痩せすぎの体に起きること 20代女性の5人に1人が低体重の日本で、血糖・妊娠・骨折を追う

東京渋谷のスクランブル交差点を渡る歩行者たちハチ公前広場から撮影された写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

赤ちゃんの体重に表れる差

妊娠前の体重は、生まれてくる子の体重とも結びついている。先のメタ分析は、日本の女性の単胎の妊娠を扱った34本のコホート研究と症例対照研究を統合している[14]。妊娠前に低体重だった人は、子が低出生体重で生まれるオッズ比が1.61(95%信頼区間1.38〜1.86)、在胎週数に比べて小さく生まれるオッズ比が1.59(同1.55〜1.63)だった[14]。早産のオッズ比も1.23(同1.19〜1.26)と高い[14]。生まれた子の平均の体重は、115.02g軽かった[14]。

著者らが強調するのは、低体重の人がこれほど多い国でも、その危険が薄まっていないことだ[14]。「周りもみんな細いから大丈夫」という見方は、この結果とはかみ合わない。著者らは、妊娠前からの体の準備への意識を高め、妊娠前の体重を整えることの大切さを挙げている[14]。

妊娠中の体重の増え方も関わる。正期産で一人の子を産んだ1,391人を追った前向きのコホート研究では、在胎週数に比べて小さく生まれる割合は、妊娠前に低体重だった群で13.8%と最も高かった[5]。標準体重と比べたオッズ比は1.96である[5]。一方で、妊娠中の増加が1kg多いごとに、小さく生まれるオッズは0.86倍になった[5]。妊娠中の増加が9.0kg以下だった人は、低体重でも標準体重でも、9.1〜11.0kg増えた標準体重の人より危険が高かった[5]。そして、低体重の人でも、十分に増えていれば、小さく生まれる割合は有意には高くなかった[5]。

妊娠前に細いことと、妊娠中に増えないこと。2つは別々の要因として数字に出ていて、後者は妊娠してから主治医と一緒に見ていける側にある[5]。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

妊娠中にどれだけ増えればよいか、答えは揺れている

では、低体重の人は妊娠中にどれだけ増えればよいのか。ここは研究によって答えが分かれている。日本の出生の登録データから、妊娠前に低体重だった148,135人の出産を分析した研究がある[2]。論文が出た2019年の時点の厚生労働省の推奨(9〜12kg)と、米国医学研究所(IOM)の推奨(12.7〜18.1kg)の2つの物差しで、増加量を区切って比べた[2]。

厚生労働省の推奨で区切ると、増加9kg未満の群では、在胎週数に比べて小さく生まれた割合が19.3%、早産が22.7%、帝王切開が28.5%だった[2]。9〜12kgの群では11.7%、8.7%、22.8%、12kgを超えた群では8.0%、4.9%、21.5%と、増加が多い群ほど3つとも低い[2]。IOMの推奨で区切ると、12.7kg未満で15.0%、14.7%、25.2%、12.7〜18.1kgで8.0%、5.3%、21.5%となる[2]。18.1kgを超えた群では7.0%、5.5%で、帝王切開は25.0%に戻っていた[2]。結果が最も良かったのは12kgを超えた群とIOMの推奨の範囲の群で、著者らは、その時点の厚生労働省の推奨は見直しが必要だとした[2]。

横浜市立大学の周産期の施設で2001〜2012年に出産した女性を調べた研究は、週あたりの増え方で見ている[11]。妊娠前に低体重だった1,057人では、早産が4.6%、小さく生まれた子が13.9%と、標準体重の6,954人の2.4%、9.7%より多かった[11]。低体重の人では、妊娠中期と後期の増え方が週0.3kgに届かないと、早産と小さく生まれる割合がIOMの推奨を満たした人より有意に高かった[11]。週0.3kg以上なら、その差は消えている[11]。標準体重の人では、週0.2kgに届かない増え方で早産が多かった[11]。著者らは、IOMの推奨は日本の女性にはそのまま当てはまらない可能性があるとしている[11]。

