残業と体重の関係を12万人のデータで見る 時間の長さは小さく一貫、ストレスは測り方しだい

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仕事のストレスだけを見ると、結びつきはほとんど消えた

ここからは、働く時間ではなく仕事の緊張を見る。仕事の緊張は、仕事のストレスを表す指標として最も広く使われているもので[5]、仕事の要求が高いのに、自分で決められる幅(裁量)が小さい状態を指す。この緊張は、心臓や血管の病気、2型糖尿病など、肥満にかかわる病気の危険因子として知られている[5]。では、肥満そのものとはどうか。

2014年5月までのコホート研究を集めたメタ分析は、条件を満たした8本の研究をまとめた[5]。仕事の緊張がある人とない人を比べると、体重の増加の危険はオッズ比1.04(95%信頼区間0.99〜1.09、合計18,240人)、肥満になる危険は1.00(同0.89〜1.13、合計42,222人)で、全体としての結びつきは見られなかった[5]。さらに、時間とともに仕事の緊張が減っても、肥満の危険が下がることとは結びつかなかった(1.13、同0.90〜1.41、合計6,507人)[5]。著者らは、仕事の緊張が肥満の重要な危険因子であるという仮説も、肥満の予防の有望な的であるという考えも、これらの縦断の結果は支持しないと書いている[5]。

欧州の13の研究、161,746人(男性49%、平均43.7歳)の個人のデータを重ねた分析では、もう少し込み入った形が見えた[17]。仕事の緊張を訴えた人は27,010人(17%)だった[17]。ある時点で比べると、標準の体重の人に比べて、低体重の人(オッズ比1.12)、肥満の1度の人(1.07)、2度・3度の人(1.14)で、仕事の緊張を抱える見込みが高かった[17]。体重の軽い側にも重い側にも緊張が多い、U字の形である[17]。

4つのコホート(42,222人、追跡の中央値4年)で時間を追うと、追跡のあいだに仕事の緊張が始まった人では、体重の増加とも減少とも結びつきが見られた[17]。結びつきは、太る側の一方向にだけ出ていたわけではない。著者らは、結びつきは比較的控えめで、仕事の緊張を減らす介入が集団全体の肥満対策として効果を上げるとは考えにくいと結論している[17]。

先の39本のレビューも、仕事の心理社会的な要因について同じ慎重さを示していた。およそ60%の研究が少なくとも1つの正の結びつきを報告していたものの、調べられた結びつきの76%は統計的に意味がなく、結びつきもかなり弱かった[12]。正の結びつきは、男性より女性で、縦断研究より横断研究で、ほかの結果より過体重や肥満を結果にした研究で、多く見られた[12]。ただし、方法の質の高い研究ほど結びつきを見ることが多かった[12]。

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それでも、何年も重なると腹囲と大きな増加に表れた

一方で、緊張が長く重なった場合を見ると、別の答えが出る研究もある。ロンドンの大規模なコホートで、35〜55歳の男性6,895人と女性3,413人を19年追った研究は、仕事の緊張の質問票に4回答えてもらい、緊張を訴えた回数と肥満の関係を調べた[16]。

年齢、性別、社会的な地位をそろえると、BMIで見た肥満のオッズ比は、緊張の報告が1回で1.17、2回で1.24、3回以上で1.73だった[16]。腹囲で見た肥満(男性102cm超、女性88cm超)では、同じく1.17、1.41、1.61だった[16]。報告の回数が増えるほど危険が上がる、用量反応の関係である[16]。始めから肥満だった人を除き、喫煙、食物繊維や果物・野菜の摂取、飲酒、追跡中の身体活動を調整すると、効果は少し弱まった[16]。

工場で働く30〜53歳の男性2,200人と女性1,371人を6年の間隔で2回調べた研究では、BMIの変化には仕事の緊張との統計的な結びつきが見られなかった[14]。ところが腹囲は、2回とも緊張の得点が高かった群で、2回とも低かった群より大きく増えていた[14]。腹囲の増え方が上位4分の1に入るオッズ比は、2回とも高かった群で男性1.39(95%信頼区間1.07〜1.79)、女性1.78(同1.26〜2.52)だった[14]。片方の回だけ高かった群では、信頼区間が1をまたいでいた[14]。体重計の数字は動かないのに、ウエストのメジャーには表れていたことになる。

