空腹の運動が効く条件、効かない条件 食べ過ぎの6週間と筋トレ、1型糖尿病の試験

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空腹で筋トレをしても、筋肉は育った

空腹の運動で気になるのは、脂肪よりも筋肉の方かもしれない。食べずに筋トレをすると、筋肉が育たないのではないかという心配である。

12週間の無作為化試験では、若い成人を、一晩の絶食の後に筋トレをする15人と、炭水化物の多い食事の1〜2時間後に筋トレをする13人に分けた。どちらも週2回の筋トレを行い、食事は両群で同じ熱量になるよう指導された。体組成はX線、太ももの前の筋肉の厚さは超音波、筋力は1回だけ持ち上げられる最大の重さで測っている。[5]

太ももの前の筋肉の厚さは、空腹の群で1.21cm、食後の群で1.18cm増えた。ベンチプレスの最大の重さは10.53kgと4.89kg、膝を伸ばす運動では28.53kgと29.31kg増え、筋肉のパワーも伸びた。ベンチプレスの差は大きく見えるが、群による違いは統計的に有意ではなく、この人数では偶然のぶれと区別できない。著者らは、食べてから行っても空腹で行っても、週2回12週間の筋トレで筋肉と神経筋の働きは改善したとまとめている。[5]

空腹と食後の筋トレを比べた臨床試験を集めたメタ分析もある。4本の研究が入り、そのうち3本は偏りの危険が高いと評価された。脂肪以外の重さ、筋肉の肥大、筋力のいずれにも有意な差はなかった。研究ごとの単位の違いをそろえた差の大きさで見ると、脂肪量の変化だけは空腹の方が大きく、−1.001で、幅は−1.970から−0.032だった。[1]

この脂肪量の結果は、幅の端が0に近く、研究が4本、その多くに偏りの危険がある。著者らの結論も、空腹と食後の筋トレは体組成、筋肥大、筋力に似た効果を持ち、特に一晩の絶食の後のトレーニングでそうだ、というものだった。空腹で筋トレをしても筋肉が育たないという心配は、少なくとも若い成人の試験からは支えられていない。[1][5]

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断食月の試験では、空腹の群だけ体脂肪率が下がった

空腹の群だけが体脂肪率を下げた試験もある。ラマダンの断食の期間に、活動的な男性19人を、空腹で有酸素運動をする10人と、食べた後に運動する9人に分けた。体重は空腹の群で1.9%、食後の群で2.6%減り、体脂肪率は空腹の群でだけ、開始時の値に対して6.2%下がった。[3] 体脂肪率が6.2ポイント下がったという意味ではなく、もとの体脂肪率から見た割合である。

ただ、この試験では、空腹の群で尿の比重や尿素、クレアチニン、尿酸、ナトリウム、塩素の値が上がり、HDLコレステロールも27.3%上がるなど、代謝の指標がいくつも動いていた。食後の群では、クレアチニンの上昇だけだった。[3] ラマダンという特別な期間に、20人に満たない人数で行われた結果で、ふだんの生活の朝食前の運動にそのまま重ねるのは難しい。断食月の体重の動きそのものは「ラマダンの断食と体重の科学 平均約1kgの減少と終了後に戻る数字の意味」が扱っている。[3]

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脂肪の減り方を左右したのは、運動で使った量

同じ運動をしても、減る脂肪の量は人によってかなり違う。閉経前の女性55人が7週間の持久的な運動に取り組んだ試験では、脂肪量の変化の平均は−0.97kgだったが、個人では2.1kg増えた人から5.3kg減った人までいた。[19]

この差を最もよく説明したのは、運動で使ったエネルギーの量だった。すべての運動の回で心拍数を記録し、一人ひとりの心拍数と酸素の取り込みの関係から計算した値で、脂肪量の変化との相関は0.60だった。[19]

次に効いていたのは、安静時の呼吸商の変化である。呼吸商は、安静時に体が脂肪と糖をどんな割合で燃やしているかを映す値である。運動で使った量と食べた量の変化の影響を除いた後でも、空腹時の安静の呼吸商の変化が脂肪量の変化の7%を説明し、運動で使った量と合わせると40.2%を説明した。[19]

この試験は、空腹と食後の運動を比べたものではない。それでも、脂肪の減り方を考える順番を教えてくれる。まず、運動でどれだけ使ったか。安静時に脂肪を使う体へ変わったかは、その次に来る。運動の前に食べたかどうかを気にする前に、運動の量そのものが足りているかを見る方が、話が早い。[19]

血糖の治療を受けている人は、空腹の運動を一人で決めない

空腹の運動が、医療の管理を前提に研究されている場面もある。インスリンポンプを使う1型糖尿病の成人15人に、空腹のまま最大酸素摂取量の45%の強さで120分歩いてもらい、3つのやり方を比べた試験だ。著者らは、1型糖尿病の人が空腹で運動すると減量に役立つ一方、血糖を安定させる最善の方法は分かっていないとして、この試験を組んだ。[7]

比べたのは、運動の90分前にインスリンの基礎の量を50%減らすやり方、ふだんの量のまま1時間に体重1kgあたり0.3gの炭水化物をとるやり方、運動の開始と同時に基礎の量を50%減らしつつ炭水化物もとるやり方の3つである。血糖の変化が最も小さかったのは組み合わせのやり方で、炭水化物だけのやり方では1dLあたり49mg下がった。90分前に減らすやり方では、炭水化物の補給が要らず、脂肪の燃焼も多かった。[7]

