ADHDと肥満のつながり 衝動だけに原因を求めず、食べ方と治療を考える

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薬を使った直後の体重と、長い経過は分ける

ADHDの治療に関心が向くと、「治療すれば食べ過ぎも減るのか」という期待が出てくる。2014年の治療に関するレビューは、ADHDの併存が肥満治療を難しくする可能性と、ADHD治療によって体重管理の効果が高まる可能性を報告した。ただし、後者は予備的な証拠であり、検討された研究には限界がある。[19]

この段階で読者に渡せるのは、体重管理での困りごとも診療の場で共有する理由である。どの薬を選ぶか、食欲が変わった際にどうするかは医師に相談する。薬の開始・増減・中断は、体重だけで自己判断せず医師に確かめる。[19]

長い経過を見ると、単純な図式が崩れる。3〜18歳の163,820人の電子診療記録を使った研究では、刺激薬を使っていないADHDの子どもは、ADHDも刺激薬使用歴もない子どもより、幼少期のBMIが高いことと関連した。一方、刺激薬を使った群では、幼少期のBMI増加が遅く、その後、思春期後半により速く増える経過がみられた。[8]

また、刺激薬を使い始めた年齢が低いこと、使用期間が長いことが、初期の緩やかなBMI増加と、その後の速い増加の両方に関連した。[8] 一時点だけを切り取ると「薬で太りにくくなる」という印象になりうるが、成長に沿って見ると、別の景色が現れる。短い期間の変化だけを将来の保証にしない読み方が要る。

この研究は処方を無作為に割り付けた試験ではなく、診療記録による観察研究だ。薬の影響と、処方を受ける人の症状や生活などの違いを完全に切り離した結果とは言えない。[8] それでも、服薬の有無だけで線を引かず、年齢と時間経過を合わせて見る価値はある。

ここで、前の出生集団研究とも比べたい。そちらでは、刺激薬の治療を受けた人と受けなかった人の肥満率に差は認められなかった。[6] 大きなメタ分析でも、ADHDの薬物治療を受けている人で肥満リスクの上昇はみられなかった。[2] BMIが年齢とともに描く経過と、ある条件で肥満に該当するかという結果は、問いが違う。

したがって「薬は必ず太らせる」「薬を使えば肥満を防げる」のどちらにも寄りかからない。相談するときには、薬を使い始めた後の食べ方、体重の変化、困りごとを同じ経過の中で伝える。治療の目的と体重管理の目的を、それぞれ確認するためである。[2][8][19]

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原因を探す研究は、逆方向の可能性も確かめている

子どもの追跡研究では、ADHD症状から後の脂肪量への方向が示され、逆方向の証拠はなかった。[10] しかし、これだけで、どの年齢でも同じ方向しかありえないと決めることはできない。2022年の総説も、因果関係、発達に伴う経過、両方を対象とする有効な治療には未解決の部分が多いと整理している。[3]

別の方法から近づいたのが、ノルウェーの8歳の子ども40,949人と親のデータを使った家族内のメンデルランダム化研究である。これは遺伝的な違いを手掛かりに、家庭の影響などを考慮しながら因果の方向を検討する方法だ。この研究では、親の遺伝型も調整して、子どものBMIが症状に影響するかを調べた。[20]

成人のBMIに関連する遺伝的な指標を使うと、子どものBMIが高いことがADHD症状を増やすという推定になった。ところが、小児期の体格に関わる別の遺伝的な指標を使うと、その影響は支持されなかった。著者らは証拠が一貫しないと結論している。[20] 手法が高度になれば答えが自動的に確定する、というわけでもない。

この研究の重要な点は、親の体重のせいだと結論していないことでもある。親のBMIが子どものADHD症状に影響する証拠は乏しかった。[20] 家族が支えられることを考える話と、家族に原因を割り当てる話を混ぜたくない。家庭での工夫は支援の選択肢として扱い、責任の所在を裁く材料にしない。

2018年のレビューも、神経や食欲の調節、遺伝など複数の仮説を扱いつつ、仕組みに関する検証の不足を指摘した。[14] 「脳の問題だから何をしても無駄」と言うのも、「食べ方だけ直せば済む」と言うのも、研究より先へ進んでしまう。わかっている関連を支援の入口に使い、まだ確定していない原因には余白を残すのがよい。

