アディポネクチンは減量で増えるか 脂肪細胞が出す物質と運動後の血中濃度

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体格が小さめでも、濃度だけでは代謝を見通せない

Kiyaらは、体格指数であるBMIが25未満の日本人男性を調べた。アディポネクチンの高低と、脂肪組織のインスリン感受性の高低を組み合わせて群分けした研究である。脂肪組織の感受性は、インスリンによって遊離脂肪酸がどれほど抑えられるかを、血糖とインスリンを調節する検査で評価した。体重の大きさだけを比べた設計とは異なる。[14]

脂肪組織のインスリン感受性が高い群では、アディポネクチンの高低による代謝の特徴との関連は認められなかった。これに対して感受性が低い群では、筋肉のインスリン感受性も低く、さらにアディポネクチンが低い群では、肝臓内の脂肪や血中脂質の異常が目立った。低値の意味は、脂肪組織がインスリンにどう反応しているかによって違ったのである。[14]

対象の94人は、濃度と脂肪組織のインスリン感受性のそれぞれの中央値を境に4群に分けられた。感受性も濃度も高い群は29人、感受性が高く濃度が低い群は18人。感受性が低く濃度が高い群は18人、両方低い群は29人だった。体格が肥満に該当しない男性の中で、こうした代謝の組み合わせを比べている。[14]

脂肪組織の感受性もアディポネクチンも低い群では、空腹時の中性脂肪が他の3群より有意に高く、HDLコレステロールは有意に低かった。HDLは血中のコレステロールを運ぶ粒子の一種である。さらに肝臓内の脂肪は、感受性が高い群に比べて有意に多かった。血糖を支える仕組みの違いは、筋肉だけでなく肝臓や血中脂質にも表れていた。[14]

日常で受け取る健診の紙と、研究室で行う詳細な検査は、利用できる情報も異なる。気になる低値があれば、現在の血糖や脂質、治療の状況とどう合わせて見るかが診療での問いになる。研究上の群分けに自分を当てはめて、検査を独自に追加したり目標値を作ったりするより、何を判断したい検査なのかを言葉にする方が具体的だ。

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徹夜と禁煙後の変化が、上昇という言葉を揺さぶる

van Egmondらの実験では、同じ参加者が、実験室で眠る条件と一晩眠らない条件の両方を経験し、その後に空腹時採血を受けた。平均年齢は24.9歳で、女性や肥満のある参加者も含まれていた。徹夜後のアディポネクチンは7.5μg/mL、眠った後は6.8μg/mLだった。同時に、レプチンは低く、グレリンは高くなっていた。[3]

レプチンは満腹に関わるホルモンとして、この実験で扱われている。アディポネクチンだけを抜き出せば、徹夜後に好ましい物質が増えたように見える。しかし研究者は、こうした内分泌の変化が長く続けば体重増加を助ける可能性を述べている。実際に長期の体重増加を測って確定した結果とは分けつつ、上昇を手放しで喜べない例として受け取れる。[3]

徹夜後のアディポネクチンの変化は女性でより大きく、体格別では正常体重の人でより顕著だった。同じ条件を経験しても、変化の幅が全員同じとは限らない。レプチンの変化も女性で大きく、睡眠を失ったときの内分泌の反応には性別と体格の両方が関わっていた。[3]

禁煙後を調べたKomiyamaらの観察研究では、禁煙開始から1年後にBMIと腹囲が増えていた。それでも、集団全体のアディポネクチンに明確な変化は認められなかった。体重とお腹回りが増えたことだけから、この物質も必ず悪い方向へ動いたと判断するのは早い。禁煙の経過では、体格と血液の結果を別々に測っていた。[12]

禁煙の研究では、成功した86人のうち男性が56人、女性が30人だった。血中濃度は禁煙開始時と1年後に測られており、禁煙直後の一時的な反応を毎日追った設計ではない。[12]

睡眠実験では、徹夜後のレプチンは17.3ng/mL、睡眠後は18.6ng/mLだった。グレリンはそれぞれ839.4pg/mLと741.4pg/mLで、これらとアディポネクチンの差はいずれも統計的に有意だった。グレリンの増加は肥満のある参加者でより大きく、アディポネクチンの増加が正常体重の参加者で目立ったこととは、体格別の違いの向きも異なっていた。[3]

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よくある誤解

「高いほど、どんな人にも良い」という見方には、病気のある集団から異なる結果が出ている。Rheeらが血液透析患者を追った前向きコホートでは、追跡中に50人が死亡した。濃度が最も高い群は最も低い群に比べ、背景因子と検査値を調整した死亡のハザード比が3.35、95%信頼区間は1.50〜7.47だった。ハザード比は、追跡中の出来事の起こりやすさを群間で比べる指標である。[19]

この追跡は13の透析施設の501人を対象とし、追跡時間を合計すると631.1人年だった。人年は各人を追った期間の合計である。体組成をさらに調整した解析でのハザード比は3.18、95%信頼区間は1.61〜8.24、脂質を考慮した解析では3.64、95%信頼区間は1.34〜7.58だった。調整に用いた情報には、皮下脂肪、内臓脂肪、全身の脂肪や除脂肪量などが含まれていた。[19]

