脂肪浮腫(リピデマ)と肥満の違い 体重が落ちても脚に残る脂肪と、その痛み

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食事を変えた試験は、痛みを測った

食事で何か変わるのか。体重ではなく痛みを主な評価項目にしたランダム化試験がある。脂肪浮腫と肥満を持つ成人女性70人を、糖質を控えた食事と対照の食事に分け、8週間続けた[6]。どちらの食事も1日1,200kcalのエネルギー量が処方されていた[6]。参加者の平均年齢は47歳、体格指数の平均は37だった[6]。

糖質を控えた群では、対照群と比べて体重が2.8kg多く減り、95%信頼区間は−4.1〜−1.0kgだった[6]。痛みの質問票で測った「今の痛み」も1.1点多く下がり、信頼区間は−1.9〜−0.3点だった[6]。生活の質は、両群とも複数の側面で改善した[6]。

興味深いのは、その先である。痛みの変化と体重の減り方の間に、関連は見られなかった。糖質を控えた群のほうが痛みは下がったが、それを体重がより多く減ったためとする説明は、この試験の結果からは支持されなかった。著者らは、エネルギーを制限した糖質を控える食事が、標準的な対照の食事より痛みを減らすうえで優れているようだと結論している[6]。

より長い期間を追った研究もある。脂肪浮腫の女性24人、年齢の中央値39歳が、医師の管理のもとで7か月間、一人ひとりに合わせてエネルギーを制限した、糖質を控え脂質の多い食事を続けた[15]。体格指数、脚の容積、脂肪組織の痛みは、いずれも有意に下がった[15]。

血液では、血管の新生に関わる物質が増え、炎症を促す物質や血管の内側の接着に関わる分子が減るなど、多くの変化が観察された[15]。開始時のオレオイルエタノールアミドなど一部の脂質の濃度や、その減り方は、体格指数がより大きく下がることと結びつき、痛みの改善はP-セレクチンなどの減少と結びついていた[15]。ただし、この研究は比較群を置かない予備的な探索研究で、著者ら自身が、因果関係も具体的な仕組みも確かめられないと明記している[15]。8週間のランダム化試験と、7か月の比較群のない研究[6][15]。この二つを並べると、糖質を控えた食事と痛みの関係は、手がかりは出始めているが、確かめる段階はまだ続いていると読める。

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動く力は低く、運動で伸びる余地がある

脂肪浮腫の人は、痛みや腫れ、動きにくさ、心理的な苦痛から、体を動かす量や体の働きが落ちやすい。スコーピングレビューの一つは、5つのデータベースで5,147件の記録を調べ、身体活動や体の力を機器などで客観的に測った6本の研究を見つけた[16]。参加者は1本あたり31〜96人で、ほとんどが女性だった[16]。

これまでの研究の多くは、本人が答える質問票で活動量を測っていた。自己申告には偏りが入りやすく、だからこそ客観的な測定が要る、というのがこのレビューの出発点である。使われたのは、加速度計、6分間で歩ける距離の検査、椅子から立ち座りする検査、握って測る筋力計などだ[16]。脂肪浮腫の人は、健康な人や体格指数をそろえた人と比べて、歩く力と筋力が低い傾向にあった[16]。体格指数をそろえても差が出るということは、体重の多さだけでは説明しきれない低下があることを示唆する。

一方で、構造化された運動、とくに有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたプログラムは、歩ける距離、筋力、痛みの改善と結びついていた。ただし研究の方法はばらばらで人数も少なく、一般化には限界があると、著者らは書いている[16]。

理学療法とリハビリテーションの研究15本を見直した2020年のレビューも、複合的な理学療法、歩き方の訓練、水の中での運動、有酸素運動、筋力トレーニングのそれぞれに価値があるとした[17]。効果は研究によってばらつくが、全体としては有効とみられ、ほかの治療と組み合わせて使うべきだという[17]。

地域の看護師向けの2015年の解説は、脂肪浮腫に証明された治療法はまだないとしながら、症状を良くし進行を防ぐためにできることは多いと書く[5]。挙げられたのは、健康的な食事、関節への負担が少ない運動、圧迫用の衣類、自分で行うリンパの流れを促すマッサージ、カウンセリングで、その多くは患者自身が日々の中で行える[5]。

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治療の柱と、脂肪吸引の研究の読み方

先のドイツの診療指針は、治療の柱を四つに整理した。一つ目は、リンパの流れを手で促す施術、圧迫療法、運動療法、皮膚の手入れを組み合わせた複合的な理学療法。二つ目は脂肪吸引と形成外科の手術。三つ目は食事と身体活動。四つ目は、必要に応じた心理療法である。これらを症状に合わせて組み合わせるとされた[1]。

手術が考えられるのは、保存的な治療を十分に行っても症状が続く場合や、所見や症状が進む場合だ。そして、重い肥満があるときは、脂肪吸引の前にその治療を行うべきだと、指針は書いている[1]。脂肪浮腫と肥満は、どちらか一方ではなく、同じ人に重なることがある。

脂肪吸引の成績を示す研究は増えている。下肢の脂肪浮腫の女性191人が、6か月の保存的な治療のあと、リンパ管を傷つけにくい方法で2回に分けた超音波を使う脂肪吸引を受けた観察研究では、12か月後、測ったすべての部位で周囲径が有意に減り、平均の減少は6.396cmだった[13]。対象は病期1〜3の女性だった[13]。痛み、触れたときの過敏さ、あざのできやすさも有意に下がり、合併症は想定の範囲で、術後の静脈炎は1例もなかった[13]。全員が治療後に高い満足を報告したという[13]。

