インスリンを始めると体重が増える理由 糖尿病の治療と付き合う食事と運動

先端や薬液の入る部分投与量の表示窓などに記号を付けたインスリンペン 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

食事と運動は、治療に並走する支援として考える

食事や運動を頑張ればインスリンの問題がすべて解決する、と期待するのも、薬を使ったから生活面でできることはない、と考えるのも急ぎ過ぎである。インスリンに関連する体重増加のレビューは、生活習慣の変更と医療上の介入の両方を検討対象に置いている。どの治療を使うかと、日常の支援をどう続けるかは一緒に扱える。[2]

ただし、今回扱う文献にある生活支援の説明は主にレビューによる整理だ。食事や運動についての教育は短期の減量につながる一方、長期の体重管理は維持できていなかったとするレビューがある。著者は、長く体重を管理するには治療の経過を通じた継続的な介入が必要かもしれないと述べている。短い期間の支援を受けたら、後は一人で同じ成績を保てるという見通しは立てにくい。[4]

この結果を生活へ移すなら、食事を変えた直後の成績だけで支援を終えない、という問いが生まれる。「食事指導を受けた」から「今の治療に合わせて、見直す機会が続いている」へ。毎回新しい健康法を追加することよりも、既存の支援を受け直せるかを検討する。短期の変化を支えた支援を、長期にもつなぐ考え方である。[4]

運動を日常に取り入れる際には、主治医と運動の可否や低血糖への対応を共有する。食事と運動を生活習慣の変更として扱ったレビューは、薬の特徴と合わせて体重増加への対策を整理している。生活で取り組む部分と、診療で調整する部分をつなぐ支援だ。[2]

診察の場面を想像すると、体重の相談は「もっと努力する」で閉じる必要がない。食事を見直す支援が続けられるか、今の運動の内容を続けてよいか、治療による変化をどの指標で評価するか。こうした別々の問いを持てば、体重の悩みを生活だけに押しつけずに話せる。体重管理の選択肢を生活面と医療面にまたがって考えることが、レビューの枠組みに合う。[2][4]

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併用薬の比較は、体重だけの順位表にしない

薬を足した群で体重増加が小さかった研究があっても、その結果をすべての人に当てはめられない。開始時の体格を調べた研究では、メトホルミン併用によりインスリン必要量の増加は小さかったが、体重増加やHbA1cの低下は非併用と有意に違わなかった。摂取エネルギーを測った小さな研究と、体重について同じ結果にはならなかった。[17][6]

この食い違いは、体重管理を考えるうえで役立つ。薬が同じ名前でも、対象、治療の条件、評価した指標まで同じとは限らないからだ。必要なインスリン量が変わることと、体重が変わることも別の結果である。主治医に「体重にはどのくらいの変化を期待できるか」と聞く際には、血糖管理や治療量への影響と分けて聞きたい。[17]

リラグルチドという薬と基礎インスリンの併用を、食事時と基礎のインスリンを組み合わせる治療の継続と比べた小規模試験もある。研究は50人を登録し、重いインスリン分泌不足を除くなどして、25人を無作為に割り付けた。24週間で併用群はHbA1cと体重が下がり、比較群の体重は増えた。治療満足度も併用群で改善した。[13]

この試験では、朝食前と昼食前の自己測定血糖も併用群で有意に低下した。一方、血中脂質、肝機能、腎機能にはどちらの群も有意な変化がなかった。主な評価項目はHbA1cの変化で、体重、自己測定血糖、治療満足度が副次的な評価項目だった。変化した項目と変化しなかった項目を合わせると、試験が描いた治療の姿が見えてくる。[13]

血糖改善が、必ず追加の体重増加と組になるわけでもない。インスリンで管理が不十分な2型糖尿病の390人を対象とした二重盲検の無作為化試験では、アログリプチンの追加を偽薬と26週間比べた。実薬群のHbA1c低下は大きく、体重増加は各群0.6〜0.7kgで同程度だった。低血糖を経験した人の割合も群間で違わなかった。[18]

