カロリー制限を2年続けた体はどう変わったか 25%を目指し約1割減らしたCALERIEの記録

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正常値の人でも、血圧とコレステロールは下がった

参加者は病気がなく、太っていない人たちだった。それでも試験の背景には、正常範囲とされる値の中でも、値が高いほど心臓や血管の病気が多いという事実がある。[4] そこで、血圧、血液の脂質、炎症の目印、血糖とインスリンの値などが、探索的な評価項目として2年間追われた。[4]

食べる量を減らした群では、測ったすべての一般的な危険因子が、開始時から2年まで持続して有意に下がった。[4] LDLコレステロール、総コレステロールとHDLコレステロールの比、上と下の血圧が、その中に含まれる。[4] 炎症の目印のC反応性たんぱく、インスリンの効きやすさを表す指数、メタボリックシンドロームの点数も、普段どおりの群と比べて2年の時点で改善していた。[4] 体重が減った割合の違いを考えに入れても、この結果は変わらなかった。[4]

著者らは、若い人から中年までの健康な人が、ほどほどの制限を続けることに、心臓と血管の健康の上で大きな利点がありうると書いている。[4] ただし、これは探索的な結果で、病気や死亡そのものを減らしたかを確かめたものではない。2年で測れたのは、検査の値の動きまでである。

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老化の目印は動いたのか

この試験の本来の狙いは、減量より老化の側にある。動物で老化を和らげることが知られる食事の制限が、人の老化と長寿の目印をどう変えるかを確かめる研究計画の一部として組まれた。[7] カロリー制限は、必要な栄養を欠かさずに摂取エネルギーを減らすことと定義され、複数の動物で健康な寿命を延ばすことが確かめられている。[3]

人ではどうか。血液のDNAに付く化学的な印、メチル化の並び方から老化を推し量る指標で、220人が参加した試験の血液を後から調べた解析がある。[3] 老化の進む速さを表すDunedinPACEという指標は、制限によってゆっくりになった。[3] 一方で、その時点の生物学的な年齢を推し量るPhenoAgeやGrimAgeなど複数の時計の指標には、有意な変化が見られなかった。[3] 効果の大きさは小さかった。[3] 著者らは、決定的に確かめるには、慢性の病気の発症や死亡まで追う長い試験が必要だとしている。[3]

速度計の針はわずかに下がったが、年齢を示す時計の針は動かなかった。人で言えるのは、まだその段階である。この試験全体をまとめた総説も、ほどほどの制限が老化に関わる目印を改善したと述べるにとどめている。[7]

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2年の空腹と気分は、どれだけ揺れたか

2年も食べる量を減らせば、空腹に悩まされ続けたのではないか。制限の群の143人は、線の上に印を付けて感じ方を答える物差しで、空腹やのどの渇きを繰り返し答えた。[20] 空腹とのどの渇きは確かに増えた。[20] ただし、2年間を通じた増え方は、物差しの上で合計10mmに届かなかった。[20] 著者らは、制限が食欲に与える影響はごくわずかだったとまとめている。[20]

気分の面では、ほどほどの制限は、心理や行動の結果に悪い影響を与えずに老化に関わる目印を改善した、と試験の総説は書いている。[7] ただ、この結果を読むときには、参加者がどう選ばれたかを思い出しておきたい。審査では、心の問題や行動の問題がある人、評価と介入の厳しい日程を守れない人は、最初から外されていた。[14] 問い合わせた人の2%まで絞られた、続ける力のある人たちの2年である。[14] 同じ食べ方をした誰もが、同じように空腹を軽く感じるとは限らない。

1年目のあとに戻った20人

試験の流れは、最初の6〜12か月で体重を減らし、その後の12か月で体重を保つ形だった。[1] 1年の制限の後に体重を保った場合と戻した場合で、インスリンの効きにくさや糖尿病の危険に関わる代謝とホルモンがどう違うかを調べたのが、2026年の解析である。[1] この解析は、くじの群に関係なく、12か月目から24か月目の体重の動きで参加者を分け直し、群の違いを統計の重み付けでそろえて比べた。[1] 解析に使えたのは190人である。[1]

12か月の時点の体重の減少は、分けたどの群でも5.0〜5.8kgだった。[1] その後の1年で、多くの人は体重を保つ(112人)か、さらに減らした(58人)。[1] 一方、開始時の体重の5%を超えて戻った人が20人いた。[1] この20人は、最初に食べる量を最も大きく減らした人たちだった。[1]

