イメージトレーニングで間食は減るのか 近い目標を思い描く練習と12か月後の体重

窓の外に目を向ける女性アメリカのグリーンズボロで撮影された写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

先の自分を思い描くと、目の前の選び方が変わる

FITが近い目標の場面を描くのに対して、もう少し広く、先の出来事を生き生きと思い描く方法がある。エピソード的未来思考(EFT)と呼ばれ、未来の経験を具体的に頭の中で試してみる手法だ[1]。

この方法が働きかけるとされるのが、ここで「将来の値打ちの目減り」と呼ぶ傾向である。後でもらえる大きな報酬より、すぐもらえる小さな報酬を選んでしまう傾きのことだ[16]。肥満は、すぐの満足を好む傾向と関わるらしいと考えられてきた[1]。目の前のクッキーに手を伸ばすのは、すぐの満足を選ぶ行為の一つとして見ることができる[1]。

女子大学生94人を、未来を思い描くか過去を思い出すか、その中身を食べ物に関係させるか自由にするかで4つの群に分けた実験がある[1]。参加者は思い描いている間に、自由に食べてよい間食を出され、そのあとお金の選び方を問う質問票に答えて、目減りの強さを測られた[1]。未来を思い描いた2つの群は、どちらも目減りが小さくなった[1]。ところが、間食のカロリーを抑えたのは、食べ物に関係する未来を描いた群だけだった[1]。

同じ実験では、目減りの強さと食べた量の間に関係が見つからず、何が食べる量を変えたのかは分かっていない[1]。お金の選び方は変わったのに、食べ方を変えるには中身が食べ物に向いている必要があった。先の自分を思い描くといっても、何の場面を描くかで結果が分かれる。

48本の論文から174の効果の大きさを集めたメタ分析は、この方法が先を見据えた選び方を後押しする力を、中くらいの大きさ(g=0.44、95%信頼区間0.33〜0.55)と見積もった[9]。メタ分析は、別々に行われた研究の結果に重みをつけて足し合わせる手法で、gは物差しの違う研究どうしを同じ目盛りに直した効果の大きさを指す。この分析は未発表の実験も多く含み、都合の良い結果ばかりが発表される偏りを補正したあとも効果は残った[9]。

効果が強まる条件も見えている。思い描く出来事が前向きで、鮮やかで、そのとき迫られている先の選択と関係しているほど、効果は大きかった[9]。そして、選び方に衝動的な傾向がある人たち、たとえば肥満のある人たちの集団で、効果はより大きかった[9]。

この最後の点には、別の角度からの実験もある。痩せた女性24人と、過体重・肥満の女性24人に、同じ人が未来を思い描く回と比べる役の回の両方を受けてもらうと、目減りの小さくなり方は両方の集団で同じ程度だった[16]。効果の強さを左右したのは体格ではなく、報酬に向かって動きやすい気質の強さだった[16]。少なくとも、肥満のある人で効きが落ちるという結果は、どちらの研究からも出ていない。

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フードコートの夕食と、ネットの買い物で

実験室の外でも、思い描くことは食べ方を変えるのか。食べ方を良くしたいと考える過体重・肥満の女性29人が、人の行き交うフードコートで夕食をとりながら、スマートフォンを使った2つの方法のどちらかに取り組んだ実験がある[10]。一方は未来の出来事を思い描く方法、もう一方は比べる役の、最近の出来事を思い出す方法だった[10]。

未来を思い描いた群では、最近を思い出した群より、夕食の総カロリーが少なく、カロリーに占める脂質の割合が下がり、たんぱく質の割合が上がっていた[10]。注文の列も、隣の席の皿の匂いも、実験室にはない条件である。そのなかでも差が出たことを、著者らは、この方法が日常の食べる場面でも食べ方を変えうる手がかりと見ている[10]。

買い物の場面での実験もある。家の食料品を主に買う、過体重・肥満の母親たちに、ネットの店で1週間分の食料品を買ってもらった[8]。1つ目の実験では24人を、目標に向かう過程を思い描く群と、お金の節約を題材にした比べる役の群に分けた[8]。家族1人あたりで見ると、過程を思い描いた群の買ったカロリーのほうが少なかった[8]。

