SNSのダイエット投稿は体への不満を増やすのか 比べる癖と画像の中身が分けた影響の大きさ

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「いいね」の数より、いいねへの気持ちの入れ方

SNSの画像には数字が付く。2018年の実験では、女子大学生220人を無作為に分け、細い体を理想として見せる画像か平均的な見た目の画像を、「いいね」が少ない表示か多い表示と組み合わせて、Instagramの枠に入れて見せた[16]。

細い理想の画像は、平均的な画像より体と顔への不満を大きくした[16]。ところが、いいねの数は、体への不満にも見た目の比較にも効果がなかった[16]。いいねの数が影響したのは顔への不満で、いいねの多い表示で顔への不満が強まる向きの効果があった[16]。体の写真に付いた数字が、なぜか顔の評価のほうに響いている。

これらの効果は、ふだんInstagramにどれだけ関わっているかによっては変わらなかった[16]。一方で、いいねを得ることに気持ちを注ぐ度合いが強い人ほど、見た目を比べることが多く、顔への不満も強かった[16]。いいねの数そのものより、いいねにどれだけ重みを置くかのほうが、比べる心と結びついていたことになる。

2022年の総説は、最近の研究の流れから、SNSならではの仕組みの働きを整理している[6]。画像が中心の場(Instagramなど)は、文字が中心の場(Facebookなど)より、体のイメージに悪く働いた[6]。自撮りについては、撮ることと加工することが体のイメージに悪い効果を示し、投稿することには示されなかった[6]。理想の画像に好意的なコメントが付くと、その画像を見たときの影響が強まった[6]。

投稿した人を褒める言葉が、見ている側の不満を深くする。自撮りの悪い効果は、人に見せる前の、撮り直しと加工の段階ですでに出ている。どちらも、見る側と撮る側の手元で起きている結果である。

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励ますための投稿は、なぜ逆に働いたのか

フィットスピレーションの研究は、1本の実験だけではない。2000年から2022年8月までに英語で出た査読論文から20本を集めた系統的レビューがある[11]。そのうち19本が体のイメージとの関係を、12本が見た目を比べる傾向との関係を、9本が気分との関係を調べていた[11]。

結果は、フィットスピレーションを見ると、体への不満、見た目の比較、気分の落ち込みが増える、という向きでそろっていた[11]。その傾向は、こうした内容に多く触れている若い年代で特に目立った[11]。このレビューは、効果の大きさを一つの数字にまとめたのではなく、研究ごとの結果の向きを数えて整理している[11]。著者ら自身も、研究の多くが女性と若い参加者で行われており、性別や年齢を越えて当てはめるには限界があると書いている[11]。

では、前向きな内容なら体のイメージを守れるのか。先の総説は、前向きに働く可能性があるとして試された内容を3つ挙げている[6]。フィットスピレーション、画像に添える注意書きのラベル、そしてさまざまな体を肯定的に見せる「ボディポジティブ」の内容である[6]。このうち体のイメージに良い効果を示したのは、ボディポジティブの内容だけだった[6]。

運動を勧める投稿は、運動の動機づけを目的に作られている[14]。その投稿が、比べる心を通って体への不満を増やしうる。健康のために見始めた画面が、見る人の側では別の働きをしていたわけだ。注意書きのラベルを添えても良い効果は示されず、体の多様さそのものを見せる内容だけが、反対の向きに働いた[6]。

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ダイエットの情報は、どれくらい正確なのか

体のイメージから、情報の中身に目を移す。SNSの健康の誤情報がどれほど広がっているかを、2021年の系統的レビューが数えている[3]。2019年3月より前に英語で発表された研究から、SNSの健康の誤情報を測った69本を集めたものだ[3]。誤情報の定義は「体験談に基づく、誤っている、または科学的な知見が足りないために誤解を招く健康の主張」である[3]。この定義では、体験談だけを根拠にした主張も誤情報の側に入る。

69本が扱った話題は、ワクチンが32%、薬物や喫煙が22%、がんなどの感染しない病気が19%、感染症の大流行が10%、摂食障害が9%、医療の治療が7%だった[3]。誤情報の割合は話題によって違った。最も高かったのは、喫煙の製品とオピオイドや大麻などの薬物にかかわる研究で、投稿の87%が誤情報だった研究もある[3]。ワクチンは43%、病気(感染しない病気と大流行)は40%、医療の治療は30%で最も低かった[3]。

ダイエットや、摂食障害を勧める主張にかかわる誤情報は36%で、レビューはこれをほかの話題と比べて「中くらい」と表現している[3]。3つに1つを超える投稿が誤りでも、健康の誤情報の世界では中くらいの部類に入る。SNSの種類で見ると、誤情報が最も多かったのはTwitterだった[3]。

この数字は、それぞれの話題を調べた研究で報告された割合であり、ある夜の画面に流れる投稿の何割が誤りかを直接示すものではない。それでも、体験談を根拠にした減量の主張が誤情報の定義に入ること、その種類の主張がダイエットの話題で珍しくないことは、読み手として覚えておく価値がある。

