脂肪の味は減量で感じやすくなるのか 味覚の感受性と体重をめぐる研究の食い違い

四角く固められた角砂糖がいくつも集まっている様子を近くから写した写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

ある試薬の味を感じる力と、食べ方の抑制

味の感受性には、遺伝で決まる部分が大きいものもある。PROPという試薬の味への感受性は、遺伝による違いとして研究されてきた。Tepperらは、以前に若いやせ型の男性で、PROPの味に敏感な人ほどBMIが低いという小さな逆の関連を報告していた[16]。

2002年の研究では、その関連を年齢が上で体重も重めの女性で確かめた[16]。対象は平均39歳の中年女性86人で、BMIの平均は27.4。PROPの味をほとんど感じない人が23人、中程度に感じる人が32人、強く感じる人が31人に分かれた[16]。あわせて、食事を控えようとする「抑制」と、その抑えが外れやすい「脱抑制」の傾向も測った。

最初に分かったのは、脱抑制の傾向がBMIに強く影響し、その影響は味の感受性とは無関係だったことだ[16]。脱抑制の影響を調整すると、味の感受性と抑制の強さの間に、BMIをめぐる強い交互作用が見えた。抑制の弱い女性では、PROPの味をほとんど感じない人が、強く感じる人より調整後のBMIで6、中程度の人は4、重かった[16]。

ところが、抑制の強い女性では、味の感受性によるBMIの差は見られなかった[16]。著者らは、味の感受性と体重の逆の関係は、女性の食べ方に関わる要因を考えに入れたときに初めて見えてくる、と述べている[16]。

この結果は二つの方向から読める。味の感受性は、体重と無関係ではないかもしれない。しかし、意識して食べ方を整えている人では、その差は表に出ない。生まれつきの舌の違いがあっても、それが体重になって表れるかどうかは、食べ方の習慣が間に入って決めている可能性がある。対象は86人で、ある時点の体格を比べた研究であることも添えておく。

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1粒目から12粒目へ、おいしさの下がり方

同じ食べ物のおいしさは、一口目と十口目でも違う。Millerらは290人の成人に、チョコレートを1粒ずつ渡し、本人がやめると決めるまで食べてもらった[8]。BMIで分けると、標準が161人、過体重が78人、肥満が51人だった。1粒ごとに質問票でおいしさ、つまり満足の度合いを評価してもらい、その変化を追った[8]。半数の150人には、無作為に選んで栄養の情報も渡している[8]。

食べた数は2粒から51粒まで幅があり、平均は12.1粒だった[8]。おいしさの評価は、1粒ごとに平均して下がっていった。標準体重の人と過体重の人の間に、その評価の差はなかった[8]。

違ったのは肥満のある人だ。最初の1粒で感じたおいしさが、標準や過体重の人より高く(P=0.02)、その後の下がり方もゆるやかだった(P<0.01)[8]。食べる前の空腹の程度はおいしさの評価に影響したが、栄養の情報を渡しても影響はなかった[8]。

ここで測られたのは、どれだけ薄い味まで感じ取れるかという感度ではない。1粒ごとのおいしさ、つまり満足の下がり方である[8]。だから、肥満のある人は甘い物に鈍いという説が正しいかどうかは、この試験からは決められない。言えるのは、肥満のある人がチョコレートの最初の1粒をより高く評価し、その評価が長く保たれたというところまでだ[8]。満足が下がりにくいから食べ続ける、という読み方は成り立つ。そして、栄養の情報を読ませても、その下がり方は変わらなかった。表示を読むことと、舌の満足が下がることは、別々に動くらしい[8]。

職場で個包装の菓子が回ってきたとき、何個目でやめるかを決めているのは、空腹や栄養の知識だけではない。1粒ごとに下がっていくおいしさの坂の傾きにも、人によって違いがある。この試験が見せたのは、その坂のゆるやかさが、体格によって違いうるということだ[8]。

