トランス脂肪と体重増加の隔たり 最長10年の体格追跡と血中脂質の短期試験

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日本人の短期試験と、高い摂取量の試験をどう読むか

健康な日本人の成人53人を対象にした、無作為化二重盲検の並行群試験がある。無作為化は割り当てを偶然に任せること、二重盲検は参加者と評価する側がどちらの群か分からないようにする工夫を指す。毎日食べるクッキーに含まれるトランス脂肪酸を変え、4週間後の血液を比べた試験である。[2]

平均の摂取量は対照群で総エネルギーの0.28%、トランス脂肪酸を加えた群で1.31%であった。総コレステロール、低密度リポたんぱくコレステロール、高密度リポたんぱくコレステロール、中性脂肪には、群間の有意差がなかった。調べた肥満関連の遺伝子の違いによって、血液の反応が左右される結果でもなかった。[2]

この結果を読むときは、試験の長さと対象を一緒に置く。健康な成人にこの量を加えた短期の比較で血中脂質の差がなかった、という答えである。採血は夜間の絶食後に行われた。血糖、インスリン、一定期間の血糖状態を反映するヘモグロビンA1cの反応も、調べた遺伝子の違いに左右されなかった。[2]

一方、過体重の閉経後女性52人の無作為化二重盲検試験では、トランス脂肪酸を1日15.7g含む部分水素添加大豆油と、主にオレイン酸を含む対照の油を16週間比べた。血液の成分を複数の分析法で調べると、トランス脂肪酸群で低密度リポたんぱくコレステロールの上昇や、特定のリン脂質などの増加が見られた。[12]

この試験では、その後に12週間の食事による減量プログラムも行われた。トランス脂肪酸群で上がった成分の一部は、プログラム後には開始時の低い水準に戻っていた。対照群では、これらの成分に同様の変動はなかった。介入前後と減量プログラム後には、ブドウ糖を飲んで反応を調べる検査も行われたが、成分の値はこの検査の影響を受けなかった。[12]

日本人の試験との違いは、摂取量だけでなく、参加者の状態、比較する食品、介入期間、分析する成分にもある。日本人の試験はクッキーを使い、閉経後女性の試験は油を用いた比較である。低い摂取量の短期試験に有意差がなかったことと、別の条件で血中脂質の悪化が観察されたことは、それぞれの条件を添えれば同時に受け止められる。[2][12]

油を比べた試験で増えた成分には、細胞膜を構成する脂質の一群であるホスファチジルコリンと、スフィンゴミエリンがあった。異なる分析法で同じ変化を確かめ、トランス脂肪酸の摂取がリン脂質の代謝に影響することを示している。著者らは、これらの成分を病気のリスク指標として用いるには、さらに検証が必要だとしている。体重だけでは捉えにくい成分の動きが、この試験の中心にある。[12]

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体重が動かなくても、健康への問いは残る

成人の試験をまとめた系統的レビューでは、工業由来だけでなく反すう動物由来のトランス脂肪酸も、心血管・代謝のリスク指標を悪化させうると評価された。影響が目立つのは血中脂質である。由来による優劣は、総コレステロール、低密度、高密度のどの指標を見るかでも異なるため、摂取量と食品全体の組成を考慮すべきとしている。[14]

そのため、「動物由来なら健康によい」という一括りの選び方には根拠が足りない。個々のトランス脂肪酸の作用を扱ったレビューも、一部の動物由来成分について特定の指標への利益を示唆する知見を紹介する一方、健康効果が期待できる水準を目指して食事を組むことは、現時点ではできないと述べている。成分の研究を、その食品を多く食べる勧めに変えないことが大切だ。[20]

炎症という別の測定項目もある。概ね健康な女性823人の観察研究では、トランス脂肪酸の摂取量が多い人ほど、一部の炎症に関わる受容体の血中濃度が高かった。年齢を調整した解析では、最も摂取量が多い群は少ない群より、調べた受容体の濃度がそれぞれ10%、12%高かった。年齢などの影響を考慮して比較することを、調整という。[11]

ただし、炎症の指標がすべて同じように動いたわけではない。全体ではインターロイキン6と、炎症の程度を見る血液のたんぱく質であるCRPとの関連は見られず、体格指数が高い女性では正の関連があった。炎症の名前をひとまとめにすると、関連があった項目と、全体ではなかった項目の違いが消えてしまう。[11]

炎症を調べた研究では、2回の食事質問票から得た普段の摂取量を平均している。体格指数、喫煙、身体活動、飲酒、総エネルギーやほかの栄養素を考慮しても、受容体との関連は大きく変わらなかった。一方で、血中脂質を考慮すると関連は一部弱まった。摂取と炎症の関係の一部に、血中脂質が関わる可能性を著者らは挙げている。[11]

健康影響を広く検討したレビューは、慢性疾患のリスク指標への悪影響と、冠動脈疾患に関する観察の一貫性を重く見ている。一方、脂肪蓄積やその他の病気との関係については、追加の検討が必要だとしている。全部の項目に同じ強さの結論を付けず、比較的よく確かめられた懸念から食生活を考える態度が役立つ。[19]

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よくある誤解

「太らなければ、その脂肪は気にしなくてよい」と考えると、評価する項目が体重だけになる。心血管・代謝を扱ったレビューでは、血中脂質、血管の内側の働き、炎症など、体重とは別の経路が検討されている。体重増加の研究で不一致があることを、健康影響全体の不一致に広げないようにしたい。[13]

