乳がんの手術の後のむくみと体重 リンパ浮腫の危険とBMI、減量で変わること

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肥満による脚の浮腫では、減量後の答えも一様でない

極度の肥満による下肢のリンパ浮腫について、レビューはBMIが40を超えると起こることがあり、60を超えるとリンパの機能障害がほぼ普遍的になると述べている。[2] これは、乳がん術後の腕の浮腫を予測する基準とは対象が違う。日常の脚の腫れをBMIだけで診断するための境界線として使うことは避けるべきだ。

実際の検査を扱った研究では、ほかにリンパ浮腫の原因となる可能性がない、BMI30超の51人を評価している。リンパシンチグラフィーという、リンパの流れを画像で調べる検査を使ったものだ。体重が過去最大だった群では、機能障害のある人のBMIは平均72.0、機能が正常な人は37.7だった。[5] この比較のうち、過去最大のBMIだった群は33人、すでに減量した群は18人である。[5]

減量済みの患者にも注目したい。同研究でBMIが60超から50未満へ下がった人には、リンパ機能が正常な人が4人、異常な人が3人いた。[5] 大きく体格が変わっても、検査の答えは分かれた。減量した18人の群の中で、このBMI変化に該当する人の検査結果が示されている。[5]

一方、重度肥満と末期のリンパ浮腫を併せ持つ患者の症例報告では、減量手術後に体重、BMI、両脚の体積が有意に減少した。対象には、生まれつきのリンパ系の異常による原発性、後から起きた二次性、肥満によるリンパ浮腫が含まれている。[16] 脚の体積が減る可能性を示す、臨床上の大切な手がかりである。

ただし、比較群を置いた大規模な試験ではなく、患者の診療記録を後ろ向きに調べた複数症例の報告だ。[16] 評価されたのは体重、BMI、両脚の体積であり、リンパ機能の完全な正常化を示す結果ではない。[16]

肥満によるリンパ浮腫のレビューは減量を治療の基本に置く一方、減量後にリンパ機能が改善しうるとしても、浮腫が完全に元へ戻るかは不明としている。[4] 同レビューは、浮腫が悪化すると歩くことが難しくなり、さらにBMIが上がるという循環にも触れている。[4] 減量手術を含む治療の適応は医師に判断を求め、脚の大きさだけを目標に自分で方法を決めない。

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浮腫の治療は、体重の目標が達成するまで待たない

片側の乳がん関連リンパ浮腫がある患者を対象に、複合的な治療の長期経過を比べた前向き臨床研究がある。肥満のある群と、標準体重または過体重の群が、リンパドレナージ、空気圧による圧迫、多層の包帯、運動、スキンケアを組み合わせた治療を受けた。[15] 単独の運動やマッサージの効き目を比べた研究ではなく、複数の要素をまとめて扱っている。

治療を受けた59人の内訳は、肥満群29人と標準体重・過体重群30人だった。複合的な治療は1日1時間、週5日、3週間にわたる計15回で行われ、治療前、直後、1年後に評価された。[15] 運動に圧迫やスキンケアを加えた、医療の場での集中的な治療である。

治療直後には両群で浮腫の体積が有意に減った。しかし、1年後には肥満群の四肢の体積が治療前の水準へ戻り、もう一方の群では治療後の値が維持されていた。[15] 目先の変化に加えて、その後も維持できたかを見ると違いが現れたのである。肥満群でも治療直後の改善は認められた。[15]

肥満を併せ持つ患者では、治療直後から長期の維持まで目を配る材料になる。著者らは、脂肪の蓄積や線維化が進む前の早期治療を重視している。[15] 減量できたら治療を始めるという順序にすると、この研究が示す早期対応の方向から離れる。具体的な治療内容と開始時期は医師に確認したい。

重度肥満を併せ持つ患者では、浮腫以外の病気にも目を向ける理由がある。リンパ浮腫と診断された60,284人の診療データを調べた後ろ向き観察研究では、BMI40超の群で、糖尿病、心不全、腎疾患などの併存が多かった。皮膚などの感染症である蜂窩織炎も、重度肥満群で34.5%、それ以外で13.5%と差があった。[8]

60,284人のうち重度肥満群は6,588人だった。糖尿病の併存は重度肥満群で46.0%、それ以外で24.9%、心不全は18.3%対7.4%、腎疾患は24.8%対11.9%だった。[8] 体重に加えて診療で把握する病気の重なりも、両群の背景として示されている。

同じ研究では、重度肥満群で医療資源の利用が大きい一方、リンパドレナージや理学療法を受けた割合は低かった。[8] 手によるリンパドレナージの実施割合は重度肥満群で40.0%、それ以外で46.6%、理学療法では51.6%対55.4%だった。[8] 併存する病気と利用できる治療を一緒に見ていく視点が求められる。[8]

この観察研究の群には、年齢や性別、ほかの病気にも違いがあった。[8] 感染症の割合の差を、肥満だけが直接生んだ差と断定することはできない。それでも、体重という単独の課題に話を絞らず、浮腫の診療、ほかの病気の管理、日常の活動を一緒に医療者と検討する根拠にはなる。[8][15]

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よくある誤解

「むくみを減らすには、体重の上下を大きくしてでも早く痩せればよい」という読み方には注意したい。術前後の腕の体積を追った研究では、術後の大きな体重変動も発症リスクと関連した。[17] 観察された体重変動との関連であり、安全な減量速度を決める試験ではない。[17]

「運動を調べた論文があるなら、好きな運動で浮腫を治せる」という飛躍も避けたい。乳がん関連リンパ浮腫のある、運動習慣に乏しい過体重以上の女性を対象にした無作為化試験の設計報告では、筋力トレーニングと有酸素運動、減量、その併用、対照を比較する計画が記されている。[19] 運動と食事による減量を分けて調べる設計そのものに意味がある。

