クッシング症候群は太り方で見分けられるか ステロイドのホルモンが多すぎる病気

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筋肉量が同じでも、動く力には差がある

体重の話に筋力が入るのは、病気の影響を体の大きさだけで捉えないためだ。2017年の研究では、体格指数と性別を合わせた肥満の対照47人を選び、クッシング症候群の患者と比較した。体格指数は身長と体重から求める指標である。筋肉量と脂肪量は生体の電気的な性質を利用する方法で測り、働きは握力と椅子から立ち上がる試験で調べた。[3]

この比較では筋肉量に差がなかったのに、患者の握力は32.1 kg、対照は36.8 kgだった。量の測定だけでは、体を動かす働きの違いを説明しきれない。血糖の異常を伴う患者で筋機能の制限が最も大きかったことも報告されている。[3]

著者らは、脂肪の浸潤による筋肉の質の低下という可能性を挙げている。読者が持ち帰りたいのは、家庭用の体組成計で筋肉量が保たれているように見えても、動きにくさをなかったことにしないという視点だ。診察で体重の話をするときに、立ち上がりなどの動作についても伝えられる。[3]

治療後の筋肉の結果も、一方向にはそろわない。クッシング病の患者14人を手術前から追跡し、全身の磁気共鳴画像で調べた前向き研究では、寛解後に脂肪の多くの区画と体重、腹囲が減少した一方、骨格筋の絶対量も減少した。寛解とは病気の活動が落ち着いた状態を指し、この研究では治療後の評価条件を定めて比較している。[17]

画像で体重減少の内訳を見ると、脂肪が減ったことと、筋肉がどう変わったかを別々に確認できる。この研究では、インスリン抵抗性、つまりインスリンの働きにくさや、総コレステロールなどは改善したが、炎症の指標であるC反応性たんぱくや、ほかの脂質測定値は変わらなかった。体重の下降線だけで全身の回復を代表させると、こうした違いが見えなくなる。[17]

もう一つの縦断研究では、患者27人の血液測定と、そのうち19人の体組成の測定を行い、手術前後を比較した。平均追跡期間は31か月で、年齢、性別、体格を合わせた健康な対照も追っている。患者では脂肪の指標が低下し、特に体幹の脂肪が減ったが、除脂肪量には大きな変化がなかった。[16]

ここでいう除脂肪量は、脂肪を除いた部分の測定値で、先の画像研究が測る骨格筋そのものと完全には重ならない。筋肉が減った研究と、除脂肪量が大きく変わらなかった研究は、対象や測定が異なる。[16][17]

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治療後に減る体重と、残る代謝の課題

治療後の体重を長くみた2025年の後ろ向き研究では、クッシング症候群の患者308人と、年齢、性別、体格を合わせた対照1,020人を比較した。体重に関係する特定の薬を使う患者は解析から除外している。寛解した患者では、診断から1年後に平均体重が85.1 kgから80.8 kgへ低下し、体格指数も低下した。[10]

長期追跡の終了時に寛解していた175人については、77人が体重5%以上の減少、53人が10%以上の減少に達していた。病気が持続していた人には有意な体重変化がなかった。寛解と体重の変化が関連している一方、寛解した全員が同じ程度に体重を落とすわけでもなかった。[10]

寛解、性別、初めの体格、早期の体格指数の変化が、長期の減量を予測する情報として解析された。平均値を自分の目標体重として写すより、診断時と治療後でどこが変わったかを追う情報として使いたい。減らない理由を本人の努力だけに求める読み方には結びつかない。[10]

体重より詳しく脂肪をみた2017年の前向き研究では、患者23人を、夜間の唾液と尿のコルチゾールが正常化した寛解状態で評価した。手術後の人と薬物治療の人が含まれ、年齢、性別、体格を合わせた健康な対照25人とも比較した。二種類のエックス線を用いる体組成測定で、全身脂肪量は治療前から7.53%低下し、寛解後の体組成は対照と近かった。[11]

