クライミングの消費エネルギーと指の負担 体脂肪を測った8週間の登り方

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体重を減らす話には、食事と指の負担がついてくる

ボルダリングの栄養を扱ったSmithらのレビューは、競技者に痩身の体格が見られ、体重に対する出力を高め、手足への荷重を小さくするため低体重を目指す事情を説明している。同時に問題にしているのが、専門的な栄養支援が乏しい中での、慢性的な糖質制限などの好ましくない食習慣である。高強度の運動であることから、糖質を十分利用できる状態に焦点を当てるよう論じている。競技者の体脂肪が少ないという紹介を、初心者が食事を削る根拠だけに使うと、同じレビューの健康に関する警告を取り落とす。[1]

レビューはスポーツクライマーに報告された体脂肪率として6〜12%を紹介し、ボルダリングの競技者もそれに似た痩身の特徴を持つと述べている。トレーニングの目標には、酸素に頼らず力を出すエネルギー系の能力と、競技に特有の筋力が含まれる。特に重視されているのは、握る動作を担う前腕の筋肉が、長さを大きく変えずに力を出す働きである。食事の議論も、この競技の要求を出発点にしている。[1]

たんぱく質についても、筋たんぱく質の合成と回復を支えるため、摂取量とタイミングを整えることを挙げている。このレビューは、競技力を高めるための栄養の必要量や生理的特性には、まだ研究の大きな空白があると述べている。体重を下げたい場合ほど栄養の専門家の助言を求めるよう勧めている点を、食事を減らす話と一緒に受け取る。登る準備として食卓を考えるなら、何を抜くかの競争より、運動と回復のために何を確保するかが論点になる。[1]

けがの側から見ると、Backeらはスウェーデンのクライミング協会の会員606人を無作為に抽出して質問票を送り、有効回答率は63%だった。過去1.5年間の傷害などを本人の回答で調べた観察研究であり、報告された傷害の93%は使いすぎによるものだった。指や手首の炎症性の組織損傷が多く、多変量解析では過体重とボルダリングの実施が初回傷害のリスク増加に関連していた。著者らも、体格の指標と傷害の関係についてさらなる研究を求めている。[6]

再びけがをするリスクについては、男性クライマーで高く、年齢が高いクライマーで低いという関連が報告された。初めての傷害に関わる要因と、再傷害に関わる要因を分けて分析している。再傷害には、けがを報告しなかった人も含むデータの分布を扱う回帰分析を用いた。回答には登ってきた経歴、安全上の実践、傷害を経験した時期が含まれる。[6]

調査が実践上の論点に置いたのは、登る時間と負荷を段階的・計画的に増やすこと、使いすぎの兆候を定期的に確認することである。使いすぎが傷害の大半を占め、指と手首の炎症性の組織損傷が多かったという結果に基づく提案だ。運動の量を扱う際には、登っている時間と、保持する部位にかかる負荷の両方が登場する。課題を難しくすること、通う頻度を増やすこと、1回の時間を延ばすことを、具体的な計画に分けて考えるための視点になる。[6]

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よくある誤解

「左右の手は交互に使うから、負担も同じになる」。Donathらはスポーツクライマー28人を対象に、左右の手に負荷がかかる時間と、負荷から解放される時間を映像で解析した。負荷時間の割合は左47%、右53%と差があり、競技水準が高いほど左右の負荷は対称的になる関連が見られた。登っている姿が左右交互でも、負荷の時間まで等しくなるとは限らない。疲労の有無や能力によって違いがあることも、体全体をひとまとめにしない理由になる。[7]

参加者の平均年齢は29歳、年齢のばらつきは標準偏差で8歳、平均のクライミング経験は10年で標準偏差6年だった。体格指数の平均は22で標準偏差2である。研究者らは能力の異なる2群を各14人に分け、あらかじめ疲労させた条件と疲労させていない条件も比較した。登攀の終わりに血中乳酸と本人が感じるきつさを記録し、左右の手の負荷時間を映像から別々に算出している。[7]

左右を合わせた負荷時間と解放時間の比は5対1。左47%、右53%には、それぞれ標準偏差4%のばらつきがあり、左右差の検定はP<0.001だった。能力が高いほど負荷が対称的になる関連の相関係数は−0.42である。疲労の条件によって乳酸濃度と自覚的なきつさにも差があり、右の利き手への負荷の偏りを能力と疲労の両面から検討している。著者らは左右差と使いすぎによる傷害との関係を追う縦断研究を今後の課題としている。[7]