「体重増加なし」という論文題名の表現も、開始時から体重が全く動かなかったという意味で読むと誤る。ここでは比較群を上回る増加をもたらさずに血糖管理が改善した、という読み方になる。薬の利益と負担を比べる際には、比較対象が何かを確かめることが欠かせない。[18]

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増えた体重の中身と、守りたい治療の利益

体重計が増えたとき、それをそのまま内臓脂肪の増加と呼ぶこともできない。インスリン使用中で肥満のある2型糖尿病の25人を対象にした無作為化試験では、治療強化に加えてピオグリタゾンを使う群と偽薬群を12〜16週間比較し、画像検査で脂肪の分布などを測った。[15]

体重増加は併用群4.9kg、インスリン単独群1.7kgだった。併用群では皮下脂肪と除脂肪量が有意に増えた。除脂肪量とは脂肪を除いた体の量で、筋肉だけを指す数値ではない。一方、内臓脂肪は両群で減る方向だったが、統計的に有意ではなかった。体重の差を、そのまま内臓脂肪の差へ読み替えられない例である。[15]

測定には、体の組成を見る二重エネルギーX線吸収測定法と腹部のCTが使われた。併用群で増えた除脂肪量は1.92kgだった。血糖管理はインスリン単独群でHbA1cが7.8%から7.2%へ、併用群で7.6%から7.1%へ改善している。血糖が両群で改善する中で、脂肪の分布と除脂肪量には異なる変化が現れた。[15]

治療の優先順位について、2018年のレビューは明確な立場を取る。進行した糖尿病で必要となったインスリン補充による血糖管理は、体重増加よりも優先度が高いと評価している。これはレビューの結論であり、個人の体重問題は併せて検討すべき課題として残る。体重の不安が必要な治療を妨げないようにする、という位置づけで読むべきだ。[1]

「体重が減れば治療は成功」「増えれば失敗」という採点から離れることは、体重管理を諦めることと違う。血糖を管理する目的を守ったうえで、体重への負担を主治医と検討する。レビューの示す優先順位は、この順序を支えるものである。[1]

よくある誤解

「体重が増えるのは、本人の食事管理ができていないから」と決めつけると、治療を受け止める心理面が抜ける。インスリン関連の体重増加を扱うレビューは、不安によって開始が遅れることや、治療強化が難しくなる問題も扱っている。体重を相談する行為そのものが、治療を続けるための議題になり得る。[2]

「基礎インスリンなら、低血糖も体重増加も気にしなくてよい」と読むのも行き過ぎだ。レビューは基礎インスリンの類似製剤について、従来のヒトインスリン製剤より作用の時間的な特徴、低血糖リスク、体重増加の点で利点を持つ可能性を述べている。比較上の利点は、リスクがなくなることまで保証しない。[2]

「体重が軽い人は、この相談の対象外」という線引きにも注意したい。開始時BMIの異なる群で増加の危険は近かったという研究は、現在の体格だけで話を終えない理由になる。体重の増え方を、その人の治療経過の一部として扱う方が研究の問いに近い。[17]

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今日からできること

  • 食事指導を受けている人は、指導で決めた量を基準に食事を用意する。まず朝食など取り組む食事を選び、週に何回その量で食べるかを生活に合わせて決める。摂取エネルギーも測った比較研究では、併用群で摂取量が減り、体重増加も小さかった。[6]
  • 運動が可能とされている人は、食事と注射の時刻を踏まえ、運動を入れる曜日と開始時刻を決める。低血糖時の対応を主治医と共有したうえで、続けられる回数から日常に組み込む。食事と運動を併せて扱う生活面の対策が、レビューで整理されている。[2]
  • 食事・運動の教育を受けられる人は、単発で終わらせず、継続して参加する間隔を決める。月に何回なら参加できるかを生活の中で考え、次の機会にも足を運ぶ。レビューは、短期の減量後にも治療の経過を通じて生活支援を続ける必要性を挙げている。[4]
  • 体重とHbA1cの結果をインスリン開始前後で並べ、食事・運動の支援を受け直す間隔を何か月ごとにするか主治医と相談する。開始前の体重減少とHbA1c上昇が、その後の大きな増加に先行した研究がある。注射や併用薬は自己判断で変えない。[10][4]