なぜ誤情報は広がるのか。2024年の、がんの誤情報についての総説が手がかりを挙げている[7]。研究によれば、不正確で誤解を招く健康の投稿は、正確な情報より閲覧数や「いいね」・共有などの反応を多く集めることが多い[7]。誤情報の種類は、危険因子についての不正確な情報や証明されていない治療法から、陰謀論、さらに信頼できる医療の内容のように見える広告や宣伝のための記事にまで及ぶ[7]。短い時間で手軽に共有できるSNSの仕組みそのものが、広がりを助けているとも総説は指摘する[7]。

この総説によれば、健康の投稿では、いいねや共有の多さはむしろ不正確さと並んで現れやすい[7]。数字の大きい投稿ほど正しい、という読み方は、この総説の指摘と合わない[7]。

総説は、患者や家族に向けて、行動に移す前に公開されているチェックリストなどで情報の質を確かめ、医療者や信頼できる機関が勧める情報源を求めるよう提言している[7]。がんについての提言だが、新しい食事法を試す前にも当てはめられる考え方である。

食べ物の投稿は、体の悩みと食べる量の両方に届く

SNSに流れるのは体の写真だけではない。食べ物にかかわる投稿を見ることと、体のイメージ、乱れた食べ方、食べる量、食べ物についての考えとの関係を調べた38本の系統的レビューが2024年に出ている[19]。

ファストフードの広告、「クリーンな食事」をうたう投稿、食べる様子を映した動画などを見ることは、体のイメージの悩み、乱れた食べ方、画面で見た食べ物を食べる量や食べたい気持ちと、正の関係にあった[19]。一方、「健康的な食べ物」を扱った内容を調べた研究では、そうした結びつきは見られなかった[19]。同じ食べ物の投稿でも、何を映しているかで結びつく先が違う。

栄養の情報や、配信者が大量の食べ物を食べる様子を記録する「モッパン」と呼ばれる動画については、見る人の感じ方が分かれていた[19]。夜更けに他人が食べるのを眺めるという少し不思議な娯楽も、いまでは研究の対象になっている。著者らは、見た内容を測る方法が研究ごとにそろっていないこと、食べる動画の種類ごとの影響を確かめる実験がもっと要ることを、課題として挙げている[19]。

先に見た若い大人の観察研究のまとめでも、食べ物の選び方は一方向にそろっていなかった。SNSへの関わりや画像中心の内容を見ることは、食べる量を控えること、食べ過ぎ、そして健康的な食品を選ぶことの、どれとも関連していた[4]。同じSNSへの関わりが、控える食べ方とも、食べ過ぎとも、健康的な選び方とも一緒に見つかっている。「SNSは太らせる」とも「SNSは痩せさせる」とも、一言では言えない結果である。

食べ物の投稿についての先のレビューが調べた結果は、体のイメージ、乱れた食べ方、食べる量、食べ物についての考えの4つで、体重はその並びに入っていない[19]。食べ物の投稿が体重をどれだけ動かすかを言うには、まだ一段遠い。

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SNSの読み方を教える授業は、どこまで効いたか

見る中身を変えるのではなく、読み方を身につけてもらう試みもある。8つの学校の生徒892人(11〜15歳、平均12.77歳、男子49.5%)を学校単位で無作為に分け、483人がSNSの読み方と体のイメージ、ダイエット、心の健康を扱う「SoMe」という授業を、409人がふだんどおりの授業を、週1回・4週にわたって教室で受けた[15]。学校ごとに分けるこの形の試験を、クラスター無作為化比較試験と呼ぶ。

測ったのは、始める前、終わって1週後、6か月後、12か月後の4回だった[15]。主な目標は、体への不満、食事を制限する傾向、筋肉を増やそうとする行動の3つで、自尊感情と抑うつの症状も合わせて見ている[15]。

結果は控えめだった。女子では6か月後に、主な目標の一つである食事を制限する傾向と、抑うつの症状に小さな良い効果が見られ、男子で出た良い効果はわずかだった[15]。著者らは、授業を支持する結果は予備的なものにとどまるとし、誰に効くのかを見分けることと、効果を大きくするための改良が要るとまとめている[15]。

対象は中学生の年代で、30〜50代を対象にした同じ形の試験は、この記事で集めた研究の中にはない。大人の場合に手がかりになるのは、読み方の授業より、見る中身の違いを比べた実験のほうだ。見た目の理想の画像と、見た目と関係のない画像の差[13]、そしてボディポジティブの内容だけが示した良い向きの効果[6]は、見るものを自分で選ぶときの物差しになる。

よくある誤解

「SNSを使えば使うほど、体への不満は一直線に増えていく」という見方は、数字の上では強すぎる。見た目の理想の画像を見せる実験では中程度の悪い効果が出たが、時間をおいて追った調査では、使う量と体のイメージの相関はごく小さかった[13]。食べ物の投稿でも、健康的な食べ物の内容では体の悩みとの結びつきは見られなかった[19]。結びつきの強さを左右したのは、見る中身と比べ方のほうだった[2][13]。

