血糖値センサー(CGM)で減量は進むのか 体重が動いた試験と動かなかった試験

黒い背景の上に置かれた白い円盤の形をした持続血糖測定用のセンサー 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

センサーを見た人は、皿の上の何を変えたのか

体重が動いた維持の試験で、もう一つ差が出た数字がある。1日にとるエネルギーの変化だ。センサーの群は1日あたり235.0kcal減らし、面談だけの群は23.3kcal増えていた。身体活動の変化には群の差がなく、心臓や代謝の危険を映す血液の指標も、中性脂肪を除けば差はなかった。[15] この試験で体重の差と一緒に動いていたのは、動く量ではなく、食べる量だった。

体重に差が出なかった24週の試験でも、行動の手がかりは残っている。センサーの値を読み取る回数が多かった人ほど、最初の1か月に血糖が目標を上回っていた時間が長かった。そして読み取りの多い人ほど、試験のあいだにたんぱく質の摂取が増え、目標を上回る時間は減っていた。著者らは、血糖の動きに自分で気づくことが行動の変化につながったと考えている。[14] ただし、これは同じ群の中で回数と変化が一緒に動いたという相関で、読み取る回数を増やせば食べ方が変わると確かめたものではない。

境界型の糖尿病(糖尿病の手前の段階)で過体重か肥満の30人を15人ずつに分けた試験もある。両群とも、体重を保つのに必要なエネルギーと血糖の管理に合わせた一人ひとりの栄養の助言を受け、片方だけがセンサーの値をその場で見られた。値を見られた群では、全粒の穀物と植物性のたんぱく質の摂取が有意に増え、果物の摂取は増える傾向、炭水化物からとるエネルギーの割合は下がる傾向を示した。睡眠の効率(寝床にいる時間のうち眠っていた割合)も5%改善している。[9] 著者らは、この変化が長く続くかはこれから確かめる課題だとしている。[9]

冒頭の35人の試験でも、センサーの群は食事の助言を守れた度合いが高かった。[17] ここまでの試験を通して見ると、センサーを見た人の変化として記録に残ったのは、運動よりも皿の上のことが多い。[9][14][15][17]

センサーは何も食べないし、何も減らさない。線を見せるだけだ。減らしたのは、その線を見た人の手である。だから、センサーの効き目を問うことは、線を見た人がその日の献立を変えられる仕組みが手元にあるかを問うことに近い。

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空腹を感じたとき、血糖はむしろ下がっていた

血糖の線と、本人の感覚を重ねた研究もある。糖尿病のない過体重か肥満の大人84人(平均47.7歳)が14日間センサーを着け、スマートフォンに1日6回届く質問に、そのときの空腹の度合いを答えた。地域で募った人たちで、30代から50代の読者にも近い年齢の集団である。[16]

空腹だと答えたとき、血糖は空腹でないときより平均で約13.6mg/dL低く、30分後もなお約11.0mg/dL低かった。その後は時間とともに上がっていき、180分後には6.7mg/dL高くなっていた。[16]

食事のあとに血糖が大きく跳ね上がる「グルコース・エクスカーション」が起きやすいかも調べられている。空腹の報告のあと30〜60分では起きるオッズが1.24倍、60〜90分では1.36倍、90〜120分では1.13倍で、120分を過ぎると有意な差はなくなった。[16]

素直に読めば、空腹のあとに食べ、その食事で血糖が上がった、という流れが浮かぶ。けれども、この研究は何をいつ食べたかを直接は測っていない。著者らもそこを断ったうえで、空腹という感覚は、その後の血糖の変化を前もって知らせる合図になりうると書いている。[16] 観察研究なので、空腹が血糖を上げたのでも、血糖が下がったから空腹になったと決まったのでもない。分かったのは、二つが時間をずらして並んでいたことである。

おなかが空いたと感じたその時刻は、血糖の谷であり、次の山の手前でもあった。空腹を「食べないと危ない合図」と受け取るか、「これから2時間の過ごし方を決める合図」と受け取るかで、同じ感覚の使い道は変わってくる。ただし、この研究は糖尿病のない人が対象で、血糖を下げる薬を使っている人の空腹の扱いは、主治医の指示を先にする。

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血糖の山の時刻から、運動の時刻を決める

センサーで見えた線を、運動の予定に使った無作為化試験がある。対象は2型糖尿病の大人で、HbA1cは平均7.2%、年齢は平均63歳、BMIは平均29だった。まず14日間、ふだんの暮らしのままセンサーを着け、1日のうち血糖が最も高くなる時刻を一人ずつ割り出した。そのうえで8週間、3つの群に分けた。[19]

