アッケルマンシア菌と体重維持 加熱処理菌で減量後の戻りが小さかった試験

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始める前に菌が少ない人ほど反応するのか

過体重または肥満のある2型糖尿病患者58人を対象とした試験では、生菌またはプラセボを12週間使い、両群に通常の生活指導を行った。体重も、血糖の状態を表すHbA1cも、両群で低下したが、群間の有意差はなかった。摂った群の開始前後だけを見ると見逃す、比較群を置く意味がここにある。[16]

開始時の菌量で分けると、少なかった人では菌の定着が良好で、体重、脂肪量、HbA1cの有意な低下が見られた。もともと菌が多かった人では定着が乏しく、明確な臨床的改善が見られなかった。論文は、腸内の開始時の状態によって効果が違う可能性を示している。ただし、全参加者での群間差がなかったという結果を、部分集団の好結果で消してはならない。[16]

別の多施設試験では、メタボリックシンドロームの成人142人に、加熱処理菌またはプラセボを4か月投与した。主要評価項目である全身のインスリン感受性には差がなかった。その後の探索的な解析では、開始時のアッケルマンシアの遺伝子数が少ない人で、インスリン感受性や体幹の脂肪などに改善が見られた。体重減少のP値は0.06であり、体重にも明確な効果が出たと一括りにしない。[6]

この試験では、ブドウ糖を飲んだ後のGLP-1というホルモンの反応にも変化が報告された。糖尿病の前段階にある人では、3か月の摂取後に肝臓のインスリン感受性の指標が12%改善し、P値は0.05だった。これは全身の感受性を主要評価とした4か月の結果と、対象集団も測定する指標も異なる探索的な解析である。ホルモンの反応、脂肪の変化、体重の変化は別々の評価項目である。主要な問いへの答えと、次の研究につながる探索的な発見の位置を分けておきたい。[6]

食事介入では開始時に菌が多い人の経過が良く、補給試験では少ない人で反応が目立つ。一見逆に見えるが、前者は食事への反応と菌量の関連、後者は補給した際の反応を調べている。多い状態が好ましいことと、多い人にさらに足す利点があることは別の問いだ。現段階の結果から、自宅の検査で特定の値を下回れば自分で補給する、といった使い方までは導けない。[2][6][16]

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菌数以外に、腹囲や筋力も測られている

過体重または肥満の成人66人を対象にした8週間の二重盲検比較試験では、菌由来の調製物を加えたヨーグルトが使われた。アッケルマンシアを加えた群、別の菌由来の調製物を加えた群、比較用の低脂肪ヨーグルト群に分けている。アッケルマンシア群では、比較群に対して腹囲、腹囲と身長の比、体脂肪率、食欲の点数などに有意な低下があった。[5]

ここで分かるのは、研究用に調製した食品で、特定の指標に差が出たということだ。腹囲がどれほど縮んだかという効果の大きさは示されていないため、実生活で期待できる変化量を数字で見積もることは難しい。別の菌を使った群では好ましい影響が見られず、「菌由来のものならどれでも同じ」とする読み方にも慎重になる。[5]

筋肉に焦点を当てた試験もある。60歳以上の100人に特定の加熱処理菌またはプラセボを12週間使い、左脚の伸ばす筋肉の力などに群間差が見られた。目立った安全性の問題はなかったと報告されたが、研究の目的は高齢者の筋力や機能である。筋力に好結果があったという記述を、そのまま一般の成人の減量効果へ移すことはできない。[20]

観察の研究は、菌量を健康の単独の点数にしないための手掛かりも示す。重度肥満の女性65人を含む非無作為化の前向き研究では、胃のバイパス手術後に菌の割合が増えたが、その増加は代謝の改善と相関しなかった。追跡で菌のデータが得られた人数は限られているものの、「菌が増えた」と「代謝が改善した」を同一視しない理由になる。[8]

