腹筋の筋トレは腰を床へ押しつける?ホローボディで脚を下ろす時の確認点

ホローボディで脚を下ろすとき、腰を床へ押しつける動作が腹筋の合格点かは、骨盤の向きと脚の高さで分かれる。活動的な若い女性26人では、腹を凹ませるより骨盤を傾けるほうが腹直筋と外腹斜筋の活動が高かった。男性18人は腰を平らにできても、脚下ろしの安定は誰も保てなかった。

脚を下ろし始めた途端、腰の下に隙間が戻る。ホローボディの動画を止め、マットの上で骨盤の向きを確かめる。腰を床へ押しつける指示は守ったつもりなのに、脚を動かすと同じ形が続かない。最初に床へ触れたことと、動いている間もその位置を保つことは、分けて考える必要がある。

その貼り付きを、合格印にしてよいか。男性15人の比較では、骨盤を後ろへ傾けた位置を揃えて両脚を下ろすと、腹筋の活動は膝を曲げたカールより大きかった。いっぽう、腰を平らにする動き自体はできても、脚を下ろす最中に腰を安定させられた人は、調べた若い男性18人のうち一人もいなかった。いずれも男性の比較であり、18〜39歳の女性へそのまま当てはめるには追加の検証が必要である。[1][3]

既存記事「下腹のレッグレイズは膝を曲げると楽になる?脚の重さと腰を支える働きを読む」には、膝を曲げて脚の重さを変える話を譲る。既存記事「ピラティスのニュートラルは腰を床につけること?骨盤の位置を確かめる目安」には、ニュートラルという言葉の定義を譲る。こちらは膝を伸ばして脚を下ろすとき、腰と床の接触を点数にしてよいかを見る。動画の名前はホローボディでも、実験が比べているのは両脚を伸ばして下ろす運動と、骨盤を後ろへ傾けた姿勢である。

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腰を床へ押す前に、骨盤の角度を揃えた比較がある

まず、手の甲の痛さを腹筋の量だと思わないことである。床へ押しつける強さと、骨盤が後ろへ傾いた位置に留まっていることは、同じ測定ではない。実験で腰の位置を扱ったときは、押しつけの勝負ではなく、骨盤の角度を条件として固定していた。

男性15人を対象にした前向きの比較では、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の筋電図を、膝を曲げて行う等尺性のカールと、両脚を伸ばして下ろす運動で記録した。筋電図とは、筋肉が活動するときの電気的な信号である。二つの運動のあいだで、骨盤を後ろへ傾けた同じ位置を、骨盤に付けた角度計のフィードバックで保った。男性15人の運動比較であり、18〜39歳の女性でも同じ筋活動になるかは別に確かめる必要がある。[1]

この固定が要る理由は、過去の比較にある。骨盤の位置を揃えずにカールと両脚下ろしを比べた研究は、両脚下ろしのほうが腹筋への要求が大きい、という見方を支持していなかった。位置を揃えて測り直すと、両脚下ろしのほうが腹筋の活動が有意に大きかった。腰を床へ押しつける家庭の合図を、この結果のまま「強く押すほど正しい」と読むのは飛躍である。実験が揃えたのは、後ろへ傾いた位置のほうだった。[1]

同じ両脚下ろしのなかでも、組み合わせは一つではなかった。一つ目は腹直筋と外腹斜筋が高く内腹斜筋が低い。二つ目は腹直筋が低く、外腹斜筋と内腹斜筋が高い。結論が支持するのは、骨盤を後ろへ傾けた両脚下ろしを、腹筋の協同を大きくする運動として使うことまでである。腰痛が取れることや、下腹の形が変わることは、この比較の結論ではない。[1]

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腰を平らにできることと、脚を下ろしながら保つことは別だった

骨盤を後ろへ傾ける動きだけなら、多くの人ができる。問題は、その平らさを脚の下降に付き添わせられるかである。筋骨格の既往がない男性18人(19.27±3.5歳)が、骨盤を後ろへ傾ける試験と、両脚を伸ばして下ろす試験の両方を行った。目的は、腹筋が強い人について、後傾できるか、脚下ろしのあいだ腰を安定させられるか、腹筋の筋電図はどうか、を見ることだった。18〜39歳の女性に、男性18人の成績をそのまま当てはめることはできない。[3]

