前立腺がんのホルモン療法と体重の増え方 運動と食事の試験が守ったもの

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食事で大きく減量できても、筋肉の側を見落とさない

ADT開始時の男性を対象に、低糖質食と歩行を組み合わせた試験がある。予定していた100人に届かず、募集の遅れから42人を無作為に分けた時点で早期終了となった。[5] 大きな減量の数字を見る前に、小規模で検出力が足りない試験だったことを押さえたい。

介入は糖質を1日20gを超えない量に抑える食事と、1回30分以上、週5日以上の歩行の組み合わせで、対照群は普段の食事と運動を続けるよう助言された。[5] これは厳しい試験条件の説明であり、治療中の読者がそのまま取り入れる目標量にはしない。食事変更の程度や減量の是非は、主治医と検討する対象である。

主な評価項目は、6か月時点のインスリン抵抗性、すなわちインスリンの効きにくさだった。介入群では4%減、対照群では36%増だったが、群間差は統計的に有意ではなかった。[5] 数字の向きは有利でも、「主目的を達成した試験」と紹介するには届かない。途中の結果や副次的な結果がよいときほど、最初に何を確かめる計画だったのかが大切になる。

体重については6か月で対照群と比べ10.6kgの減量が報告され、脂肪量と体脂肪率も低下した。しかし、除脂肪量も減少していた。[5] ここが、ホルモン療法中の食事を考えるうえで重要な分かれ目だ。体重の減少を大きくする目標と、脂肪以外の体の量を保つ目標は、同時に点検したい。

この試験から、低糖質食単独の効果、歩行単独の効果、体重が減ったこと自体の効果を分けることはできない。前立腺特異抗原にも群間差はなかった。[5] 食事と歩行を束ねた生活介入として、体重や代謝を評価した研究である。

食事の試験では、脂質の指標によって改善が続いた時期が異なる。介入から途中の時点では血糖に関わる指標や中性脂肪などに有利な差があったが、最後まで有意な差が残った項目は限られた。[5] 食事法を評価するときには、途中で一度よかった項目と、終了時にも差があった項目を分けたい。6か月時点にも有意な差があった脂質の指標はHDLコレステロールで、対照群に比べ27%の上昇が報告された。[5]

たんぱく質の補給にも、足せば足すほどよいという単純な結果は出ていない。20週間の筋トレを行う男性60人を、ホエイたんぱく質と偽の補給に無作為に分け、別に通常ケアの36人を置いた研究では、筋トレを行った両群で筋肉量と筋力が増えた。しかし、たんぱく質補給による追加の利益は認められなかった。[14]

この研究では、補給を除く普段のたんぱく質摂取量が、平均で体重1kg当たり1日1.0gを上回っていた。[14] この摂取状況の男性で、補給の追加の利益が認められなかった結果である。また、通常ケア群との比較と、補給の有無を無作為に比べた部分は、研究の組み立てが異なる。食品やサプリの追加を決める前に、今の食事と運動の組み合わせを点検する手がかりになる。

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疲労、骨、続け方には別々の答えがある

疲労と体組成の関係を調べた研究では、治療中の男性229人の横断的な比較で、臨床的に問題となる疲労のある人ほど脂肪量が多かった。全身の脂肪量の差は5.0kg、体幹の脂肪量の差は2.6kgで、除脂肪量と疲労の関連は認められなかった。[2] これは同じ時点の関連であり、脂肪が疲労を引き起こしたと決める結果にはならない。

ところが、その後に監督下の運動を受けた129人の分析では、疲労や活力の変化は全身の除脂肪量の変化と関連し、脂肪量の変化とは関連しなかった。[2] 運動前の断面と、運動後までの変化で、関係する指標が違うのである。「脂肪を落とせば疲れも取れる」という一本道の説明では、この違いを拾えない。疲労を本人の感想として脇に置かず、独立した評価として扱う理由がある。

