PTSDと体重のつながり 性的マイノリティ女性のむちゃ食いと軍人の減量支援

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減量支援の結果は、診断名だけでは決まらない

減量支援の現場では、関連の有無からさらに先へ進み、「支援を受けた人に何が起きたか」を見る。退役軍人の体重管理プログラムを調べた2014年の研究は、継続的で集中的な参加と評価された20,819人を解析した。この集団は全参加者の14%であり、参加した人全員の平均像とは区別される。[9]

PTSDのある人は、精神疾患の診断がない人より、支援開始後の6か月と12か月の体重減少が小さかった。また、6か月で体重の5%以上を減らすオッズも低く、オッズ比は0.89だった。ここでの5%は研究が成果を比べるために置いた区切りであり、読者全員の目標として指定された量とは異なる。研究者は、特にPTSDのある人について、参加のしやすさと減量成果を高めるためのプログラムの調整を提案している。解析の元になったのは2008〜2012年の診療データで、体重の比較ではほかの条件の影響を統計的に調整した。[9]

通い続けること自体にも目を向けたい。別の診療データを使った研究では、プログラムに少なくとも参加歴と体重測定歴がある退役軍人24,899人を調べた。研究上、望ましい参加量とされた年12回に達したのは4%だった。ほかの条件を調整すると、PTSDがない人のほうが、この参加量に達しやすかった。[14]

参加の違いに関係した条件はPTSDの有無だけでなかった。年齢が高いこと、女性であること、未婚であること、開始時の体重が重いことも、調整後の解析で年12回の参加に達しやすい条件に挙がった。痛みがないことや精神保健の受診が多いことも関連しており、参加を支える条件を幅広く調べた研究である。[14]

一方、2025年の現役海軍軍人を対象とした研究は、単純な「PTSDがあると減量しにくい」という読み方に修正を求める。行動面への体重管理介入中とその後を追うと、参加者全体では介入中に体重が減少した。しかし、PTSDの自己申告診断だけの効果と、性別だけの効果は、どちらも有意ではなかった。[10]

有意だったのは、性別とPTSD診断の組み合わせによる違いである。男性では診断の自己申告がない群、女性では診断の自己申告がある群が、それぞれ比較対象より大きく体重を減らした。追跡期間中のPTSD診断と体重変化の関連は有意ではなかった。同じ診断名でも、誰を、どの支援の中で、いつ測るかによって見える結果は変わる。[10]

退役軍人の大きなデータと現役軍人の研究は、互いを打ち消すために置くべきものでもない。現役と退役、自己申告と診療記録、介入中と介入後という違いを残して読むべきである。両者から受け取れるのは、診断名を理由に減量支援の可能性を閉じないことと、一般的な支援の形が誰にでも同じように合うと想定しないことだ。[9][10][14]

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体重が減ることと、心の症状が和らぐこと

減量施設で肥満のある参加者を16週間追った2013年の研究では、体重、PTSD症状、抑うつ症状、周囲からの支えを繰り返し評価した。観察された期間中にBMIは有意に低下し、同時にPTSD症状と抑うつ症状も有意に低下した。体重と心の状態が一緒に変わる可能性を示す報告である。[8]

減量の方法が違えば、指標の意味も違う。胃バイパス手術を受けた退役軍人の後ろ向きの比較研究では、手術前からPTSDの診断がある24人を、診断がない人と比べた。手術後1年の過剰体重の減少割合はPTSD群で66%、非PTSD群で72%で、有意差はなかった。この割合は、基準を超えた体重を分母とする指標である。この手術研究では、両群の開始時の平均年齢とBMIは同程度だった。PTSDは大うつ病やほかの精神疾患、胃食道逆流症と有意に関連した一方、糖尿病、高血圧、閉塞性睡眠時無呼吸との有意な関連はなかった。手術後のPTSD症状には時間とともに変動が見られた。[16]

過剰体重の減少割合は、もともとの全体重のうち何割を失ったかという指標とは異なる。66%という値は、開始時の全体重が66%減ったという意味にはならない。PTSD症状は手術後に変動しており、手術が心の治療を代わりに担うという結果にもならない。対象が限られた研究として、研究者は追加の検証を求めている。[16]

この比較が読者に示すのは、手術を選ぶべきだという指示ではなく、診断名だけで減量の結果を決めつけることの難しさだ。手術の適応は医師が個別に判断する領域である。生活の支援、精神面の治療、体重管理の方法をどう組み合わせるかも、主治医と確かめる対象になる。[9][16]

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よくある誤解

「PTSDの症状が強いほど、どの集団でも体重が重い」とは限らない。退役軍人の診療記録を後ろ向きに調べた2011年の研究では、PTSDや抑うつの症状の尺度と体重との関連は認められなかった。集団の中に過体重の人が多くても、心の症状の点数が体重の順番を説明するとは限らないのである。大きな統合研究の傾向を、そのまま目の前の個人の説明にしないための結果だ。[17]

「メタ分析が複数あるから、別々の実験で原因が確定した」という読み方にも注意したい。肥満の有無を扱った統合も、BMIを扱った統合も、実際に人をPTSDの有無へ割り付けた実験とは違う。統合することで関連の全体像は見えるが、統合前の研究が持つ測定方法や対象の違いまで消えるわけではない。原因を確かめるには、症状に先行する条件や、その後の行動を追う検証も求められる。[3][5]

「むちゃ食いとの関連があるなら、食欲を我慢するほどよい」という結論も出ない。追跡研究が扱ったのは、症状と後のBMIの関係を説明する行動であり、厳しい食事制限を処方する試験とは異なる。食べ方に困っている場合、その困り方を治療の中で扱う意義と、食事量を自己判断で急に減らす指示は分けておきたい。[12]

