線維筋痛症の痛みに減量は届くのか 体重と動く力を分けて考える試験の数字

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体重が変わらなくても、運動で動ける力は変わる

減量と痛みの研究を読むと、運動の成果も体重で採点したくなる。しかし、水中運動の試験には体重以外の成果がある。線維筋痛症の女性54人を運動群と対照群に無作為に分けた試験では、週2回、16週間の水中運動を行った。運動の強さは、心拍数や自覚的なきつさを用いて各回で調整されていた。[15]

この試験では介入後の体組成に有意な群間差が認められなかった。体組成とは、体の中の脂肪や脂肪以外の組織などの構成である。一方、運動負荷をかけた検査での最大付近の酸素摂取量には改善が見られた。体の構成が有意に変化しなくても、有酸素の運動をこなす機能は改善しうるという結果である。[15]

さらに研究者は、酸素摂取量を全体重との比だけで見る場合と、脂肪を除いた体重との比で見る場合を比べている。後者のほうが、ある運動強度での機能変化をより適切に表したと整理した。同じ「体力が上がったか」という問いでも、何を分母にするかで見える変化が違う。研究の測り方にも、体重だけに頼らない工夫がある。[15]

痛みを主に見た小規模な無作為化比較試験もある。女性34人を対象に、腰までの温水プールで有酸素運動や筋力を使う運動などを12週間、週3回行った試験では、運動群の痛みが訓練期間中に29%低下した。膝を伸ばす筋力も20%上昇した。ただし、その後の訓練をしない期間には、痛みは開始前に近い水準へ戻った。[1]

対象は筋力が低く、圧痛点の多い女性だった。運動群と対照群には17人ずつが割り当てられ、開始時、訓練の終了時、6か月後に測定している。膝を伸ばす筋力の改善は訓練休止後にも維持された一方、調べたほかの筋肉の動作では筋力の変化がなかった。脚の力といっても、どの動作を、どの速さで測るかまで決めていた試験である。[1]

生活の質は質問票で、痛みは線上に程度を示す尺度で評価された。訓練中には運動群の健康に関わる生活の質が93%改善したと報告されている。対照群では、観察期間を通じて変化がなかった。痛みが戻ったことと、膝を伸ばす筋力が保たれたことを並べると、休止後の成果も項目ごとに違っていたと分かる。[1]

これらは水中での複合的な運動を調べた小規模な試験であり、全員に同じ痛みの軽減や、ホットヨガで同じ効果を約束する根拠にはならない。運動の内容、対象者、継続と休止の経過を一組で読んでおきたい。[1]

運動の入り口は、まとまった訓練だけに限らない。線維筋痛症と中等度の肥満のある女性84人を対象に、座っている時間を減らす支援を調べた無作為化比較試験では、介入後3か月で対照群より体格指数が下がり、歩数が増えた。座る時間も減ったが、その他の測定項目には有意差が認められなかった。[8]

座って過ごす行動の測定には、体の動きを捉える加速度計が使われた。開始前と3か月後に同じ方法で確認しており、参加者が感じた変化だけに頼った評価とは異なる。支援の場はプライマリケアで、研究者は集団での活動や支援が取り組みの継続に役立つ可能性も挙げている。[8]

この試験が働きかけた行動は、座って過ごす時間だった。結果として体格指数と歩数に変化があり、その他の測定項目には有意な差がなかった。座位行動、歩数、体格、症状を別々の項目として追ったことで、支援後に変わった部分が見える。[8]

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支援の成果は、痛みの点数だけにも収まらない

「太っているうちは支援の効果が出にくいのでは」と心配する人もいる。線維筋痛症の女性130人を対象にした試験では、薬による通常の治療と、薬、教育、理学療法、認知行動療法を組み合わせた多職種による支援が比較された。認知行動療法は、考え方や行動のパターンにも働きかける心理的支援である。参加条件は18〜60歳の女性で、線維筋痛症と診断されていることに加え、就学年数も定められていた。[5]

複合的な支援では、痛み、機能、心理的な苦痛、睡眠、生活の質などに対する群と時間の交互作用が認められた。これは介入の群によって時間に伴う変化が異なったことを示す。普通体重、過体重、肥満という開始時の体格区分によって、複合的な支援への反応に有意差はなかった。開始前には、体格別に分けた群の評価項目にも有意差がなかった。研究では開始時の違いを調べたうえで、介入後の経過を比較していたのである。[5]

別の無作為化比較試験では、線維筋痛症と肥満のある女性180人を対象に、痛みを受け入れることに焦点を当てた集団での心理的支援を通常のケアに加えた。ここでの受け入れは、痛みをなくすことだけを目標にせず、痛みのある状態への適応を扱う介入の中心概念である。入院リハビリテーションの場に合わせて設計された支援だった。[20]

介入群では、痛みの受け入れ、痛みを破局的に捉える傾向、動くことへの恐れ、実際の動作で測った身体機能が対照群より改善した。一方、痛みの強さには有意な群間差がなかった。痛みを大きな脅威として捉える傾向が和らぐことと、痛覚そのものが弱くなることを分けて報告している。[20]

この結果を「気持ちの問題だった」と受け取るのは筋が違う。試験が示したのは、痛みの強さが有意には変わらなくても、恐れや動作の機能が改善する可能性である。受け入れを扱う支援には、痛みが消えるまで生活のすべてを保留しないための役割が考えられる。実際に測って改善したのは受け入れや機能であり、減量は研究者が今後につながる可能性として述べたものだった。[20]