骨と体組成については、よい結果だけを集めないことも大切だ。ADTを受ける男性70人を対象に、筋トレと荷重を伴う衝撃運動、ホエイたんぱく質・カルシウム・ビタミンDの補給を組み合わせた12か月の試験では、全体の解析で骨や体組成への効果はなかったが、脚の筋力と動作の機敏さは改善した。[10] 骨密度の結果と、力や動作の結果が分かれた試験である。

運動の平均実施率は56%、補給は77%だった。よく実施できた参加者に限定した解析では有利な結果があったが、実施状況によって参加者を選び直した解析として、全体の結果と分けて扱う。[10] 著者らは、全体の効果が限られたことに実施率の低さが関わった可能性を述べている。[10] 意志の強い人を選び直すより、続く形を作る課題として読む。

自宅でできるかという問いには、平均年齢70歳、38人の小規模な無作為化試験がある。有酸素運動と筋トレを自宅で行う群と、監督下の集団で行う群を6か月比較し、疲労と歩行による持久力について、自宅群が劣らない可能性が示された。参加者の少なさと脱落が限界とされている。[12] 施設に通えないから支援の選択肢がなくなる、とは考えなくてよい。

この比較では、自宅群も集団群も週4〜5日、6か月の有酸素運動と筋トレに取り組んだ。[12] 自宅という場所だけでなく、共通の運動内容を持つ比較だった。系統的レビューは、専門資格を持つ指導者が処方・監督する運動を日常診療に組み込むことを支持している。[11] 場所を選ぶ自由と、内容を専門家と合わせることは両立する。

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よくある誤解

「運動するとホルモン療法の効き方を邪魔する」という心配には、運動の系統的レビューが手がかりになる。収集した研究では、運動がADTの治療効果へ悪影響を及ぼさず、有害事象は少数で軽度だったと整理している。[11] ただし、この安全性のまとめを、どの病状でも同じ負荷を使える許可証にはしない。

特に、骨転移がある場合の身体活動の安全性と効果について、別のレビューは研究不足を指摘している。[20] 骨の病状、心血管疾患、治療開始時期を踏まえ、運動の種目や負荷、着地を伴う動きを行ってよいかは主治医に確認する。一般の運動記事から高い強度だけを持ち込まず、治療中の自分に合う条件を確かめたい。

「筋力が上がれば、歩行や立ち上がりも必ずよくなる」という期待も分けて考える。たんぱく質補給を比較した筋トレ研究では、筋肉量と筋力が増える一方、身体動作の検査には有意な変化がなかった。[14] 力を出す検査と、動作を組み立てる検査は別の成果である。どの動きで困っているかを具体的に伝えるほうが、体重と筋力の数字だけを追うより目標を合わせやすい。

今日からできること

  • 指導を受けた筋トレを、実施できる負荷の範囲で生活に入れる。週に何回・1回何分にするかと、何週間続けるかを自分で決め、実施した内容と荷物を持つときの負担を記録する。筋トレの試験では、筋力と疲労による生活への支障に改善があった。[15]
  • 歩行などの有酸素運動を筋トレと組み合わせる。週に何回・1回何分歩くかと、何週間続けるかを自分で決め、歩いた時間と途中で休んだ場面を記録する。根拠となる試験では、有酸素運動と筋トレの組み合わせによって心肺機能と体組成が改善した。[3]
  • 慌ただしく済ませがちな食事を1つ選び、落ち着いて食べる時間を生活に入れる。週に何日・何時ごろ食べるかと、何週間続けるかを自分で決め、食べたものと食事を抜いた日を記録する。
  • 次の診察では、体重の経過と疲労で困る動作を持参し、運動の可否・負荷と食事変更の程度を相談する。

筋トレと補給を調べた20週間の試験は、体組成以外にも違いを捉えている。総脂肪量と体脂肪率は、たんぱく質補給を併用した群と通常ケア群では増加したが、偽の補給と筋トレを組み合わせた群では増えなかった。有酸素能力も、偽の補給と筋トレの群では維持され、残りの群では低下した。[14] 補給の追加だけに目を向けず、食事の現状と運動の継続を一緒に考えたい。