また、減量中に症状が和らいだ研究を読んでも、体重が変わらない日に治療まで失敗と考える必要はない。測定された体重とPTSD症状は、別の評価項目である。どちらかの数字を、もう一方の成否を裁く代用品にしないことが、同時に変わった研究を読む際の要点になる。[8]

今日からできること

  • 食事の間隔が乱れている日は、次の食事を何時に取るか自分で決め、その時刻に食卓につく。食事の時刻と内容を整えることは、PTSDと肥満を扱うレビューが挙げた生活面の支援に沿う。忙しい日の食事も、空いた時間に任せきりにせず、食べるために手を止める時刻を先に選ぶ。[4]
  • 菓子や飽和脂肪の多い食品に偏っているなら、次の買い物でその食品を選ぶ回数をどれだけ減らすか決め、食事や間食の内容を替える。同レビューは、甘い物と飽和脂肪を抑えた食事構成を支援の枠組みに挙げている。食事全体の量を急に削るのでなく、食品の選び方から取り組む。[4]
  • 診療で認められた運動の範囲と体調に合わせて、日常で続けられる体の動かし方を選ぶ。週に何日、何時から取り組むかを自分で決め、生活の中に置く。PTSDと身体活動の少なさとの関連を扱った研究を、活動の機会を見直す手がかりにする。[15]
  • 食べるのを止めにくい場面があるなら、その困り方を診療で伝える。性的マイノリティの若年成人女性425人の追跡研究は、むちゃ食いを通る後のBMIとの関連を報告した。相談の中心を体重だけでなく食べ方にも置く。[12]
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心の診療と身体活動を、同じ暮らしの中で支える

PTSDと身体活動の少なさとの関連を踏まえると、心の診療と並行して通う場を考える際には、運動する環境も確かめたい。[15] オンザショア立川店は溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガを行っている。ヨガは25種類以上で、ピラティスやパーソナルトレーニングもある。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。PTSDの治療中や服薬中の人は、溶岩ホットヨガを利用してよいか主治医に尋ね、運動の候補はまず常温のヨガから考える。

診療や仕事と通う道筋を考える際、所在地は東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。店は年中無休で、毎日8:00から23:30まで開いている。ヨガの体験は60分・税込1,980円で、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。店舗案内・料金表・ヨガの体験予約で内容を確認できる。心の診療を続ける生活の中で、身体活動に充てられる曜日を決める。

参考文献

[2] Posttraumatic stress disorder and obesity: evidence for a risk association. — Perkonigg et al., 2009, American journal of preventive medicine. DOI: 10.1016/j.amepre.2008.09.026

[3] Posttraumatic stress disorder and risk of obesity: systematic review and meta-analysis. — Bartoli et al., 2015, The Journal of clinical psychiatry. DOI: 10.4088/JCP.14r09199

[4] Is there a relationship between PTSD and complicated obesity? A review of the literature. — Aaseth et al., 2019, Biomedicine & pharmacotherapy = Biomedecine & pharmacotherapie. DOI: 10.1016/j.biopha.2019.108834

[5] Posttraumatic Stress Disorder, Overweight, and Obesity: A Systematic Review and Meta-analysis. — Suliman et al., 2016, Harvard review of psychiatry. DOI: 10.1097/HRP.0000000000000106

[8] Losing the symptoms: weight loss and decrease in posttraumatic stress disorder symptoms. — Johannessen et al., 2013, Journal of clinical psychology. DOI: 10.1002/jclp.21962

[9] Weight loss after participation in a national VA weight management program among veterans with or without PTSD. — Hoerster et al., 2014, Psychiatric services (Washington, D.C.). DOI: 10.1176/appi.ps.201300404

[10] Posttraumatic Stress Disorder and Weight Loss in Male and Female Active-duty Service Members: A Weight Management Study. — Morse et al., 2025, Military medicine. DOI: 10.1093/milmed/usae561

[12] Alcohol and binge eating as mediators between posttraumatic stress disorder symptom severity and body mass index. — Cronce et al., 2017, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.21809

[14] Iraq and Afghanistan veterans with PTSD participate less in VA’s weight loss program than those without PTSD. — Maguen et al., 2016, Journal of affective disorders. DOI: 10.1016/j.jad.2015.12.078

[15] Association between posttraumatic stress disorder and lack of exercise, poor diet, obesity, and co-occuring smoking: A systematic review and meta-analysis. — van den Berk-Clark et al., 2018, Health psychology : official journal of the Division of Health Psychology, American Psychological Association. DOI: 10.1037/hea0000593

[16] Post-traumatic stress disorder (PTSD) is not a contraindication to gastric bypass in veterans with morbid obesity. — Ikossi et al., 2010, Surgical endoscopy. DOI: 10.1007/s00464-009-0866-8

[17] Assessment of rates of overweight and obesity and symptoms of posttraumatic stress disorder and depression in a sample of Operation Enduring Freedom/Operation Iraqi Freedom veterans. — Barber et al., 2011, Military medicine. DOI: 10.7205/milmed-d-09-00275

冒頭の写真: 公園内のトレイルを歩く二人の姿を、斜め上空から捉えた横長の写真。(写真: John Dean https://www.johndeanphoto.com did the drone videography in the video. He did it for Friends of Gwynns Falls / Leakin Park. John Dean has agreed that these screen captures can be licensed under CC ShareAlike 3.0. / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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