β遮断薬を飲む人の体重と運動の目安 心拍が上がりにくい体で汗をかく

心拍数を測定するための機器であるハートレートモニターを写した写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

運動が楽になる結果も、病気の条件と一緒に読む

高血圧のある男性ジョガー14人を調べた別の試験では、アテノロールでトレッドミルの運動時間、最大酸素摂取量、心拍数がプラセボより低下した。比較薬はプラゾシンで、プラセボを含むクロスオーバー試験だったが、盲検化はされていなかった。自転車運動中の心拍出量にも低下があり、著者らは活動的な高血圧患者で運動能力を妨げる可能性を述べている。[13]

ジョガーの試験では、両薬とも安静時の収縮期血圧と拡張期血圧を下げた。運動中の拡張期血圧の低下も同程度だったが、収縮期血圧が下がったのはアテノロールだけだった。アテノロールでは1回の拍動で送る血液量と、動脈血・静脈血の酸素量の差が増加しながら、心拍出量は低下していた。参加者のうち10人は、忍容性の面でプラゾシンを好んだ。[13]

さらに、治療する病気が変わると、心拍数が下がることと運動能力が上がることが同時に起こる試験もある。体位性頻脈症候群の患者11人と健康な人7人を対象とした無作為化二重盲検試験では、プラセボとプロプラノロールの単回低用量を比べた。運動には、半ば寝た姿勢で使う自転車を用いた。[15]

患者群では最大酸素摂取量が、プラセボ時の24.5からプロプラノロール時の27.6mL/min/kgへ改善した。健康な人では改善がなかった。患者群の改善は、最高心拍数が抑えられ、心臓が一度の拍動で送り出す量が増えたことと結びついていた。別の患者集団で調べた高用量のプロプラノロールとメトプロロールは、心拍数を同じように下げても最大酸素摂取量を改善しなかった。[15]

体位性頻脈症候群の試験では、最高心拍数はプラセボ時の165からプロプラノロール時の142回/分へ低下し、1回拍出量は67から81mLへ増えた。運動に伴う心拍の上昇を抑えながら、1回の拍動で送る量が増えた組み合わせである。酸素摂取量は投与から1時間後に測られ、単回投与の反応として評価された。[15]

運動による変化を薬がすべて妨げると考えるのも早い。重症熱傷のある7〜18歳の子ども58人を対象にした無作為化試験では、プロプラノロールを使う群と使わない群が、入院中に12週間の筋力運動と有酸素運動を行った。筋力、除脂肪量、ピーク酸素摂取量は両群で開始前より増え、酸素摂取量の変化率は投与群のほうが大きかった。[14]

熱傷の試験で参加したのは、体表面積の30%以上に熱傷を負った子どもだった。プロプラノロール群は27人、対照群は31人で、年齢、入院期間、熱傷の面積には群間の差がなかった。入院中の筋力運動と有酸素運動の前後を比較し、筋力と除脂肪量、酸素摂取量の改善を両群で確認している。[14]

レビューでは、急性投与は筋肉の局所的な代謝を変え、持久的な運動能力を低下させる一方、長期投与の影響には議論があると整理されている。[20] 改善の報告は、体位性頻脈症候群の単回投与試験[15]や重症熱傷の子どもの運動試験[14]で得られた個別の結果である。対象となる病気と試験期間が、それぞれの結論の背景にある。

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健康な人の短期投与でも、心拍と酸素は別に動く

健康な男性10人を対象にした二重盲検試験では、メトプロロール、プロプラノロール、プラセボの条件で、疲労困憊に至るまで負荷を上げるトレッドミル検査を行った。薬は運動前の48時間に投与され、投与条件の間には5日間を置いた。条件の順序は無作為に決められている。[17]

この試験では、心拍数、動脈圧、酸素摂取量、換気量、二酸化炭素産生を追い、運動時の血中薬物濃度も測った。同じ経口用量を与えても、両薬とも血中濃度には大きなばらつきがあった。血中濃度から評価すると、心拍を抑える作用はプロプラノロールのほうが約3倍強かったという。[17]

両薬は運動時の収縮期血圧の上昇を抑えた一方、拡張期血圧、最大酸素摂取量、最大換気量、無酸素性作業閾値には影響しなかった。無酸素性作業閾値は、運動負荷を増す中で代謝の変化を捉える指標である。著者らは、この短期の最大運動に対する反応で、心臓選択性のあるメトプロロールがプロプラノロールより優れる証拠はなかったと結論している。[17]

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よくある誤解

「体重が増えた分だけ、血糖の治療も悪くなっているはずだ」という読み違えがある。GEMINIの解析では、体重と血糖管理の指標を別々に調べている。体重だけで治療全体の成否を判断するより、体重の推移と血液検査を分けて主治医に示すほうが、この研究の測り方に沿っている。[11] 気になるのが衣服のきつさでも、受診時には検査値の説明も聞いておきたい。

「心拍が上がらないなら、その日は薬を抜けば運動しやすい」という考えには、安全面の問題がある。運動負荷検査前のβ遮断薬の扱いを検討したナラティブレビューは、急な中止が反跳現象を起こす可能性を指摘した。反跳現象とは、中止によって作用と反対向きの反応が起きることを指す。レビューは有効な無作為化試験が乏しい中で、指針間の不一致を検討したものである。[6]

