減量の最初の1か月で1年後は読めるのか 2%と3%の線を引いた研究と、外れた人たち

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予測から外れた人は、どこにいたか

早い時期の数字が強い信号だとしても、それで全員の行方が決まるわけではない。

Look AHEADでは、2か月目の3%に届かなかった人の8.2%が、1年後に10%の減量に届いていた[3]。12週目の変化率で見分ける式でも、「このままでは1年後に減っていない」と判定された人のうち実際にそうなった割合(陽性的中率)は0.56で、効かなかった人のうち判定で拾えた割合(感度)も0.56だった[1]。判定が当たったのは半分をやや超える程度で、拾い損ねた人も同じくらい残る。

逆の側は、もう少し確かだった。順調と判定された人の0.81は実際に1年後も減っていて、実際に減っていた人の0.81を、判定は順調と見ていた[1]。この式は、順調な人を順調と言い当てるほうが得意で、効かない人を拾い上げるほうはやや苦手だったと読める。インターネットの研究で、12か月の見込みの差が確かな差と言い切れなくなったことも思い出しておきたい[7]。時間がたつほど、最初の4週の信号は薄まっていった。

10年という物差しで振り返った古い報告もある。肥満で受診した43人を、最初の受診から10年以上たって振り返った報告では、うまくいったのは5人(12%)、うまくいかなかったのは27人(63%)、一部だけうまくいったのは11人(25%)だった[17]。この報告は、食事だけで始めたときの最初の減りは、最終的な結果について何の手がかりにもならなかったと書いている[17]。

1977年の報告で、人数も少ない。それでも、1年で見える信号と、10年で見える結果とが別物でありうることを、この数字は示している。減量の維持を扱った総説も、肥満の治療では、早い時期に体重が減ったあと停滞が来て、少しずつ戻っていくのがほとんど共通の道筋だと整理した[18]。早い時期の数字は1年後をかなり語る。けれども、その先の道筋までは約束しない。

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早く減った人は、リバウンドしにくいのか

1年後の減量の大きさではなく、戻りやすさとの関係を調べた研究は多くない。専門の肥満外来で、生活習慣を中心にした構造化された治療を受けた大人を振り返った研究がある[10]。早い時期の減量は、定期の3か月目の受診までに開始時から減った体重の割合とした[10]。1年の時点で、最も減った時点までに失った体重の半分以上を取り戻していれば、「臨床的に意味のあるリバウンド」と数えている[10]。

追跡の記録がそろった79人のうち、リバウンドに当たったのは9人(11.4%)だった[10]。年齢、開始時のBMIと体重をそろえて分析すると、3か月目までの減りが大きいほど、リバウンドの見込みは低かった(調整オッズ比0.784、95%信頼区間0.646〜0.950)[10]。女性だけの分析でも、同じ結びつきが保たれている[10]。年齢、開始時のBMI、開始時の体重は、どれもリバウンドとはっきりした結びつきを示さなかった[10]。

ただし、取り戻した量が4分の1以上という緩い基準に変えると、向きは同じでも統計的な差には届かなかった[10]。リバウンドに当たったのが9人という少なさで、しかも記録を振り返る観察研究である。早く減ったからリバウンドしにくいのか、リバウンドしにくい暮らしの人が早く減ったのかは、この設計では分けられない。

先に見たインターネットの研究[7]では、早く反応した人も講習のあとに戻ったが、12か月の時点でもなお、反応の弱かった人より減った位置にいた。早い減りは戻りを止める札というより、戻ったあとにどこへ着地するかの差として表れていた。

総説は、減量後の停滞と戻りの背景に、体の仕組み、行動、環境の要因が重なっていると述べる[18]。そのうえで、肥満の治療には途切れない関わりと、体重の維持に特化した相談が要ると結論している[18]。早く減った人ほど、そこで支えを外してよいわけではない。

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体重計の外にも、早い信号があった

早い時期に表れるのは、体重の数字だけではなかった。インターネットの研究では、4週目の反応が弱かった人は、12週の間に見た動画の講義の数が少なく、記録をつける回数も少なかった[7]。

ハワイの先住民と太平洋諸島の人々に向けた団体の職場で行われた試験も、似た形を示している[15]。3か月の減量の段階を終えた217人を、9か月の維持の段階を訓練を受けた仲間の進行役が対面で行う群と、DVDで行う群に分けたところ、減量にも維持にも群の差は出なかった[15]。12か月時点の減量率を予測したのは、最初の3か月の段階で出席した講習の回数と、開始時の収縮期血圧だった[15]。著者らは、早い時期の関わりの深さが長い目で見た減量を良くすると考察したが、これは観察された結びつきからの推測である[15]。