この設計報告は351人を無作為に割り付けたと記す。試験中に再発した13人を除く338人のうち、83%が完了した。[19] 参加継続の結果は示されたが、運動や減量による浮腫改善の結果はこの報告では示されていない。浮腫のある腕にどのような運動が適するかは、治療を担当する医師に確かめたい。

「浮腫が残れば減量は失敗だ」という評価も、目的を取り違える。術後の発症を調べた研究は、全身の健康を目的にした個別の体重管理の意義を残しつつ、浮腫予防への効果を限定的に捉えている。[6] 肥満による脚の浮腫でも、レビューは減量を治療の基本に位置付けながら、完全に回復するかを今後の課題としている。[4] 治療の経過と体重管理を同じ合否判定にせず、医師と定めたそれぞれの目標に照らして見ていく。

今日からできること

  • 食事を慌ただしく済ませがちな時間帯を選び、落ち着いて食べる機会を週に何回、何時ごろ設けるかを自分で決める。続ける期間も自分で置き、食べた時刻と食事の内容を短く記録する。体重の数字だけを追う代わりに、日々続けられる食べ方に目を向ける。
  • 医療者から許可されている範囲で、取り組みやすい歩行などの運動を選ぶ。週に何回、1回何分にするかと、何週間続けるかを自分で決め、実施した時間とその日の体調を記録する。生活に入れる場所も、通勤の途中か家の近くか、無理なく続けられるほうを選ぶ。
  • 就寝前の過ごし方を整えるため、寝る準備を始める時刻と、週に何日取り組むかを自分で決める。試す期間を置き、準備を始めた時刻と翌朝の休めた感覚を記録する。予定どおりに進まなかった日は、その事情も添えて暮らしに合う形へ調整する。
  • 次の受診では、体重管理で目指したいことと、腕や脚の浮腫で困っていることを別々に伝える。食事調整と運動の内容・負荷、浮腫の測定や治療を続ける間隔をまとめて医師に相談する。

体重が変わった日にも、腕や脚の治療はそれぞれの経過を持っている。体重管理と専門的な治療を並行して考えることが、発症リスクの研究と治療後の研究を暮らしにつなぐ読み方である。[6][15] 日々の習慣は続けられたかを振り返り、浮腫の経過は診療で共有する。その両方を、次の生活へ持ち帰りたい。

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むくみの診療を続ける日のヨガ

浮腫の診療と日常の運動を並行して考えるなら、JR立川駅北口から徒歩1分にあるオンザショア立川店も、通う場所を検討する際の候補になる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビル3Fだ。

医師から運動を止められている方は利用できない。リンパ浮腫や乳がん治療後の溶岩ホットヨガ利用は主治医に確かめ、まず常温のヨガから考える。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

営業は全曜日8:00〜23:30で、年中無休。ヨガは25種類以上あり、常温のヨガと、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガを行う。ほかにピラティス、パーソナルトレーニング、ボクササイズ、HIIT、女性専用のキックボクササイズがある。

60分のヨガ体験には、ヨガマット、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルが含まれ、料金は税込1,980円となる。店舗の案内、料金の詳細、ヨガ体験の申し込みは各ページで見られる。むくみの診療中にヨガへ参加する際は、主治医と共有した運動の範囲を参加先にも伝える。

参考文献

[2] Lymphedema and Obesity. — Sudduth et al., 2022, Cold Spring Harbor perspectives in medicine. DOI: 10.1101/cshperspect.a041176

[4] Current Overview of Obesity-Induced Lymphedema. — Sudduth et al., 2022, Advances in wound care. DOI: 10.1089/wound.2020.1337

[5] Obesity-induced lymphedema: clinical and lymphoscintigraphic features. — Greene et al., 2015, Plastic and reconstructive surgery. DOI: 10.1097/PRS.0000000000001271

[6] Weight loss does not decrease risk of breast cancer-related arm lymphedema. — Roberts et al., 2021, Cancer. DOI: 10.1002/cncr.33819

[8] Clinical Impact of Severe Obesity in Patients with Lymphoedema. — Labropoulos et al., 2023, European journal of vascular and endovascular surgery : the official journal of the European Society for Vascular Surgery. DOI: 10.1016/j.ejvs.2022.11.014

[10] Time trend of breast cancer-related lymphedema according to body mass index. — Ogiya et al., 2024, European journal of surgical oncology : the journal of the European Society of Surgical Oncology and the British Association of Surgical Oncology. DOI: 10.1016/j.ejso.2024.108350

[15] Complex Decongestive Therapy in Breast Cancer-Related Lymphedema: Does Obesity Affect the Outcome Negatively? — Duyur Cakıt et al., 2019, Lymphatic research and biology. DOI: 10.1089/lrb.2017.0086

[16] Improvement of Limb Volumes After Bariatric Surgery in Nine End-Stage Primary, Secondary, and Obesity-Induced Lymphedema Patients: A Multiple Case Report. — Hendrickx et al., 2022, Lymphatic research and biology. DOI: 10.1089/lrb.2020.0055

[17] Impact of body mass index and weight fluctuation on lymphedema risk in patients treated for breast cancer. — Jammallo et al., 2013, Breast cancer research and treatment. DOI: 10.1007/s10549-013-2715-7

[19] The women in steady exercise research (WISER) survivor trial: The innovative transdisciplinary design of a randomized controlled trial of exercise and weight-loss interventions among breast cancer survivors with lymphedema. — Winkels et al., 2017, Contemporary clinical trials. DOI: 10.1016/j.cct.2017.07.017

冒頭の写真: 展示用のマネキンに装着された、リンパ浮腫用の腕の圧迫スリーブ。(写真: Staff photographer / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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