乳がん手術前の過体重または肥満の女性32人を扱った二次解析では、開始時に菌の割合が高い人の脂肪量が低かった。また、食物繊維の摂取量の変化と菌量の変化の関連は、開始時に菌が少ない群で見られた。特定の患者群で見られた関連であり、食物繊維を増やす量と減量幅の関係を確かめた試験とは異なる。[10]

乳がん手術前の解析での参加者は、平均年齢61±9歳、BMIは34.8±6だった。開始時に菌量が多かった群の脂肪量は38.9±11.2kg、少なかった群は46.4±9.0kgで、群間差のP値は0.044である。腸内細菌の種類の豊富さも、菌量が多い群で高かったが、減量後には群間の違いが弱まった。体組成と腸内の状態を併せて調べた解析であり、菌の補給を比較した研究とは設計が異なる。[10]

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よくある誤解

「菌が少ないことが肥満の原因なら、増やせば解決する」という理解では、治療や食事と菌量がどう結びつくかという問題が飛び越される。手術後の研究では、菌量と血糖調節の指標との結びつきも確認されなかった。肥満の程度や腸内の状態が違う人に、同じ関係を当てはめる際には慎重さが要る。[8]

「飲んでから体重が減ったのだから、その菌の効果」という理解も比較相手を欠く。糖尿病の人の試験では、生活指導を受けたプラセボ群でも体重とHbA1cが下がっている。本人の変化は大切な事実であっても、同時期の食事や生活の変化と、菌を足した効果とを切り分けるには比較が欠かせない。[16]

「生きた菌ほど優れている」という順序も、この研究分野には当てはまらない。加熱処理した菌の試験で代謝指標の好結果が報告されている一方、生菌の試験にも開始時の腸内環境による反応の違いがある。菌の生死だけで序列を付けるより、どんな調製物を、どんな人に使い、何を測ったかを読むほうが具体的である。[13][16]

「試験で使われた量をまねれば再現できる」という考え方にも距離を置きたい。レビューでは、菌株の代謝能力や免疫への働き、宿主の特徴や他の菌との関係が作用に関わる可能性が挙げられている。菌種名と量だけを合わせても、研究参加者の条件までそろうわけではない。製品の利用や服薬の変更を自己判断で進める材料にはしない。[18]

今日からできること

  • 減量を終えたら、体重を保つ食べ方を何週間続けるか、自分の生活に合わせて区切りを決める。食事をさらに減らすことだけを次の目標にせず、維持期として食事に取り組む。食事介入研究でも、エネルギー制限の後に体重を安定させる食事を置いて、代謝や菌量の経過を調べている。[2][3]
  • 食物繊維を含む食品を食事に加える機会を、週に何回設けるか決める。いつもの献立のどの食事を変えるかまで選ぶと、菌数の表示を眺めるより日々の食べ方に手を入れやすい。乳がん手術前の女性の解析では、開始時の菌量が少ない群で、食物繊維摂取量の変化と菌量の変化が関連した。[10]
  • 腹囲を自分の経過の目安にするなら、何週間おきに測るか決め、同じ測り方で記録する。体重だけに注目せず、腹囲の変化も併せて確かめる。菌由来の調製物を加えたヨーグルトの試験でも、腹囲や体脂肪率、食欲が測られ、比較群との違いが検討された。[5]
  • 食事の見直しと一緒に、無理なくできる有酸素運動を週に何回行うか決める。動く日を先に選び、食事だけで生活の取り組みを終えない。研究[10]の乳がん手術前の試験では、減量群にエネルギー制限と有酸素運動の追加指導が行われた。食事と運動を組み合わせた介入の中で、菌量や体組成の変化が調べられている。[10]

ここで自分で決める頻度や期間は生活に取り入れるための工夫であり、菌量の増加や減量を保証する量ではない。研究[10]は乳がん手術前の女性の解析で、一般の成人に同じ菌量の変化を保証する研究ではない。治療中の食事変更や運動の内容は担当医療者と相談して進める。