体重が戻った人では、糖を飲んだ後のインスリンの総量や、成長に関わるホルモンとその結合たんぱくの比で見られた改善が、元に戻っていた。[1] 体重を保った人では代謝の上での利点が続き、検査値から推し量る生物学的な年齢もより大きく下がっていた。[1] 著者らは、大きく減らして戻るより、ほどほどの減量を保つほうが、インスリンの効きにくさを改善し、糖尿病や老化に関わるホルモンの状態を保つ点で優れていると結論した。[1]

ただし、この分け方は体重の動きによるもので、くじによるものではない。最初の制限が大きかったことが戻りの原因だとまでは言えない。言えるのは、最初に最も強く絞った人たちが、後半に戻る群に多く入っていた、という並びまでだ。

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食べる時刻と動く量の、小さな差

同じ制限の中でも、減り方には個人差があった。その差を、食べる時刻の並びから読み直した分析がある。[8] 背景には、ネズミの研究で、1日の最初と最後の食事の間を8〜12時間に保つだけで、1日の摂取量を減らさなくても、制限と一部重なる健康の利点が出たという報告がある。[8] まず、制限の群と普段どおりの群で、1日の最初の食事から最後の食事までの時間の幅に差は無かった。[8] 体重の減り方の個人差のうち41%は、制限の量だけで説明できた。[8]

そのうえで、時刻の並びも、少しずつ減り方と結びついていた。1日の最初の食事の時刻が日によってぶれない人ほど、体重がよく減っていた(説明できる個人差の6%)。[8] 最後の食事の時刻が規則正しいことも、体重の減少と結びついていた(1%)。[8] 食べる時間の幅が短いこと、1日の摂取の半分を早い時刻までにとることは、制限の量の大きさと結びついていた。[8] どれも試験の後の観察で、時刻を割り付けて比べた結果ではない。著者らは、今後の制限の計画で、最初と最後の食事の時刻をそろえ、食べる幅を短くし、早めに食べることを勧める余地があるとしている。[8]

体を動かす量の側では、制限が実際にできていた136人(女性71.3%、平均38.6歳、平均BMI25.3)を2年で比べた解析がある。[16] 体を動かして使うエネルギーの減り方が小さかった人ほど、握力が0.504kg、インスリンの効きにくさの指数が0.032、HDLコレステロールが1.011mg/dL、それぞれよい方向に動いていた。[16] 全体では、有酸素の能力や中性脂肪、血糖などとは結びつかなかった。[16] 動く量の減りが小さかった人は、体を動かした時間も長かった。[16] 体を動かして使うエネルギーは、二重標識水法で測った1日の総消費から、呼吸のガスで測った安静時の消費を差し引いて出している。[16] 開始時の体格で分けると、過体重の人では動く量が多いほど中性脂肪が低かった一方、標準体重の人では総コレステロールが高い方向に動いており、結果の向きは体格でそろわなかった。[16] どれも観察で、減りを小さく抑えた人で、いくつかの値がわずかによかった、という結びつきである。[16] 前半で見た、体を動かして使うエネルギーが除脂肪量の保たれ方を予測したという結果とも、向きがそろう。[11]

よくある誤解

「食べる量を減らし続ければ、体重は減り続ける」と思われやすい。CALERIEでは、体重は60週ごろまで減って横ばいになった。[20] ただし後半は体重を保つ設計で[13]、守り方も20週ごろから緩んでいた。[20] そのうえで、眠っている間の消費エネルギーは、体が小さくなった分から見込まれるより大きく下がっていた。[13]

「食事を減らすと、落ちるのは筋肉ばかりだ」という心配もある。2年で減った7.5kgのうち71%は脂肪で[4]、体重に占める除脂肪量の割合は、普段どおりの群より高かった。[11] 除脂肪量が保たれるかを予測したのは、体を動かして使うエネルギーのほうだった。[11]

「腹八分目を続ければ、老化が止まる」と期待する声もある。血液の指標で老化の進む速さはわずかにゆっくりになったが、生物学的な年齢を示す時計の指標は変わらず、効果は小さかった。[3] 病気や寿命まで確かめた試験は、まだ無い。[3]