増えれば増えるほどよい、というわけでもない。妊娠前に低体重だった479人を単一の施設で調べた研究では、妊娠中の体重の増加が多すぎると、妊娠高血圧腎症の危険が高まった(調整オッズ比1.13、95%信頼区間1.00〜1.28)[6]。著者らが求めた増加の区切りは13.0kgだったが、その区切りで見分けられる力は、曲線の下の面積で0.65にとどまり、妊娠高血圧腎症になった人のうち区切りを超えていたのは半数だった[6]。いまの時点で言えるのは、低体重の人では増え方が少なすぎると子が小さく生まれやすく早産が増え、多すぎると別の危険が増える、ということだ[2][5][6]。ここで見た3つは、どれも観察研究で、増やし方を無作為に決めた試験ではない[2][5][6]。どの幅を目標にするかは研究ごとに違い、一人ひとりの目標は妊婦健診で主治医と決める領域にある。妊娠中の体重の増やし方を支える試験は「妊娠中の体重増加はどこまでよいか 食事と運動の試験で見える支援と数字の限界」に譲る。

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

骨折は、部位で向きが変わる

FUSの提案は、低体重と低栄養が骨量の低下と結びついているとしている[12]。では骨折はどうか。閉経後の日本の女性1,614人を平均6.7年追った病院のコホート研究がある[9]。その間に、症状の出た背骨の骨折が254件、画像で見つかった背骨の骨折が335件、大腿骨の付け根の骨折が48件、手足の長い骨の骨折が159件起きた[9]。

背骨の骨折の起こる率は、骨密度などの危険因子を調整すると、低体重の女性で過体重・肥満の女性の0.45倍、標準体重の女性で0.61倍と低かった[9]。ところが、大腿骨の付け根の骨折と手足の長い骨の骨折は、低体重の女性で過体重・肥満の女性の2.15倍と1.51倍だった[9]。ただし、この2つは信頼区間が0.73〜6.34と0.82〜2.77で、1をまたいでいる[9]。偶然の範囲を超えたと言い切れる差ではない。大腿骨の付け根の骨折は48件と少なく、そのぶん推定の幅も広くなっている[9]。

著者らは、過体重・肥満も低体重も、それぞれ違う部位の骨折の危険因子だと結論している[9]。体重が軽いほど骨に優しい、という一本の線では表せない。この研究の対象は閉経後の女性で、若い女性の骨折を追ったものではない。若い時期の低体重と骨量の関係は、FUSの提案が健康の問題として挙げている段階である[12]。痩せることと骨密度の関係を減量の側から読んだ「減量と骨密度、痩せると骨は弱くなるのか 体重計に映らない変化と運動の役割」も合わせて読める。運動と食事の釣り合いから月経と骨を見た話は、「食べずに運動を重ねると体に何が起きるのか 利用可能エネルギーの不足と、月経・骨の実験」で扱っている。

痩せを、一人の問題にしない名前

FUSの提案が求めているのは、本人の努力だけではない[12]。体重が多すぎる側については健診や医療の仕組みが整ってきたのに、低体重の側への体系だった取り組みはまだ十分に育っていない、というのが提案の出発点である[12]。そのうえで、診断の基準をはっきりさせ、早く見つけて予防につなげること、偏見を防ぐこと、教育や産業の分野と協力すること、健診の仕組みに組み込むこと、背景にある社会的な要因に手を打つことを挙げている[12]。

FUSが扱う不調は、骨量の低下、月経の異常、耐糖能異常、サルコペニア(筋肉の量や力の衰え)に似た変化、そして抑うつや疲れといった全身の症状にまで広がる[12]。若いころから人生の後半まで健康に響く、とも書かれている[12]。

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

よくある誤解

「痩せていれば、糖尿病の心配はない」と思われやすい。前半で見た若い女性の研究では、耐糖能異常は低体重の若い女性のほうに多かった[3]。親に糖尿病のない看護師では、18歳のBMIが低い側だった人は、今のBMIが中くらいでも糖尿病のオッズ比が高かった[8]。

「妊娠中は、体重をなるべく増やさないほうがよい」という思い込みも、低体重の人では研究とずれる。妊娠中の増加が1kg多いごとに、子が小さく生まれるオッズは0.86倍になり[5]、週0.3kgに届かない増え方では早産と小さく生まれる割合が高かった[11]。ただし、増えすぎると妊娠高血圧腎症の危険が上がるという研究もある[6]。

「体重が軽いほど、骨への負担が少なくて骨折しにくい」とも言い切れない。閉経後の女性では、背骨の骨折は低体重のほうが少なかったが、大腿骨の付け根や長い骨の骨折は多い傾向だった[9]。

