パーキンソン病では体重が減るのか増えるのか 治療の前後と病気の進み方

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術後の体重と生存の関連は、増量の指示になるか

体重の増減を健康の良し悪しに直結させにくいことは、生存との解析にも表れている。先ほどの術後研究は、死亡日が分かった患者72人について、術後の体重とその後の生存期間との関連を調べた。術後に体重が高かったことは、長い生存と関連していた。[16]

対象にした体重の評価期間は、初回手術後の0〜12か月、または2回目の手術後の0〜36か月だった。初回と2回目の手術で、体重を評価する期間を変えていた。手術との時間関係を定めたうえで、その後の生存との統計的なつながりを見ている。[16]

生存との関連を示す解析では、決定係数R²=0.14、P<0.001と報告された。決定係数は、解析した関係がデータのばらつきをどれほど説明するかを表す指標である。対象は死亡日が分かった術後の患者であり、研究者は別の集団での再現を求めている。[16]

同じ研究では、運動症状が現れる前の体重減少と、死亡前の期間に減少が速くなる傾向も調べている。後者の解析は456人を対象とし、死亡前の10年間に年あたり2.18±0.31%の減少を認めた。同じ論文の中でも、術後の増加を見た集団とは人数と解析の目的が異なる。[16]

家族にとって、この種類の結果は不安を呼びやすい。だが、論文での関連と、目の前の人の先行きは同じ情報量を持たない。減った理由を自分だけで判断したり、逆に食べる量を無理に増やしたりするより、現在の体重の推移を治療の経過に重ねて医師に示すという使い方が適切だ。[16]

ここで減量特集として注意したいのは、「増えたから失敗」と採点しないことである。術前の体重、減ってきた経緯、術後の時期が、体重を評価する背景になる。体重を増やすか減らすかの判断は、治療を担当する医師が個別に行う。[12][16]

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治療の成績は、動作と生活の質でも評価する

脳深部刺激療法の利益と害は、体重とは別の評価項目を持つ。進行期で重い運動症状のある患者156人を対象とした無作為化試験では、刺激療法と薬の組み合わせを、薬物療法のみと比較した。6か月後の生活の質と、薬が効いていない条件での運動症状を主に評価している。[6]

刺激療法群では、生活の質の質問票の得点が平均9.5点、運動症状の尺度が平均19.6点改善し、薬だけの群より大きな改善が見られた。生活の質は患者の質問票、運動症状は症状の評価尺度によって採点された。移動、日常生活、感情面などの領域も評価対象だった。[6]

試験では、有害事象も比較している。同じ試験で重篤な有害事象は刺激療法群13%、薬物療法群4%で、刺激療法群には死亡に至った脳内出血が含まれた。一方、有害事象全体の頻度は薬物療法群64%、刺激療法群50%で、その比較は統計的な有意差に達していなかった。重篤な害と有害事象全体を区別して判断する研究だった。[6]

また、治療が症状を軽くすることと、病気そのものを治すことは別の問題である。レビューでは、脳深部刺激療法は根治を目的とするものではなく、背景にある神経変性の進行を止めることも期待されないと説明している。体重が増えた、動きやすくなったという変化だけで、病気がなくなったとは扱わない。[2]

新しい刺激法についても、何を改善したかを確かめたい。男性4人が、それぞれ適応型と従来の持続型の刺激を受けた盲検の無作為化クロスオーバー試験では、適応型で運動症状と生活の質の改善が報告された。適応型は、神経活動などの情報に応じて刺激を調節する方法だ。ここで示されたのは、症状と生活の質という評価項目の改善だった。[3]

生活の質を調べる質問票と、医療者が評価する運動症状の尺度では、見ている側面が違う。156人の試験では、生活の質のうち移動、日常生活、感情面、病気に伴う社会的な負担、体の不快感の領域で24〜38%の改善が報告された。質問票全体の9.5点という変化に加え、どの生活領域で変化があったかも調べたのである。[6]

レビューでは、刺激する場所によって得意とする症状が異なると整理されている。視床への刺激は振戦、淡蒼球への刺激は筋のこわばりや不随意運動、視床下核への刺激は振戦、動作の乏しさ、こわばり、不随意運動などを対象とする。どの症状が暮らしを妨げているかが、治療の検討につながる構成だ。[1]

また、同じレビューは構音障害、つまり言葉を発する際の話しにくさを、刺激する標的を問わずよく見られる副作用として挙げる。手足の症状への効果が長く続く一方、病気の進行に伴って歩行やバランスなどが刺激に反応しにくくなることにも触れている。体重の経過とともに、動作や会話の状態も診療で扱われる理由がここにある。[1]

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よくある誤解

「自分で調整できる機能が多いほど、早く良い状態になる」。患者用の調整器を調べた単施設の無作為化試験は、この直感と違う結果だった。単純なモードと高度なモードを比べると、刺激設定を最適化するまでの日数は、単純なモード88.5±33.1日、高度なモード142.1±67.4日だった。[15]

副作用の数も、高度なモード5.4±3.1に対して単純なモード2.6±1.9と、高度なモードのほうが多かった。自分で使える機能が増えることと、安全に早く調整が終わることは同じでない。体重が動いたからといって薬や刺激設定を自己判断で変えず、医療者から説明された操作の範囲を守る。[15]

