ローイングマシンと体組成 漕ぐ試験で伸びた体力と、対象で分かれた血液の値

室内のトレーニング場で横に並んだローイングマシンを漕ぐ人たち 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

膝に不安のある高齢者の比較試験

膝の痛みがあると、走る運動や跳ぶ運動はためらわれる。軽い変形性膝関節症のある高齢者38人を、コンピューターで動きを示しながら漕ぐ運動をする群20人と、通常の筋力運動をする群18人に分けた比較試験がある[9]。どちらも週2回、12週間行った[9]。膝への衝撃を抑え、一人一人に合わせた運動を目指した設計である[9]。

12週間の後、漕ぐ運動の群は、膝の痛みやこわばり、日常の動作の困りごとを表す評価で通常の筋力運動の群を上回った[9]。股関節を外に開く力の差は2.36kg、股関節を曲げる力の差は4.01kg、膝を伸ばす力の差は1.80kgだった[9]。股関節を閉じる力は3.04kg、伸ばす力は2.88kg、膝を曲げる力は2.03kg上回り、立ったまま手を前に伸ばせる距離も3.74cm長かった[9]。効果の大きさは「大きい」と判定されている[9]。

この試験の比較相手は、何もしない群ではない。通常の筋力運動を同じ回数行った群である[9]。運動の形を変えただけで、膝の状態と脚の力の伸び方に差が出た。ただ、体重や体脂肪は主な評価の項目に含まれていない。膝のための運動として選ぶ人と、体脂肪を減らすための運動として選ぶ人では、この試験から受け取れる答えの量が違う。

膝の痛みには個人差があり、変形の程度も人によって異なる。この試験の参加者は、決まった基準で軽い変形性膝関節症と判定された人たちだった[9]。膝の痛みで受診している人は、漕ぐ運動を始めてよいかを医師に確かめたい。

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1日10時間漕いでも、体重の帳尻は食事で決まる

冒頭の大西洋横断レースには、23人が出場した[13]。平均46.5歳で、9人が途中で棄権している[13]。1日10〜12時間漕ぎ、休息は1日6時間ほどを1.5〜2時間ずつに分けてとった[13]。水分は1日4〜5.5Lとっていた[13]。体重は平均13.3kg減り、参加者の92%が皮膚の問題で手当てを受けた[13]。腱の炎症が10件、陸に上がってからも揺れを感じる症状が13人に見られ、45分から6時間続いた[13]。

イギリスを一周する50日間の遠征では、28歳の男性2人の消費エネルギーが、二重標識水法という尿の分析で測られた[14]。測定は5〜19日目と34〜48日目の2回に分けて行われた[14]。1日の平均の消費は15.3メガジュールで、2人は遠征中にそれぞれ11.2kgと14.9kg体重を落とした[14]。1人目の消費は1日16.4メガジュール、2人目は14.9メガジュールだった[14]。同じ遠征に出て、同じ食料パックを用意されていても、使う量と落ちる体重は人ごとに違っていた。

奇妙なのは、24時間分の食料パックが19.1メガジュール分用意されていたことだ[14]。見積もった消費を上回る食料を積んでいたのに、2人は飢餓の状態に陥った[14]。著者らは、問題は食料の量ではなく食事の計画にあったとし、海の上で食べやすく、実際に口に運べる食料を一人一人に合わせて試しておくべきだと書いている[14]。

この2つの記録を、日常の減量にそのまま当てはめることはできない。1日10時間漕ぐ人は、ジムには来ない。それでも、用意した食事の量だけでは体重の帳尻が決まらないことを、極端な形で見せてくれる。逆向きに言えば、運動量を増やしても、食べる量が同じだけ増えれば体重は動きにくい。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

汗で減った体重は、脂肪ではない

体重を短期間で落とそうとするとき、漕ぐ運動はもう一つの顔を見せる。その様子を、軽量級のボート選手を対象にした試験が数字で残している。

国際級の軽量級選手8人が、運動と食事・水分の制限で24時間かけて体重を落とした試験がある[11]。体重は5.16%減り、血液の液体の部分の量は12.5%減った[11]。その後2時間で1.5Lの水を飲んでも、血液の液体量の回復は6.02%にとどまった[11]。

漕ぐ能力への影響ははっきりしていた。全力の漕ぎにかかった時間は、十分に水分をとった状態の7.02分から、水を戻した後でも7.38分に延びた[11]。全力の漕ぎの間に血液にたまる乳酸の量は1Lあたり8.77mmolから6.77mmolに減り、太ももの筋肉で使われた糖の量も少なかった[11]。著者らは、血液の液体量の低下と筋肉の糖の使われ方の低下が、漕ぐ力を落としたと結論している[11]。この24時間で落とした体重は、研究の中では脱水として扱われている。その代わりに失ったのは漕ぐ力だった。

ジムで汗をかいた後に体重計に乗ると、数字は朝より軽い。だがこの試験が示すとおり、汗で失った分は脂肪の減少とは別物だ。運動後の体重で成果を判断すると、水分の出入りを脂肪の増減と取り違えることになる。

漕ぐ運動と筋トレを同じ週に入れるなら

漕ぐ運動は筋力も使うが、筋トレの代わりになるかは別の問題である。持久的な運動と筋力の運動を同時に鍛えると、筋力の伸びが筋トレだけの場合より小さくなることがあり、干渉と呼ばれてきた[1]。ボートやカヌーの選手の練習を扱ったレビューは、干渉の程度は練習の組み方で変わり、小さくしたり避けたりする方法があるとしている[1]。