この研究での寛解は、夜間の唾液と24時間尿のコルチゾール正常化が少なくとも6か月続いた状態だった。23人の内訳は手術による寛解14人、薬物治療による寛解9人である。全身だけでなく体幹の脂肪量も測定され、治療前から3.24%低下した。手術による寛解群では全身脂肪量が17.26%、体幹の脂肪量が22.73%低下していた。[11]

手術で寛解した集団の脂肪減少がより大きかったとの結果もある。処方や治療法の選択は医師が判断し、読者が自己判断で薬を始めたり、やめたり、量を変えたりしないことが前提である。[11]

一方、2026年の研究は長い時間を経た後にも残る課題を示した。単一の専門施設の患者99人を、活動性のある時期から生化学的な寛解の7年後まで評価し、年齢と性別を合わせた一般集団の対照396人と比較した。寛解した患者の相対的な脂肪量は39%、対照では35%、ウエストとヒップの比も患者で高かった。[14]

これは先の短めの体組成研究と結論の印象が異なる。ただしこちらの対照合わせは年齢と性別であり、先の研究では体格も合わせている。追跡期間や評価方法も違うため、「対照に近づいた」と「対照との差が残った」を、同じ条件で正反対の答えが出たものとしては扱えない。比較の条件を残すと、改善する余地と長期に残り得る負担を同時に捉えられる。[11][14]

長期の研究では、代謝の変化と炎症に関する指標との関連も見られた。寛解した後も、血糖や脂肪分布などを含む評価を続ける意義が残る。体重が元の数字に戻ったかどうかだけで、通院の意味を判断しないための情報になる。[14]

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よくある誤解

「太っていなければクッシング症候群を除外できる」という考えにも注意したい。若年で発症した患者273人を調べたコホート研究では、84人、31%は肥満の分類に入っていなかった。対象は18歳以下で発症した患者で、肥満のある群は189人、69%だった。[4]

この小児研究では、肥満のある患者で高血圧やインスリン抵抗性が多かったが、コルチゾールに関連する合併症のすべてを体重増加が説明するわけでもなかった。体格が大きくないから健康上の問題も軽いはずだと決める読み方も、体格が大きい人を責める読み方も避けたい。対象が子どもの場合も、病気の評価と体格の評価を一緒くたにしない。[4]

「検査で拾われた異常は全部同じ意味を持つ」という誤解もある。統合研究は、抑制試験に異常があってもクッシング症候群の確認に至らない人の臨床的な意味が、なお研究課題だと述べている。異常だから即座に病名が決まるとも、確定しなければ何も問題がないとも、この記事から判断することはできない。結果は検査を依頼した医師の説明と合わせて受け取るものだ。[6]

「治療前後の数字さえあれば、何が効いたかまで分かる」という見方も慎重にしたい。縦断研究は、脂肪の変化と、食欲などに関係する物質や炎症関連の物質の変化を併せて示している。研究で見つかった関連は、原因や治療効果の証明とは異なる。生物学的な説明候補と、本人が実行すべき治療は違う段階の話である。[16]

今日からできること

  • 体重を量る曜日を決め、週に量る回数を生活に合わせて固定する。治療を受けた人は診断時からの変化を追う。研究では診断時、1年後、追跡終了時に体重と体格指数を評価した。[10]
  • 動作の評価を受ける際は、椅子から立ち上がる所要秒数を測り、受診時に伝える。筋肉量の値とは分けて、動きにかかる時間に目を向ける。研究で比べたのは筋肉量に加えて握力と立ち上がる時間で、患者の時間は9.5秒、対照は7.3秒だった。[3]
  • 腹囲を測る際はヒップの周囲も測り、ウエストをヒップで割った比として自分の脂肪分布を捉える。測る日を決めて同じ項目を続ける。寛解7年後の比較では、この比は患者0.89、対照0.82だった。[14]
  • 次の受診では、最近の体重増加と糖尿病などの合併症をまとめて伝え、検査が必要かを相談する。研究では年齢、最近の体重増加、糖尿病が診断確認の予測因子だった。[6]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