家事を再開する、外出を考えるといった本人の目標を支援者に伝えることは、こうした機能面の成果に関心を向ける方法になる。目標が痛みの点数だけなら、動く恐れが減った変化を取りこぼす。体重だけなら、体組成が変わらず体力が伸びた変化を取りこぼす。どの指標が改善したかを丁寧に見るほど、支援の選択肢を狭めずに済む。[15][20]

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よくある誤解

「肥満があるなら、痛みも必ず強い」という思い込みは、研究の一致した結論と呼べない。統合した研究では症状との相関が平均すると弱く、韓国の調査では肥満の有無で圧痛点や質問票の点数に差が見られなかった。本人の訴える痛みの強さを、体格で割り引いて評価する理由にも、体格から決める理由にもならない。[3][10]

「4.4%減らすのが線維筋痛症の治療目標」という読み方も行き過ぎである。この数値は行動面の減量支援に参加した女性の平均結果であり、全員に効く境界を見つけた数字ではない。痛みの変化量や、その確かさを同じ単位で示した大規模な比較結果があるわけでもない。予備試験の平均値を、個人への合格点に変えないことが大切だ。[12][3]

「痛みが下がらなければ支援は無意味」という見方も狭い。心理的な集団支援では痛みの強さに有意差がなくても、動くことへの恐れや身体機能は改善した。痛みの強さと身体機能で、結果が分かれた試験である。[20]

今日からできること

  • 座る時間が長い人は、休憩のうち何回を座らずに過ごすか自分で決め、今日からその回数だけ座位を中断する。[8]
  • 水中運動に参加できる人は、有酸素運動と筋力を使う運動を含む指導を選び、週に参加する回数を自分で決める。参加時は自覚的なきつさを指導者と共有する。[1][15]
  • 座る時間を減らす取り組みでは、歩数を見返す日を週に何日設けるか決め、同じ方法で歩数を記録する。[8]
  • 次の相談では、痛みで中断した家事と、動くことへの不安から控えた外出を1つずつ挙げ、身体機能や恐れを扱う支援について聞く。[20]
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線維筋痛症と、常温ヨガの選択肢

線維筋痛症と暮らしながら運動する場所を検討するなら、オンザショア立川店では常温ヨガと、溶岩プレートを敷いた室内でのホットヨガを区別して選べる。線維筋痛症で通院中の方は、溶岩ホットヨガの利用を主治医に確かめ、まず常温のヨガから考える。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガの種類は25以上で、ピラティスも扱っている。ヨガ以外の種目には、女性専用のキックボクササイズのほか、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。利用条件を確認してヨガの体験を申し込むと、60分のレッスンにヨガマット、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルが含まれ、料金は税込1,980円となる。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分という立地だ。営業は年中無休、8:00〜23:30で全曜日に共通している。店舗案内、料金案内、ヨガ体験の予約から種目や申し込みの詳細を確認できる。線維筋痛症の痛みや生活上の支障も踏まえ、主治医と確認した条件に合う常温ヨガの参加日を選ぶ。

参考文献

[1] Exercise in waist-high warm water decreases pain and improves health-related quality of life and strength in the lower extremities in women with fibromyalgia. — Gusi et al., 2006, Arthritis and rheumatism. DOI: 10.1002/art.21718

[3] Fibromyalgia and obesity: A comprehensive systematic review and meta-analysis. — D’Onghia et al., 2021, Seminars in arthritis and rheumatism. DOI: 10.1016/j.semarthrit.2021.02.007

[4] Fibromyalgia and obesity: the hidden link. — Ursini et al., 2011, Rheumatology international. DOI: 10.1007/s00296-011-1885-z

[5] Body mass index and response to a multidisciplinary treatment of fibromyalgia. — Castel et al., 2015, Rheumatology international. DOI: 10.1007/s00296-014-3096-x

[8] Impact of Reducing Sitting Time in Women with Fibromyalgia and Obesity: A Randomized Controlled Trial. — Rodríguez-Roca et al., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18126237

[10] Severity of fibromyalgia symptoms is associated with socioeconomic status and not obesity in Korean patients. — Kang et al., 2016, Clinical and experimental rheumatology.

[12] A pilot study of the effects of behavioral weight loss treatment on fibromyalgia symptoms. — Shapiro et al., 2005, Journal of psychosomatic research. DOI: 10.1016/j.jpsychores.2005.06.081

[15] Oxygen uptake and body composition after aquatic physical training in women with fibromyalgia: a randomized controlled trial. — Andrade et al., 2017, European journal of physical and rehabilitation medicine. DOI: 10.23736/S1973-9087.17.04543-9

[18] Association between physical exercise, body mass index, and risk of fibromyalgia: longitudinal data from the Norwegian Nord-Trøndelag Health Study. — Mork et al., 2010, Arthritis care & research. DOI: 10.1002/acr.20118

[20] The efficacy of a brief acceptance-based group intervention in a sample of female patients with fibromyalgia and comorbid obesity: a randomised controlled trial. — Varallo et al., 2023, Clinical and experimental rheumatology. DOI: 10.55563/clinexprheumatol/7hvaya

冒頭の写真: ロシアのエレクトロスタリにある水泳施設、クリスタル・プールの風景(写真: Dmitry Makeev / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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