体重は、本人の思いどおりにはすぐ動かない。講習に出た回数や、記録をつけた日の数なら、その週のうちに本人が数えられる。早い時期の信号を体重計ひとつに預けない見方が、ここから出てくる。

早い時期の数字のあとに、研究はどんな手を置いたか

減りの小さい人だけに手を足し、1年後が変わるかを確かめた試験は、ここで集めた論文の中には無い。近い形のものとして、最初から減りを大きくしようとした試み、維持の段階で薬を足した試験を後から分けた分析、薬を続けるかどうかの線を先に引いた設計の3つがある。

最初から減りを大きくしようとした試みから見ていく。BMI27.5以上のアジア系の多民族の大人50人を、正味の糖質を1日50gに抑えカロリーも制限する食事の指導だけの群と、最初の1か月だけその食事に合う調理済みの食事を受け取る群に分けた、小さな試験がある[14]。1か月目の減量は、食事を受け取った群が4.8%、指導だけの群が1.8%だったが、統計的な差ではなかった[14]。6か月でも8.6%と3.9%で、差は統計的な確かさに届いていない(p=0.092)[14]。食事を受け取った群でも、配られた食事を指示どおりに食べた割合は平均55%だった[14]。せっかく届けた食事の半分近くが、予定どおりには口に入っていない。

維持の段階で薬を足した試験もある。先の170人の試験では、最初の段階で5%以上減った137人を、52週の維持の相談に減量の薬を足す群と、偽の薬(プラセボ)を足す群に分けた[2]。この試験を後から分けて見ると、最初の4週の減りが小さかった人ほど、24週と52週の時点で5%以上の減量を保つうえで、薬を足した群とプラセボの群の差が大きかった[2]。医師が処方する薬の試験で、本人の工夫で足せる手の話ではない。それでも、早い時期の減りが小さかった人ほど、治療を上乗せしたときの差が大きく出たという形は、手を変えるという考えと向きが合う。

続けるかどうかの線を、始める前から決めておく設計もある。世界の23の病院と大学の医学部で、肥満の外来患者430人に減量の薬を1年使い、1日の摂取を500kcal減らす食事と1,000kcal減らす食事に分けた試験では、3か月目と6か月目に5%以上の減量に届かなかった人は薬を中止する決まりだった[12]。両方の時点で5%に届いたのは295人で、その人たちの1年後の減量は、500kcalの群で11.4kg、1,000kcalの群で11.8kgと、ほとんど変わらなかった[12]。

この試験には、見逃せない数字がもう一つある。割り当てられた差は1日500kcalだったのに、実際に報告された摂取の差は24週で111kcal、52週で95kcalしかなかった[12]。減らす量を倍に決めても、暮らしの中で守られる差は小さく縮んでいった。

ここに出てきた薬の線は、医師が薬を続けるかどうかを決めるためのものだ。薬を使うかどうか、続けるかどうかは、持病や飲んでいる薬を踏まえて医師が判断する。読者が自分の減量にそのまま当てはめたり、自分で薬を求める理由にしたりする数字ではない。

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よくある誤解

「最初の1か月で減らなければ、もう見込みはない」という思い込みがある。Look AHEADでは、1か月目の2%に届かなかった人の15.2%が、1年後に10%の減量に届いていた[3]。12週目で「効かない」と判定された人のうち、実際に1年後も減っていなかったのは0.56の割合にとどまる[1]。医師が処方する減量の薬の試験では、最初の減りが小さかった人ほど、薬を足したときのプラセボとの差が大きかった[2]。早い時期の数字は見込みを下げる信号で、締め切りを告げる宣告とは違う。

「最初に大きく減れば、あとは放っておいても順調だ」という思い込みもある。早く反応したインターネットの参加者も、講習が終わったあとは戻っていた[7]。早い時期に減ったあとに停滞と戻りが来るのは、肥満の治療にほとんど共通する道筋である[18]。

「隣の人より減っていないから、自分は向いていない」と感じる人もいる。開始時の体重が重い人ほどkgでは多く減ることが分かっていて[9]、1年後を見た3つの研究が信号として使ったのは、kgではなく、開始時の体重に対する割合だった[1][3][7]。比べる相手は隣の人ではなく、開始の日の自分である。