インスリン治療のある日々に、ヨガの選択肢

インスリン治療中にヨガへの参加を検討するなら、オンザショア立川店には常温で行うヨガもある。ヨガのレッスンは25種類を超え、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガも実施している。

インスリン使用中は、低血糖への備えと暑い環境での運動の可否を主治医に相談し、溶岩ホットヨガに参加できるか判断を受ける。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

JR立川駅北口から徒歩1分のエトロワビル3Fが店舗で、住所は東京都立川市曙町2-14-10。8:00〜23:30に営業し、年中無休だ。ヨガ以外にはピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングを扱う。

ヨガを初めて受ける際の体験料金は税込1,980円で、レッスンは60分。バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルも含まれる。料金と体験予約の案内を利用できる。参加する日は、インスリン治療で決めている食事の時刻を守れる往復の行程を立てる。

参考文献

[1] Insulin therapy, weight gain and prognosis. — Hodish, 2018, Diabetes, obesity & metabolism. DOI: 10.1111/dom.13367

[2] Insulin therapy and type 2 diabetes: management of weight gain. — McFarlane, 2009, Journal of clinical hypertension (Greenwich, Conn.). DOI: 10.1111/j.1751-7176.2009.00063.x

[4] Weight gain during insulin therapy in patients with type 2 diabetes mellitus. — Heller, 2004, Diabetes research and clinical practice. DOI: 10.1016/j.diabres.2004.07.005

[6] Causes of weight gain during insulin therapy with and without metformin in patients with Type II diabetes mellitus. — Mäkimattila et al., 1999, Diabetologia. DOI: 10.1007/s001250051172

[9] Course of body weight before and after the initiation of insulin therapy in type 2 diabetes mellitus: Retrospective inception cohort study (ZODIAC 58). — Edens et al., 2021, Endocrinology, diabetes & metabolism. DOI: 10.1002/edm2.212

[10] Determinants of excessive weight gain after the initiation of insulin therapy in type 2 diabetes mellitus: Retrospective inception cohort study (ZODIAC 60). — Edens et al., 2023, Diabetes research and clinical practice. DOI: 10.1016/j.diabres.2023.110719

[13] Comparison of liraglutide plus basal insulin and basal-bolus insulin therapy (BBIT) for glycemic control, body weight stability, and treatment satisfaction in patients treated using BBIT for type 2 diabetes without severe insulin deficiency: A randomized prospective pilot study. — Yamamoto et al., 2018, Diabetes research and clinical practice. DOI: 10.1016/j.diabres.2018.03.032

[15] Effects of intensive insulin therapy alone and in combination with pioglitazone on body weight, composition, distribution and liver fat content in patients with type 2 diabetes. — Shah et al., 2011, Diabetes, obesity & metabolism. DOI: 10.1111/j.1463-1326.2011.01370.x

[17] Weight gain and insulin requirement in type 2 diabetic patients during the first year after initiating insulin therapy dependent on baseline BMI. — Biesenbach et al., 2006, Diabetes, obesity & metabolism. DOI: 10.1111/j.1463-1326.2005.00552.x

[18] Alogliptin added to insulin therapy in patients with type 2 diabetes reduces HbA(1C) without causing weight gain or increased hypoglycaemia. — Rosenstock et al., 2009, Diabetes, obesity & metabolism. DOI: 10.1111/j.1463-1326.2009.01124.x

[20] Four-year evolution of insulin regimens, glycaemic control, hypoglycaemia and body weight after starting insulin therapy in type 2 diabetes across three continents. — Home et al., 2015, Diabetes research and clinical practice. DOI: 10.1016/j.diabres.2015.01.030

冒頭の写真: 先端や薬液の入る部分、投与量の表示窓などに記号を付けたインスリンペン(写真: User:Wesalius, labeled by User:Berchanhimez / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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