「運動を勧める投稿なら、見るほど前向きになれる」という期待も、研究の結果とは合わない。フィットスピレーションの画像は、旅行の画像に比べて気分を沈め、体への不満を増やした[14]。20本の研究を集めたレビューでも同じ向きで、若い年代で特に目立った[11]。前向きな内容として試されたもののうち、体のイメージに良い効果を示したのは、さまざまな体を肯定的に見せる内容だけだった[6]。

「いいねが多い投稿は、多くの人が認めた確かな情報だ」という思い込みもある。健康の投稿では、不正確で誤解を招くもののほうが、正確な情報より閲覧や反応を多く集めることが多い[7]。いいねの数は、正しさを測る物差しにならない。

今日からできること

  • いつも見ている投稿のうち、体の見た目を理想として見せるものと、旅行や風景のように見た目と関係のないものを一度数え、見た目の投稿を何件まで残すかを自分で決める。実験では、理想の画像は見た目と関係のない画像より体のイメージを下げた[13][14]。
  • さまざまな体を肯定的に見せる投稿を、見るものの中に何件入れておくかを選ぶ。前向きな内容として試されたもののうち、良い効果を示したのはこの種類だけだった[6]。
  • 自撮りを撮り直したり加工したりするのは1回の撮影で何回までと、上限を置いておく。投稿しなくても、撮ることと加工することに悪い効果が示されている[6]。
  • 食べる様子を映した動画やファストフードの広告を見る曜日と本数を、1週間の単位で決める。こうした食べ物の内容は体の悩みや食べる量と結びつき、健康的な食べ物の内容では結びつきが見られなかった[19]。
  • 画像が中心のアプリと文字が中心のアプリを開く時間を、1日に何分ずつにするか割り振る。画像が中心の場は、文字が中心の場より体のイメージに悪く働いた[6]。

画面の中の体から、自分の体の動きへ

画面の中の体と自分を比べる研究を読んだあとに置きたいのは、自分の体がどう動くかに注意を向ける時間を、暮らしのどこかに持つことだ。オンザショア立川店は、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から歩いて1分で着く。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガを軸に、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガのレッスンだけで25種類以上ある。

体を動かし始める前に、確かめておく決まりが二つある。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

開いているのは毎日8:00〜23:30で、年中無休、曜日による違いはない。

初めての人は、ヨガの体験から始められる。60分のレッスンで税込1,980円、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが料金に含まれている。店の全体はオンザショアのトップページ、金額は料金のページ、申し込みはヨガ体験の予約で確かめられる。

次にSNSで誰かの体の写真に指が止まったら、比べ始める前に画面を伏せ、肩を回すところから自分の体に戻る。

参考文献

[2] The association between social comparison in social media, body image concerns and eating disorder symptoms: A systematic review and meta-analysis. — Bonfanti et al., 2025, Body image. DOI: 10.1016/j.bodyim.2024.101841

[3] Prevalence of Health Misinformation on Social Media: Systematic Review. — Suarez-Lledo et al., 2021, Journal of medical Internet research. DOI: 10.2196/17187

[4] Social media, body image and food choices in healthy young adults: A mixed methods systematic review. — Rounsefell et al., 2020, Nutrition & dietetics : the journal of the Dietitians Association of Australia. DOI: 10.1111/1747-0080.12581

[5] Social comparisons on social media: the impact of Facebook on young women’s body image concerns and mood. — Fardouly et al., 2015, Body image. DOI: 10.1016/j.bodyim.2014.12.002

[6] Social media and body image: Recent trends and future directions. — Vandenbosch et al., 2022, Current opinion in psychology. DOI: 10.1016/j.copsyc.2021.12.002

[7] Cancer misinformation on social media. — Loeb et al., 2024, CA: a cancer journal for clinicians. DOI: 10.3322/caac.21857

[11] Effects of fitspiration content on body image: a systematic review. — Jerónimo et al., 2022, Eating and weight disorders : EWD. DOI: 10.1007/s40519-022-01505-4

[13] Social media, body image, and the question of causation: Meta-analyses of experimental and longitudinal evidence. — de Valle et al., 2021, Body image. DOI: 10.1016/j.bodyim.2021.10.001

[14] “Exercise to be fit, not skinny”: The effect of fitspiration imagery on women’s body image. — Tiggemann et al., 2015, Body image. DOI: 10.1016/j.bodyim.2015.06.003

[15] Outcomes of a Cluster Randomized Controlled Trial of the SoMe Social Media Literacy Program for Improving Body Image-Related Outcomes in Adolescent Boys and Girls. — Gordon et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13113825

[16] The effect of Instagram “likes” on women’s social comparison and body dissatisfaction. — Tiggemann et al., 2018, Body image. DOI: 10.1016/j.bodyim.2018.07.002

[19] Digging into digital buffets: A systematic review of eating-related social media content and its relationship with body image and eating behaviours. — Wu et al., 2024, Body image. DOI: 10.1016/j.bodyim.2023.101650

冒頭の写真: スマートフォンを手にした人の手元と、コーヒーを一緒に写した写真(写真: www.Pixel.la Free Stock Photos / CC0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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