今日からできること

  • 減らす量より先に、減らした体重を保つ期間を何か月にするかを決める。後半に体重が戻った人では、インスリンなどの改善が元に戻っていた。[1] この試験はBMI22以上28未満で、心や行動の問題のない人が対象だった。食べる量を減らす前に、痩せ型の人、食べ方の乱れの経験がある人、妊娠中・授乳中の人は医師の判断を仰ぎ、糖尿病の薬を使っている人は減らし方を主治医に尋ねる。
  • 食べた量を書くなら、書いた量は実際より少なく出やすいと見込み、体重の何日分の平均と並べて見るかを決める。体重が安定していた時期でも、申告は1日350kcal少なかった。[10]
  • 1日の最初の食事と最後の食事の時刻を、平日と休日で何分以内のずれに収めるかを決める。最初の食事の時刻がぶれない人ほど、体重がよく減っていた。[8]
  • 食べる量を控える期間も、歩く・運動する時間を週に何分以上と決め、制限の前より減らさない。体を動かして使うエネルギーの減りが小さかった人で、握力などの値がよかった。[16]

控える食事と、落とさない活動量

食べる量を減らした2年の記録では、体を動かして使うエネルギーの落ち方が小さかった人ほど、握力などの値がわずかによかった。食事を控える時期にも、動く習慣のほうは細らせない工夫が要る。

オンザショア立川店のレッスンは、常温のヨガ、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングで、ヨガだけで25種類以上ある。食べる量を大きく減らしている時期は、まず常温のヨガから考える。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

最初に受けられるのはヨガの体験で、60分のレッスンが税込1,980円。ヨガマット、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルもその料金に含まれる。

スタジオは東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分のところにあり、8:00〜23:30の営業で年中無休だ。

店の全体はオンザショアのサイト、料金は料金の案内、ヨガの体験は体験予約のページで確かめられる。

食べる量を控え始めた月も、駅までの道や階段を近道で縮めず、いつもの距離をそのまま歩き通す。

参考文献

[1] Weight Regain Reverses Caloric Restriction-Induced Benefits on the Insulin-IGF-1 Nutrient-Sensing Pathway: Post Hoc Analysis From the CALERIE-2 Randomized Controlled Trial. — Warmbrunn et al., 2026, Diabetes care. DOI: 10.2337/dc25-1911

[3] Effect of long-term caloric restriction on DNA methylation measures of biological aging in healthy adults from the CALERIE trial. — Waziry et al., 2023, Nature aging. DOI: 10.1038/s43587-022-00357-y

[4] 2 years of calorie restriction and cardiometabolic risk (CALERIE): exploratory outcomes of a multicentre, phase 2, randomised controlled trial. — Kraus et al., 2019, The lancet. Diabetes & endocrinology. DOI: 10.1016/S2213-8587(19)30151-2

[7] Effects of caloric restriction on human physiological, psychological, and behavioral outcomes: highlights from CALERIE phase 2. — Dorling et al., 2021, Nutrition reviews. DOI: 10.1093/nutrit/nuaa085

[8] Associations between the timing of eating and weight-loss in calorically restricted healthy adults: Findings from the CALERIE study. — Fleischer et al., 2022, Experimental gerontology. DOI: 10.1016/j.exger.2022.111837

[10] Energy requirements in nonobese men and women: results from CALERIE. — Redman et al., 2014, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.3945/ajcn.113.065631

[11] Body-composition changes in the Comprehensive Assessment of Long-term Effects of Reducing Intake of Energy (CALERIE)-2 study: a 2-y randomized controlled trial of calorie restriction in nonobese humans. — Das et al., 2017, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.3945/ajcn.116.137232

[12] Challenges in defining successful adherence to calorie restriction goals in humans: Results from CALERIE™ 2. — Martin et al., 2022, Experimental gerontology. DOI: 10.1016/j.exger.2022.111757

[13] Effect of caloric restriction on organ size and its contribution to metabolic adaptation: an ancillary analysis of CALERIE 2. — Falkenhain et al., 2025, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-024-83762-0

[14] Comprehensive Assessment of Long-term Effects of Reducing Intake of Energy Phase 2 (CALERIE Phase 2) screening and recruitment: methods and results. — Stewart et al., 2013, Contemporary clinical trials. DOI: 10.1016/j.cct.2012.08.011

[16] Association between physical activity energy expenditure and markers of healthspan during prolonged calorie restriction in individuals without obesity: observations from the CALERIE™ phase 2 randomized controlled trial. — Dorling et al., 2025, The international journal of behavioral nutrition and physical activity. DOI: 10.1186/s12966-025-01825-5

[20] Changes in body weight, adherence, and appetite during 2 years of calorie restriction: the CALERIE 2 randomized clinical trial. — Dorling et al., 2020, European journal of clinical nutrition. DOI: 10.1038/s41430-020-0593-8

冒頭の写真: 黒い皿に盛ったローストビーフ、いんげん、小さなじゃがいもと、いちごの入った器、コーヒーカップ(写真: Unknown photographer/artist / Public domain / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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