座ったままの運動で体は変わるか 椅子で鍛えた筋力と痛み、立ち上がる力

座った姿勢でペダルをこぎ脚を動かす運動に取り組んでいる様子 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

続け方は、冊子、集団、オンラインで違ってくる

8週間の集団プログラムのあと、家で練習が続くか。変形性関節症の高齢者に対する座位ヨガの実施可能性を調べた研究では、集団でのプログラムを終えたあと、ガイドブックを使って家でも続けられるかを検討している。ところが、集団の場を離れた参加者は練習を続けなかった。[19]

この報告を、参加者の意欲が足りなかったという話にしてしまうのは惜しい。運動そのものを受け入れられることと、実施する場がなくなったあとに継続できることは異なる。少なくともこの研究では、説明を手元に残すだけで集団での実践を置き換えられなかった。家に持ち帰るのは動作だけでよいのか、続ける機会も必要なのかという論点が残る。[19]

対面に通うのが難しい人には、オンラインという実施方法も調べられている。複数の慢性疾患を持つ高齢者向けのヨガ試験に組み込まれた質的研究では、オンライン参加者18人と指導者9人に面接した。質的研究は、平均効果を計算する代わりに、経験や困り事を言葉から調べる研究である。[14]

自宅から参加できる利点に加え、接続方法を単純にすること、基本的な映像や音声の使い方を伝えることが参加を助けていた。指導では、短く反復する説明、動作を見せる機会、個人に合わせたやり取り、見えやすい服装などの工夫が挙げられた。参加しやすさを、接続と指導の両面から整えていたのである。[14]

安全面では、画面を通すことで姿勢や位置の情報が限られる点への懸念があった。通う負担が減ることと、指導者に見える情報が減ることは同時に起こりうる。利用する側も、配信があるかだけでなく、説明を理解しやすいか、動きを見てもらえるかという観点で実施方法を選びたい。[14]

一方、平均年齢71歳の地域住民32人を、オンラインのチェアヨガとコンピューターを使う脳のゲームに分けた予備的試験では、両群で認知機能や移動能力などが開始時から追跡時まで改善したものの、群同士の有意な差はなかった。両群とも週2回、1回45分の参加を12週間続けた。[13]

この試験では、参加前にコンピューターの使い方を学ぶ支援があり、実施中も遠隔で監督されていた。学習支援を担ったのは高校生だった。開始時、介入後、3か月の追跡時に、痛みによる生活への妨げ、認知機能、移動能力、コンピューターの技能を測定している。継続率は96.8%と報告された。[13]

さらに、複数の慢性疾患があるヨガ参加者25人への面接では、呼吸と動きを合わせることが、ほかの身体活動には感じなかった精神的な集中につながると語られていた。ただし、経験した変化はわずかなものから大きなものまで幅があり、その後の継続も、やめた人から暮らしに組み込んだ人までさまざまだった。[15]

面接の対象者は66〜91歳で、慢性疾患の数は2〜8だった。25人のうち10人は1回、15人は2回の面接を受け、計40回の面接データになった。健康や加齢の捉え方、ヨガと運動の違い、健康管理の道具としてのヨガ、その後の実践というテーマが抽出された。症状が現れていることを病気と捉え、複数の疾患を持っていても自分の健康を良好と考える参加者が多かった。[15]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

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よくある誤解

「座った運動で筋力が伸びれば、バランスも必ず伸びる」という理解は広げすぎだ。健康状態や障害のある高齢者を対象とした14試験のメタ分析では、通常のケアや社会的活動と比べて認知機能に大きめの効果があり、筋力などにも小さな効果があったが、バランスや移動能力への効果は認められなかった。体重を支える運動や機能的な運動との比較では、座位運動の優位性は示されなかった。[3]

この認知機能の結果も、記憶や判断の病気の予防が確立したと読む数字ではない。認知機能の標準化平均差は1.20だったが、95%信頼区間は0.25〜2.16と幅があった。異なる尺度の成績をそろえて比べる統計的な値であり、日常の能力が同じ割合だけ増えたという表現には置き換えられない。[3]

「改善しなければ無意味」という捉え方も単純すぎる。施設に暮らす女性35人を運動群と対照群に分けた研究では、14週間のチェアヨガで体力の結果に有意な変化はなく、日常の活動を行う能力への本人の評価も改善しなかった。著者らは体力やストレスに関するホルモンの値を維持できたと解釈しているが、維持を改善と呼び替えず、結果の言葉をそろえることが大切だ。[8]

施設での運動を扱った新しいレビューでも、身体機能だけでなく認知機能や心身の状態が検討されている。ただし、その研究には対照群を設けたものと、参加前後を比べたものが含まれる。開始時よりよくなったという観察と、別の活動より優れていたという比較は、証拠の性質が違う。同じ「改善」という言葉でも、研究の組み方から読み分ける余地がある。[17]

さらに、椅子を使う運動は、身体機能を保ちたい人が参加できる手段として検討されている。立って動く選択肢が限られる人にとっての価値と、ほかの運動より効果が大きいかという問いは別である。できる動作が限られた状況で、何に取り組めるかを探す。そのときに役立つ資料として読むと、優劣のランキングにしない選び方ができる。[3][17]

