肥満の新しい定義で変わる健康の評価 BMIに臓器の働きと心肺体力を加える

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体力を加えると、同じ人の評価が動く

エドモントン分類にも課題はある。肥満のある患者500人を最終的に評価した横断研究は、身体の機能制限を客観的に測る指標が乏しい点に着目した。心肺運動負荷試験で測る心肺体力を加え、従来の分類と比較している。横断研究とは、ある時点の状態同士の関係を見る研究である。[4]

ここで使ったのは、体重当たりの最大到達酸素摂取量である。体を動かしているときにどの程度の酸素を利用できるかを、体重で調整した指標だ。標準の分類では段階2と3の心肺体力が似ていたが、体力を組み込むと各段階の人数が変わり、とくに段階2から3への移動が生じた。[4]

これは、同じ人でも何を測って評価するかによって、見えてくる機能制限が変わるという結果である。研究者は体力を加えることで、医学的な検査値だけでなく機能面も含む評価を目指した。日常生活でどの動作が難しいかという話と、医療機関で客観的に測る体力には、それぞれ役割がある。[4]

ただし、この研究は体力を測って分類し直した研究であり、特定の運動を行わせて病気を予防した試験ではない。体力の評価方法や運動の可否は、医師が個別の状態を踏まえて判断する。[4]

体重の数字が同じでも、医師に伝えたい内容は変わりうる。検査結果を見せることに加え、普段できている動作と困る動作を具体的に説明すれば、機能という観点の話につながる。身体計測、血液検査、運動負荷試験を組み合わせた評価は、それぞれ違う側面を捉える。[4]

体力を組み込んだ研究は、肥満のある患者843人の集団から最終的に500人を組み入れている。参加者は診察、身体計測、生化学的な検査、心肺運動負荷試験を受けた。最初は従来の分類で5段階に分け、次に年齢と性別に対応した酸素摂取量の位置づけで再分類した。体力の数字は、ほかの情報を置き換えるより、検査で得られた情報に追加する形で使われていた。[4]

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手術の予測と、生活介入への反応は分けて読む

胃バイパス手術を受けた378人の診療記録を調べた後ろ向き研究では、エドモントン分類の段階3が、重大な術後合併症と関連した。調整後のオッズ比は2.94、信頼区間は1.04〜8.35だった。オッズ比は出来事が起こる確率そのものの比とは異なる統計量で、ここでは合併症との関連を示している。[14]

この研究は単一施設の手術患者を対象とし、追跡にも欠測がある。分類が手術前の注意点を見つける材料になる可能性を示しており、医師が手術の方法や全身状態と合わせて検討する情報が増える。[14]

一方、別の施設で手術を受けた761人を調べた研究では、医学的な側面だけに絞った修正版の分類が使われた。全体の解析では、手術の前後の成績への影響は認められず、減量の成功に該当する人数にも有意差はなかった。段階3以上で重大な合併症率が高いという記載もあるが、全体として予測力が明瞭だった研究とは言い切れない。[3]

片方の好結果だけを採ると、分類表が万能な予測器に見えてしまう。後者の研究者自身、医学的側面だけを扱ったため評価が十分でない可能性を挙げている。測った範囲が違う研究の食い違いは、分類にどこまで任せられるかを考える材料になる。[3][14]

手術の研究で集められた結果を詳しく見ると、378人の研究では重大な合併症の全体の割合は9.3%で、段階0、1、2、3ではそれぞれ7.1%、4.9%、8.8%、23.1%だった。患者の81.7%は女性で、術前の平均BMIは45.9だった。このような集団での術後成績が、先に挙げた調整後のオッズ比の背景にある。[14]

761人の研究では、505人がスリーブ状胃切除術、256人が胃バイパス手術を受けていた。分類の中央値は2で、患者の80%がこの段階に入った。1年後の追跡率は70%であり、手術の種類や各段階への人数の偏りも、結果と一緒に把握できる対象の特徴だ。[3]