「指の問題は、握力が足りないだけだ」。Martinoliらの画像診断のレビューは、クライミングに特徴的な傷害として、指の屈筋腱を押さえる滑車状の組織の閉鎖性断裂を取り上げている。指先の保持部に全体重がかかる一部の技術と強く関係し、腱が骨から弓の弦のように浮き上がって、指を動かす範囲全体で力の低下を招くと説明している。外から大きな傷が見えない場合にも、指の力の問題を単なる筋力不足だけでは説明できないことがある。[3]

このレビューが扱うのは、超音波や磁気共鳴画像を使う傷害の診断である。登った後の指の不調や力の出にくさが気になる場合は医師に伝え、診断は医師に任せる。体を軽くすれば指の問題がすべて解消するという考え方では、保持する組織そのものの傷害を見落としかねない。負荷と症状を具体的に伝えることが、体重だけを説明するよりも診療の話題に近い。[3]

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今日からできること

  • 登る方式を決め、経験に合う1回の分数と週の回数を指導者と組み立てる。この試験ではトップロープ式を各60分・週3日・8週間、最大心拍数の70%で行った。まず続けられる頻度と時間を決めて練習に入る。[2]
  • 登る日の食事に糖質を含む主食を組み込み、練習前後に食べる食事の回数を決める。栄養レビューが扱ったのは、高強度のボルダリングを支える糖質の確保と、慢性的な糖質制限の問題だった。普段の食事を土台に、抜いていた主食を食卓に戻す。[1]
  • たんぱく質を食べる時刻を、登る日の食事の中に配置する。同じレビューでは、筋たんぱく質の合成と回復に向け、体重1kgあたり0.25〜0.3gを3〜4時間間隔で摂る文献上の考え方を紹介している。自分の食事間隔から、どの食事で摂るかを決める。[1]
  • 次に登る課題は、現在の1回の時間と週の頻度を土台に、時間と難度の増やし方を段階に分けて決める。傷害調査では過去1.5年間を尋ね、使いすぎが93%を占めたことから、登る時間と負荷の計画的な増加を提案していた。[6]

クライミングの外にも動く場を持つ

クライミングで前腕を使って体を支える日とは別に、60分のヨガで体を動かす日を設けることもできる。オンザショア立川店のヨガ体験は税込1,980円で、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが料金に含まれる。

溶岩プレートを敷いたスタジオでホットヨガを行い、ヨガのレッスン数は25種類以上。常温のヨガやピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも扱っている。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fへは、JR立川駅北口から徒歩1分で着く。営業は毎日8:00〜23:30で、曜日による違いはない。朝に体を動かす日にも、夜に参加する日にも、この営業時間内でレッスンに通うことになる。店の案内と料金の詳細、体験予約は各ページにある。登る課題を決める日には、壁を使わずに動くヨガの日も練習と分けて設ける。

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参考文献

[1] Nutritional Considerations for Bouldering. — Smith et al., 2017, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2017-0043

[2] Sport climbing as a means to improve health-related physical fitness parameters. — Aras et al., 2016, The Journal of sports medicine and physical fitness.

[3] Imaging of rock climbing injuries. — Martinoli et al., 2005, Seminars in musculoskeletal radiology. DOI: 10.1055/s-2005-923378

[4] The physiology of rock climbing. — Giles et al., 2006, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.2165/00007256-200636060-00006

[5] Physiology of difficult rock climbing. — Watts, 2004, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-003-1036-7

[6] Rock climbing injury rates and associated risk factors in a general climbing population. — Backe et al., 2009, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/j.1600-0838.2008.00851.x

[7] Work-relief ratios and imbalances of load application in sport climbing: another link to overuse-induced injuries? — Donath et al., 2013, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/j.1600-0838.2011.01399.x

[8] Body Composition, Anthropometric Parameters, and Strength-Endurance Characteristics of Sport Climbers: A Systematic Review. — Ginszt et al., 2023, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/JSC.0000000000004464

冒頭の写真: 角度の異なる複数の壁と小さな張り出しがあり、床に厚い青色のマットを敷いた室内クライミング施設。(写真: Vatealyo / CC0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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宮川涼 Founder
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