クッシング症候群の通院とヨガのある暮らし

オンザショア立川店のヨガ体験は60分で、タオルとマットの貸し出しを含むため、通院のある週に参加する際はレッスンの長さと持ち物を先に確認しておきたい。治療中や寛解後に参加を考える際は、運動してよい状態かを主治医に相談し、暑い環境で行う溶岩ホットヨガの可否も別に尋ね、まず常温のヨガの内容を確かめる。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガがあり、ヨガだけでも25種類以上をそろえる。ヨガ以外にはピラティスとパーソナルトレーニングも用意されている。体験料は税込1,980円で、貸し出し品はバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットだ。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビルの3Fで、JR立川駅北口から歩いて1分。全曜日8:00〜23:30の営業で、休業日は設けていない。店の案内と料金のページに詳しい情報がある。クッシング症候群の診療で運動の許可を得てから、立ち上がりなどの日々の動きやすさと参加上の懸念を店に伝える。

参考文献

[3] Cushing’s syndrome: a model for sarcopenic obesity. — Drey et al., 2017, Endocrine. DOI: 10.1007/s12020-017-1370-x

[4] The phenotype of the pediatric patient with Cushing syndrome but without obesity. — Padilla et al., 2024, European journal of endocrinology. DOI: 10.1093/ejendo/lvae114

[6] Rethinking hypercortisolism screening in obesity and diabetes: A systematic review and meta-analysis. — Ferrari et al., 2026, Metabolism: clinical and experimental. DOI: 10.1016/j.metabol.2026.156675

[7] Cushing’s syndrome screening with the 1-mg dexamethasone suppression test in metabolically healthy and unhealthy obesity phenotypes. — Hepsen et al., 2024, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-024-01598-0

[10] Weight gain reversibility and BMI following treatment for Cushing’s syndrome: long-term outcomes and potential predictors. — Sasson et al., 2025, Pituitary. DOI: 10.1007/s11102-025-01550-z

[11] Body Composition is Different After Surgical or Pharmacological Remission of Cushing’s Syndrome: A Prospective DXA Study. — Ceccato et al., 2017, Hormone and metabolic research = Hormon- und Stoffwechselforschung = Hormones et metabolisme. DOI: 10.1055/s-0043-115008

[12] Is there visceral adipose tissue (VAT) intracellular hypercortisolism in human obesity? — Alfonso et al., 2013, Hormone and metabolic research = Hormon- und Stoffwechselforschung = Hormones et metabolisme. DOI: 10.1055/s-0033-1337986

[13] Computed tomography assessment of fat distribution in male and female patients with Cushing’s syndrome. — Rockall et al., 2003, European journal of endocrinology. DOI: 10.1530/eje.0.1490561

[14] Long-term metabolic consequences: persistence of visceral obesity and diabetes mellitus after remission from Cushing’s syndrome. — Rubinstein et al., 2026, Diabetes research and clinical practice. DOI: 10.1016/j.diabres.2026.113436

[16] Interleukin-1 receptor antagonist is associated with fat distribution in endogenous Cushing’s syndrome: a longitudinal study. — Ueland et al., 2003, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/jc.2002-021030

[17] Body composition and cardiovascular risk markers after remission of Cushing’s disease: a prospective study using whole-body MRI. — Geer et al., 2012, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/jc.2011-3123

[20] Patients with morbid obesity should not be routinely screened for Cushing’s syndrome: Results of retrospective study of patients attending a specialist weight management service. — Glyn et al., 2020, Clinical obesity. DOI: 10.1111/cob.12358

冒頭の写真: 検査室で血液の試料を確認している研究者と、検査に使われる器具の様子(写真: National Eye Institute / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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