騒音は太りやすさに関わるのか 道路と飛行機の音、腹囲の関係を追った研究

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小さな平均差と、肥満の人に集まる変化

デンマークの研究に戻る。39,720人について、追跡を終える前の5年間の騒音を時間で重みづけして平均すると、10デシベルごとに、体重は1年あたり15.4g、腹囲は1年あたり0.22mm大きく増えていた。年齢、性別、社会経済の状態、ほかの騒音の源で調整した結果である。[7]

鉄道の音も調べられている。55デシベルを超える鉄道の音は、体重が1年あたり39.9g大きく増えることと関連したが、腹囲の変化には有意な関連がなかった。[7]

注目したいのは、関連がどこに集まっていたかだ。開始時のBMIと腹囲が、道路の騒音と腹囲の関係を左右していた。腹囲の増加が見られたのは、BMIが30以上の肥満の人で1年あたり1.20mm、腹囲が大きい人で0.83mmで、それ以外の人では見られなかった。著者らは、影響はあっても小さく、主に肥満の人に出ると結論している。[7]

同じ傾向は、病気の発症を追った研究にも出る。英国の305,969人を中央値で11.9年追った研究では、19,303人が2型糖尿病と診断された。道路の騒音が10デシベル増えるごとに、2型糖尿病の危険は4%高かった。肥満と道路の騒音の間には有意な交互作用があり、関連は過体重や肥満の人で強く、過体重でない人では有意でなかった。[3]

妊娠と出産の前後を追った研究もある。デンマークの女性で、妊娠中の体重増加を調べた74,065人と、出産後18か月の体重を調べた52,661人のデータがある。道路の騒音が10デシベル大きいと、妊娠中の体重増加は1週あたり3.8g大きく、出産後に残る体重は0.09kg大きかった。出産後の差は、妊娠前に過体重だった人で0.17kg、肥満だった人で0.49kgと大きくなった。二酸化窒素でさらに調整すると、妊娠中の増加の推定は小さくなった。鉄道の音が65デシベル以上の人でも増加の推定は出たが、その幅は0をまたいでいた。[17]

平均すれば小さい差が、もともと体重の多い人に集まって表れる。この形は、研究や対象が違っても繰り返し出てくる。

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女性、音に敏感な人、空港の近くに住む人

女性で関連が強く出る研究がいくつかある。先の50万人の研究では、英国の集団で女性の関連がより強かった。オスロの研究で関連が見えたのも、音に非常に敏感な女性だった。[2][5]

米国の看護師を対象にした2つの集団では、90の空港の周りに住む女性74,848人を調べた。開始時の平均年齢は50.1歳で、83.0%は45デシベル未満、14.8%は45〜54デシベル、2.2%は55デシベル以上の飛行機の音にさらされていた。55デシベル以上の人では、BMIが30以上である見込みが11%高いと推定されたが、その幅は−1%から24%で、差がない可能性を含んでいた。[9]

一方、18歳のときからのBMIの増え方が最も大きい3分の1に入る見込みは15%高く、幅は3%から29%で有意だった。音の大きさとBMIの間には、段階的な傾向も見られた。BMIが25〜29.9の範囲や、45デシベル以上と未満の比較では、関連はもっと弱かった。関連が強かったのは、米国の西部、乾燥した気候の地域、かつて喫煙していた人である。[9]

18歳からの増え方という見方は、一時点の体重より、長い時間の積み重ねをとらえようとする工夫である。空港の音の研究は、腹囲でもBMIの増え方でも、時間をかけた変化に関連が出やすい。[8][9]

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音から脂肪までの道筋は、まだ仮説の段階

なぜ音が体脂肪と結びつくのか。研究者が挙げる道筋は、ほぼ共通している。ストレスホルモンが増えること、睡眠が削られること、ホルモンの働きが乱れることだ。[2][4] ノルウェーの研究も、騒音によるコルチゾールの上昇と慢性的な睡眠の問題が肥満の危険を高めうると考えていた。[5]

