗性をそろえたときだけだった。飲み薬としてのLT4が肝臓のインスリン感受性に及ぼす影響が絡む可能性も、著者らは除外できないと書いている[8]。振り返りの研究なので、薬が消費を下げたという意味にはならない。

ここまで、薬が体重を動かすかを追ってきた。実際にはっきり測られているのは、逆の向きである。手術で大きく減量した人では、薬の必要量のほうが動いた。肥満で甲状腺機能低下症の93人(平均BMI45.9)を手術の前と平均28か月後で比べると、LT4の1日量の平均は130.6から116.2 μgへ減った[3]。

内訳はそろっていない。量が減ったのは47人、変わらなかったのは34人、増えたのは12人で、増えた12人は自己免疫性甲状腺炎のある人だった。量の減りは除脂肪量の減りに比例していた[3]。著者らは、減量の時期に先回りして量を変える必要はなく、甲状腺ホルモンとTSHを定期的に測って変化を見つけ、そのつど直せばよいとしている[3]。食事や運動のゆるやかな減量で同じことが起きるかは、この研究からは分からない。

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よくある誤解

「薬を飲んでいる自分は代謝が低いのだから、減量しても無駄だ」。前の節の数字は、そう読めなくもない。ところが減量の結果は別の姿をしている。肥満でTSHが基準の範囲にある女性について、LT4を飲む69人と、年齢とBMIをそろえた甲状腺の病気のない69人を振り返った研究がある[13]。LT4を飲む組のFT3は基準の範囲の中で低めだった。それでもカロリー制限、中等度の運動、必要な人にはメトホルミンという治療で、どちらの組も体重とBMIが有意に減り、変化の大きさに差はなかった[13]。この研究に安静時の消費の数字は出てこないが、体重の変化に差は出なかった。ただし、これも振り返りの研究で、追跡が1年に満たない人は除かれている。

「断食のような強い減量は甲状腺の数字を悪くする」。潜在性機能低下症の成人で、1日おきの断食と毎日のカロリー制限を比べた二次解析では、6か月の体重の変化は順に−7%と−8%で同程度だった[17]。FT4とTSHはどちらも変わらず、インスリン抵抗性は1日おきの断食のほうが大きく下がった[17]。手術の研究ではTSHが下がり、この研究では動かなかった。体重の減り方も方法も違うので、並べて結論を出すことはできない。少なくともこの解析の範囲では、数字が悪くなる結果は出ていない。

今日からできること

  • TSHはFT4と1組で読む。健診の紙でTSHが高いときはFT4が正常かを確かめ、同じ2項目を前回の値と並べて受診のときに持って行く。測り直す間隔は医師が決める。2項目を組で見るのは潜在性機能低下症の定義に沿った読み方で、例えば手術の研究はこの定義で選んだ人の2項目を12か月後に測り直していた[7]
  • 潜在性機能低下症と言われて減量を考えている人は、目標の数字を先に置く。例えば成人の二次解析では、6か月の体重の変化が1日おきの断食で−7%、毎日のカロリー制限で−8%と同程度だった[17]。この幅を参考に、期間と%は自分の体に合わせて調整する。どちらの方法にするかは続けられそうなほうで決めるのが私の提案で、続けやすさは論文が調べたことではない。1日おきの断食を考えるなら、始める前に主治医に確かめる
  • 甲状腺の薬を飲んでいてTSHが基準の範囲にある人は、薬を理由に減量をあきらめない。肥満の女性の振り返りの研究では、カロリー制限と中等度の運動(必要な人にはメトホルミンも)で、体重とBMIの変化は甲状腺の病気のない人と同程度だった[13]。例えばこの研究が見たのは1年以上の経過なので、先月との差で薬のせいと決めず、比べる幅は長めに取る
  • 体重計の外の数字を1つ持つ。薬を飲み始めた女性の研究が測った右手の握力、胸で押す重さ、肩の動く範囲のうち、測りやすいものを選ぶ。比べる組のない研究だが、体重が変わらなくてもこれらの数字は改善していた。例えば研究は飲み始めて2か月後と、検査の値が整った後に測り直しており[2]、見る間隔はこれを参考に自分の都合で決める
  • 薬を飲んでいて体重が大きく減ったら、次の採血のときに何kg減ったかを主治医に伝える。例えば手術で大きく減量した研究では、LT4の1日量の平均が130.6から116.2 μgへ減り、定期的な測定が勧められていた[3]。この量を自分に当てはめず、伝える線は自分の体重に合わせて決める
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主治医の答えを聞いてから、マットに立つ

