エフェドラはなぜ消えたのか かつての「燃える」やせ薬の試験と心臓への負担

植物園で栽培されているエフェドラシニカ麻黄の植物体を写した写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

問題が出なかった試験だけで、安全を決められない

健康な過体重成人27人を調べた2002年の無作為化試験では、エフェドラとカフェインを含む製品を使っても、心拍、血圧、心電図、心エコーによる指標に偽薬との差はなく、重い有害事象もなかった。[3] この結果は、その対象と期間では問題を検出しなかったという意味で重要だ。同時に、持病を持つ人や長く使う人まで含めた安全性とは範囲が違う。

後の9か月試験にも、肯定的な結果がある。健康な閉経前の過体重・肥満女性61人を対象に、エフェドラとカフェインにビタミン、ミネラルなども加えた製剤を対照製剤と比べた。試験を完了したのは41人で、治療群の体重は7.18kg、対照群は2.25kg減少した。心拍数は治療群で低下し、血圧や心電図には群の差がなかった。[20]

ただし、この試験でも、口の渇き、不眠、神経過敏、動悸といった軽い症状は挙げられている。著者らが安全で効果的としたのは、医師の監督下で試した、この複合製剤と対象者についてである。[20] 6か月試験では心拍数が増え、この試験では低下した。[9][20] 配合と対象の異なる試験で、心拍への影響も分かれたのである。

そこで役立つのが、小さな試験を束ねた安全性の情報である。2003年のメタ分析では、安全性データを持つ50試験から、精神面、自律神経系、胃腸の症状、動悸のオッズ増加が推定された。[12] オッズは、症状が起きる確率そのものとは異なる比べ方である。この分析が示したのは、対照群と比べた症状の起こりやすさだった。

さらに、この分析は、千人あたり1件未満の頻度の有害事象について結論を出すにはデータが足りないと明記した。検討した症例報告の多くも、意味のある評価をするには情報不足だった。[12] 報告があるだけで原因と決めることも、試験で見つからないから起こらないと決めることも避ける。この限界は、重大な害の頻度を勝手に補うためでなく、分からない部分を安全の証明から外すために使う。

「なぜ消えたのか」という歴史への答えも、ここに重心がある。減量への作用が見られたことと、副作用のために実行しにくい方法だと評価されたことは両立する。[10][12] 2005年の論文は、禁止製品に代わる市場を研究の背景に置いている。[4] この経緯から減量試験を見ると、効果と安全性を同時に測る重要さが分かる。

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エフェドラ不使用でも、製品ごとに結果が分かれた

エフェドラを含まない、と書かれていれば、除かれた成分は分かる。残った配合の作用までは分からない。その点を調べた2005年の研究では、健康な非喫煙者10人が、ビターオレンジ由来の製剤、複数の成分を配合した製剤、偽薬を、順番を入れ替えて試した。各製剤を1回使った後の血圧と心拍を調べる設計である。[4]

複合製剤では、使用前からの変化が最も大きい時点で、収縮期血圧が9.6mmHg、拡張期血圧が9.1mmHg上がり、偽薬との比較でも有意だった。ビターオレンジ由来の別の製剤には、血圧への影響が見られなかった。一方、心拍数はどちらの製剤でも偽薬と比べて上昇していた。[4]

成分の一つであるシネフリンの量は、血圧が上がらなかった製剤のほうが多かった。著者らは、複合製剤で見られた血圧への作用はビターオレンジだけによる可能性が低く、カフェインなどほかの刺激成分が関わる可能性を述べている。[4] これは、シネフリンの多いほうが安全という意味にはならない。原因を単一成分に絞れず、配合全体を調べる必要があるという結果だ。

一方、別のエフェドラ不使用の複合製剤を、健康な20人が1回使った試験では、心電図の指標に偽薬との差がなかった。心臓の電気的な回復に関わる時間の指標である補正QT間隔も変わらなかった。ただし試した量は通常の推奨単回量の半分で、観察は5時間だった。著者らは、量を変える試験と、より長い期間の研究を求めている。[5]

血圧が上がった研究と、心電図に差がなかった研究は、同じ製品の同じ試験を再現したものとは違う。[4][5] 測ったものも、配合も、条件もそろっていない。「不使用だから安全」「不使用でも全部危険」という両端の結論へ急ぐより、何をどれだけ使って、どの指標を何時間見たのかを確かめるほうが、論文の情報を保てる。

製品の名前や表示量から、過去の試験と同じ中身だと考える際にも注意が要る。先の12週間の複合製剤の試験では、独立した検査機関による測定で、エフェドリン系成分とカフェインが予定した量に届いていなかった。[18] 研究者は、測定した含有量を踏まえて試験の結果を評価した。予定した配合と実際の配合の差も、研究条件の一部として残る。

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よくある誤解

「代謝を刺激するなら、熱をつくる脂肪も働き続ける」という想像には、別の人の試験が歯止めをかける。2015年の無作為化比較試験では、健康な若い男性をエフェドリンと偽薬に分け、28日間追った。最終解析は完了者23人で行われ、エフェドリン群は体脂肪を減らしたが、褐色脂肪組織の活動は高まらず、むしろ有意に低下した。活動の変化はエフェドリン群で−22%、偽薬群で−3%だった。[15]

褐色脂肪組織は、エネルギー消費を増やす可能性から、この研究で注目された組織である。研究者は、投与前後に薬への急性反応を画像で比べ、継続投与によって適応的な熱産生が誘導されるかを調べた。脂肪の減少と、褐色脂肪の活動増加は結びつかなかった。[15] 体脂肪が減ったという結果から、その仕組みをひと足飛びに決めることはできない。

