性格で体重は決まるのか 誠実性・衝動性を50年以上追った研究と2.3%という数字

デンマークの首都コペンハーゲンで撮影された通りを歩く人々の様子 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

衝動性は、一つの性質ではない

性格と体重の研究で、繰り返し名前が挙がるのが衝動性である。ただ、衝動性と一口に言っても、測り方はいくつもある。米国のシカゴとジョージア州アセンズで集めた、欧州系の健康な若い学生と大学職員998人を調べた横断研究がある[12]。体重と身長は研究の補助者が実際に測った[12]。

この研究は、衝動性を14の指標で測り、3つの大きな区分にまとめた[12]。衝動的な選択、衝動的な行動、衝動的な性格である[12]。14の指標のうち、BMIと結びついたのは4つだった[12]。先の報酬を待てるかを表す2つの指標、連続した課題で注意と反応の抑えを測る検査、そして嫌な気分のときに勢いで動いてしまう傾向(否定的な切迫性)である[12]。先の報酬を待てるかの指標は、後で手に入る大きな報酬より、すぐ手に入る小さな報酬を選びやすい傾向を数字にしたものだ。

残りの10の指標は、BMIとの結びつきを示さなかった。「衝動的だから太る」という一言で済ませるには、14分の4という数は少ない。肥満にかかわる遺伝子の型も調べられ、その型はBMIの高さと結びついていたが、遺伝子の型と衝動性とBMIの三者の関係は込み入っていた[12]。著者らは、衝動的な振る舞いとBMIのあいだには複雑な結びつきの型があるとまとめている[12]。

食べ物に向かう衝動に絞った研究もある。方法の質の高い20の実験研究を集めた系統的な更新では、肥満の人を、むちゃ食い障害(BED)のある人とない人に分け、標準体重の人と比べた[20]。むちゃ食い障害は、抑えのきかない大食いを繰り返す摂食障害で、診断は医師が行う。

後先を考えずに勢いで動く振る舞いは、一般にも食べ物に対しても、むちゃ食い障害のある人で強まっていた[20]。一方、食べ物に特有の報酬への感じやすさは、むちゃ食い障害のない肥満の人でも高まっていたが、その程度はおそらくより小さかった[20]。著者らは、むちゃ食い障害は肥満の中でも衝動性の高まりを特徴とする独自の型だという結論を固めた[20]。

ここから読み取れるのは、体重の重い人の衝動性をひとまとめにできないということだ。食べ物を見たときに強くひかれることと、ひかれたあとに止まれないことは、別の働きとして測られている。むちゃ食い障害のある人では反応を抑える働きが弱まっていることから、衝動的な行動に向けた支援が役立つかもしれないと著者らは述べる[20]。自分では抑えられない大食いが繰り返されるなら、それは性格の問題として抱え込むより、医師に相談する対象になる。

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衝動性の高い人ほど、3年のあいだ健康的な食事の型を守る度合いが低かった

衝動性は、日々の食事の中身とどう結びつくのか。心臓や血管の病気の予防をめざす大きな生活習慣の試験の中で、3年間の前向きのコホート分析が行われている[1]。対象は、過体重か肥満で、メタボリックシンドロームのある462人で、平均65.3歳、51.5%が女性だった[1]。

参加者は、開始時、1年後、3年後に、衝動的な振る舞いの質問紙(0〜236点)と、143項目の食物摂取頻度の質問票に答えた[1]。研究者たちは、健康的な型と不健康な型を合わせて10種類の食事の点数を計算し、いくつもの交絡を調整して、衝動性と各点数の3年の結びつきを調べた[1]。

衝動性が高い人ほど、3年のあいだ、健康的な食事の型を守る度合いが低かった[1]。植物性の食品を中心にした健康的な食事の点数との結びつきは−0.92(95%信頼区間−1.67〜−0.16)、カロリーを抑えた地中海式の食事では−0.76(同−1.16〜−0.37)だった[1]。地中海式の食事やDASH食など、ほかの4つの健康的な型でも、信頼区間はすべて0をまたがず負の側にあった[1]。反対に、不健康とされる西洋型の食事を守る度合いとは、正の向きに結びついていた(1.59、95%信頼区間0.59〜2.58)[1]。

注目したいのは、試験の中での違いだ。生活習慣を変える介入を受けた群の中で、衝動性の高い人は、いくつもの健康的な食事の型を守る度合いが低かった[1]。同じ指導を受けても、衝動性の高い人には届き方が違ったことになる。著者らは、栄養の介入の計画では衝動性を成否にかかわる要素として考えるべきだと結論している[1]。

