クロスカントリースキーの速さを支える除脂肪量 ローラースキーで測った体の内訳

アルプスの雪上で行われているクロスカントリースキーの滑走の様子 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

体脂肪が少ない選手ほど、食事も少ないとは限らない

Kettunenらは、よく鍛えられた若い女性のクロスカントリースキー選手とバイアスロン選手を1年間観察した。平均年齢は17.1歳で、季節を分けた食事・練習の記録と、体組成や運動能力などを照合している。炭水化物やたんぱく質の摂取が多いことは、酸素摂取の指標が高いことと関連し、体脂肪率は両栄養素の摂取量と負の関連があった。[7]

運動で使った分を差し引き、体の機能に使えるエネルギーが十分かを考える指標がエネルギー利用可能量である。この値や炭水化物の摂取量が低いことは、低エネルギー利用可能性のリスクを評価する質問票の得点が高いことと関連した。著者らは、若い女性選手が体組成を変えるために摂取を制限する戦略に疑問を示している。脂肪の少なさという結果だけをまね、食べ方の情報を落としてしまうと、研究の示す注意点と反対へ進みかねない。[7]

食事記録は9〜10月、2〜3月、4〜5月、7〜8月に行われ、合わせて12日分の平均から年間の食べ方が捉えられた。体組成とホルモン、酸素摂取能力などは観察の開始時と1年後に測定され、年間の練習量はオンラインの日誌に記録された。食事の一場面だけを切り取るのでなく、季節をまたぐ摂取状況と能力を対応させた観察だった。[7]

平均の炭水化物摂取量は体重1kg当たり1日4.8±0.8gで、研究では十分でないと評価された。たんぱく質は同1.8±0.3g、脂肪は総エネルギーの31±4%で、いずれも推奨範囲内とされた。炭水化物とたんぱく質の摂取量が多いほど体脂肪率が低い関連の相関係数は、それぞれ−0.50と−0.66だった。食事の構成を見ずに体脂肪率だけを目標にするのとは、異なる情報が並んでいる。[7]

別の角度から体を見る研究として、Feofilaktovらは、男性エリートのクロスカントリースキー選手32人とバイアスロン選手41人について、夏季の6か月の練習期を振り返った。クロスカントリー群の脂肪量は6.7±1.7kg、比較群は7.5±1.5kgで、筋量はそれぞれ39.7±3.0kg、38.5±3.6kgだった。両競技群の脂肪量と筋量の差は、いずれも統計的に有意だった。[3]

練習の内訳も異なり、クロスカントリー群では低強度の練習、筋力トレーニング、競技に即した練習の量が多かった。比較群は練習期の後半で高強度の間欠的な練習が多かった。著者らは練習量の違いが適応の差に寄与した可能性を挙げている。競技別の練習構成と、生理指標の時間的な変化を合わせて解析した結果だ。[3]

この夏季の解析は7年連続で集めたデータを用い、生理に関する26項目と練習負荷に関する8項目を毎月調べていた。両群とも有酸素性と無酸素性の能力が改善し、競技期にピークを迎えた。継続して見られた変化には、換気性閾値と最大酸素摂取時の上半身の出力向上がある。[3]

著者らは、練習期を通した生理的適応が同時に進むのでなく、遅れて生じた点も報告した。比較群で高強度の間欠的練習が多かったのは最後の4か月であり、練習構成には時期による違いがあった。上半身出力と練習日数の相関係数は0.3〜0.4。身体の変化を追うには、その時点の体だけでなく、そこに至る練習の経過が解析に含まれていた。[3]

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よくある誤解

「持久運動で体が鍛えられれば、酸素を使う能力もすべて向上する」という読み方にも注意したい。Yuらが男性エリート選手8人の中程度の標高での4週間の合宿を観察した研究では、乳酸閾値に相当する速度や上半身の筋量が増えた一方、最大酸素摂取量は合宿前より低下した。乳酸閾値は、血中乳酸の変化から運動の強さを捉える指標である。平地に戻った後も、最大酸素摂取量などの有意な増加は確認されなかった。[4]

「男女で速さが違うなら、動く効率も同じだけ違う」とも限らない。Sandbakkらは、競技水準を合わせた男性8人と女性8人のエリート選手に、同じ滑走技術でローラースキーのテストを行った。男性のテスト速度は17%高く、除脂肪量を考慮すると差は9%に縮まった。一方、使ったエネルギーを外への仕事に変える総合的な効率には、男女で同様の値が見られた。最大酸素摂取量は体重当たりで男性が14%高く、除脂肪量当たりでは7%高かった。同じ絶対速度では男性のひと動作の長さが11%長く、最大速度では21%長かった。[5]

動作の分析では、差と結びついていたのは動作の頻度よりも、ひと動作で進む長さだった。見た目の速さだけで効率の優劣を決めたり、速い選手と同じ頻度で動くことを目標にしたりすると、調べられた関係を取り違える。除脂肪量を考慮する前後で比較が変わる点も、体全体の大きさと、動く際に関係する体の内訳を分けて読む材料になる。[5]