ところが、睡眠の乱れのある人で関連が特に強い、という形はデータに表れていない。オスロの研究では、騒音へのいら立ちや睡眠の乱れによって、騒音と肥満の指標の関連の強さは変わらなかった。ストックホルムの研究でも、睡眠の乱れは飛行機の音と腹囲の関連を左右しなかった。どちらも睡眠が道筋になっているかを直接確かめた分析ではないが、睡眠の説明を裏づける結果も出ていない。[5][8]

ストレスの道筋については、脳の画像を使った研究がある。PETとCTを受けた403人の記録を振り返った研究で、内臓脂肪は403人全員、脳の活動は脳の画像がある238人で測られた。その結果、騒音が上位3分の1の人は、内臓脂肪が多く、追跡の画像がある67人では内臓脂肪の増え方も大きかった。糖尿病のない224人を2年追うと、糖尿病の発症の危険は2.429倍だった。[13]

この研究では、ストレスに関わる脳の活動の指標として測った扁桃体(へんとうたい)の代謝の活発さが、騒音と内臓脂肪、騒音と糖尿病の関係を一部つないでいた。ストレスに関わる脳の働きが、音と代謝の病気の間に入っている可能性を示す結果だ。ただし、病院で検査を受けた人の記録を振り返った研究で、人数も小さい。道筋の一つの候補として受け取るのがよい。[13]

腹囲の先にある血糖と血圧、割れる答え

騒音と腹囲の話は、代謝の病気の話につながっていく。台湾の42,509人を追った研究では、年齢、性別、BMI、身体活動で調整したうえで、騒音が中くらいの人でメタボリックシンドロームの危険が1.13倍、大きい人で1.24倍だった。騒音は、メタボリックシンドロームを構成するすべての項目と正の関連があった。著者らは、騒音を減らす政策がメタボリックシンドロームの危険を下げるかもしれないと述べるが、それを確かめる介入はこの研究の範囲の外にある。[16]

一方、職場の騒音について60,727人を振り返って追った研究では、騒音にさらされた群でメタボリックシンドロームの発症が多く、中性脂肪、血糖、血圧の上昇とHDLコレステロールの低下に関連した。ところが、腹部肥満とは統計的に有意な関連がなかった。[14] 住まいの騒音か職場の騒音か、対象者がどんな人かで、腹囲との関係は同じ答えにならない。

ここまでの研究は、どれも住まいや職場の音と体の数字の関係を見た観察研究である。音を下げる手を打って、腹囲や体重が変わるかを比べた結果ではない。関連の大きさは多くが小さく、国や集団によっては関連が見えなかった。いまの時点で言えるのは、交通の騒音が大きい場所に住む人で、腹囲が大きい、あるいは腹囲の増え方が大きい傾向がいくつもの研究で見られ、その差はわずかで、肥満の人で強く出やすい、というところまでだ。[1][2][4][7]

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よくある誤解

「うるさい場所に住むと太る」と言い切るのは早い。50万人の研究でも、国によっては関連がないか逆向きで、英国の関連も大気汚染や地域の状態で調整すると弱まった。デンマークの研究の平均の差は、1年に15.4gだった。[2][7]

「騒音で眠れなくなるから太る」という説明も、まだ確かめられていない。2つの研究では、睡眠の乱れのある人とない人で、騒音と体型の指標の関連の強さは変わらなかった。ストレスに関わる脳の働きが間に入るという結果はあるが、小さな振り返りの研究にとどまる。[5][8][13]

「体重が増えていないなら、音の影響はない」とも言えない。研究をまとめた分析では、BMIとの関連は見られず、腹囲との関連が見られた。飛行機の音の研究でも、BMIではなく腹囲の増え方に差が出ていた。[4][8]