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体重維持の暮らしに、菌の補給以外の選択肢を

菌の補給試験が測った減量後の体重維持は、日々の食事を続ける段階の話だった。そこに運動の習慣も組み込みたいとき、オンザショア立川店では生活に合わせて種目を検討できる。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、ピラティスなども扱い、ヨガのレッスンだけで25種類以上を用意している。ほかには女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、パーソナルトレーニングもある。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。糖尿病などで通院中なら、暑い環境でのヨガに参加してよいか主治医に尋ね、常温の種目から検討する。

ヨガの体験は60分。税込1,980円に、ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚の貸し出しが含まれる。JR立川駅北口から徒歩1分の、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、毎日8:00〜23:30に営業し、年中無休だ。

種目の案内は店のトップ、費用は料金のページ、ヨガの体験申し込みは予約ページにある。体重維持に取り組む週の中で何回体を動かすかを決め、参加できるヨガの案内を確認する。

参考文献

[2] Akkermansia muciniphila and improved metabolic health during a dietary intervention in obesity: relationship with gut microbiome richness and ecology. — Dao et al., 2016, Gut. DOI: 10.1136/gutjnl-2014-308778

[3] Pasteurized Akkermansia muciniphila MucT for weight loss maintenance in people with overweight and obesity: a controlled randomized trial. — Mount et al., 2026, Nature medicine. DOI: 10.1038/s41591-026-04394-7

[5] Comparing the effects of yogurt containing Akkermansia muciniphilia postbiotic with yogurt containing Lactobacillus rhamnosus postbiotic on body composition, biochemical indices, appetite, and depression scores in overweight or obese adults: A randomized, double-blind, controlled clinical trial. — Aalipanah et al., 2025, Clinical nutrition ESPEN. DOI: 10.1016/j.clnesp.2025.05.045

[6] Effect of pasteurized Akkermansia muciniphila MucT on insulin sensitivity, body composition, and GLP-1 production in subjects with metabolic syndrome: impact of low baseline gut Akkermansia levels. — Suenaert et al., 2026, Gut microbes. DOI: 10.1080/19490976.2026.2690689

[8] Akkermansia muciniphila abundance is lower in severe obesity, but its increased level after bariatric surgery is not associated with metabolic health improvement. — Dao et al., 2019, American journal of physiology. Endocrinology and metabolism. DOI: 10.1152/ajpendo.00140.2019

[10] Fecal Akkermansia muciniphila Is Associated with Body Composition and Microbiota Diversity in Overweight and Obese Women with Breast Cancer Participating in a Presurgical Weight Loss Trial. — Frugé et al., 2020, Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics. DOI: 10.1016/j.jand.2018.08.164

[11] A comprehensive systematic review of the effectiveness of Akkermansia muciniphila, a member of the gut microbiome, for the management of obesity and associated metabolic disorders. — Roshanravan et al., 2023, Archives of physiology and biochemistry. DOI: 10.1080/13813455.2021.1871760

[13] Supplementation with Akkermansia muciniphila in overweight and obese human volunteers: a proof-of-concept exploratory study. — Depommier et al., 2019, Nature medicine. DOI: 10.1038/s41591-019-0495-2

[15] A purified membrane protein from Akkermansia muciniphila or the pasteurized bacterium improves metabolism in obese and diabetic mice. — Plovier et al., 2017, Nature medicine. DOI: 10.1038/nm.4236

[16] Akkermansia muciniphila supplementation in patients with overweight/obese type 2 diabetes: Efficacy depends on its baseline levels in the gut. — Zhang et al., 2025, Cell metabolism. DOI: 10.1016/j.cmet.2024.12.010

[18] Akkermansia in the gastrointestinal tract as a modifier of human health. — Panzetta et al., 2024, Gut microbes. DOI: 10.1080/19490976.2024.2406379

[20] Pasteurized Akkermansia muciniphila HB05 (HB05P) Improves Muscle Strength and Function: A 12-Week, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial. — Kang et al., 2024, Nutrients. DOI: 10.3390/nu16234037

冒頭の写真: 微生物学の実習で、滅菌のために時計皿を加熱している作業の様子(写真: M Joko Apriyo Putro / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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