今日からできること

  • 身長と体重からBMIを計算し、18.5を下回っていないかを年に何回確かめるかを決める。妊娠を考えているなら、妊娠を望む時期の何か月前に確かめるかも決める。日本の研究を統合した分析も、妊娠前の体重を整えることの大切さを挙げている[14]。
  • 健診の血糖が基準内でも、低体重の人は、ブドウ糖を飲んで調べる検査が要るかどうかを、次の受診で医師に尋ねる。
  • 18歳のころBMIが低い側だった人は、今の体重が何kg増えたら食事と運動を見直すかを決めておく。18歳で低い側・今は高い側の組み合わせで、成人後の糖尿病のオッズ比が最も高かった(看護師の女性を調べた横断研究)[8]。
  • 妊娠中の人は、体重を量る回数を週に何回にするか決め、週あたりの増え方を自分でも計算し、妊婦健診で主治医と決めた目標と見比べる。低体重の人では、週0.3kgに届かない増え方で早産と小さく生まれる割合が高かった[11]。

減らす目標を持たずに体を動かす

低体重の研究を読んだあとに選ぶ運動は、体重を減らすためのものでなくてよい。オンザショア立川店のレッスンも、減量の目的を持たないまま体を動かす人の選択肢になる。

妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。BMIが18.5を下回っている人、妊娠を考えている人、低体重や月経の乱れで通院している人は、高温の部屋に入る前に医師の意見を聞き、常温のヨガを先に選ぶ。

店は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から歩いて1分。8:00に開いて23:30に閉まり、年中無休で曜日による違いはない。レッスンは溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングと分かれ、ヨガだけで25種類以上がそろう。

オンザショアの案内 / レッスンの料金

BMIが18.5を下回っている人は、体を動かし始める前に、体重を減らす目標を手帳から消しておく。

参考文献

[1] Thinness among young Japanese women. — Takimoto et al., 2004, American journal of public health. DOI: 10.2105/ajph.94.9.1592

[2] Optimal gestational weight gain for underweight pregnant women in Japan. — Shindo et al., 2019, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-019-54550-y

[3] Prevalence and Features of Impaired Glucose Tolerance in Young Underweight Japanese Women. — Sato et al., 2021, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/clinem/dgab052

[5] Gestational bodyweight gain among underweight Japanese women related to small-for-gestational-age birth. — Harita et al., 2012, The journal of obstetrics and gynaecology research. DOI: 10.1111/j.1447-0756.2012.01848.x

[6] Effect of gestational weight gain on preeclampsia among underweight women: A single tertiary referral center study in Japanese women. — Kyozuka et al., 2022, The journal of obstetrics and gynaecology research. DOI: 10.1111/jog.15200

[8] Being underweight in adolescence is independently associated with adult-onset diabetes among women: The Japan Nurses’ Health Study. — Katanoda et al., 2019, Journal of diabetes investigation. DOI: 10.1111/jdi.12947

[9] Overweight/obesity and underweight are both risk factors for osteoporotic fractures at different sites in Japanese postmenopausal women. — Tanaka et al., 2013, Osteoporosis international : a journal established as result of cooperation between the European Foundation for Osteoporosis and the National Osteoporosis Foundation of the USA. DOI: 10.1007/s00198-012-2209-1

[11] Associations of maternal pre-pregnancy underweight with small-for-gestational-age and spontaneous preterm birth, and optimal gestational weight gain in Japanese women. — Fujiwara et al., 2014, The journal of obstetrics and gynaecology research. DOI: 10.1111/jog.12283

[12] Female Underweight/Undernutrition Syndrome (FUS): An Emerging Health Concept in Premenopausal Women – Secondary Publication (English Translation of the Japanese Statement). — Tamura et al., 2026, The journal of obstetrics and gynaecology research. DOI: 10.1111/jog.70201

[13] Underweight in young Japanese women over time: a longitudinal retrospective study of the change in body mass index from ages 6 to 20 years. — Nagashima et al., 2024, Annals of human biology. DOI: 10.1080/03014460.2024.2345393

[14] Impact of Maternal Underweight on Infant and Maternal Outcomes in Japanese Women: A Systematic Review and Meta-analysis. — Kobayashi et al., 2026, Journal of epidemiology. DOI: 10.2188/jea.JE20250483

[17] Being underweight or obese in adolescence may increase the risk of female infertility later in life: The Japan Nurses’ Health Study. — Iida et al., 2025, Maturitas. DOI: 10.1016/j.maturitas.2024.108172

冒頭の写真: 東京・渋谷のスクランブル交差点を渡る歩行者たち。ハチ公前広場から撮影された写真(写真: Benh LIEU SONG (Flickr) / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

ダイエットの科学特集のほかの記事

ダイエットの科学特集の一覧

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder
1

2

関連記事

ご体験予約