ただし、この研究には比較の群がない。著者らも、効果が長く続くかを確かめる長期の追跡が必要だと書いている[13]。2023年のレビューは脂肪吸引を有効な治療とみて、症状を大きく改善するとしたが、同時に、余った皮膚を切除する手術がリンパの流れに与える影響など、分かっていないことも挙げている[3]。脂肪吸引と代謝の関係を一般の肥満で扱った記事として「脂肪吸引で代謝まで変わるのか 取り除いた脂肪と検査値が同じ答えにならない理由」がある。

よくある誤解

「脚だけ太いのは、食べ過ぎと運動不足のせいだ」と思われがちだ。脂肪浮腫は、腕と脚に左右対称に、胴体との釣り合いを崩して皮下脂肪が増える、独立した慢性の病気として扱われている[1][4]。手術で体重の36%を落としても脚の痛みが残った49人の報告もある[11]。

「脚がむくむのだから、リンパの病気だ」と考えるのも早い。造影検査では脂肪浮腫の女性の85.0%でリンパ管が正常の段階で[20]、1996年の検査の研究でも、リンパの働きの低下は本来のリンパ浮腫の水準に届いていなかった[8]。

「痩せれば、脚の痛みも一緒に消える」とは限らない。糖質を控えた食事の試験では痛みが下がったものの、痛みの変化は体重の減り方と関連していなかった[6]。手術で大きく体重が減っても、痛みの点数が上がった報告もある[11]。体重と痛みは、別々に見ていく対象である。

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今日からできること

  • 水の中を歩くなど、関節への衝撃が少ない運動を週に何回、1回何分にするかを決める[5][17]。
  • 有酸素運動を行う日と、筋力トレーニングを行う日を、1週間の中にそれぞれ何日置くかを決める[16][17]。
  • 脚の痛みが気になって糖質を控える食事を選ぶなら、1日の中で主食を食べる回数と、続ける週の数を自分で決める。痛みの下がり方は、体重の減り方とは関連していなかった[6]。
  • 左右の脚に同じように脂肪がつき、押すと痛む、あざができやすいといった状態が何か月続いているかを紙に書き出し、受診のときに医師に見せる[1]。

治療としての運動と、暮らしの中の運動

脂肪浮腫の診療指針は、運動療法を複合的な理学療法の一部として、治療の柱に数えている。治療としての運動は医療の中で決めるものだ。それとは別に、脚の痛みと相談しながら決まった曜日に動く場所を探すなら、その一つがオンザショア立川店だ。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口を出て徒歩1分の距離にある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガのレッスンだけで25種類以上を数える。

脚の痛みや腫れで通院している人、脂肪浮腫と診断された人は、溶岩ホットヨガの熱が自分の脚に合うかを主治医に確かめ、まず常温のヨガから考える。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガの体験は60分、税込1,980円で、ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚を借りられる。毎日8:00〜23:30の営業で、年中無休だ。

体験の申し込みはヨガ体験の予約ページから、レッスンの種類は店のトップ、費用は料金表で見られる。

脂肪浮腫の診察で運動してよい範囲を聞いたら、その範囲に収まる回を一つ予約する。

参考文献

[1] S1 guidelines: Lipedema. — Reich-Schupke et al., 2017, Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft = Journal of the German Society of Dermatology : JDDG. DOI: 10.1111/ddg.13036

[3] Lipedema: What we don’t know. — van la Parra et al., 2023, Journal of plastic, reconstructive & aesthetic surgery : JPRAS. DOI: 10.1016/j.bjps.2023.05.056

[4] Pathophysiological dilemmas of lipedema. — Szél et al., 2014, Medical hypotheses. DOI: 10.1016/j.mehy.2014.08.011

[5] Living with lipoedema: reviewing different self-management techniques. — Fetzer et al., 2015, British journal of community nursing. DOI: 10.12968/bjcn.2015.20.Sup10.S14

[6] Effect of a low-carbohydrate diet on pain and quality of life in female patients with lipedema: a randomized controlled trial. — Lundanes et al., 2024, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.24026

[8] Lymphatic and venous function in lipoedema. — Harwood et al., 1996, The British journal of dermatology.

[11] Lipedema after Bariatric and Metabolic Surgery: A Scoping Review. — Zevallos et al., 2025, Obesity surgery. DOI: 10.1007/s11695-025-08021-1

[13] Observational Study of Ultrasound-Assisted Liposuction for Lower Limb Lipedema on 191 Female Patients. — Hersant et al., 2026, Plastic and reconstructive surgery. DOI: 10.1097/PRS.0000000000012217

[15] Changes in Vascular, Lymphatic, Inflammatory, and Lipid Mediators During a 7-Month Calorie-Restricted Low-Carbohydrate, High-Fat Dietary Intervention in Women with Lipedema: A Preliminary Prospective Study. — Chachaj et al., 2026, Nutrients. DOI: 10.3390/nu18091381

[16] Objective measures of physical activity and physical capacities in lipedema – a scooping review. — Åström Malm et al., 2026, BMC women’s health. DOI: 10.1186/s12905-026-04271-y

[17] Physiotherapy and rehabilitation applications in lipedema management: A literature review. — Esmer et al., 2020, Lymphology.

[20] Differentiation of lipoedema from bilateral lower limb lymphoedema by imaging assessment of indocyanine green lymphography. — Mackie et al., 2023, Clinical obesity. DOI: 10.1111/cob.12588

冒頭の写真: 膝下までの長さと太ももまでの長さの、2種類の医療用の弾性ストッキング(写真: Lentpjuve / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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