2つ目の実験では33人を、目標に向かう過程を思い描く群、未来を広く思い描く群、最近の出来事を思い出す群の3つに分けた[8]。思い描いた2つの群はどちらも、最近を思い出した群より買ったカロリーが少なく、2つの群の間に差はなかった[8]。著者らは、食料品の買い物が家の食べ物の環境を形づくると考えている[8]。食べる瞬間より手前の場面に、思い描く時間を置く使い方である。

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効果の大きさと、効かなかった試験

ここまでの結果を、まとめた分析の数字で見直す。過体重・肥満の大人951人を含む12の研究をまとめたメタ分析では、未来を思い描く方法は、将来の値打ちの目減りを中くらいの大きさで小さくし(g=0.55)、そのあとの食べ物の選び方を小さな大きさで改善した(g=0.31)[14]。選び方の傾きは中くらいに動いても、食べ物の選択まで届く効果は小さくなる。

同じ分析は、思い描く先の時点にも目を向けている。思い描く出来事の時点を、選ぶ課題の待ち時間とそろえると改善は大きくなり、より遠い先を描いた研究ほど、その後の食べ物の選択にまで効果が広がっていた[14]。ここでの「遠い」は思い描く時点の先の長さで、FITの「近い目標」が指す目標そのものの近さとは別の物差しである。

18本の無作為化比較試験、1,740人をまとめた別のメタ分析も、将来の値打ちの目減り、摂取エネルギー、買った食料品、BMIのいずれでも、思い描く方法の側に有利な結果を示した[6]。ただし、BMIの差(マイナス2.73)は2本の研究だけから出た数字だ[6]。多くの項目で研究ごとのばらつきが大きく、思い描く中身を前向きにするか、どんな場面にするか、どれだけ先の時点にするか、どう練習するかについて、まだ定まったやり方はないと著者らは書いている[6]。

効かなかった試験もある。過体重・肥満の18〜45歳の60人に、スマートフォンのアプリで1週間、毎日訓練をしてもらった予備的な試験では、未来を思い描く訓練は、将来の値打ちの目減りにも、仮の場面での食べ物の選び方にも変化を起こさなかった[19]。同じ試験で、健康に悪い食べ物に手を伸ばす癖を減らす別の訓練は、健康的な食べ物を選ぶ方向へ選び方を変えている[19]。

50本の研究を見渡した総説で、6種の認知の訓練のうち、過体重・肥満の人で食事と体重を減らしたとされたのは、反応を止める訓練と実行意図だった[20]。未来を思い描く訓練は、その中に入っていない[20]。総説は、研究の質はおおむね高い一方で、多くの試験が短期間で、体重が標準の人を対象にしたものも多いと指摘した[20]。

未来を思い描く方法は、選び方の傾きを中くらいの大きさで確かに動かす。食べ物の選択への効果はそれより小さく、ここで見た研究の中で体重への効果を示す数字は、2本の研究のBMIと、FITの1本の試験にとどまる。効きを分ける条件として繰り返し出てきたのは、描く中身を食べる場面とつなげることだった[1][9]。台所の戸棚の前で言えば、描くのは、缶を開けるかどうかという今の選択とつながる先の場面である。

よくある誤解

「痩せた自分の姿を思い浮かべれば、食べる量は減る」という思い込みがある。何を描くかで、結果は分かれていた。食べ物と関係のない未来を描いた群は、将来の値打ちの目減りは小さくなっても、間食のカロリーは抑えなかった[1]。

「頭の中の練習は気休めで、体の数字は動かない」という見方もある。FITの試験では12か月で5.77kgの差がついたが、これは1つの施設の1本の試験だ[4]。1週間の訓練で何も変わらなかった試験もあり[19]、まとめた分析でも食べ物の選択への効果は小さかった[14]。動くことはある。ただし、どれほど動くかは、まだ研究ごとに大きく違う。

「我慢の苦手な人や、体重の重い人には効かない」と考える人もいる。衝動的な選び方の傾向がある集団で、効果はかえって大きかった[9]。痩せた女性と過体重・肥満の女性を比べた実験でも、目減りの小さくなり方は同じ程度だった[16]。