「自然の植物なら穏やか」という理解にも、試験は条件を付ける。ハーブ製剤の試験で、不眠や口の渇きが増えたものもあれば、医師の監督下でおおむね安全と評価されたものもある。[9][20] 植物由来という分類は、試験で調べた不調の有無を代わりに判定してくれない。食べ物の話と、濃縮成分を含む製剤の試験を一緒にしない。

「体重が減るなら、運動の成績も上がる」という飛躍もある。2003年のメタ分析では、エフェドラで運動能力を調べた試験は見つからず、エフェドリンの試験は結果をまとめられないほど条件が異なっていた。運動能力向上のためにエフェドラを使う根拠は不十分という評価だった。[12] 減量の数字が、そのまま運動時の有用性まで保証するわけではない。

今日からできること

  • 食事を用意する日を週に何回にするか、自分で決める。買い物の前に献立を考え、主食・主菜・副菜を組み合わせる。何週間続けるかも決め、その間は用意できた回数と、忙しくて難しかった日の事情を記録する。できなかった日の分を、次の日の食事抜きで埋め合わせない。
  • 生活の中で無理なく歩ける場面を選び、週に何回、1回何分歩くかを自分で決める。続ける期間を何週間にするかも決め、歩いた時間とその日の体調を記録する。買い物の行き帰りや仕事の休憩など、今の暮らしに入る場面から始める。
  • 就寝前に仕事や家事を切り上げる時刻と、寝床に入る時刻を自分で決める。何日間続けるかを決めて、実際に寝た時刻と翌朝の眠気を記録する。予定が崩れた日は理由を短く添え、次の晩に取り組みやすい段取りへ直す。
  • 薬やサプリを使っていて眠れなさ、口の渇きなどが気になるときは、製品の成分表示と使い始めた時期、体調の変化を医師・薬剤師に伝える。開始・継続・中止も相談する。体重の減り方だけで、使い続ける判断を済ませない。
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「燃える」の先にあるヨガの参加条件

「燃える」という言葉に引かれて運動を探すときも、オンザショア立川店でのヨガは60分のレッスンに参加できる体調かどうかから考えたい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。服薬やサプリについて医師の助言を受けている人は、暑い室内での参加についても主治医に尋ね、常温のヨガから検討する。

通う場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。営業時間は毎日8:00〜23:30で、年中無休となる。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガと常温のヨガがあり、ヨガのレッスンは25種類以上。ピラティスやパーソナルトレーニングも扱う。

ヨガの体験は税込1,980円。60分のレッスンにヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルが含まれる。店の案内、料金の詳細、ヨガ体験の予約を参照できる。燃焼への期待とともに、参加当日の睡眠や服薬について伝えたいことも持って足を運ぶ。

参考文献

[3] An acute clinical trial evaluating the cardiovascular effects of an herbal ephedra-caffeine weight loss product in healthy overweight adults. — Kalman et al., 2002, International journal of obesity and related metabolic disorders : journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1038/sj.ijo.0802061

[4] Hemodynamic effects of ephedra-free weight-loss supplements in humans. — Haller et al., 2005, The American journal of medicine. DOI: 10.1016/j.amjmed.2005.02.034

[5] Electrocardiographic effects of an Ephedra-Free, multicomponent weight-loss supplement in healthy volunteers. — Min et al., 2005, Pharmacotherapy. DOI: 10.1592/phco.25.5.654.63581

[7] A controlled trial using ephedrine in the treatment of obesity. — Pasquali et al., 1985, International journal of obesity.

[9] Herbal ephedra/caffeine for weight loss: a 6-month randomized safety and efficacy trial. — Boozer et al., 2002, International journal of obesity and related metabolic disorders : journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1038/sj.ijo.0802023

[10] Obesity and thermogenesis related to the consumption of caffeine, ephedrine, capsaicin, and green tea. — Diepvens et al., 2007, American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology. DOI: 10.1152/ajpregu.00832.2005

[12] Efficacy and safety of ephedra and ephedrine for weight loss and athletic performance: a meta-analysis. — Shekelle et al., 2003, JAMA. DOI: 10.1001/jama.289.12.1537

[13] The effect of ephedrine/caffeine mixture on energy expenditure and body composition in obese women. — Astrup et al., 1992, Metabolism: clinical and experimental. DOI: 10.1016/0026-0495(92)90304-s

[15] Chronic ephedrine administration decreases brown adipose tissue activity in a randomised controlled human trial: implications for obesity. — Carey et al., 2015, Diabetologia. DOI: 10.1007/s00125-015-3543-6

[18] A randomized double-blind placebo-controlled clinical trial of a product containing ephedrine, caffeine, and other ingredients from herbal sources for treatment of overweight and obesity in the absence of lifestyle treatment. — Coffey et al., 2004, International journal of obesity and related metabolic disorders : journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1038/sj.ijo.0802784

[19] Effect of herbal Ephedra sinica and Evodia rutaecarpa on body composition and resting metabolic rate: a randomized, double-blind clinical trial in Korean premenopausal women. — Kim et al., 2008, Journal of acupuncture and meridian studies. DOI: 10.1016/S2005-2901(09)60033-9

[20] Multinutrient supplement containing ephedra and caffeine causes weight loss and improves metabolic risk factors in obese women: a randomized controlled trial. — Hackman et al., 2006, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/sj.ijo.0803283

冒頭の写真: 植物園で栽培されているエフェドラ・シニカ(麻黄)の植物体を写した写真(写真: Rudolphous / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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