脳の反応を測った研究でも、似た区別が見える。Cornierらは、体重が増えやすい男女25人と増えにくい男女24人に、普通量、食べ過ぎ、食べ不足の食事を1日ずつ、順番を入れ替えて経験してもらい、それぞれの1日のあとに脳の活動を画像で調べた[11]。甘味の到来を予告する合図のあとに、砂糖水か人工の唾液を口に入れる試行を、それぞれ60回ずつ行っている[11]。

合図を見て甘味を待つときの反応は、扁桃体、眼窩前頭皮質、被殻、島という部位で、増えにくい人のほうが強かった。一方、実際に砂糖水を口に入れたときの反応には、二つの群で差がなかった[11]。食べ過ぎや食べ不足の状態による違いは、結果に表れていない[11]。著者らは、体重の増えやすさを考えるうえで、学習と条件づけの大切さを示す結果だと述べている[11]。舌そのものより、甘味を「予想する」脳の働きに違いがあったことになる。

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甘味料は、甘さへの慣れを強めるのか

甘い物を減らしたいとき、砂糖を甘味料に替える人は多い。だが、甘さに舌を慣らし続けることにならないか、という心配もある。Wilkらの2022年の総説は、この点を扱った[1]。

総説はまず、肥満が甘味への感受性の低下や食欲に関わるホルモンの変化をもたらし、甘い物への渇望を強めるという証拠があることを挙げる[1]。先に見た総説の「決定的ではない」という評価とは、温度差のある書き方だ[2]。そのうえで、エネルギーのない甘味料で砂糖を置き換えることは体重管理を支えうるが、食欲の調節や甘味の感じ方への影響ははっきりしないと述べた[1]。多くの研究では、甘味料で甘くした食品を食べても、甘さへの好みやエネルギー摂取は増えていなかった。長期の体重管理への影響は、さらに研究が必要だという[1]。

Greenbergらの2021年の総説は、甘味の「依存」という見方に正面から反論した[18]。甘味のもつ報酬の価値と依存性は別の概念であり、それを混同すべきではないという立場だ。根拠の一つとして、妥当性の確かめられた集団の調査データが、カロリーを伴わない甘味をとっても総カロリー摂取は増えないことを示している点を挙げる[18]。甘い物が報酬になるのは、代謝への影響よりも、甘さのおいしさそのものによるところが大きい、とも書いている[18]。

砂糖への「依存」をめぐる議論では、脳の活動を画像で測る研究がたびたび持ち出される。総説は、その測り方の妥当性と再現性に数十年来の疑問がつきまとい、食べ物と薬物に共通の経路が働くことの決定的な証拠とは見なせないと指摘している[18]。

二つの総説を合わせると、甘味料が舌を甘さに慣らして食べ過ぎを招く、という心配を強く支える証拠は、今のところ少ない[1][18]。ただし、長期の効果はまだ確かめられていない[1]。甘い飲み物の置き換えそのものの条件は「甘い飲み物と人工甘味料のダイエット科学 体重を変える置き換えの条件を読む」に、舌ではなく鼻の側から食欲を見た研究は「食べ物のにおいは食欲を増やすのか減らすのか 嗅覚と体重を結ぶ研究の現在地」に譲る。

よくある誤解

「太っている人は味に鈍いから、濃い味を求めて食べ過ぎる」と言い切るのは早い。甘味の感じ方と肥満の関係について、総説は文献が決定的ではないと書いた[2]。思春期の双子1,576人の調査でも、甘味の感じ方と9年後のBMIの相関は、もっとも強いもので0.09だった[5]。

「味覚は生まれつきで、大人になってから変わらない」というのも言い過ぎだ。6週間の食事の変更で、脂肪の味の閾値は下がった[4]。遺伝で決まる部分の大きい感受性でさえ、体重との関係は食べ方の抑制しだいで見え方が変わった[16]。

「味覚が鋭くなれば、好みも変わって自然に脂っこい物を避ける」と期待するのも早い。同じ6週間の試験で、脂肪の味の感受性は上がったが、食べ物の好みは変わらなかった[4]。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