「自然に含まれる成分なら増やしてよい」という読み方にも注意が要る。反すう動物由来の摂取と体重変化に弱い逆の関連があった観察と、動物由来の成分にも血中脂質への悪影響がありうるという試験の評価は、異なる終点を扱っている。減量の利益を求めて動物由来のトランス脂肪酸を積極的に増やす結論には結びつかない。[4][14]

「脂肪の種類を変えれば、体重の悩みは全部解決する」という期待も大きすぎる。体重増加のレビューが示すのは、小さな追加の増加がありうるという限定的な評価である。脂肪の種類だけから人の減量幅を予測できるほど、仕組みの説明が完成しているわけでもない。食事の見直しには意味があっても、特定の成分を抜くことに大きな減量を約束させない。[15]

さらに、「規制が進んだなら体重も減ったはず」と推測して結果を補うのは避けたい。健康影響のレビューは個人と政策の両面から摂取を減らす取り組みを支持しているが、その提言を規制後の減量実績として紹介することはできない。減らす方針への支持と、実際に体重がどう変化したかの測定は、別の段階にある。[19]

今日からできること

  • 工業由来のトランス脂肪酸が多いと含有情報から分かる焼き菓子・加工食品は、買う回数を今より週に何回減らすか自分で決める。まず続ける期間も決めて、普段の買い足し方を変える。焼き菓子や加工食品の高摂取を背景として挙げ、個人での摂取低減を支持したレビューに沿う取り組みだ。[19]
  • 乳製品や肉は、反すう動物由来の脂肪を増やす目的で食べ足さず、いつもの1食分を目安に自分の量を決めて食べる。体重変化と弱い逆の関連があった観察を、摂取量を増やす理由にせず、食品全体の組成に目を向ける。[4][14]
  • 食生活を見直す間は、体重と腹囲を週に何回測るか、何週間続けるかを自分で決める。数値は日付とともに一緒に残す。脂肪組織のトランス脂肪酸を調べた追跡研究も、この2つの体格変化を測っていた。[1]
  • 家庭で部分水素添加植物油を調理に使っている場合は、その油を使い続けず、別の油で調理する。レビューは家庭での使用も高摂取の背景に挙げ、摂取を減らす取り組みを支持している。[19]

ここで決める回数・量・期間は生活の中で見直しを実行するための目安であり、これらの手順そのものによる減量効果を試験した結果ではない。

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食卓の脂肪を見直し、体を動かす時間も持つ

血中脂質と体格の変化を別々に追った研究[1][12]を食卓の見直しに生かしながら、体を動かす時間の置き方も考える。オンザショア立川店では、ヨガだけで25種類以上のレッスンを扱っている。溶岩プレートを敷いたホットヨガと常温のヨガがあり、ピラティスやパーソナルトレーニングも行う。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱う。

ヨガを60分受ける体験は税込1,980円で、マットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚を借りられる。食事の見直しと併せて外出の時間を組む際には、8:00〜23:30、全曜日共通で年中無休という営業時間も確かめておく。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分。通う場所を探す際は、スタジオの案内でレッスンの内容を、料金のページで費用を確認できる。トランス脂肪の摂取を減らす食事の工夫に加え、ヨガを受ける日も自分の暮らしに書き込む。

参考文献

[1] Adipose tissue trans-fatty acids and changes in body weight and waist circumference. — Hansen et al., 2014, The British journal of nutrition. DOI: 10.1017/S0007114513003747

[2] Supplementation with trans fatty acid at 1% energy did not increase serum cholesterol irrespective of the obesity-related genotypes in healthy adult Japanese. — Takeuchi et al., 2018, Asia Pacific journal of clinical nutrition. DOI: 10.6133/apjcn.112017.04

[3] Evaluating the interaction of common FTO genetic variants, added sugar, and trans-fatty acid intakes in altering obesity phenotypes. — Koochakpour et al., 2019, Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases : NMCD. DOI: 10.1016/j.numecd.2019.01.005

[4] Intake of ruminant trans fatty acids and changes in body weight and waist circumference. — Hansen et al., 2012, European journal of clinical nutrition. DOI: 10.1038/ejcn.2012.87

[5] Association of plasma phospholipid polyunsaturated and trans fatty acids with body mass index: results from the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis. — Hastert et al., 2018, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2017.282

[11] Dietary intake of trans fatty acids and systemic inflammation in women. — Mozaffarian et al., 2004, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.1093/ajcn/79.4.606

[12] Effect of trans fatty acid intake on LC-MS and NMR plasma profiles. — Gürdeniz et al., 2013, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0069589

[13] Trans fatty acids: effects on metabolic syndrome, heart disease and diabetes. — Micha et al., 2009, Nature reviews. Endocrinology. DOI: 10.1038/nrendo.2009.79

[14] Ruminant and industrial trans-fatty acids consumption and cardiometabolic risk markers: A systematic review. — Verneque et al., 2022, Critical reviews in food science and nutrition. DOI: 10.1080/10408398.2020.1836471

[15] Trans fatty acids and weight gain. — Thompson et al., 2011, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2010.141

[19] Consumption and health effects of trans fatty acids: a review. — Teegala et al., 2009, Journal of AOAC International.

[20] The diversity of health effects of individual trans fatty acid isomers. — Gebauer et al., 2007, Lipids. DOI: 10.1007/s11745-007-3095-8

冒頭の写真: 金属製のトレーに並ぶ串刺しの軽食と、紙カップに盛られたイカの揚げ物がある屋台(写真: MaricrisCPH / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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