分散分析の結果、ほとんどの参加者は骨盤後傾の試験をこなした。自分から腰を平らにし、その質は普通か良好と判定されている。それでも、両脚下ろしのあいだ腰を安定させられた者は一人もいなかった。カールが楽にできる人でも腰の安定は別、という研究の書き出しは、このゼロ人で具体になる。腹筋の筋トレで腰を床へ貼り付けたまま脚を最後まで下ろせ、という動画の完成形は、この18人の試験では出現していない。[3]

後傾の試験中は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋のどれも活動し、部位のあいだに有意な差はなかった。差が出る気配があったのは、腰を安定させようとしながら脚を下ろしたときである。股関節の屈曲角度が70度から20度のあいだ、外腹斜筋が左右とも、腹直筋と内腹斜筋より高くなる傾向が見られた。70度は脚がまだ斜めに高い位置、20度は床へかなり近い位置である。手の甲が腰の下から抜けるタイミングを、この角度の帯と重ねて観察する材料にはなる。抜ける感覚そのものが外腹斜筋の数値だ、という読み替えはできない。[3]

腰の下の圧も、この試験では測っている。見ている成否は二つで、平らにできたかと、脚を下ろす最中に安定を保てたかである。腰が床に触れた静止画だけを採点すると、二つ目を見落とす。[3]

骨盤を後ろへ倒しても、太ももの前は黙らないことがある

腰を床へ押しつける合図の隣には、もう一つよくある説明がある。骨盤を後ろへ倒せば、太ももの前は休んで、腹筋だけが働く、という説明である。男性16人に、仰向けで両脚を伸ばし、足を板から約5センチの高さに止めた状態で筋電図を取った研究は、その説明をそのままにはしない。骨盤は前傾、中間、後傾の3通り。比べたのは腹直筋の上部と下部、外腹斜筋、下腹部の安定に関わる筋、大腿直筋、大腿二頭筋である。男性16人の比較なので、18〜39歳の女性が同じ反応を示すかは、この結果だけでは決められない。[4]

腹直筋の上部と下部は、後傾が前傾より大きかった。同時に行った別の運動、膝を約45度に曲げ、ハムストリングスと腹筋を一緒に働かせるヤンダの上体起こしも、前傾より大きかった。有意差は、ヤンダがp0.01未満、後傾がp0.05未満、という対応だった。中間の骨盤での腹直筋は、ヤンダより小さく、後傾とは有意な差がなかった。後傾をさらに強くすることが、中間からの一段上の腹筋スイッチになる、とまでは言えない結果である。[4]

外腹斜筋と、下腹部の安定に関わる筋には、条件のあいだで有意差がなかった。大腿直筋、つまり太ももの前も、3つの骨盤の向きのあいだでは有意差がなかった。骨盤を後ろへ倒したから股関節の屈筋が静まる、という期待は、この約5センチの保持では確認されていない。大腿直筋の活動が低く、腹直筋の上部と下部が高かったのは、骨盤の向きを変えた条件ではなく、ヤンダの上体起こしのほうだった。ハムストリングスを一緒に働かせたことが、大腿直筋を下げる側に効いていた、と研究はまとめている。[4]

膝を曲げて脚の梃子を変える話は、冒頭で譲ったレッグレイズの記事の側である。膝を伸ばしたまま足を約5センチで止めるなら、この16人の結果が近い。骨盤の位置は体幹と股関節の一部の活動を変えた。ただし腹直筋が上がることと、太ももの前が下がることは、セットではなかった。対象は男性16人なので、18〜39歳の女性の感覚へ数値を写す前に、対象の違いを残す。終着で腹直筋が前傾より高くても、70度から20度の途中で腰の安定を保てたかは別の問いである。[3][4]

数字で読む脚下ろしと腰の接触

男性15人。骨盤を後ろへ傾けた位置を揃えて、両脚下ろしとカールの腹筋活動を比べた人数である。[1]

女性26人。骨盤を傾ける運動と、腹を凹ませる運動を、脚の支えが違う3姿勢で比べた人数である。[2]

男性18人中0人。腰を平らにする後傾はできても、両脚下ろしで腰を安定させられた人はいなかった。[3]

約5センチ。男性16人が、骨盤の向きを変えて両脚を止めたときの、足と板の距離である。[4]

15.4度と36.9度。18〜29歳の男女各50人で、両脚下ろし試験の水平からの平均角度である。女性の目標値ではない。[5]

40mmHgに5mmHg。膝を立てて腹を凹ませるとき、基準の圧と、正しく行えた増加幅である。15mmHgは全員が不正解だった。[7]

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宮川涼 Founder

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