スウェーデンの地域の住民3,872人を20年のあいだに3回調べた研究は、体重が始めの10%以上増える「大きな増加」を結果にした[7]。年齢をそろえると、始めの時点で仕事の裁量が小さかった人は、20年での大きな増加のオッズ比が1.29(95%信頼区間1.13〜1.47)で、食事の質などを調整しても1.30(同1.13〜1.50)だった[7]。仕事の要求の高さが10年以上続いた場合は、女性で1.54(同1.14〜2.07)と危険が高く、男性では0.87(同0.63〜1.19)と結びつかなかった[7]。食事もほかの暮らしの要因も、これらの結びつきを説明しなかった[7]。

まとめた分析では消えた結びつきが、緊張が重なった回数、腹囲、10%以上の大きな増加という見方では残る。測り方の違いが答えの違いの一部を説明しているのかもしれない。ただし、緊張が減っても肥満の危険は下がらなかったという結果もある[5]。ストレスを減らせば体重が戻る、と言えるだけの材料は、ここに集めた研究にはない。

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仕事の緊張が高い人は、体を動かす量の足りない側に少し多かった

教育歴の短い働き手8,369人を、2012〜2017年の期間に追った研究がある[13]。仕事の緊張が高い人は、2年後に自分の健康をよくないと評価する見込みが高かった(オッズ比1.34)[13]。その人たちには身体活動の足りない人が少し多かった(オッズ比1.14、95%信頼区間1.01〜1.28)が、たばこを吸う、過体重や肥満である、果物や野菜が少ない、といった傾向は強くなかった[13]。健康の評価への影響を、こうした行動やBMIが仲立ちしている度合いは小さく、統計的に意味はなかった[13]。

ここで、ストレスと働く時間の研究で答えが食い違う点がある。仕事の緊張が高い人では身体活動の足りない人が多かったのに[13]、長時間の勤務に移った人では身体活動の変化が見られなかった[19]。緊張と長さは、暮らしの別のところに表れているのかもしれない。

研究の読み方の注意を、ここでまとめておく。この記事の研究はすべて観察研究で、長く働くことが体重を増やしたと言い切れるものはない。体の具合が働き方と体重の両方に関わりうることは、失業中の女性の結びつきが健康状態の調整で消えたことにも表れていた[1]。働く時間を一度しか測っていない研究もある[2]。そのうえで言えるのは、長時間労働と過体重の結びつきは小さいが一貫しており、仕事の緊張との結びつきは、測り方によって出たり消えたりする、ということだ[2][5][8]。

働き方を明日から変えられる人は多くない。研究が結びつきを見つけた暮らしの要素のうち、本人の手が届くのは、夕食の時刻[10]、酒とたばこの量[19]、体を動かす量[13]のほうである。

よくある誤解

「残業が続けば、誰でも確実に太る」という見方は、数字の上では強すぎる。45〜50歳の女性の研究では、働く時間が長いほど体重の増え方が大きかったが、その結びつきは、全体として体重が大きく増えた女性ほど強く出ていた[1]。長く働くことと体重の結びつきは、誰にでも同じ大きさで現れたわけではない。残業と3年のBMIの変化の相関も0.206と弱かった[10]。

「太るのは仕事のストレスのせいで、ストレスさえ減れば体重も戻る」という期待も、研究とは合わない。8本のコホートをまとめた分析では、仕事の緊張と体重の増加や肥満の結びつきは見られず、緊張が減っても肥満の危険は下がらなかった[5]。追跡のあいだに仕事の緊張が始まったことは、体重の増加とも減少とも結びついていた[17]。

「長時間労働と体重は、男性の問題だ」とも言い切れない。残業と体重の増加は特に男性で結びつきが見られたが[12]、45〜50歳の女性でも、働く時間が長いほど体重の増え方が大きかった[1]。仕事の要求の高さが10年以上続いた場合に大きな体重の増加と結びついたのは、女性のほうだった[7]。