一つは、血糖が最も高くなる時刻の約30分前から、毎日22分の運動を始める群。もう一つは、その時刻の約90分後に、毎日22分の運動をする群。残りは、何もせずに順番を待つ群である。[19]

主な結果だったHbA1cは、どの群でも変わらなかった。一方で、1日の血糖の最高値は、運動した二つの群のどちらでも、待つ群より有意に下がった。血管が広がる力を測る検査の値も上がっている。運動を守れた割合は、両群とも90%を超えていた。[19]

山の直前を狙った群も、山の90分後に動いた群も、どちらも待つ群より良くなった。狙い撃ちした群が勝ったという報告ではない。著者らは、山を狙うことよりも、運動する時刻を決めて処方すること自体が、健康の指標と運動の続けやすさを良くする新しい方法になりうるとまとめている。[19] センサーの役目は、秒単位の照準ではなく、毎日動く時刻を一つ選ぶ手がかりにとどまった、という読み方になる。

この試験の比べる相手は運動をしない待つ群なので、時刻を決めた効果と、毎日22分動いた効果は分けられていない。体組成も測られているが、論文の冒頭に載る概要には、体重や体脂肪の結果は示されていない。[19] 2型糖尿病の人の試験でもあり、糖尿病のない人に同じ大きさの差が出るとは限らない。薬で血糖を下げている人が運動の時刻を変えるときは、主治医に相談してから決めたい。

食後に歩く時間の長さと血糖の話は「食後の散歩は何分から効くか 10分歩行の血糖変化と体重への期待を見分ける」に譲る。ここで扱ったのは、センサーの線から自分の運動の時刻を選ぶ、という一歩手前の使い方である。

糖尿病でない人の数字には、まだ物差しがない

センサーの試験では、血糖が目標の範囲に入っていた時間や、目標を上回っていた時間が指標として使われる。[14][17] けれども、糖尿病のない人では事情が違う。肥満の薬をやめたあとのセンサーの使い方を検討した2026年の総説は、正常な血糖か境界型の人について、代謝の悪化を見分けるためのセンサーの基準値はまだ定められていないと指摘する。[12]

同じ総説によれば、センサーの指標が体重の再増加より先に動くのか、再増加を予測できるのかを確かめた前向きの研究はまだなく、センサーに導かれた介入が長い目で見て体重の維持を良くするかも分かっていない。著者らは、得られるかもしれない利点を、費用、皮膚のかぶれ、不安、そして確かめられていない信号を読み込みすぎることで生まれる不要な食事制限と天秤にかける必要があるとし、この使い方は研究段階にあると結論している。[12]

研究そのものの側にも限りがある。肥満の研究でセンサーを着けた期間は平均8.74日と短く、使われた指標もばらばらで、研究同士を比べにくい。[1]

糖尿病のない人が、ある日の食後の山の高さだけを見て食品を良い・悪いと分けるには、その山の高さが将来の何を意味するのかという判断の基準値がまだ無い。糖の吸収を抑えるとうたう素材については「白インゲン豆のサプリで糖質はカットできるか 8本の試験が示す体重差と残る疑問」と「桑の葉と実のDNJ、量をそろえた抽出物で食後の血糖の上がり方は1〜3割小さく 体重の答えはまだ」、食品の選び方そのものは「低GI食で痩せるのか 血糖値と体重の違い、減量試験の答えが分かれる理由」で扱っている。

線を見る道具は手に入りやすくなった。その線の意味づけは、まだ研究の途中にある。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

よくある誤解

「血糖の波を平らにすれば、体重も減る」と考えるのは早い。24週の試験では、センサーの群で血糖の変動係数が改善したのに、体重の変化は対照群と差がなかった。[14] 波の大きさと体重は、別々に測られ、別々に動いていた。

「センサーを着ければ、それだけで食べ方が変わる」とも言い切れない。値をその場で見られた10代の群でも、体重の減り方、食べた量、食べ方は、見られない群と差がなかった。[4] 診療でセンサーを使い始めた2型糖尿病の大人でも、BMIは変わらなかった。[6] 体重が動かなかった24週の試験でも、全員が食事と運動の療法を受けていた。[14] 体重が動いた2本は、比べた群がほとんど減らなかった小さな試験である。[15][17]

「山が高く出た食品は、やめればよい」というのも危うい。糖尿病のない人では、センサーの値から異常を見分ける基準がまだ定められておらず、確かめられていない信号の読み込みすぎが、不要な食事制限や不安につながるおそれが指摘されている。[12]