薬を飲む女性の研究で測られた肩の動きや脚の力は体重計に映らない数字で、それらを使う日を朝にも夜にも置けるよう、店は8:00〜23:30を年中無休で開けている。

オンザショア立川店は東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から歩いて1分なので、通院の帰りに寄る道筋も描ける。ヨガのレッスンだけで25種類以上あり、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングもある。

甲状腺の薬を飲んでいる人は、高温の部屋で行う溶岩ホットヨガに入ってよいかを、先に主治医に確かめておく。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガの体験は60分で、税込1,980円の中にバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが入る。料金の一覧と体験の予約のページも用意している。次の採血の結果と主治医の答えがそろった週に、予約の画面を開く。

参考文献

[1] Subclinical Hypothyroidism in Patients with Obesity and Metabolic Syndrome: A Narrative Review. — Biondi, 2023, Nutrients. DOI: 10.3390/nu16010087

[2] The Influence of Levothyroxine on Body Composition and Physical Performance in Subclinical Hypothyroidism. — Hanke et al., 2023, Hormone and metabolic research = Hormon- und Stoffwechselforschung = Hormones et metabolisme. DOI: 10.1055/a-1968-0106

[3] Weight Loss and Variation of Levothyroxine Requirements in Hypothyroid Obese Patients After Bariatric Surgery. — Fierabracci et al., 2016, Thyroid : official journal of the American Thyroid Association. DOI: 10.1089/thy.2015.0473

[4] Levothyroxine supplementation for obesity-associated thyroid dysfunction in children: a prospective, randomized, case control study. — Kumar et al., 2019, Pediatric endocrinology, diabetes, and metabolism. DOI: 10.5114/pedm.2019.87709

[7] Subclinical hypothyroidism and its relation to obesity in patients before and after Roux-en-Y gastric bypass. — Janssen et al., 2015, Surgery for obesity and related diseases : official journal of the American Society for Bariatric Surgery. DOI: 10.1016/j.soard.2015.02.021

[8] Resting Energy Expenditure in Obese Women with Primary Hypothyroidism and Appropriate Levothyroxine Replacement Therapy. — Muraca et al., 2020, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/clinem/dgaa097

[9] Thyroid hormone therapy for obesity and nonthyroidal illnesses: a systematic review. — Kaptein et al., 2009, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/jc.2009-0899

[10] Subclinical hypothyroidism, weight change, and body composition in the elderly: the Cardiovascular Health Study. — Garin et al., 2014, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/jc.2013-3591

[12] Effects of Altering Levothyroxine Dose on Energy Expenditure and Body Composition in Subjects Treated With LT4. — Samuels et al., 2018, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/jc.2018-01203

[13] Efficacy of levothyroxine monotherapy in achieving clinical euthyroidism and its impact on weight loss in women with hypothyroidism and obesity. — Gokkaya et al., 2024, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-024-78185-w

[17] Weight loss efficacy of alternate day fasting versus daily calorie restriction in subjects with subclinical hypothyroidism: a secondary analysis. — Akasheh et al., 2020, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2019-0554

[18] Resting energy expenditure is sensitive to small dose changes in patients on chronic thyroid hormone replacement. — al-Adsani et al., 1997, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/jcem.82.4.3873

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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