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今日からできること

  • 間食が頭に浮かんだときに使う方法を、ボディスキャンか穏やかな場面の誘導イメージのどちらか一つに決め、何分続けるかも決めておく。一晩食べずにいた人で、ボディスキャンや誘導イメージを続けている間は、欲しい気持ちが高まらなかった[12]。
  • 自分で決めた近い目標の場面を一つ選び、見える物、聞こえる音、体の感じをそれぞれ何行で書くかを決めて書き出す。面接者が導くFITでは、本人にとって近い目標の一場面を、いくつもの感覚で描く練習をした[2][4]。
  • 書き出した場面に、起こりそうな障害を一つと、以前にうまくいった対処を一つ書き足す。FITでは、目標の像を使って障害を予測し、過去の成功から解決のやり方を頭の中で試していた[4]。
  • 食料品を買う前や、間食を前にして食べている間に、その選択とつながる先の場面を思い描く時間を、何分と決めて取る。間食を出されている間に、食べ物に関係する未来を描いた群だけが間食のカロリーを抑え[1]、買い物の前に先の自分を思い描いた母親たちは、買ったカロリーが少なかった[8]。
  • 思い描く先の時点を、何週間後か何か月後かで自分で決めておく。より遠い先を描いた研究ほど、その後の食べ物の選択にまで効果が広がっていた[14]。

描いた場面を、暮らしの一週間に置き直す

頭の中で描いた一場面を、実際の一週間のどこに置き直すかは、その人の暮らしの形で決まる。JR立川駅の北口から歩いて1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fに、オンザショア立川店のスタジオがある。開いているのは毎日8:00〜23:30で、年中無休である。

レッスンには、溶岩プレートを敷いた部屋のホットヨガ、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけでも25種類以上ある。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

初めてなら、ヨガの体験を60分、税込1,980円で受けられ、ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルもその中に入る。ヨガ体験の予約のページから申し込め、ほかの情報はオンザショアの案内に、金額は料金表にまとまっている。

思い描いた場面に出てくる障害のうち、今週いちばん起こりそうな一つを選び、以前うまくいった対処を頭の中で一度なぞる。

参考文献

[1] Focus on the future: Episodic future thinking reduces discount rate and snacking. — Dassen et al., 2016, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2015.09.032

[2] Functional Imagery Training to reduce snacking: Testing a novel motivational intervention based on Elaborated Intrusion theory. — Andrade et al., 2016, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2016.02.015

[4] Functional imagery training versus motivational interviewing for weight loss: a randomised controlled trial of brief individual interventions for overweight and obesity. — Solbrig et al., 2019, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-018-0122-1

[6] Effects of episodic future thinking in health behaviors for weight loss: A systematic review and meta-analysis. — Ding et al., 2024, International journal of nursing studies. DOI: 10.1016/j.ijnurstu.2023.104667

[8] Episodic future thinking and grocery shopping online. — Hollis-Hansen et al., 2019, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2018.10.019

[9] Promoting farsighted decisions via episodic future thinking: A meta-analysis. — Rösch et al., 2022, Journal of experimental psychology. General. DOI: 10.1037/xge0001148

[10] Episodic future thinking reduces eating in a food court. — O’Neill et al., 2016, Eating behaviors. DOI: 10.1016/j.eatbeh.2015.10.002

[12] Brief guided imagery and body scanning interventions reduce food cravings. — Hamilton et al., 2013, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2013.08.005

[14] Episodic future thinking improves intertemporal choice and food choice in individuals with higher weight: A systematic review and meta-analysis. — Colton et al., 2024, Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1111/obr.13801

[16] The future is now: comparing the effect of episodic future thinking on impulsivity in lean and obese individuals. — Daniel et al., 2013, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2013.07.010

[19] Smartphone-based cognitive bias modification training improves healthy food choice in obesity: A pilot study. — Kakoschke et al., 2018, European eating disorders review : the journal of the Eating Disorders Association. DOI: 10.1002/erv.2622

[20] Cognitive and neuromodulation strategies for unhealthy eating and obesity: Systematic review and discussion of neurocognitive mechanisms. — Forcano et al., 2018, Neuroscience and biobehavioral reviews. DOI: 10.1016/j.neubiorev.2018.02.003

冒頭の写真: 窓の外に目を向ける女性。アメリカのグリーンズボロで撮影された写真(写真: Andrew Neel andrewtneel / CC0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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