持久力と筋力の両方を同時に求められるボート選手にとって、この干渉は避けて通れない問題である[1]。それでも競技の世界では、筋力の運動は練習計画に組み込まれている[1]。干渉があるから筋トレをやめる、ではなく、組み方で干渉を小さくする、という考え方だ。

有酸素運動と筋トレの順番や組み合わせは「有酸素運動と筋トレの組み合わせ方 順番より先に決めたい体脂肪と筋力の目標」に譲る。漕ぐ運動に関して言えば、筋力を優先したい時期ほど組み方を見直して干渉を小さくする、というのがレビューの立場である[1]。

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よくある誤解

「漕いだ後に体重計が1kg減っていたら、脂肪が1kg燃えた」という読み方は成り立たない。軽量級の選手の試験では、24時間の脱水で体重は5.16%落ちたが、水を飲んでも血液の液体量は戻りきらず、漕ぐ力も落ちていた[11]。

「体重が重い人には向かない運動だ」という思い込みもある。生徒の試験では、体重が重いほど開始時の漕ぐ距離が長く、記録の伸び方は体格で変わらなかった[12]。肥満の男性の高強度インターバルでは、参加率が95%を超え、けがは報告されていない[6]。

「心肺が鍛えられれば、血液の値もすぐに良くなる」とも限らない。腕で漕ぐ12週間の試験では、最大酸素摂取量は伸びたのに、脂質や血糖の指標に有意な変化はなく、6か月後も同じだった[5][7]。一方で、2型糖尿病の男性が8週間のインターバルに取り組んだ試験では、長い期間の血糖を反映する値が下がっていた[6]。答えは、対象と運動の形で変わる。

今日からできること

  • 漕ぐ運動を取り入れるなら、週に何回、1回何分にするかを先に決め、何週間は同じ形で続けるかも決めておく。乳がんを経験した女性の2つの記録では、体力と体の測定値の改善は、12週間と6か月続けた後に測られていた[2][18]。
  • きつい区間とゆっくりの区間を交互にくり返す日をつくり、きつい区間の長さと本数を自分の体力に合わせて決める[6][20]。
  • 運動の後の体重は、水分を戻してから何時間後に測るかを決め、汗で減った分と脂肪の変化を混ぜない[11]。
  • 筋力を伸ばしたい時期があるなら、その期間を何週間と区切り、その間は漕ぐ運動の量と組み方を見直す。持久と筋力を同時に鍛えると筋力の伸びが小さくなることがあり、その程度は練習の組み方で変わるとされる[1]。

漕ぐ試験にならって、全身を使う回を重ねる

漕ぐ運動の試験で体が変わった人たちは、同じ形の練習を週ごとに積み重ねていた。全身を使う運動を決まった曜日に重ねていく先として、オンザショア立川店には、HIIT、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガと常温のヨガも選べ、ヨガのレッスンは25種類以上ある。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。がんの治療を終えた人や膝の痛みで受診している人は、溶岩ホットヨガの利用を主治医に確かめ、常温のヨガから始める道を先に考える。

スタジオは東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から歩いて1分で着く。営業は8:00〜23:30で、休みの日はない。はじめの一歩はヨガの体験で、60分のレッスンが税込1,980円、ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚を借りる代金も含まれている。

ホームページで店の様子を、料金のページで通い方を確かめられ、体験の申し込みもできる。

漕ぐ試験にならい、全身を使う回を同じ形で何週続けるかを、来週の予定表の初日に書き出す。

参考文献

[1] Strategies to optimize concurrent training of strength and aerobic fitness for rowing and canoeing. — García-Pallarés et al., 2011, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.2165/11539690-000000000-00000

[2] Rowing Training in Breast Cancer Survivors: A Longitudinal Study of Physical Fitness. — Gavala-González et al., 2020, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph17144938

[5] Rowing exercise increases cardiorespiratory fitness and brachial artery diameter but not traditional cardiometabolic risk factors in spinal cord-injured humans. — Hansen et al., 2023, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-023-05146-y

[6] High-intensity interval training combining rowing and cycling efficiently improves insulin sensitivity, body composition and VO2max in men with obesity and type 2 diabetes. — Petersen et al., 2022, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2022.1032235

[7] Impact of upper-body ergometer rowing exercise on aerobic fitness and cardiometabolic disease risk in individuals with spinal cord injury: A 6-month follow-up study. — Hansen et al., 2024, The journal of spinal cord medicine. DOI: 10.1080/10790268.2023.2233820

[9] Effects of computer-aided rowing exercise systems on improving muscle strength and function in older adults with mild knee osteoarthritis: a randomized controlled clinical trial. — Lin et al., 2022, BMC geriatrics. DOI: 10.1186/s12877-022-03498-2

[11] Rowing performance, fluid balance, and metabolic function following dehydration and rehydration. — Burge et al., 1993, Medicine and science in sports and exercise.

[12] Short-Term High-Intensity Rowing Ergometry Training Improves Rowing Performance Equally in Healthy Weight and Obese Adolescents. — Walters et al., 2024, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003366

[13] Preparation and medical follow-up for a single-handed transatlantic rowing race. — Carron et al., 2017, International maritime health. DOI: 10.5603/IMH.2017.0002

[14] Starvation Resulting From Inadequate Dietary Planning for a 50-Day Rowing Expedition. — Reid et al., 2017, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2016-0349

[18] Effects of a 6-month rowing training program in breast cancer survivors. — Real-Pérez et al., 2025, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0317118

[20] Circulating adiponectin concentration and body composition are altered in response to high-intensity interval training. — Shing et al., 2013, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/JSC.0b013e31827e1644

冒頭の写真: 室内のトレーニング場で、横に並んだローイングマシンを漕ぐ人たち(写真: Izzy8167 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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