今日からできること

  • 寝室の窓が大通りや線路の側にあるかを確かめ、通りから遠い側の部屋で眠る夜を週に何回にできるかを決める。家の外の音の推定と寝室で聞こえる音のずれを減らそうと、寝室の向きで人を分けて関連を見直した研究がある。[5]
  • 引っ越しで住まいを探すときは、候補の住所ごとに幹線道路、線路、空港との距離を地図で確かめ、比べる候補の数を自分で決めて見学する。研究は、住所ごとに推定した道路や飛行機の音で人を比べていた。[8][9]
  • 体を動かす日を週に何日にするかを先に決め、その曜日を固定する。英国の集団では、道路の騒音と体型の関連が、身体活動の少ない人でより強かった。[2]
  • 大きな音の中で働く時間が長い人は、健診の中性脂肪、血糖、血圧の欄を、何年分さかのぼって並べて見るかを決める。職場の騒音の研究では、騒音がこれらの項目の上昇と結びついていた。[14]

静かな部屋を選べない日の、体を動かす場所

住まいの音は今日すぐには変えられなくても、体を動かす時間は自分で決められる。オンザショア立川店は年中無休で、毎日8:00〜23:30に開いているから、出勤前の朝にも、帰りの遅い夜にも通える。

JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあるスタジオで、溶岩プレートを敷いた部屋のホットヨガと、常温のヨガの両方を行っている。ヨガのレッスンは25種類以上あり、ほかにピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングもそろう。

最初の1回は、60分のヨガの体験レッスンを税込1,980円で受けられる。料金にはバスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれ、音の多い通りを抜けて仕事帰りに寄る日でも、大きな荷物を抱えずに済む。

通う日を決める人に向けて、店の決まりをここに置いておく。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

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騒がしい通りに面した部屋に住む人は、スタジオへ行く曜日を家族にも宣言して、動く時間を家の外に確保する。

参考文献

[1] Traffic noise and adiposity: a systematic review and meta-analysis of epidemiological studies. — Gui et al., 2022, Environmental science and pollution research international. DOI: 10.1007/s11356-022-19056-7

[2] Impact of road traffic noise on obesity measures: Observational study of three European cohorts. — Cai et al., 2020, Environmental research. DOI: 10.1016/j.envres.2020.110013

[3] Road Traffic Noise, Obesity, and the Risk of Incident Type 2 Diabetes: A Cohort Study in UK Biobank. — Zuo et al., 2022, International journal of public health. DOI: 10.3389/ijph.2022.1605256

[4] Chronic Noise Exposure and Adiposity: A Systematic Review and Meta-analysis. — An et al., 2018, American journal of preventive medicine. DOI: 10.1016/j.amepre.2018.04.040

[5] Road traffic noise and markers of obesity – a population-based study. — Oftedal et al., 2015, Environmental research. DOI: 10.1016/j.envres.2015.01.011

[7] Long-term exposure to residential traffic noise and changes in body weight and waist circumference: A cohort study. — Christensen et al., 2015, Environmental research. DOI: 10.1016/j.envres.2015.10.007

[8] Long-term aircraft noise exposure and body mass index, waist circumference, and type 2 diabetes: a prospective study. — Eriksson et al., 2014, Environmental health perspectives. DOI: 10.1289/ehp.1307115

[9] Aircraft noise exposure and body mass index among female participants in two Nurses’ Health Study prospective cohorts living around 90 airports in the United States. — Bozigar et al., 2024, Environment international. DOI: 10.1016/j.envint.2024.108660

[13] A neurobiological link between transportation noise exposure and metabolic disease in humans. — Osborne et al., 2021, Psychoneuroendocrinology. DOI: 10.1016/j.psyneuen.2021.105331

[14] Association of Occupational Noise Exposure and Incidence of Metabolic Syndrome in a Retrospective Cohort Study. — Kim et al., 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph19042209

[16] The Association between Noise Exposure and Metabolic Syndrome: A Longitudinal Cohort Study in Taiwan. — Huang et al., 2020, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph17124236

[17] Exposure to traffic noise and gestational weight gain and postpartum weight retention: a cohort study. — Sørensen et al., 2020, Occupational and environmental medicine. DOI: 10.1136/oemed-2019-105843

冒頭の写真: 車が行き交う幹線道路を写した写真。複数の車線を車が走っている(写真: John Robert McPherson / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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