「痩せた人なら、まず食欲だけを見ればよい」。非運動症状を扱ったレビューは、嗅覚の低下、体重減少、骨や筋肉の問題の関連に加え、便秘や嚥下障害にも触れている。嚥下とは食べ物などを飲み込む働きのことだ。体重を食べる意欲だけの問題と捉えると、こうした別の状態を会話から落としてしまう。[20]

このレビューは、一般診療の医師、臨床医、老年医学の医師、神経内科医らの協力を重視している。患者や家族が症状の組み合わせから自分で病名を決める一覧として扱わず、運動以外の困りごとも診療につなぐ視点として受け取りたい。[20]

「脂肪が減ったなら、ダイエットとして成功だ」。ここで扱った体重研究は観察研究であり、減量や増量の効果を割り付けて比較した試験ではない。体重と障害や生存の関連から、意図的に体重を動かす効果までは決められない。3%や5%は分類の区切り、術後の増加率は観察結果として受け取り、目標体重や受診を待つ境界に転用しない。本人の体重の扱いと薬・刺激設定の変更は、担当する医師に相談する。[12][13][16]

今日からできること

  • 体重を量る時刻と週の測定回数を、生活の中で続けられる形で決める。論文では開始時と2年後の体重を比較し、3%と5%の変化で分類した。自宅では、比較の出発点となる体重を定め、そこからの増減を割合でも捉える。[12]
  • 過去の健診や診療で体重を測った日を確認し、どこまでさかのぼって見比べるか、年数を決める。診断前後の体組成研究にならい、手元に脂肪量と除脂肪量の結果もあれば同じ測定日の値を横に置く。新しい検査を自分で手配するのでなく、すでにある数値から体の変化をたどる。[13]
  • 術後の体重を何か月ごとに記録するか決め、最初の手術と反対側の手術の日付を分けて記入する。比較する際は、同じ手術を起点とした値を使う。研究が調べた初回後1年や反対側の手術後3年は観察の時点であり、自宅での測定間隔は生活に合わせて設ける。[16]
  • 受診で話す内容を、体重の増減と、暮らしの中で困る動作にまとめる。論文では2年の体重変化に加えて生活の機能や抑うつを評価した。便秘、飲み込みにくさ、においの感じ方の変化があれば、それも一緒に伝える。[12][20]
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パーキンソン病の通院とヨガの入口

8:00〜23:30・年中無休のオンザショア立川店は、パーキンソン病の通院の予定と重ならない時間帯を探しながら利用を考える施設だ。ふらつきや薬の効き目の波がある人は、どの時間帯なら体を動かしやすいかを神経内科の医師と話してから通う日を決める。溶岩ホットヨガを希望する場合は、暑い環境への参加の可否も主治医に相談する。医師から運動を止められている方は利用できない。

通院日の移動と合わせて場所を確かめるなら、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fにある。溶岩プレートを敷いたホットヨガのスタジオで、ヨガ全体のレッスンは25種類以上、ほかにピラティスも扱う。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガの体験には税込1,980円で60分のレッスンと、バスタオル2枚・フェイスタオル1枚・ヨガマットのレンタルが含まれる。店の案内と料金を確認し、参加できる内容を問い合わせる。通院先で確認した運動の範囲に合うことを確かめてから、ヨガの予約を入れる。

参考文献

[1] Deep brain stimulation for Parkinson’s disease. — Hariz et al., 2022, Journal of internal medicine. DOI: 10.1111/joim.13541

[2] Deep Brain Stimulation in Parkinson’s Disease. — Malek, 2019, Neurology India. DOI: 10.4103/0028-3886.266268

[3] Chronic adaptive deep brain stimulation versus conventional stimulation in Parkinson’s disease: a blinded randomized feasibility trial. — Oehrn et al., 2024, Nature medicine. DOI: 10.1038/s41591-024-03196-z

[6] A randomized trial of deep-brain stimulation for Parkinson’s disease. — Deuschl et al., 2006, The New England journal of medicine. DOI: 10.1056/NEJMoa060281

[12] Weight loss and weight gain in Parkinson disease. — Ghourchian et al., 2021, Parkinsonism & related disorders. DOI: 10.1016/j.parkreldis.2020.12.018

[13] Changes in Body Composition Before and After Parkinson’s Disease Diagnosis. — Song et al., 2021, Movement disorders : official journal of the Movement Disorder Society. DOI: 10.1002/mds.28536

[15] Self-adjustment of deep brain stimulation delays optimization in Parkinson’s disease. — Oliveira et al., 2021, Brain stimulation. DOI: 10.1016/j.brs.2021.04.001

[16] Weight and survival after deep brain stimulation for Parkinson’s disease. — Eisinger et al., 2023, Parkinsonism & related disorders. DOI: 10.1016/j.parkreldis.2023.105810

[20] Parkinson’s disease and the non-motor symptoms: hyposmia, weight loss, osteosarcopenia. — De Rui et al., 2020, Aging clinical and experimental research. DOI: 10.1007/s40520-020-01470-x

冒頭の写真: 雪の積もった歩道を、コートを着た女性がカメラのある方向へ歩いている。(写真: Jules Verne Times Two / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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