これも観察の分析で、衝動性が食事の型を変えたと言い切れるものではない。対象も平均65.3歳の、心臓や血管の病気の危険が高い人たちだった[1]。それでも、同じ人を3年追って同じ向きの結びつきが続いたことは、衝動性を「健康的な食事の型の守りにくさ」として捉える手がかりになる。

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減量手術の研究では、衝動性の測り方で答えが分かれた

性格と体重の関係を、もう少し強い介入の場で見たのが減量手術の研究である。2020年2月に行われた系統的レビューは、衝動性と手術後の体重の減り方を調べた10の研究、合わせて1,246人を分析した[18]。症例対照研究が4つ、前向きの観察研究が4つ、後ろ向きの観察研究が2つで、手術後の追跡は0.5〜12年だった[18]。

性格としての衝動性を測った8つの研究は、どれも手術後の体重の減り方との結びつきを示さなかった[18]。ただし2つの研究は、衝動性が乱れた食べ方を通して間接に体重の減り方に影響していたと報告している[18]。一方、衝動的な行動を測った2つの研究では、手術後の体重の減り方が衝動的な行動の影響を受けていた[18]。著者らは、影響があるとしても、それは性格としての衝動性ではなく、その時々の衝動性や衝動的な行動に特有のものかもしれないとまとめた[18]。

逆向きに見える結果もある。腹腔鏡でのスリーブ状胃切除術を受ける予定の高度肥満の69人を調べた研究では、手術の1年後に、余分な体重の50%以上を減らせたかどうかを成否とした[19]。性別、年齢、代謝の病気の有無を調整すると、手術前に強い精神的な症状があることと、注意にかかわる衝動性が低いことが、減り方の小ささを予測した[19]。衝動性が低いほうが、結果が振るわなかったのである。

9本の最近の論文を検討した総説は、手術前の性格の特性が手術後の体重の減り方に与える影響を整理した[6]。性格の要因が手術の結果をどう形づくるかは、まだはっきりしないとしたうえで、ある一つの型が研究をまたいで良い結果を強く予測していたと述べる[6]。その場の衝動や求めに流されず、自分を調整できる力を示す性格の型である[6]。この結びつきは、手術前の精神的な病気や性格の障害の有無とは独立していた[6]。

手術の前の行動の変化を見た研究もある。スリーブ状胃切除術の前に、認知行動療法にもとづく多職種の生活習慣の介入を受けた57人を、1施設で振り返った研究である[2]。手術の1年後の総体重の減少率の中央値は、手術前に生活習慣が改善した人で38.2%、改善しなかった人で26.9%だった[2]。性格の検査では、外向性の得点の高い人が35.2%、低い人が25.4%で、統計の解析では生活習慣の改善と外向性の両方が1年後の減り方に影響していた[2]。小さな後ろ向きの研究だが、性格と並んで、手術の前に行動を変えられたかどうかが1年後の結果と結びついていた[2]。

性格は変えずに、仕組みのほうを合わせる

ここまでの研究を、変えにくいものと手を入れられるものに分けてみる。

性格と肥満の研究を方法の質も含めて評価した系統的レビューは、神経症傾向、衝動性、報酬への感じやすさを体重の増加の危険因子として、誠実性と自制心を守る側の要因として挙げた[9]。そのうえで、減量の治療の中では、特定の治療の選択肢が必要な患者の集団を見分けることに意味があり、自制の技能を強める取り組みはその一例だと述べている[9]。

ここで言われているのは、性格を入れ替えることではない。誠実性は内なる衝動を調整する力の尺度であり、衝動的で報酬に向かう振る舞いを抑える源になりうるとレビューは書く[9]。そうであれば、誠実性の低い人に足りないのは「よい性格」ではなく、衝動を調整する手段のほうだという読み方ができる。

50年を超える追跡では、BMIの変化は性格の変化とほとんど関係しなかった[11]。性格は、体重とともに動くものではない。だからこそ、減量の計画を立てるときに性格の改造を前提にする必要はない。衝動性の高い人で健康的な食事の型を守る度合いが低かったこと[1]、手術後の結果と結びついたのが、性格としての衝動性より衝動的な行動のほうだったこと[18]は、手を入れる先を行動の側に探す理由になる。

もう一つ、研究が繰り返し示したのは、同じ特性が集団によって逆向きに働くことだった[3][17]。自分の性格を「太りやすい型」に当てはめる前に、その型がどの国の、どの年代の、どの方法の研究から来たのかを確かめたい。