どのやり方でも血糖は安定していたと著者らは結論している。けれども、その安定は、インスリンの量と炭水化物の量を前もって決めた試験の管理の上に成り立っている。血糖の治療を受けている人が空腹の運動を始めるなら、その組み立ては医師と相談して決めるものだ。[7]

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よくある誤解

「空腹で運動すれば、燃えた脂肪の分だけ体脂肪が減る」と考えたくなる。けれども、空腹と食後で75分走った試験では、その後4日間の食事と消費に差がなく、6週間のHITでは空腹かどうかで体組成は分かれず、8週間の訓練でも脂肪を燃やす力の伸びは同じだった。運動中の燃料の配合と、何週間か後の体脂肪は、別々の数字である。[2][4][11] 空腹の運動がはっきり違う結果を出したのは、高脂肪の食べ過ぎを6週間続けた若い男性の試験と、断食月の小さな試験で、どちらも特別な条件の下だった。[3][6]

「空腹で筋トレをすると、筋肉が分解されて育たない」という心配もある。12週間の試験では、空腹の群でも食後の群でも筋肉の厚さと筋力が伸び、4本の研究をまとめたメタ分析でも筋肉と筋力に差はなかった。12週間の試験の対象は若い成人で、年齢の高い人にもそのまま当てはまるかは分からない。[1][5]

「朝食前の運動は、誰にでも同じように効く」とも言えない。同じ7週間の運動でも、脂肪が5.3kg減った人と2.1kg増えた人がいた。1型糖尿病の人のように、空腹の運動に医療の管理が要る人もいる。[7][19]

今日からできること

  • 朝食の前に動くか、食べてから動くかは続けやすい方を選び、1回の運動の分数と週の回数を先に決める。7週間の試験で脂肪量の変化と最も強く結びついていたのは、運動で使ったエネルギーの量だった。[4][19]
  • 空腹で動くのがつらい人は、運動の何分前に食べるかと量を自分で決め、たんぱく質を中心にした軽い食事にする。[8]
  • 筋トレをする曜日を週に何日と決め、朝食の前でも後でもよいので同じ時間帯にそろえる。[5]
  • 短い高強度のインターバル運動を取り入れるなら、週に何回にするかを先に決める。空腹でも食後でも、体組成の変わり方は同じだった。[2]
  • インスリンなどで血糖の治療を受けている人は、空腹で運動する前に、運動の長さと炭水化物のとり方を医師と相談する。[7]

朝でも夜でも、通える時刻があるということ

空腹か食後かを決めるより先に、週に何回続けるかを決めたい。そのとき場所選びの条件になるのが、通える時刻の幅だ。オンザショア立川店は朝8:00から夜23:30まで、年中無休で開いている。出勤前の時間にも、仕事を終えた後の時間にも、通う枠を置ける。

レッスンには、溶岩プレートを敷いたスタジオで行うホットヨガと常温のヨガがあり、ヨガだけで25種類以上ある。ヨガのほかに、ピラティス、パーソナルトレーニング、HIIT、ボクササイズ、女性専用のキックボクササイズのレッスンもある。

場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口を出て徒歩1分。ヨガの体験レッスンは60分、税込1,980円で、ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルが付く。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。インスリンなどで血糖の治療を受けている人は、溶岩ホットヨガに参加してよいかを主治医に確かめ、始めは常温のヨガを候補にする。

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参考文献

[1] Resistance training performed in the fasted state compared to the fed state on body composition and strength in adults: A systematic review with meta-analysis. — Vieira et al., 2025, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2025.08.003

[2] Interval training in the fed or fasted state improves body composition and muscle oxidative capacity in overweight women. — Gillen et al., 2013, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.20379

[3] Effects of fed- versus fasted-state aerobic training during Ramadan on body composition and some metabolic parameters in physically active men. — Trabelsi et al., 2012, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.22.1.11

[4] Effects of overnight-fasted versus fed-state exercise on the components of energy balance and interstitial glucose across four days in healthy adults. — Podestá D et al., 2024, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2024.107716

[5] Impact of Overnight Fasted State Versus Fed State on Adaptations to Resistance Training: A Randomized Clinical Trial. — Vieira et al., 2025, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2024-0215

[6] Training in the fasted state improves glucose tolerance during fat-rich diet. — Van Proeyen et al., 2010, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jphysiol.2010.196493

[7] Carbohydrate Requirements for Prolonged, Fasted Exercise With and Without Basal Rate Reductions in Adults With Type 1 Diabetes on Continuous Subcutaneous Insulin Infusion. — McGaugh et al., 2021, Diabetes care. DOI: 10.2337/dc20-1554

[8] Pre-Exercise Carbohydrate or Protein Ingestion Influences Substrate Oxidation but Not Performance or Hunger Compared with Cycling in the Fasted State. — Rothschild et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13041291

[9] Metabolic impact of protein feeding prior to moderate-intensity treadmill exercise in a fasted state: a pilot study. — Gieske et al., 2018, Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1186/s12970-018-0263-6

[10] Intramyocellular lipids form an important substrate source during moderate intensity exercise in endurance-trained males in a fasted state. — van Loon et al., 2003, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jphysiol.2003.052431

[11] Effects of time-restricted feeding and meal timing on an 8-week fat oxidation exercise training program-A randomized controlled trial. — Hofstätter et al., 2025, Physiological reports. DOI: 10.14814/phy2.70194

[19] Individual responsiveness to exercise-induced fat loss is associated with change in resting substrate utilization. — Barwell et al., 2009, Metabolism: clinical and experimental. DOI: 10.1016/j.metabol.2009.04.016

冒頭の写真: 曇り空の競技場で、トラックを歩いたり走ったりする大勢の人たち(写真: Eka Fitriani 17 / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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