生活習慣への介入を扱った研究は、別の問いを立てている。9か月間の生活介入後、臨床的肥満に該当する割合は71%から57%へ、糖尿病になる前段階の割合は52%から29%へ減っていた。診断の区分と、代謝の状態をそれぞれ結果として見ている。[12]

ここから受け取れるのは、分類は固定した人格や一生変わらない身分を示すものとせず、評価された状態が変わりうると見る点である。生活介入後の評価に臨床的肥満の割合を使うと、減った体重の先で体の状態がどう動いたかも見渡せる。個人の介入計画は医療者と作り、体重だけでなく、診療で確認している状態の変化も合わせて見ることになる。[12]

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よくある誤解

「前臨床的肥満なら何も起こらない」という理解には修正が要る。身体計測と機能を組み合わせた研究では、前臨床的肥満で心血管疾患のリスク上昇を認めなかった一方、2型糖尿病のリスクは明瞭に上がっていた。心血管疾患と糖尿病は、別々に追うべき結果である。ある病気との関連が弱いことを、すべての病気についての保証に広げられない。[12]

また、肥満がある人の臓器の不調はすべて脂肪が原因だ、という見方も単純すぎる。妊娠糖尿病のあった女性となかった女性を出産後に調べた前向き観察研究では、脂肪の過剰な蓄積がない女性にも臓器機能の障害が認められた。研究者は、脂肪の蓄積がある群で認めた障害の割合を、そのまま脂肪に起因する割合とはしていない。[20]

この産後の研究は、障害の全体の割合と、脂肪の蓄積がない群の割合との差を使って、脂肪に起因しうる部分の推定範囲を考えている。個々の女性の原因をその計算だけで決めたわけではない。体格と検査の異常が同時にあっても、原因の評価という仕事は残る。産後という特定の集団の結果を、一般成人の診断条件へそのまま移すことも避けたい。[20]

産後の研究の受診者は、妊娠糖尿病のあった群で1,086人、なかった群で562人だった。脂肪の過剰な蓄積が認められたのは、それぞれ35.5%と20.8%。その蓄積があった女性のうち臓器機能障害を認めた割合は、妊娠糖尿病のあった群で61.0%、なかった群で51.3%だった。一方、蓄積のない女性にも35.9%で障害が見られた。この比較が、体格と機能の異常を分けて数える理由を具体的に示している。[20]

もうひとつは、「減量を繰り返した人は、管理に向いていない」という決めつけだ。9,348人の診療記録と過去の体重歴を調べた研究では、女性で減量経験が多いほど、診療の中での減量がわずかに大きいという関連があった。男性では同じ関連は認められなかった。過去の試みを失敗の回数だけで評価しない視点は、この性別による違いも含めて受け止めたい。[19]

この研究が調べたのは、過去の体重変化と、その後の診療での変化の関連である。臨床的肥満の定義を考えるときも、今の体格だけで、その人がどんな経過を歩んできたかまで決めないことが大切になる。分類は医療上の状態を整理する道具であり、努力や人柄を採点する言葉にはしない。[6][19]

今日からできること

  • 運動を止められていない人は、無理なく歩ける時間と週の回数を自分で決め、まず1週間、普段の外出に歩く区間を作る。体重の減り方だけを目標にせず、日常に身体活動を置く試みとする。生活介入後の臨床的肥満の変化と、心肺体力を加えた評価が、この行動を考える手がかりになる。[4][12]
  • 果物や野菜を食べる機会を見直し、どの食事で何回取り入れるかを自分で決めて1週間実行する。買い物の段階でその食事に使う分を選び、食卓までつなげる。エドモントン分類の研究では、果物・野菜の摂取と重症度との関連も調べていた。[16]
  • 腹囲を測る曜日と、次に測るまでの間隔を自分で決める。体重だけを追っていた人も、メジャーを使って腹囲を確かめ、体格を見る指標を増やす。BMIに腹囲などを組み合わせて参加者を分類した研究の測り方につながる行動だ。[1]
  • 次の受診に持参する資料を1つにまとめる。健診のBMIと腹囲、手元にある体力検査の結果、過去の減量経験と困っている動作を医師に伝え、体の働きについて評価を受ける。診断と治療、薬の開始・中止は医師に判断を求める。[1][4][19]