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よくある誤解

「太りやすいのは、意志の弱い性格だからだ」という見方は、数字の上では強すぎる。細かい特性で作った性格の点数でさえ、BMIのばらつきの2.3%しか説明しなかった[10]。どの特性が体重と結びつくかも、ドイツと韓国、横断研究と縦断研究で入れ替わった[3][17]。

「誠実性の高い人なら、誰でも痩せやすい」という思い込みもある。誠実性はたしかにBMIと負の向きに結びついていたが、その中の細かい特性のうち、体重と結びついたのは一部だけだった[10]。ドイツの調査で同じ人の変化を追う分析では、誠実性の結びつきは残らず、残ったのは協調性だった[3]。

「衝動的な性格の人は、手術をしても減量はうまくいかない」とも言い切れない。性格としての衝動性を測った8つの研究は、手術後の体重の減り方との結びつきを示さなかった[18]。注意にかかわる衝動性が低いほうが、減り方の小ささを予測した研究さえある[19]。

今日からできること

  • 植物性の食品を中心にした型か、量を控えた地中海式の型にする日を、1週間に何日にするかを決める。衝動性の高い人ほど、3年のあいだこうした健康的な型を守る度合いが低く、不健康とされる西洋型の食事を守る度合いは高かった[1]。
  • 自分では抑えられない大食いの日が1か月に何日あったかを数え、その数を持って医師に相談する。むちゃ食い障害では食べ物に向かう後先を考えない振る舞いが強まっており、衝動的な行動に向けた支援が役立つ可能性が示されている[20]。
  • 減量手術を考えている人は、手術の前に見直す生活習慣をいくつに絞るかを選び、手術を待つあいだに取りかかる。手術前に生活習慣が改善した人は、1年後の体重の減り方が大きかった[2]。

衝動の強い日にも、先に決まっている一回

同じ性格の特性が、国や性別、研究の型によって体重と逆の向きに結びつくのなら、自分の性格に合う方法を探し回るより、その日の気分で決めている場面を一つ減らすほうが手早い。体を動かす日を気分に預けたくない人のために、オンザショア立川店は毎日8:00〜23:30まで開いている。年中無休で、平日も土日も営業の時刻は同じだ。

最初の一回には、ヨガの体験が用意されている。料金は税込1,980円で、60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く。

申し込む前に、決まりを二つ見ておいてほしい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分。溶岩プレートのスタジオで行うホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがそろい、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。詳しくは店のトップページ、料金表、体験の申し込みで見られる。

性格の検査の結果が手元に届いたら、5つの大きな得点より先に、衝動と自制にかかわる細かい項目の得点に目を通す。

参考文献

[1] Impulsivity is longitudinally associated with healthy and unhealthy dietary patterns in individuals with overweight or obesity and metabolic syndrome within the framework of the PREDIMED-Plus trial. — Gómez-Martínez et al., 2022, The international journal of behavioral nutrition and physical activity. DOI: 10.1186/s12966-022-01335-8

[2] Personality traits and preoperative lifestyle improvement are predictors of early weight loss after sleeve gastrectomy. — Fujii et al., 2023, Surgery today. DOI: 10.1007/s00595-023-02659-z

[3] Personality Traits and Obesity. — Bagnjuk et al., 2019, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph16152675

[6] Personality Traits and Weight Loss Surgery Outcome. — Generali et al., 2018, Current obesity reports. DOI: 10.1007/s13679-018-0315-x

[9] Personality traits and obesity: a systematic review. — Gerlach et al., 2015, Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1111/obr.12235

[10] Personality-obesity associations are driven by narrow traits: A meta-analysis. — Vainik et al., 2019, Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1111/obr.12856

[11] Personality and obesity across the adult life span. — Sutin et al., 2011, Journal of personality and social psychology. DOI: 10.1037/a0024286

[12] Association between impulsivity traits and body mass index at the observational and genetic epidemiology level. — Meyre et al., 2019, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-019-53922-8

[17] Personality traits and body mass index in a Korean population. — Shim et al., 2014, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0090516

[18] The impact of impulsivity on weight loss after bariatric surgery: a systematic review. — Yeo et al., 2021, Eating and weight disorders : EWD. DOI: 10.1007/s40519-020-00890-y

[19] Psychological predictors of poor weight loss following LSG: relevance of general psychopathology and impulsivity. — Testa et al., 2020, Eating and weight disorders : EWD. DOI: 10.1007/s40519-019-00800-x

[20] Food-Related Impulsivity in Obesity and Binge Eating Disorder-A Systematic Update of the Evidence. — Giel et al., 2017, Nutrients. DOI: 10.3390/nu9111170

冒頭の写真: デンマークの首都コペンハーゲンで撮影された、通りを歩く人々の様子(写真: Øyvind Holmstad / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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