今日からできること

  • 体を動かす時刻を、1日の中に一つだけ決める。何分動くか、その時刻を何週間続けるかも、始める前に自分で決めておく。[19]
  • おなかが空いたと感じたときの、そこから2時間の過ごし方を一つ決めておく。何分後に何を食べるかを、自分の数字で決める。空腹の報告のあと30〜120分は、血糖が大きく上がりやすかった。[16]
  • 減量を終えたあとの半年に、管理栄養士との一対一の面談を何週目に何回入れるかを決める。[15]
  • センサーを試すなら、着ける時期をいくつに分け、1回を何日にするかを、着ける前に決める。[17]

センサーを外した日にも、動く時刻は自分で選ぶ

センサーの線は、動く時刻を選ぶ手がかりにはなるが、その時刻に体を運ぶのは本人である。オンザショア立川店は年中無休で、どの曜日も8:00から23:30まで開いている。空腹を感じやすい時刻や食事の時刻と並べて、通う時間帯を考えられる。

溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、HIIT、ボクササイズ、女性専用のキックボクササイズ、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンが並ぶ。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。糖尿病の薬を使っている人や、センサーで血糖の管理をしている人は、溶岩ホットヨガに加わってよいかを主治医に確かめ、まず常温のヨガから考えたい。

初めての人には60分のヨガの体験レッスンがあり、税込1,980円で、ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルまで含まれる。場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。

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おなかが空いたと感じたら、すぐに何かを口に入れる前に時計を見て、その時刻と、食事のあとどれだけたっていたかを確かめる。

参考文献

[1] Use of continuous glucose monitoring in obesity research: A scoping review. — Hegedus et al., 2021, Obesity research & clinical practice. DOI: 10.1016/j.orcp.2021.08.006

[3] Continuous Glucose Monitoring in Adolescents With Obesity: Monitoring of Glucose Profiles, Glycemic Excursions, and Adherence to Time Restricted Eating Programs. — Naguib et al., 2022, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2022.841838

[4] Time-Limited Eating and Continuous Glucose Monitoring in Adolescents with Obesity: A Pilot Study. — Vidmar et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13113697

[6] Dynamics of Hemoglobin A1c, Body Mass Index, and Rates of Severe Hypoglycemia in 4434 Adults with Type 1 or Type 2 Diabetes After Initiation of Continuous Glucose Monitoring. — Lanzinger et al., 2022, Diabetes technology & therapeutics. DOI: 10.1089/dia.2022.0063

[9] Effects of Individualized Nutrition Therapy and Continuous Glucose Monitoring on Dietary and Sleep Quality in Individuals with Prediabetes and Overweight or Obesity. — Basiri et al., 2025, Nutrients. DOI: 10.3390/nu17091507

[12] Continuous glucose monitoring after discontinuation of incretin-based obesity pharmacotherapy: indirect evidence and a research framework for metabolic stability and weight maintenance. — Koceva et al., 2026, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2026.1892632

[13] The effect of continuous glucose monitoring feedback on glycaemic variability in youth with obesity: A within-participant feasibility study. — Chimatapu et al., 2025, Pediatric obesity. DOI: 10.1111/ijpo.70035

[14] Effects of intermittently scanned continuous glucose monitoring on body weight and glycemic variability in individuals with overweight and impaired glucose tolerance or mild diabetes: A pilot randomized controlled trial. — Nishikage et al., 2025, Obesity research & clinical practice. DOI: 10.1016/j.orcp.2025.01.008

[15] Optimising Weight Loss Maintenance: Can Continuous Glucose Monitoring Play a Role (OWL-CGM)? A Randomized Controlled Feasibility Trial. — Hatta et al., 2026, Clinical nutrition (Edinburgh, Scotland). DOI: 10.1016/j.clnu.2026.106738

[16] The Effect of Hunger on the Likelihood of Glucose Excursions in Adults with Overweight or Obesity: Continuous Glucose Monitoring and Ecological Momentary Assessment Observational Study. — Lim et al., 2026, JMIR formative research. DOI: 10.2196/85897

[17] Intermittently Scanned Continuous Glucose Monitoring Enhances Weight Loss and Adherence in Women with Obesity: A Randomized Controlled Trial. — Gradiser et al., 2026, Diabetes technology & therapeutics. DOI: 10.1177/15209156261423952

[19] Using continuous glucose monitoring to prescribe an exercise time: a randomised controlled trial in adults with type 2 diabetes. — Chang et al., 2025, Diabetes research and clinical practice. DOI: 10.1016/j.diabres.2025.112072

冒頭の写真: 黒い背景の上に置かれた、白い円盤の形をした持続血糖測定用のセンサー(写真: Raimond Spekking / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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