ここで自分で決める回数や期間は取り組みを始めるための区切りであり、研究が効果を保証した量ではない。持病や動作の制限がある場合の運動内容は医師に確かめる。[4][12]

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

体の働きの評価を、ヨガへの参加につなぐ

臨床的肥満の研究が評価に加えた「体の働き」は、ヨガへの参加条件を確かめる際にも出発点になる。オンザショア立川店では常温のヨガと溶岩ホットヨガを行っており、診療で確認した状態をもとに参加を考える。ヨガのレッスンだけでも25種類以上を用意し、ピラティスも行っている。ホットヨガには溶岩プレートを敷いたスタジオを使う。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。肥満に伴う機能障害を診療で調べている人は、暑い環境で運動してよいかを主治医に尋ね、溶岩ホットヨガより先に常温のヨガを候補にする。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分の距離だ。営業は年中無休の8:00〜23:30で、平日も週末も同じ営業時間である。ヨガの体験では、税込1,980円の料金に60分のレッスンと、バスタオル2枚・フェイスタオル1枚・ヨガマットの貸し出しが含まれる。店の案内と料金、ヨガ体験の予約は各ページにある。体の働きを診療で確かめたら、運動の制限や困っている動作を伝えたうえで、参加するヨガの内容を確認する。

参考文献

[1] Clinical Obesity and New-Onset Atrial Fibrillation: A Population-Based Cohort Study From the Kailuan Cohort. — Guo et al., 2026, Diabetes, obesity & metabolism. DOI: 10.1111/dom.70893

[3] Feasibility of modified Edmonton Obesity Staging System in bariatric center. — Małczak et al., 2020, Surgery for obesity and related diseases : official journal of the American Society for Bariatric Surgery. DOI: 10.1016/j.soard.2020.01.022

[4] Edmonton Obesity Staging System: an improvement by cardiopulmonary exercise testing. — Bettini et al., 2021, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-021-00856-9

[6] The Clinical Outcomes of Preclinical and Clinical Obesity Across Multiple Cohorts. — Li et al., 2026, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.70260

[8] Contributions of Clinical Obesity and Preclinical Obesity to the All-Cause Mortality Risk: Findings From the UK Biobank Cohort. — Xu et al., 2025, Diabetes/metabolism research and reviews. DOI: 10.1002/dmrr.70095

[12] Preclinical and clinical obesity: prevalence, associations to cardiometabolic risk and response to lifestyle intervention in NHANES and the EPIC-Potsdam and TULIP studies. — Schiborn et al., 2026, Nature communications. DOI: 10.1038/s41467-026-69738-w

[14] Higher Edmonton Obesity Staging System scores are associated with complications following laparoscopic Roux-en-Y gastric bypass. — Skulsky et al., 2020, Surgical endoscopy. DOI: 10.1007/s00464-019-07067-4

[16] Edmonton Obesity Staging System: association with weight history and mortality risk. — Kuk et al., 2011, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/h11-058

[19] Association between weight-loss history and weight loss achieved in clinical obesity management: Retrospective chart review. — Kuk et al., 2022, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.23530

[20] Prevalence of Clinical and Pre-Clinical Obesity at Six Months Postpartum Following Gestational Diabetes Mellitus. — Gómez Fernández et al., 2026, Nutrients. DOI: 10.3390/nu18020212

冒頭の写真: いろいろな聴診器をまとめて写した写真。複数の聴診器の形状が見える。(写真: melvil / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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