今日からできること

  • 体重を見直す日を、開始から何週目に置くかを先に決める。研究が早い信号として見ていたのは、2週目から12週目までの変化率だった[1][3][7]。
  • 最初の3か月に出る減量の講習(食事や行動の教室)の回数を、週あたり何回と決めて数える。最初の段階で出席した講習の回数が、12か月の減量率を予測していた[15]。
  • 体重と食事の記録を、週に何日つけるかを決める。最初の4週の減りが小さかった人は、記録の回数も動画の講義を見た数も少なかった[7]。
  • 1日に減らすカロリーの幅は、守り続けられる大きさで決める。全員が減量の薬を使った試験で、2つの群に割り当てた1日500kcalの差は、報告された摂取では111kcalと95kcalに縮み、3か月目と6か月目の両方で5%に届いた人たちの1年の減量もほぼ同じだった[12]。
  • 開始時の体重の2%と3%が何kgにあたるかを、始める前に計算してメモに書く。Look AHEADが1か月目と2か月目に引いた線は、この2つの割合だった[3]。

12週の見直しまで、暮らしの側をそろえる

見直しの日までの12週は、体重の数字を待つだけでなく、続ける条件を暮らしの中に整えておく期間でもある。オンザショア立川店は毎日8:00〜23:30に開いていて、年中無休で、どの曜日も開く時刻と閉まる時刻が変わらない。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。そのうえで初めての1回は、ヨガの体験として受けられる。60分のレッスンが税込1,980円で、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルまでその料金に含まれる。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングもあり、ヨガのレッスンだけで25種類以上ある。

スタジオは東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、JR立川駅の北口を出て歩いて1分で着く。店の様子はオンザショアのトップページ、金額は料金の一覧、申し込みはヨガ体験の予約から確かめられる。

見直しの日に出した減りの割合が小さかったら、それを一人で抱え込まずに、指導を受けている相手か家族に伝える。

参考文献

[1] Early Weight Loss and Treatment Response: Data From a Lifestyle Change Program in Clinical Practice. — Romanelli et al., 2020, American journal of preventive medicine. DOI: 10.1016/j.amepre.2019.09.014

[2] Early Weight Loss in Behavioral Treatment Predicts Later Rate of Weight Loss and Response to Pharmacotherapy. — Tronieri et al., 2019, Annals of behavioral medicine : a publication of the Society of Behavioral Medicine. DOI: 10.1093/abm/kay036

[3] Evaluation of early weight loss thresholds for identifying nonresponders to an intensive lifestyle intervention. — Unick et al., 2014, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.20777

[5] Early weight-loss success identifies nonresponders after a lifestyle intervention in a worksite diabetes prevention trial. — Miller et al., 2015, Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics. DOI: 10.1016/j.jand.2015.04.022

[7] Examination of whether early weight loss predicts 1-year weight loss among those enrolled in an Internet-based weight loss program. — Unick et al., 2015, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2015.89

[9] Initial weight loss on an 800-kcal diet as a predictor of weight loss success after 8 weeks: the Diogenes study. — Handjieva-Darlenska et al., 2010, European journal of clinical nutrition. DOI: 10.1038/ejcn.2010.110

[10] Association Between Early Weight Loss and One-Year Weight Regain After Lifestyle-Based Obesity Treatment: A Retrospective Cohort Study. — Doğan et al., 2026, Medicina (Kaunas, Lithuania). DOI: 10.3390/medicina62081450

[12] X-PERT: weight reduction with orlistat in obese subjects receiving a mildly or moderately reduced-energy diet: early response to treatment predicts weight maintenance. — Toplak et al., 2005, Diabetes, obesity & metabolism. DOI: 10.1111/j.1463-1326.2005.00483.x

[14] The Effect of Short-Term Healthy Ketogenic Diet Ready-To-Eat Meals Versus Healthy Ketogenic Diet Counselling on Weight Loss in Overweight Adults: A Pilot Randomized Controlled Trial. — Tay et al., 2025, Nutrients. DOI: 10.3390/nu17152541

[15] Comparing Weight Loss-Maintenance Outcomes of a Worksite-Based Lifestyle Program Delivered via DVD and Face-to-Face: A Randomized Trial. — Ing et al., 2018, Health education & behavior : the official publication of the Society for Public Health Education. DOI: 10.1177/1090198118757824

[17] Ten-year follow-up of obesity. — Binnie, 1977, The Journal of the Royal College of General Practitioners.

[18] Maintenance of Lost Weight and Long-Term Management of Obesity. — Hall et al., 2018, The Medical clinics of North America. DOI: 10.1016/j.mcna.2017.08.012

冒頭の写真: 真ちゅう色の皿が二つ付いた古い天びんと、「5kg」の刻印がある分銅を含む大小の黒い分銅(写真: Nikodem Nijaki / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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