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今日からできること

  • 勤務が長くなる週のたばこの本数を、1日何本までにするか先に決める。標準の時間から長時間の勤務に移った人では、男女ともたばこが増えていた[19]。
  • 勤務が長くなる週の酒の量は、1週間で何杯までと上限を置く。標準の時間から長時間の勤務に移った女性では、飲酒が増えていた[19]。
  • 仕事の負担が重い時期ほど、体を動かす日を週に何日、1回何分とるかを、忙しくなる前に割り振っておく。仕事の緊張が高い人には、身体活動の足りない人が少し多かった[13]。
  • 残業のある日に、夕食を何時までにとるかを先に決めておく。残業の時間は夕食の時刻と相関していた[10]。
  • 勤務の時間を選べる立場なら、週に何時間までを上限にするかを選ぶ。週41〜48時間の群でも、標準の35〜40時間の群より過体重以上へ移る危険がわずかに高く[2]、週40時間以下と比べた長時間労働の肥満のオッズ比は1.13だった[8]。

定時に帰れない週にも、体を動かす場面を一つ

働く時間を自分で決められない人にとって、体を動かす場面を置けるかどうかは、仕事の終わる時刻に左右される。オンザショア立川店は8:00〜23:30まで開いていて、年中無休、曜日によって営業の時刻が変わらない。

スタジオが入るのは東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅の北口を出て徒歩1分の距離にある。溶岩プレートのスタジオで行うホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガのレッスンだけで25種類以上ある。

初回はヨガの体験として、60分のレッスンを税込1,980円で受けられる。バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルは、その料金の中に入っている。

体の状態によっては使えない場合がある。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。店の案内はオンザショアのサイト、料金は料金のページ、申し込みはヨガ体験の予約にある。

残業の続く週は、金曜の帰りにその週の勤務時間を足し上げ、この記事で見た41〜48時間、49〜54時間、55時間以上の区分と照らし合わせる。

参考文献

[1] Employment, work hours and weight gain among middle-aged women. — Au et al., 2013, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2012.92

[2] Long working hours and change in body weight: analysis of individual-participant data from 19 cohort studies. — Virtanen et al., 2020, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-019-0480-3

[5] Job strain and risk of obesity: systematic review and meta-analysis of cohort studies. — Kivimäki et al., 2015, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2015.103

[7] Occupational stress is associated with major long-term weight gain in a Swedish population-based cohort. — Klingberg et al., 2019, International archives of occupational and environmental health. DOI: 10.1007/s00420-018-1392-6

[8] A meta-analysis of observational studies including dose-response relationship between long working hours and risk of obesity. — Li et al., 2021, Reviews in endocrine & metabolic disorders. DOI: 10.1007/s11154-021-09643-3

[10] Increases in body mass index and waist circumference as outcomes of working overtime. — Nakamura et al., 1998, Occupational medicine (Oxford, England). DOI: 10.1093/occmed/48.3.169

[12] Psychosocial factors at work, long work hours, and obesity: a systematic review. — Solovieva et al., 2013, Scandinavian journal of work, environment & health. DOI: 10.5271/sjweh.3364

[13] The mediating role of unhealthy behaviors and body mass index in the relationship between high job strain and self-rated poor health among lower educated workers. — van Oostrom et al., 2021, International archives of occupational and environmental health. DOI: 10.1007/s00420-020-01565-y

[14] Influence of job strain on changes in body mass index and waist circumference–6-year longitudinal study. — Ishizaki et al., 2008, Scandinavian journal of work, environment & health. DOI:

[16] Prospective effect of job strain on general and central obesity in the Whitehall II Study. — Brunner et al., 2007, American journal of epidemiology. DOI: 10.1093/aje/kwk058

[17] Job strain in relation to body mass index: pooled analysis of 160 000 adults from 13 cohort studies. — Nyberg et al., 2012, Journal of internal medicine. DOI: 10.1111/j.1365-2796.2011.02482.x

[19] Long working hours and health. — Shields, 1999, Health reports. DOI:

冒頭の写真: 夜のオフィスビルの外観。2013年にオーストリアのウィーンで撮影された写真(写真: Thomas Quine / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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宮川涼 Founder
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