さらに、「脂質代謝が変わった試験なら、体脂肪も減ったはず」という推測は成り立たない。Liらは男性のトップ選手16人を、特定のビフィズス菌の補充群と偽薬群に無作為に分け、8週間調べた。参加者がどちらを受けているかを知らせない単盲検の試験である。血液中の脂質や運動能力に変化が見られた一方、群間の平均総エネルギー消費量と体組成には有意差がなかった。[8]

この補充試験では、最大酸素摂取量と膝を伸ばす筋力は両群で増加した。8週目の群間比較では、最大酸素摂取量と一部の膝伸展筋力は補充群が上回った。中性脂肪は両群で低下し、低比重リポたんぱくコレステロールは補充群で低下したと報告されている。体組成の有意差がないという結果と、血液や運動能力の改善が同じ試験内に並んだ。[8]

研究は血液と便も採取し、血中代謝物と腸内微生物の変化を解析した。特定のビフィズス菌の量は偽薬群で2倍、補充群で40倍となり、短鎖脂肪酸、不飽和脂肪酸、胆汁酸と菌の量との相関も見られた。体脂肪だけでなく、代謝の指標や微生物の変化まで追跡した予備的な研究だった。[8]

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今日からできること

  • 持久運動だけの日々に、外部の抵抗を使う筋力運動を加える。レビューが扱った「4週間を超える介入」を期間の目安に、自分が無理なく続けられる日を決める。期間は減量の期限にせず、同じ動作で扱える負荷がどう変わるかを評価する区切りにする。[6]
  • 筋力運動を組むときは、上半身と下半身の2部位を扱う構成にする。レビューは両部位を別々にも一緒にも鍛える設計を今後の検討点に挙げている。まず体のどの部位を使う運動かを分けて選び、片方だけで全身を鍛えたことにしない。[6]
  • 雪上で滑らない人も、低強度の持久運動と筋力運動を続ける日をそれぞれ決める。夏季6か月の観察では、低強度と筋力の練習量がともに多い競技群で異なる適応が見られた。半年という研究の長さを見通しの目安にし、強い運動だけを増やす組み方を避ける。[3]
  • 食事と運動を同じ3日間、並べて記録する。女性選手の研究ではこの記録を季節ごとに4回集めた。炭水化物とたんぱく質の量も書き、運動日だけ食事を削っていないかを振り返る。選手の摂取量を自分の目標量にせず、次に記録する季節を決めて食べ方の変化を比較する。[7]

クロスカントリースキーの雪待ちに、室内のヨガ

クロスカントリースキーの雪がない季節に室内で体を動かしたいとき、オンザショア立川店のヨガ体験には60分のレッスンとタオル・マットのレンタルが含まれる。税込1,980円の料金内で借りられるのは、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットだ。ヨガ体験の予約案内に詳細がある。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。溶岩プレートを敷いた室内でのホットヨガに加え、常温で行うヨガも扱い、ヨガだけで25種類以上のレッスンを案内している。ほかにピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。

東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fへは、JR立川駅北口から徒歩1分。雪の季節にもそれ以外の季節にも、年中無休で8:00〜23:30に営業する。店舗の紹介と料金の案内も公開されている。雪上に出かけない日のヨガに備え、スキー板を持たずに参加する日の支度を済ませる。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

参考文献

[1] Anthropometric, Physiological, and Performance Developments in Cross-country Skiers. — Jones et al., 2021, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/MSS.0000000000002739

[2] Analysis of sprint cross-country skiing using a differential global navigation satellite system. — Andersson et al., 2010, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-010-1535-2

[3] Elite Cross-Country Skiers Develop Greater Physiological Adaptations Than Biathletes in Summer Macrocycle. — Feofilaktov et al., 2025, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/JSC.0000000000005108

[4] Monitoring Physiological Performance over 4 Weeks Moderate Altitude Training in Elite Chinese Cross-Country Skiers: An Observational Study. — Yu et al., 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph20010266

[5] Gender differences in the physiological responses and kinematic behaviour of elite sprint cross-country skiers. — Sandbakk et al., 2012, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-011-2063-4

[6] A Systematic Review of the Effects of Strength and Power Training on Performance in Cross-Country Skiers. — Stöggl et al., 2022, Journal of sports science & medicine. DOI: 10.52082/jssm.2022.555

[7] Nutritional intake and anthropometric characteristics are associated with endurance performance and markers of low energy availability in young female cross-country skiers. — Kettunen et al., 2023, Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1080/15502783.2023.2226639

[8] Eight Weeks of Bifidobacterium lactis BL-99 Supplementation Improves Lipid Metabolism and Sports Performance through Short-Chain Fatty Acids in Cross-Country Skiers: A Preliminary Study. — Li et al., 2023, Nutrients. DOI: 10.3390/nu15214554

[9] Effects of caffeine ingestion on exercise performance at low and high altitudes in cross-country skiers. — Berglund et al., 1982, International journal of sports medicine. DOI: 10.1055/s-2008-1026094

[10] Relationships between body composition, body dimensions, and peak speed in cross-country sprint skiing. — Stoggl et al., 2010, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640410903414160

冒頭の写真: アルプスの雪上で行われているクロスカントリースキーの滑走の様子(写真: Petar Milošević / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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