体組成や血中脂質をさらに考慮しても、この関連は残った。ただし、測っていない要因の影響を除き切れない観察研究である。アディポネクチンを増やしたから死亡が増えた、あるいは減らせばよい、とする結果にはならない。一般の減量中の人に透析患者の数字を当てはめず、高値の意味が対象によって変わる例として読む。[19]

「血液を測れば、筋肉の中の働きまで分かる」という理解も広すぎる。Martinez-Huenchullanらのレビューは、骨格筋で作られるアディポネクチンが、自分自身の細胞や近くの細胞に働く仕組みを扱っている。高脂肪食などの代謝上の負荷が長く続くと保護的な反応が乱れ、運動がその過程を防いだり逆転させたりする可能性が議論されている。[11]

骨格筋での産生には、自分自身への作用と、近くの細胞への作用という2つの経路が想定されている。レビューはそれらを、肥満に伴う代謝上の負荷と、運動への適応という両面から論じる。局所での産生に注目すると、採血で測る全身の濃度とは別に、筋肉の中で起きる反応が研究の対象になる。[11]

「減量で必ず増える」という期待にも、条件を書き足したい。肥満で低いというレビューの整理は、個々人の減量後の上昇幅を約束していない。ここで扱った臨床試験は、体重の有意な減少を伴わない運動の試験である。食事で減量した場合と同じ問いへの答えとして扱わず、体重、脂肪の分布、代謝の働きにそれぞれ測定の席を残しておく。[1][6]

今日からできること

  • 一定のペースで続ける自転車運動について、行う曜日と1回の分数を決める。論文の試験では、監督下の持久的な運動を週2回、1回45分行い、訓練期間は8週間だった。運動の種類と参加できる強度は、糖尿病などの治療状況に応じて医師と相談する。[6]
  • 睡眠を削って運動や作業を追加する日は、就寝と起床の時刻を決めて睡眠の機会を残す。論文の実験では、1晩眠る条件と1晩徹夜する条件を比較し、徹夜後には満腹に関わるレプチンが低下していた。[3]
  • 間欠的な自転車運動を取り入れる際は、強い負荷を繰り返す回数を自分で選ぶ。論文の試験では週1回、強い負荷を2分間ずつ5回行い、間に低い負荷の3分間を挟んでいた。この5回を一律の目標にせず、自分が無理なく繰り返せる回数から始める。[6]
  • 禁煙後の測定結果を見返すときは、体重だけでなく腹囲と血液の結果も並べる。論文では禁煙に成功した86人を1年後に測り、BMIと腹囲は増えたがアディポネクチンは下がらなかった。[12]
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腹囲の測定と、駅からのヨガ通い

JR立川駅北口から徒歩1分のオンザショア立川店は、腹囲や血中濃度を追いながら運動を続けたい人が、駅を使う日常の動線にヨガを組み込める立地にある。所在地は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビル3F。営業は曜日を問わず8:00〜23:30で、年中無休のため通勤のある日も休日も時間帯を比べられる。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。糖尿病の治療を受けている場合は、暑い環境での運動が可能かを主治医に確かめてから、常温で行うヨガを含めて参加するレッスンを探す。

血液の数字とは別にレッスンの内容を知る機会として、ヨガ60分の体験は税込1,980円で利用でき、マット、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚の貸し出しを含む。ヨガは25種類以上あり、溶岩プレートのスタジオで行うホットヨガも扱う。店の案内と料金の詳細を先に確認する。アディポネクチンの上昇だけを目当てにせず、通える日のヨガに予約を入れる。

参考文献

[1] Adiponectin, a Therapeutic Target for Obesity, Diabetes, and Endothelial Dysfunction. — Achari et al., 2017, International journal of molecular sciences. DOI: 10.3390/ijms18061321

[3] Effects of acute sleep loss on leptin, ghrelin, and adiponectin in adults with healthy weight and obesity: A laboratory study. — van Egmond et al., 2023, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.23616

[5] Adiponectin Resistance in Obesity: Adiponectin Leptin/Insulin Interaction. — Engin, 2024, Advances in experimental medicine and biology. DOI: 10.1007/978-3-031-63657-8_15

[6] Absence of exercise-induced variations in adiponectin levels despite decreased abdominal adiposity and improved insulin sensitivity in type 2 diabetic men. — Boudou et al., 2003, European journal of endocrinology. DOI: 10.1530/eje.0.1490421

[11] Skeletal muscle adiponectin induction in obesity and exercise. — Martinez-Huenchullan et al., 2020, Metabolism: clinical and experimental. DOI: 10.1016/j.metabol.2019.154008

[12] Analysis of changes on adiponectin levels and abdominal obesity after smoking cessation. — Komiyama et al., 2018, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0201244

[14] Adipose Insulin Resistance and Decreased Adiponectin Are Correlated With Metabolic Abnormalities in Nonobese Men. — Kiya et al., 2021, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/clinem/dgab037

[19] Association of Adiponectin With Body Composition and Mortality in Hemodialysis Patients. — Rhee et al., 2015, American journal of kidney diseases : the official journal of the National Kidney Foundation. DOI: 10.1053/j.ajkd.2015.02.325

冒頭の写真: 検査室で血液の試料を確認する研究者と、試料の検査に用いる器具(写真: National Eye Institute / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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