妊娠中の運動で体重の増え方は変わるか 血糖と出産まで追った比較試験

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出産の結果には、体重と別の評価軸がある

Andargieらによる出産結果のメタ分析では、無作為化比較試験16件の統合で、帝王切開の相対リスクは0.66、95%信頼区間は0.55〜0.80だった。経腟分娩の割合は高く、分娩の第1期は平均で短かった。一方、器械を用いる分娩、分娩第2期の時間、出生体重などには有意差がみられなかった。[11]

運動群と対照群を合わせた参加者は3,387人だった。出産方法の割合と分娩にかかる時間を分けて集計することで、運動を加えた後の経過を複数の面から検討している。出生体重まで一様に変化したという結果ではなく、差があった項目と差が明確でなかった項目が並んでいる。[11]

別の評価軸に、骨盤底筋、つまり骨盤の底を支える筋肉の訓練がある。Zhangらの系統的レビューとメタ分析は30研究、6,691人を扱った。骨盤底筋の訓練を単独、または身体活動プログラムの一部として行う介入で、尿漏れの相対リスクは0.72、95%信頼区間は0.59〜0.87だった。[3]

重度の会陰裂傷にも減少がみられたが、会陰切開には明確な差がなかった。会陰の裂傷と医療者が行う切開は、この研究で別々に集計されている結果である。「出産時の傷をすべて防ぐ運動」と言い換えると、研究の答えから離れてしまう。訓練を考える際も、何の予防を期待しているかを具体的にしたい。[3]

水中運動を調べたRodríguez-Blanqueらの無作為化比較試験では、妊婦129人を通常のケアのみの群と、妊婦向けの水中運動を加える群に分けた。研究者が指導する週3回のプログラムで、出産後に会陰の損傷がない状態を保つオッズは、出生体重を調整した解析でも運動群のほうが高かった。[20]

その調整後のオッズ比は8.57だったが、95%信頼区間は1.85〜39.68と広い。解析では妊娠初期と後期の体重やBMI、出産経験、麻酔の使用、出生体重も交絡の候補として調べた。交絡とは、運動と結果の関係に別の条件が関わることだ。母体の体重増加と、会陰の損傷がない状態との関連は明確でなかった。[20]

骨盤底筋の解析で、重度の会陰裂傷の相対リスクは0.50、95%信頼区間は0.31〜0.80だった。対して会陰切開では0.95、95%信頼区間は0.85〜1.07となった。訓練の結果を尿漏れだけでなく、出産時の異なる処置や損傷ごとに集計したことで、差の現れ方も具体的になっている。[3]

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強さを上げれば答えが大きくなるわけではない

健康な妊婦の高強度運動を扱ったLiuらのメタ分析は、無作為化比較試験16件を集めた。妊娠糖尿病の発症には減少がみられた一方、体重増加量の平均差は−0.91 kg、95%信頼区間は−1.96〜0.14 kgで、体重についての差は統計的に明確ではなかった。強い運動ほど体重増加をよく抑える、と一方向には整理できない。[13]

早産、出産時の妊娠週数、出生体重、低出生体重の割合なども、対照群との有意差は確認されなかった。ただし、有意差がないという結果は、あらゆる妊婦とあらゆる実施環境で危険がないという証明にはならない。この解析の対象は健康な妊婦であり、高強度の運動を自己判断で始める根拠に広げない。[13]

安全性については、何が測られたかも確かめたい。健康な妊婦を扱ったPaulsenらのレビューでは、有害事象や研究からの脱落に差はみられなかったが、自然流産を報告した研究はなかった。報告された有害事象の結果と、報告のない結果を混同しないことが、安全という言葉を使う際の大切な境界になる。[1]

運動と別の生活変更を組み合わせても、利益が必ず増えるとは限らない。妊娠糖尿病の危険因子を持つ妊娠希望者167人を割り付けたSujanらの試験は、運動と食べる時間を制限する方法を妊娠前から続けて調べた。妊娠したのは111人で、妊娠28週の糖負荷検査の測定値には、有意な改善が認められなかった。[15]

ここで測られたのは糖を飲む検査の2時間後の血糖である。平均差は0.48 mmol/L、95%信頼区間は−0.05〜1.01 mmol/Lだった。運動に食事の時間制限を足した結果を、運動単独の効果にも、一般の食事の効果にも分解できない。妊娠中に自分で食べる時間を狭める提案にはしない。[15]

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よくある誤解

「運動を続ければ、産後の気分の落ち込みも防げる」と、期待を広げすぎないようにしたい。Collらの試験は、運動の禁忌がない妊婦639人を割り付け、妊娠中に有酸素運動と筋力運動を組み合わせた監督下のプログラムを実施した。産後3か月の抑うつ症状の点数にも、スクリーニングで陽性となる割合にも、有意差は認められなかった。[17]

この試験では、定められた出席基準を満たした人の割合が40.4%と低かった。実施できた程度が効果の推定を弱めた可能性はあるが、予定どおり運動できたら確実に防げると逆算はできない。気分の不調が生じた人に、運動を続けなかったことへの反省を求める研究でもない。[17]

「組み合わせれば、どちらも確実に実行できる」という見方にも距離を置きたい。運動と食べる時間の制限を併用した試験では、妊娠中に両方の条件を守る程度が下がっていた。計画の項目が増えることと、日常で実行できることは別の問題だ。実行できなかった経過も試験の結果の一部であり、理想の予定表だけを取り出さないほうがよい。[15]

