エリスリトールとキシリトールは砂糖の代わりになるか 血糖と体重と心臓の話

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心臓の懸念は、血中濃度と血小板の研究から始まった

心血管の議論でまず押さえたいのは、何が悪い出来事として数えられたかである。2023年の研究では、死亡、または死亡に至らない心筋梗塞や脳卒中を、主要な心血管イベントとして追跡した。単に検査値が少し動いたという話より、読者にとって重い意味を持つ出来事を対象にしている。[1]

最初に心臓のリスク評価を受ける患者1,157人を調べ、血中の複数の糖アルコール、特にエリスリトールの濃度が、その後3年間のイベント発生と関連することを見いだした。さらに、予定された心臓の検査を受ける安定した患者の米国2,149人、欧州833人という別の集団で、その関連を確かめている。一般住民を無作為に選んだ集団とは対象が違う。[1]

血中濃度を低い順に分け、最も高い群を最も低い群と比べた調整済みハザード比は、米国で1.80、欧州で2.21だった。95%信頼区間はそれぞれ1.18〜2.77、1.20〜4.07である。ハザード比は追跡中の出来事の起こりやすさの相対的な指標だ。比較の単位は、血中濃度で分けた患者群の追跡中のリスクである。[1]

この研究は、血中濃度の観察だけで終わっていない。実験室での血小板の反応や、動物での血栓形成も調べ、エリスリトールによってそれらが促される結果を示した。健康な成人8人に摂取してもらう予備的な介入では、血中濃度の高い状態が2日を超えて持続した。細胞の反応、動物の血栓、人の血中濃度を組み合わせて検討した。[1]

続く2024年の人の介入研究では、健康な成人にエリスリトール30gまたはブドウ糖30gを摂ってもらい、摂取前後の血小板の働きを比べた。血小板は血を固める働きに関わる成分である。エリスリトール群では血中濃度が大きく上がり、調べた刺激に対する凝集反応が強まった。ブドウ糖群では同じ変化は認められなかった。[3]

血中濃度の上昇は1,000倍を超えた。摂取前の3.75μmol/Lから、摂取後には6,480μmol/Lへ上がっている。研究者は、食品添加物としての評価を再検討する議論に値すると述べた。各群10人という規模で、健康な成人の摂取前後を比べた研究である。[3]

血小板の測定には、凝集の強さに加え、刺激を受けた細胞から放出される物質の分析も使われた。セロトニンの放出は、TRAP6という刺激とADPという刺激の両方で有意に増加した。血小板の顆粒に由来するCXCL4もTRAP6刺激では有意に増えたが、ADP刺激ではP=0.06だった。ブドウ糖では、いずれの物質の放出にも有意な増加が見られなかった。[3]

同時に、2025年のレビューは慎重な別の見方を示す。キシリトールやエリスリトールの予備試験では血小板凝集が一時的に変化する可能性があるものの、重症患者への大量の静脈投与の研究や、遺伝情報を使って関係を推定するメンデルランダム化研究では、重大な心血管リスクとのつながりが認められていないと整理している。[2]

静脈投与、遺伝的な推定、日常の飲食は条件が異なる。それでも、こうした異なる証拠がある以上、「心臓に危険と完全に決着した」とも、「血糖が上がりにくいから懸念は不要」とも結べない。体内での産生についても未解明の点があり、血中濃度を食べた量の代わりにする難しさが残る。短期の反応を軽視せず、長期の安全性を問う余地も残す読み方になる。[1][2][3]

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よくある誤解

「血液から見つかる量は、そのまま食べた量だ」という読み違いがある。エリスリトールは体内でも作られるため、採血の値には食事以外の要因が関わり得る。血中濃度を調べた観察研究と、決まった量を摂ってもらう介入試験を一緒にすると、この違いが消えてしまう。両方に意味があるが、答えている問いは異なる。[2][20]

逆に、「天然に存在するなら安全性の検討は済んでいる」と考えるのも飛躍だ。植物に存在すること、発酵で製造できること、人体で産生されることは、物質の由来を説明する情報である。長期的にどんな量を食べると何が起こるかは、摂取条件を持った研究で確かめる課題として残る。由来の説明を、量と期間の評価の代わりにはできない。[20]

「キシリトールの口の研究で糖が減ったのだから、体の血糖も減る」という誤解も分けておこう。健康な若者98人の無作為化試験では、キシリトールなどを含む洗口液を使い、口の中からブドウ糖が除かれる速さを調べた。キシリトールで除去が速くなったが、測ったのは唾液のブドウ糖である。唾液量や口の健康状態の指標には、同時に有意な変化はなかった。[8]

