希少糖アルロースは体脂肪を減らすのか ヒトの試験の数と大きさを確かめる

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12本を集めた分析では、体組成は動かなかった

では、試験を集めるとどうなるか。2026年に発表された系統的レビューとメタ分析は、2025年4月30日までに出た、人で比較した介入試験を3つの医学文献の目録で探した。見つかった4,905件の報告のうち、条件に合ったのは20本で、アルロースの試験が12本、似た希少糖であるタガトースの試験が8本、参加者は合わせて1,033人だった。[19]

分析では、無作為化した試験と無作為化していない試験のそれぞれに合った道具で偏りの危険を評価し、結果ごとに証拠の確かさを判定している。そのうえで、アルロースは食後の血糖の上がり方を有意に抑えた。標準化した差で−0.66、幅は−0.92から−0.39で、証拠の確かさは中くらいと評価された。食後のインスリンも−1.27と下がったが、研究間のばらつきを示す指標は96%と大きかった。[19]

一方、HbA1c、空腹時の血糖とインスリン、血液中の脂質、尿酸、そして体組成には、アルロースの有意な効果は見られなかった。これらの証拠の確かさは、非常に低いから中くらいと評価されている。同じ分析で、タガトースは食後の血糖とインスリンに加えてHbA1cを0.25下げ、空腹時のインスリンも下げた。ただし空腹時のインスリンの証拠の確かさは非常に低いとされた。著者らは、アルロースもタガトースも食後の血糖とインスリンの反応を抑えるが、血液中の脂質と体組成の改善は伴わないと結論した。[19]

体脂肪が下がった121人の試験と、体組成に効果がなかったメタ分析。この2つは、どちらかが誤りというより、見ている範囲が違う。1本の予備的な試験と、試験を集めた分析とでは、体組成についての答えが一致していない。いまの時点で言えるのは、アルロースは食後の血糖の上がり方を抑える証拠がそろいつつあり、体脂肪を減らす証拠はまだ固まっていない、というところまでである。[17][19]

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脂肪の燃え方が変わったのは、食後4時間の話

体脂肪の期待を支える材料として、脂肪の燃え方を測った試験もある。健康な男女13人(平均35.7歳、BMIの平均20.9)が、一晩の絶食の後、アルロース5gか、比較としての甘味料アスパルテーム10mgをとり、30分後に決まった食事をとった。1週間あけて、もう一方の条件も試している。呼吸を一息ごとに分析し、食後4時間の代謝を調べた。[1]

アルロースをとった日は、食後4時間の脂肪の燃焼の合計が、体重1kgあたり10.5kJで、比較の日の9.6kJより有意に多かった。差は体重1kgあたり0.9kJである。糖の燃焼は8.1kJと9.2kJで、少なかった。血糖は低く、血液中の遊離脂肪酸は多かったが、インスリン、総コレステロール、中性脂肪には変化がなかった。[1]

著者らは、アルロースが食後の脂肪の燃焼を高め、エネルギーの代謝を通じて体重の管理に役立つかもしれないと考えている。ただし、これは標準的な体格の13人が1回とった後の4時間の測定である。燃料の配合が脂肪寄りになったことと、何週間か後に体脂肪が減ることの間には、まだ試験で埋められていない距離がある。[1][19]

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おなかの具合が、量の上限を先に教える

熱量がほとんどないなら、いくらとってもよいかというと、そうではない。健康な若い成人で、おなかの症状が出る量を調べた試験がある。1回の量を体重1kgあたり0.1gずつ増やしていくと、0.4gまでは重い下痢や胃腸の症状は出なかったが、0.5gで重い下痢が出た。[12]

砂糖をとったときと比べると、アルロースの後には下痢、おなかの張り、腹痛が有意に多く起きた。毎日とる量を少しずつ増やして1日体重1kgあたり1.0gまで上げると、重い吐き気、腹痛、頭痛、食欲の低下、下痢が見られた。この試験は、1日にとってよい量の目安を定めるために組まれたもので、時々とる場合の1回の量と、ふだんから続けてとる場合の1日の合計を分けて調べている。その結果から著者らは、1回の上限を体重1kgあたり0.4g、1日の上限を0.9gと提案した。体重50kgの人に当てはめると、1回20g、1日45gにあたる計算だ。[12]

長く続けたときの安全性も調べられている。健康な17人が、1回5gのアルロースかブドウ糖を1日3回、12週間続けてとった試験では、アルロースによる異常な影響や臨床上の問題は見られなかった。[2] 食後の血糖の試験で使われた5gや10gは、大人の体重なら、提案された1回の上限の内側に収まる。[4][12]

糖尿病の食事に入れた試験と、結果を待つ試験

糖尿病の治療の現場に近い試験もある。著者らは、人工甘味料は糖尿病の人にとって砂糖の安全な代わりとされる一方で、糖の代謝を悪くする危険もあると指摘し、アルロースを入れた糖尿病食を試した。2型糖尿病の人を対象に、決まった糖尿病食と、その食事にアルロース8.5gを含めたものを、順番を入れ替えて比べた試験だ。血糖は、間をおいて読み取る持続血糖測定の機器で測った。アルロースを含めた食事では、熱量を厳しく管理した通常の糖尿病食と比べて、食後の血糖の山が低くなった。著者らは、必要なインスリンが減ったことから、体の中でインスリンをつくる力を守る効果もうかがえるとしている。[20]

ただ、これは予備的なパイロット試験で、体重や体脂肪を主な結果として測ったものではない。糖尿病で治療を受けている人が食事に何かを加えるときは、量の決め方を含めて医師と相談することになる。[20]