また、「椅子なら安全性は考えなくてよい」とまでは言えない。虚弱な高齢者の運動を扱った初期の系統的レビューでは、害は報告されず、参加状況もおおむね良好だった。しかし、研究の方法上の質は低く、有益性の結論も確定的とはいえなかった。安心につながる報告と、十分な検証が済んだという判断は分けておきたい。[20]

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

今日からできること

  • 椅子でゴムバンドを使う筋力トレーニングは、指導者と負荷を合わせ、週の参加回数と続ける週数を決めて始める。高齢女性の試験では週2回、12週間、各動作12〜15回を2セット行った。まず扱えるバンドと動作で組んだ日程に沿って取り組む。[2]
  • 下肢の変形性関節症で立位運動が難しい人は、医師が認めた動作の範囲で集団のチェアヨガに参加する。試験の実施条件は週2回、45分、8週間だった。自分が参加する曜日と1回の長さを指導者と決め、実際に通う機会を作る。[9]
  • 自宅で行うなら、指導者に動きを見てもらえるオンラインの椅子ヨガに参加し、週の回数と参加する週数を申し込み時に決める。予備的試験では、機器の学習支援を受けて週2回、45分の参加を12週間続けていた。接続方法を学ぶ機会も含めて始める。[13]
  • 集団で始めた座位ヨガは、最初のコースが終わる前に、次に参加する集団の開催日と継続する期間を決める。8週間のプログラム後にガイドブックを渡した研究では、集団を離れると練習が続かなかった。家で冊子を読むだけにせず、人と一緒に動く機会を残す。[19]

椅子で動いた先にあるヨガの選択肢

椅子での運動から別のヨガにも参加の場を広げたい人には、常温のヨガもあるオンザショア立川店が選択肢になる。溶岩プレートを敷くホットヨガに加え、ヨガのレッスンは25種類以上。ピラティスも実施している。

関節の治療を受けている場合は、暑い環境での運動に参加してよいかを主治医に尋ね、常温ヨガの参加についても相談する。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

通う場合の目印はJR立川駅北口で、そこから徒歩1分の東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fに店舗が入る。営業は曜日を問わず8:00〜23:30、休業日は設けていない。ヨガの体験に参加する場合、60分のレッスンとバスタオル2枚・フェイスタオル1枚・ヨガマットの貸し出しを含め、料金は税込1,980円となる。内容は店舗案内とヨガ体験の予約ページに掲載されている。椅子でできた動作を出発点に、参加したいヨガで行う動きを問い合わせる。

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参考文献

[1] Chair-based yoga programme for older adults with multimorbidity: RCT with embedded economic and process evaluations. — Tew et al., 2024, Health technology assessment (Winchester, England). DOI: 10.3310/KPGN4216

[2] Effects of Chair-Based, Low-Load Elastic Band Resistance Training on Functional Fitness and Metabolic Biomarkers in Older Women. — Stojanović et al., 2021, Journal of sports science & medicine. DOI: 10.52082/jssm.2021.133

[3] To sit or not to sit? A systematic review and meta-analysis of seated exercise for older adults. — Sexton et al., 2019, Australasian journal on ageing. DOI: 10.1111/ajag.12603

[6] The Effect of Chair-Based Exercise on Physical Function in Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. — Klempel et al., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18041902

[8] Effects of a chair-yoga exercises on stress hormone levels, daily life activities, falls and physical fitness in institutionalized older adults. — Furtado et al., 2016, Complementary therapies in clinical practice. DOI: 10.1016/j.ctcp.2016.05.012

[9] A Pilot Randomized Controlled Trial of the Effects of Chair Yoga on Pain and Physical Function Among Community-Dwelling Older Adults With Lower Extremity Osteoarthritis. — Park et al., 2017, Journal of the American Geriatrics Society. DOI: 10.1111/jgs.14717

[13] Online Chair Yoga and Digital Learning for Rural Underserved Older Adults at Risk for Alzheimer’s Disease and Related Dementias. — Park et al., 2025, Clinical gerontologist. DOI: 10.1080/07317115.2023.2277333

[14] Acceptability and feasibility of online delivery of chair-based yoga for older adults with multimorbidity – lessons from a process evaluation of the gentle years yoga trial. — Ward et al., 2025, BMC complementary medicine and therapies. DOI: 10.1186/s12906-025-04838-6

[15] Perceptions and experiences of chair-based yoga by older adults with multimorbidity – a qualitative process evaluation of the Gentle Years Yoga randomised controlled trial. — Ward et al., 2025, BMC geriatrics. DOI: 10.1186/s12877-025-05782-3

[17] Chair-Based Exercise Interventions for Nursing Home Residents: A Systematic Review. — Cordes et al., 2021, Journal of the American Medical Directors Association. DOI: 10.1016/j.jamda.2020.09.042

[19] Chair Yoga: Feasibility and Sustainability Study With Older Community-Dwelling Adults With Osteoarthritis. — McCaffrey et al., 2017, Holistic nursing practice. DOI: 10.1097/HNP.0000000000000184

[20] Chair-based exercises for frail older people: a systematic review. — Anthony et al., 2013, BioMed research international. DOI: 10.1155/2013/309506

冒頭の写真: 座った姿勢でペダルをこぎ、脚を動かす運動に取り組んでいる様子。(写真: Bao Bao Leung 0218 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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