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筋力を支える運動を、通える場所から考える

ホルモン療法中の筋力を支える運動先を探すなら、オンザショア立川店にパーソナルトレーニングがあることも、種目を比較する手がかりになる。研究で行われた監督下の筋トレと、店のサービスの内容は分けて捉えたい。

通う際の所在地は立川市曙町2-14-10、エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分で、営業は毎日8:00〜23:30、年中無休だ。通院のある生活では、移動経路や時間帯も参加先を探す材料になる。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。ホルモン療法中ならまず常温のヨガを候補とし、溶岩ホットヨガへの参加は主治医に確認する。

ヨガは25種類以上あり、溶岩プレートのスタジオで行うホットヨガと常温のヨガを扱う。60分のヨガ体験には、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれ、料金は税込1,980円となる。種目は店のトップ、費用は料金ページで見られる。体重の上下に加え、ホルモン療法中に続けたい生活の動作も言葉にして、運動先へ問い合わせる。

参考文献

[2] Body composition, fatigue and exercise in patients with prostate cancer undergoing androgen-deprivation therapy. — Newton et al., 2018, BJU international. DOI: 10.1111/bju.14384

[3] Exercise Improves V˙O2max and Body Composition in Androgen Deprivation Therapy-treated Prostate Cancer Patients. — Wall et al., 2017, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/MSS.0000000000001277

[5] A lifestyle intervention of weight loss via a low-carbohydrate diet plus walking to reduce metabolic disturbances caused by androgen deprivation therapy among prostate cancer patients: carbohydrate and prostate study 1 (CAPS1) randomized controlled trial. — Freedland et al., 2019, Prostate cancer and prostatic diseases. DOI: 10.1038/s41391-019-0126-5

[7] The effects of exercise on body composition of prostate cancer patients receiving androgen deprivation therapy: An update systematic review and meta-analysis. — Shao et al., 2022, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0263918

[8] The effects of resistance exercise on body composition and physical function in prostate cancer patients undergoing androgen deprivation therapy: an update systematic review and meta-analysis. — Tian et al., 2022, The aging male : the official journal of the International Society for the Study of the Aging Male. DOI: 10.1080/13685538.2022.2146670

[10] Musculoskeletal Responses to Exercise Plus Nutrition in Men with Prostate Cancer on Androgen Deprivation: A 12-Month RCT. — Dalla Via et al., 2021, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/MSS.0000000000002682

[11] Exercise medicine for the management of androgen deprivation therapy-related side effects in prostate cancer. — Cormie et al., 2020, Urologic oncology. DOI: 10.1016/j.urolonc.2018.10.008

[12] Home-based versus supervised group exercise in men with prostate cancer on androgen deprivation therapy: A randomized controlled trial and economic analysis. — Alibhai et al., 2024, Journal of geriatric oncology. DOI: 10.1016/j.jgo.2023.101646

[13] Moderators of resistance-based exercise programs’ effect on sarcopenia-related measures in men with prostate cancer previously or currently undergoing androgen deprivation therapy: An individual patient data meta-analysis. — Lopez et al., 2023, Journal of geriatric oncology. DOI: 10.1016/j.jgo.2023.101535

[14] Resistance Exercise Training Increases Muscle Mass and Strength in Prostate Cancer Patients on Androgen Deprivation Therapy. — Houben et al., 2023, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003095

[15] Resistance exercise in men receiving androgen deprivation therapy for prostate cancer. — Segal et al., 2003, Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology. DOI: 10.1200/JCO.2003.09.534

[20] The use of exercise interventions to overcome adverse effects of androgen deprivation therapy. — Østergren et al., 2016, Nature reviews. Urology. DOI: 10.1038/nrurol.2016.67

冒頭の写真: 景美橋の方向へ向かって自転車をこぐ男性の姿を収めた、屋外での写真。(写真: MiNe / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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