「体重の増加を抑えた研究だから、食事を減らすほどよい」という解釈も飛躍になる。身体活動の介入で示されたのは、通常のケアと比べた経過であって、体重の増加を止めるための食事制限を全員に割り当てた結果ではない。自分の体重目標、運動の可否、血糖の治療は主治医に確認し、集団の結果を個人への採点に使わない。[10]

今日からできること

  • 主治医から自転車運動の許可を得たら、担当医と指導者が示した回数で、指導付きの運動に取り組む曜日を決める。示された負荷と時間に沿って、自転車運動を参加するプログラムに組み込む。[19]
  • 妊娠糖尿病と診断され、担当医が筋力運動を認めた人は、担当医と指導者が示した回数で、教わった運動を行う曜日を決める。食事支援と並行して取り組み、インスリンや食事療法の変更は担当医に任せる。[7]
  • 妊婦向け水中運動への参加が認められたら、担当医と指導者が示した回数で、通える曜日を決めて申し込む。妊婦向けに設計され、指導のあるプログラムを選び、実際に参加する日を具体化する。[20]
  • 骨盤底筋の訓練を教わる日を決め、指導を受けた動かし方を日常のどの場面で行うか選ぶ。単独の訓練と、身体活動プログラムに組み込んだ訓練を扱った研究がある。指導された回数を、家で続ける機会に結び付ける。[3]
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妊娠中の運動、常温のマタニティヨガという選択肢

妊娠中に参加する運動の場を探す人に向けて、オンザショア立川店には常温のレッスンがある。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加を考える際には、妊娠経過に応じた運動の可否と負荷を主治医に相談しておく。

店舗があるのは東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。妊婦向けレッスンのために訪れる際の最寄りはJR立川駅で、北口から徒歩1分の場所だ。全曜日の営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。通える曜日を考える際は、この営業時間とレッスンごとの開催時刻を分けて見る。

店内では溶岩プレートを敷いたスタジオでホットヨガを行い、ほかに常温のヨガやピラティスも扱う。ヨガの種類数は25以上で、妊娠中の参加対象として案内されているのは常温のマタニティヨガである。店舗の案内 と 料金のページ に利用に関する情報がある。妊娠中の運動先を選ぶときは、主治医に伝えられるよう参加したい常温のレッスン名を控える。

参考文献

[1] The Effects of Exercise during Pregnancy on Gestational Diabetes Mellitus, Preeclampsia, and Spontaneous Abortion among Healthy Women-A Systematic Review and Meta-Analysis. — Paulsen et al., 2023, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph20126069

[2] Exercise during pregnancy for preventing gestational diabetes mellitus and hypertensive disorders: An umbrella review of randomised controlled trials and an updated meta-analysis. — Martínez-Vizcaíno et al., 2023, BJOG : an international journal of obstetrics and gynaecology. DOI: 10.1111/1471-0528.17304

[3] Influence of pelvic floor muscle training alone or as part of a general physical activity program during pregnancy on urinary incontinence, episiotomy and third- or fourth-degree perineal tear: Systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials. — Zhang et al., 2024, Acta obstetricia et gynecologica Scandinavica. DOI: 10.1111/aogs.14744

[4] Aerobic or Resistance Exercise for Improved Glycaemic Control and Pregnancy Outcomes in Women with Gestational Diabetes Mellitus: A Systematic Review. — Keating et al., 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph191710791

[7] Effects of resistance exercise on blood glucose level and pregnancy outcome in patients with gestational diabetes mellitus: a randomized controlled trial. — Xie et al., 2022, BMJ open diabetes research & care. DOI: 10.1136/bmjdrc-2021-002622

[10] Association of Antenatal Diet and Physical Activity-Based Interventions With Gestational Weight Gain and Pregnancy Outcomes: A Systematic Review and Meta-analysis. — Teede et al., 2022, JAMA internal medicine. DOI: 10.1001/jamainternmed.2021.6373

[11] Effects of physical exercise during pregnancy on delivery outcomes: Systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. — Andargie et al., 2025, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0326868

[13] The effects of high intensity exercise on pregnancy outcomes and complications during pregnancy: a meta-analysis of randomized controlled trials. — Liu et al., 2025, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-025-05730-4

[15] Time restricted eating and exercise training before and during pregnancy for people with increased risk of gestational diabetes: single centre randomised controlled trial (BEFORE THE BEGINNING). — Sujan et al., 2025, BMJ (Clinical research ed.). DOI: 10.1136/bmj-2024-083398

[17] Efficacy of Regular Exercise During Pregnancy on the Prevention of Postpartum Depression: The PAMELA Randomized Clinical Trial. — Coll et al., 2019, JAMA network open. DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2018.6861

[19] A randomized clinical trial of exercise during pregnancy to prevent gestational diabetes mellitus and improve pregnancy outcome in overweight and obese pregnant women. — Wang et al., 2017, American journal of obstetrics and gynecology. DOI: 10.1016/j.ajog.2017.01.037

[20] Randomized Clinical Trial of an Aquatic Physical Exercise Program During Pregnancy. — Rodríguez-Blanque et al., 2019, Journal of obstetric, gynecologic, and neonatal nursing : JOGNN. DOI: 10.1016/j.jogn.2019.02.003

冒頭の写真: ポーランドのニエポウォミツェにあるブウォニャ公園の散歩用の歩道(写真: Igor123121 / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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