結果を待っている試験もある。ドイツで計画された試験は、健康な成人にアルロースかアスパルテームで甘くした飲み物を毎日3本、4週間ずつ入れ替えて飲んでもらい、腸から出るホルモンの一つであるGLP-1の、食後の出方を比べる。体組成や満腹感、胃腸の具合のほか、腸内細菌の構成なども調べる。計画書によると、10人(女性4人、男性6人)が手順を終え、主な結果の解析は2026年6月までに終える見込みとされていた。[7]

この計画書は、動物と限られた人の研究から、アルロースがGLP-1を増やし、血糖の調節と体重の管理を助ける可能性が示されている一方で、人での証拠はまだ乏しいと書いている。[7] 期待の多くは、まだ試験の途中にある。

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よくある誤解

「アルロースに替えれば体脂肪が落ちる」と受け取るのは早い。体脂肪率と体脂肪量が下がった121人の試験は予備的な研究で、12本の試験をまとめたメタ分析では、体組成に有意な効果は見られなかった。[17][19]

「熱量がほとんどないなら、量を気にしなくてよい」とも言えない。熱量の少なさと、おなかが受け止められる量は、別の物差しで測られている。体重1kgあたり0.5gを1回にとると重い下痢が出て、砂糖と比べて下痢やおなかの張り、腹痛が多かった。体重1kgあたりで上限が示されているので、体の小さい人ほど、同じ量でも上限に近づきやすい。[12]

「食後の血糖が下がるのだから、糖尿病の治療の代わりになる」という考えも危うい。2型糖尿病の人での効果は8%で、著者らも控えめと評価し、長期の試験を求めている。治療中の人の食事の工夫は、医師と相談して組み立てるものだ。[6][20]

今日からできること

  • アルロースに期待するのは、炭水化物と一緒にとったときの食後の血糖の上がり方までにとどめ、体脂肪の変化は期待しない。単独でとったときは、血糖も変わらなかった。[13][19]
  • 砂糖をアルロースに置き換えるなら、甘い飲み物を新しく足すのではなく、もともと砂糖を使っていた飲み物や料理のうち何品を替えるかを、1日の数で先に決める。[4]
  • 1回の量は、体重1kgあたり0.4gという提案の上限を自分の体重で計算し、それより少ない量から始める。1日の合計も、0.9gの上限を計算して、その手前で止める。[12]
  • 毎日使うなら、続ける期間を何週間と先に区切り、区切りの日に続けるかどうかを決め直す。長く続けたときの安全性を調べた試験は、健康な17人の12週間だった。[2]
  • 糖尿病で治療を受けている人は、食事にアルロースを入れる前に、入れる量と血糖の測り方を医師と相談する。[20]

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参考文献

[1] d-Allulose enhances postprandial fat oxidation in healthy humans. — Kimura et al., 2017, Nutrition (Burbank, Los Angeles County, Calif.). DOI: 10.1016/j.nut.2017.06.007

[2] Study on the postprandial blood glucose suppression effect of D-psicose in borderline diabetes and the safety of long-term ingestion by normal human subjects. — Hayashi et al., 2010, Bioscience, biotechnology, and biochemistry. DOI: 10.1271/bbb.90707

[3] A Double-Blind, Randomized Controlled, Acute Feeding Equivalence Trial of Small, Catalytic Doses of Fructose and Allulose on Postprandial Blood Glucose Metabolism in Healthy Participants: The Fructose and Allulose Catalytic Effects (FACE) Trial. — Braunstein et al., 2018, Nutrients. DOI: 10.3390/nu10060750

[4] Allulose for the attenuation of postprandial blood glucose levels in healthy humans: A systematic review and meta-analysis. — Tani et al., 2023, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0281150

[6] The effect of small doses of fructose and allulose on postprandial glucose metabolism in type 2 diabetes: A double-blind, randomized, controlled, acute feeding, equivalence trial. — Noronha et al., 2018, Diabetes, obesity & metabolism. DOI: 10.1111/dom.13374

[7] Effects of Allulose vs Aspartame Consumption on Postprandial Glucagon-Like Peptide-1 Profiles and Metabolic Health: Protocol for a Randomized, Crossover, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. — Busch et al., 2026, JMIR research protocols. DOI: 10.2196/81857

[9] Recent advances on applications and biotechnological production of D-psicose. — Mu et al., 2012, Applied microbiology and biotechnology. DOI: 10.1007/s00253-012-4093-1

[12] Gastrointestinal Tolerance of D-Allulose in Healthy and Young Adults. A Non-Randomized Controlled Trial. — Han et al., 2018, Nutrients. DOI: 10.3390/nu10122010

[13] Acute D-psicose administration decreases the glycemic responses to an oral maltodextrin tolerance test in normal adults. — Iida et al., 2008, Journal of nutritional science and vitaminology. DOI: 10.3177/jnsv.54.511

[17] A Preliminary Study for Evaluating the Dose-Dependent Effect of d-Allulose for Fat Mass Reduction in Adult Humans: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. — Han et al., 2018, Nutrients. DOI: 10.3390/nu10020160

[19] Glycemic and cardiometabolic effects of rare sugars allulose and tagatose: a systematic review and meta-analysis of controlled human intervention trials. — Osborn et al., 2026, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.1016/j.ajcnut.2026.101314

[20] A Pilot Study on the Efficacy of a Diabetic Diet Containing the Rare Sugar D-Allulose in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus: A Prospective, Randomized, Single-Blind, Crossover Study. — Fukunaga et al., 2023, Nutrients. DOI: 10.3390/nu15122802

冒頭の写真: 器に入れられた羅漢果(ラカンカ)由来の甘味料を、近くから写した写真(写真: SamHolt6 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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