著者らは検査前の用量の扱いについても提案しているが、それを日常の運動前の服薬方法として転用しない。この研究が扱ったのは医療者の管理する検査の準備であって、汗をかきたい日の自己調整ではない。検査を受ける場合も普段運動する場合も、薬の変更は主治医の指示に従う。中止の危険が指摘されている以上、低い心拍を直すために自分で薬を抜くことは避ける。[6]

「薬の仲間に新しい種類があれば、運動にも必ず有利だ」とするのも行き過ぎである。レビューは、血管を広げる追加の性質を持つ薬や、代謝面の特徴を整理する一方、急性投与と長期投与の運動への影響を分け、長期の影響には議論があるとしている。[20] 薬の世代や分類の呼び名だけを、読者自身の運動の安全性や減量の保証に置き換えないことが大切だ。

ここまでの研究の多くは、運動能力や循環の変化を評価している。長く続けた結果どれだけ体脂肪が減るかという問いとは、測っているものが違う。[5][13][15][18] 目の前の運動の評価と長期の体重管理をつなぐときには、検査で得た結果と、生活の中の変化を混ぜずに扱いたい。

研究の条件には幅がある。健康な男性への短期投与、甲状腺機能亢進症の安静時測定、入院中の子どもの運動は、それぞれ対象と評価項目が違う。個人の減量幅や共通の目標心拍を決める研究として扱わず、体重、運動能力、治療上の利益を分けて考える。[4][14][17]

今日からできること

  • 運動を許可されている人は、普段の有酸素運動を続ける日に、開始する時刻と終了する時刻を決めて取り組む。持久的な運動能力と本人のきつさを調べた試験にならい、時計の心拍を上げることだけを目標にせず、きつさにも目を向ける。[5]
  • 許可された筋力運動を行う日を週の中で決め、有酸素運動とは別に続ける機会を設ける。筋力と有酸素の両方を行った熱傷の試験では、12週間後に筋力と除脂肪量が両群で増えた。試験の対象は入院中の子どもで、実際に行う種目や負荷は自分の治療上の制限に合わせる。[14]
  • すでに日常で行っている歩行などの運動は、無理なく行える区間の始点と終点を決めて動く。走者の試験では2マイル走のタイムと心拍を別々に測っていた。自分の区間でも、心拍の高さだけでなく、区間を動けたことを運動の成果として扱う。[18]
  • 次の受診では、体重の推移と血糖・血圧の検査結果を一緒に示し、気になる変化を伝える。GEMINIの5か月の解析では、体重変化とHbA1c、インスリン抵抗性、血圧の変化に有意な関連がなかった。[11]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

β遮断薬とヨガ、脈の数字を追う前に

β遮断薬の服用中にヨガを取り入れるなら、オンザショア立川店では常温で行うヨガの内容から参加を検討する。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休。通う日の運動を考える際には、開いている時刻と参加できる条件の両方が関わる。

医師から運動を止められている方は利用できない。β遮断薬を処方されている人は、暑い環境での運動が可能か主治医に尋ね、溶岩ホットヨガより先に常温のヨガを候補にする。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガのレッスンは25種類を超え、溶岩プレートのあるスタジオで行うホットヨガもある。ヨガを体験する60分には税込1,980円がかかり、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットを借りられる。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fが店の所在地となる。店の案内と料金の案内に利用情報がある。脈が上がりにくい日の運動も、主治医から伝えられた条件の中で、常温のヨガを選択肢に加える。

参考文献

[4] Acute effect of propranolol on resting energy expenditure in hyperthyroid patients. — Senn et al., 2022, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2022.1026998

[5] Exercise tolerance with nebivolol and atenolol. — Van Bortel et al., 1992, Cardiovascular drugs and therapy. DOI: 10.1007/BF00051145

[6] By Discontinuing Beta-Blockers Before an Exercise Test, We may Precipitate a Rebound Phenomenon. — Koracevic et al., 2021, Current vascular pharmacology. DOI: 10.2174/1570161119666210302152322

[11] Body weight changes with beta-blocker use: results from GEMINI. — Messerli et al., 2007, The American journal of medicine. DOI: 10.1016/j.amjmed.2006.10.017

[13] Effect of atenolol or prazosin on maximal exercise performance in hypertensive joggers. — Thompson et al., 1989, The American journal of medicine. DOI: 10.1016/0002-9343(89)90143-5

[14] Effects of propranolol and exercise training in children with severe burns. — Porro et al., 2013, The Journal of pediatrics. DOI: 10.1016/j.jpeds.2012.09.015

[15] Low-dose propranolol and exercise capacity in postural tachycardia syndrome: a randomized study. — Arnold et al., 2013, Neurology. DOI: 10.1212/WNL.0b013e318293e310

[17] The effects of a cardioselective (metoprolol) and a nonselective (propranolol) beta-adrenergic blocker on the response to dynamic exercise in normal men. — Sklar et al., 1982, Circulation. DOI: 10.1161/01.cir.65.5.894

[18] Effect of doxazosin or atenolol on exercise performance in physically active, hypertensive men. — Fahrenbach et al., 1995, The American journal of cardiology. DOI: 10.1016/0002-9149(95)80032-n

[20] Cardio-selective beta-blocker: pharmacological evidence and their influence on exercise capacity. — Ladage et al., 2013, Cardiovascular therapeutics. DOI: 10.1111/j.1755-5922.2011.00306.x

冒頭の写真: 心拍数を測定するための機器であるハートレートモニターを写した写真(写真: Vi..Cult… / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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