今日からできること

  • 1週間の夕食のうち、揚げ物や脂身の多い料理を何回までにして、脂質を控えた献立にする日を何日にするか決める[4]。
  • 食べる量を減らす方法で取り組むなら、主食や主菜を何割減らすかを決め、それを何週間続けるかも先に決める[4]。
  • チョコレートなどの菓子を食べる時刻を、1日のうちいつにするか先に決めておく。チョコレートの試験では、食べる前の空腹の程度がおいしさの評価を動かしていた[8]。
  • 甘い飲み物を甘味料入りのものに替えるなら、1日のうち何杯を替えるかを決める[1][18]。
  • 週に何回、どの曜日に体を動かすかを決め、脂っこい物への欲求の変化を自分で確かめる[17]。

献立を変える数週間に、運動の習慣も添える

脂肪の味への感受性が動いた試験で、変えたのは献立だった。それとは別に、献立を変えて数週間続けると決めた週は、体を動かす曜日を決め直す区切りにもなる。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休だから、曜日を選ばずに通える。

通う前に確かめておきたい店の決まりがある。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

床に溶岩プレートを敷いたスタジオで、ホットヨガを行う。常温のヨガも含め、ヨガのレッスンは25種類以上から選べる。ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも同じ店で受けられる。

体験できるのはヨガで、60分のレッスンが税込1,980円。バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットの貸し出しは、どれも料金に含まれる。店の住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口を出て1分歩けば着く。

店の紹介はホームページに、各コースの金額は料金案内に、体験の受付は予約画面にある。

揚げ物の回数を減らす週を決めたら、その週のどの曜日に体を動かすかも、同じ紙に書いておく。

参考文献

[1] The Effect of Artificial Sweeteners Use on Sweet Taste Perception and Weight Loss Efficacy: A Review. — Wilk et al., 2022, Nutrients. DOI: 10.3390/nu14061261

[2] Sweet taste and obesity. — Ribeiro et al., 2021, European journal of internal medicine. DOI: 10.1016/j.ejim.2021.01.023

[4] Dietary fat restriction increases fat taste sensitivity in people with obesity. — Newman et al., 2016, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.21357

[5] Sweet Taste Perception is Associated with Body Mass Index at the Phenotypic and Genotypic Level. — Hwang et al., 2016, Twin research and human genetics : the official journal of the International Society for Twin Studies. DOI: 10.1017/thg.2016.60

[7] Mechanism of fat taste perception: Association with diet and obesity. — Liu et al., 2016, Progress in lipid research. DOI: 10.1016/j.plipres.2016.03.002

[8] Variations in Marginal Taste Perception by Body Mass Index Classification: A Randomized Controlled Trial. — Miller et al., 2020, Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics. DOI: 10.1016/j.jand.2019.05.018

[9] A new perspective on obesity: perception of fat taste and its relationship with obesity. — Şeref et al., 2025, Nutrition reviews. DOI: 10.1093/nutrit/nuae028

[11] The effects of energy balance, obesity-proneness and sex on the neuronal response to sweet taste. — Cornier et al., 2015, Behavioural brain research. DOI: 10.1016/j.bbr.2014.10.024

[16] Influence of genetic taste sensitivity to 6-n-propylthiouracil (PROP), dietary restraint and disinhibition on body mass index in middle-aged women. — Tepper et al., 2002, Physiology & behavior. DOI: 10.1016/s0031-9384(01)00664-3

[17] The Impact of Exercise on Dietary Fat Taste Perception: A Report on Its Role in Obesity Prevention. — Shanmugamprema et al., 2026, Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1111/obr.70010

[18] Sugars and Sweet Taste: Addictive or Rewarding? — Greenberg et al., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18189791

[20] A systematic review of the biological mediators of fat taste and smell. — Jaime-Lara et al., 2023, Physiological reviews. DOI: 10.1152/physrev.00061.2021

冒頭の写真: 四角く固められた角砂糖がいくつも集まっている様子を、近くから写した写真(写真: Dietmar Rabich / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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