洗口液を使った期間は14日間だった。キシリトール濃度が0.2%、0.5%、1%の順に、唾液中のブドウ糖の曲線下面積は平均9.1%、21.5%、40.0%小さくなった。1%のソルビトールや0.1%のフッ化ナトリウムだけでは、同じ期間の変化は認められず、比較相手による違いも示された。1%のキシリトールに0.1%のフッ化ナトリウムを加えても、キシリトール単独と同様の結果だった。成分の濃度と比較相手を変え、口の中で糖が除かれる経過を検討している。[8]

このような歯科の結果は、糖アルコールの作用を知る上で興味深い。しかし、口をすすぐことを飲み込むことと同一視したり、口に残る糖の変化から減量を推定したりすると、測定の範囲を越える。「糖が減った」という短い表現ほど、どこの糖を、どの方法で、いつ測ったのかを戻して読む価値がある。[8]

最後の読み違いは、研究で使った量を日常の目標量にすることだ。吸収や血小板の変化を確かめる試験量は、その作用を観察するための条件である。甘さを付けるのに必要な量、胃腸で受け入れられる量、長く摂取した場合の安全な量を同時に決めたものとは扱えない。キシリトールの胃腸の試験とエリスリトールの血小板の試験を、増量の手引きにしないことが大切だ。[3][14]

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今日からできること

  • 砂糖入りの飲み物を代替の甘味料を使った飲み物へ替えるなら、週のうち何回替えるかを先に決め、その回数分を置き換える。参考にした試験はブドウ糖、ショ糖、複数の糖とエリスリトールを含む飲料を比べた試験で、健康な参加者でも30分後と60分後の血糖に差が出た。[13]
  • キシリトールを使う日は、食品や飲み物に加える量の上限を自分で決め、胃腸の不快感が出る量まで増やさない。胃腸の試験では水200mLに30gを溶かした条件で胃と腸の動きを調べ、腸の通過の加速が下痢や不快感に関わると考察している。この量は実験の条件である。[14]
  • 甘さを調整する料理では、砂糖を使う献立のうち何回をエリスリトールに替えるか決め、甘さを足す作業をその料理に絞る。甘さが足りないからと、別の食品にも次々と加える使い方は避ける。エリスリトールは砂糖より30%甘さが低いとレビューは整理している。[20]
  • 糖尿病の食事療法中なら、普段の飲み物と使いたい代替品を1つずつ挙げ、主治医に置き換え方を相談する。混合飲料の試験には2型糖尿病の成人21人が参加し、ブドウ糖・ショ糖の飲料より摂取後の血糖が低かった。比較された飲料の組成を具体的に伝える。[13]

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参考文献

[1] The artificial sweetener erythritol and cardiovascular event risk. — Witkowski et al., 2023, Nature medicine. DOI: 10.1038/s41591-023-02223-9

[2] Sweeteners: erythritol, xylitol and cardiovascular risk-friend or foe? — Wölnerhanssen et al., 2025, Cardiovascular research. DOI: 10.1093/cvr/cvaf091

[3] Ingestion of the Non-Nutritive Sweetener Erythritol, but Not Glucose, Enhances Platelet Reactivity and Thrombosis Potential in Healthy Volunteers-Brief Report. — Witkowski et al., 2024, Arteriosclerosis, thrombosis, and vascular biology. DOI: 10.1161/ATVBAHA.124.321019

[4] Metabolism of erythritol in humans: comparison with glucose and lactitol. — Hiele et al., 1993, The British journal of nutrition. DOI: 10.1079/bjn19930019

[8] Effects of xylitol, sorbitol and fluoride mouthrinses on glucose clearance in adolescents. — Calamari et al., 1997, Acta odontologica latinoamericana : AOL. DOI:

[11] Effect of a Chronic Intake of the Natural Sweeteners Xylitol and Erythritol on Glucose Absorption in Humans with Obesity. — Bordier et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13113950

[13] The effect of a new mixture of sugar and sugar-alcohols compared to sucrose and glucose on blood glucose increase and the possible adverse reactions: A phase I double-blind, three-way randomized cross-over clinical trial. — Mohsenpour et al., 2019, Endocrinologia, diabetes y nutricion. DOI: 10.1016/j.endinu.2018.12.008

[14] Xylitol vs glucose: effect on the rate of gastric emptying and motilin, insulin, and gastric inhibitory polypeptide release. — Salminen et al., 1989, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.1093/ajcn/49.6.1228

[20] Erythritol: An In-Depth Discussion of Its Potential to Be a Beneficial Dietary Component. — Mazi et al., 2023, Nutrients. DOI: 10.3390/nu15010204

冒頭の写真: 青いボウルに入れられた、キシリトールを含むチューインガムの写真。(写真: Kotivalo / CC0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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