支援を考える際は、診断名、症状の程度、体重の推移、実際の食行動を別々に把握すると論点が見えやすい。症状の質問票を使う研究と、診断を受けた人の診療記録を使う研究では、集めた人も答えられる問いも異なる。[6][7][10] 同じADHDという文字が出てきても、自分に近い集団なのかを確かめたい。

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よくある誤解

「肥満があるなら、隠れたADHDが原因だ」という決めつけはできない。メタ分析が示したのは集団での関連であり、体格から個人の診断を当てる検査の結果ではない。[2][16] 日常の不注意が気になることと、医療として診断を受けることを分ける。食べ方がつらい場合には、その困りごと自体を医師に伝えればよい。

「ADHDの人は衝動で食べるので、我慢を強くすればよい」という理解も狭すぎる。研究では不注意や実行機能、身体活動、睡眠、心理社会的な要因まで検討されている。[3][14][15] できなかった場面を注意するだけでは、何を手助けすればよいかが曖昧なまま残る。食事の内容を知っているかと、食事を生活の中で実行できるかは、相談する際にも分けて話したい。

「子どものうちから太ると決まっている」も違う。大規模な統合解析で関連が示される一方、子どもの追跡で明確な関連がみられない報告もあり、年齢や併存する問題で結果が変わった。[2][16] 子どもに将来の体重を言い渡すより、食べ方や睡眠など、今困っていることに目を向けるほうが建設的だ。[3][15]

「治療後に体重が落ちれば、肥満への対策も完了した」という受け止め方にも慎重でありたい。治療と体重管理を結ぶ証拠は予備的で、長期のBMIの動きは初期の動きと違う研究がある。[8][19] 体重の数字だけで治療の成功や失敗を判断せず、注意や衝動の困難、食べ方、生活上の支障をそれぞれ医師と確かめる。

今日からできること

  • 食べ方に困っている人は、今日の1食で食べ始めたきっかけを短く記録し、次の診察の1日前に医師へ伝える困りごとを1つに絞る。
  • 就寝前の食事が気になる人は、食事を終える時刻と床に入る時刻を自分の生活に合わせてそれぞれ決め、今夜はその順に食事と就寝準備を進める。
  • 睡眠が後回しになりがちな人は、就寝準備を始める時刻を自分で決め、今夜はその時刻に作業を切り上げる。
  • 座って過ごすことが多い人は、明日の作業の合間に体を動かす時間を自分で決める。何分なら取り組めるかを選び、その長さで続けやすい動きを行う。
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

ADHDと運動前の支度を考える

ADHDに伴う支度の困りごとを考えるなら、オンザショア立川店のヨガ体験で借りられる持ち物も確認材料になる。ヨガを選ぶ前には、開催される環境と参加条件を確認しておきたい。所在地は東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から歩いて1分。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休なので、仕事のある日と休日それぞれで通える時刻を検討できる。

服薬中や持病のある人は、溶岩ホットヨガの利用を主治医に確かめ、まず常温のヨガから考える。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

溶岩プレートの上で行うホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスもあり、ヨガだけで25種類以上から通うレッスンを検討できる。荷物の準備が気になる人には、ヨガの体験にマット、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚のレンタルが付くことも判断材料になる。体験のヨガは1回60分、料金は税込1,980円だ。店舗案内、料金表、ヨガ体験の予約ページに利用条件が載っている。ADHDに伴う支度の困りごとがあれば、ヨガの持ち物をレンタル込みの内容と照らし合わせる。

参考文献

[2] Association Between ADHD and Obesity: A Systematic Review and Meta-Analysis. — Cortese et al., 2016, The American journal of psychiatry. DOI: 10.1176/appi.ajp.2015.15020266

[3] Obesity and Attention-Deficit Hyperactivity Disorder. — Lanoye et al., 2022, Current topics in behavioral neurosciences. DOI: 10.1007/7854_2022_337

[6] Childhood Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder, Sex, and Obesity: A Longitudinal Population-Based Study. — Aguirre Castaneda et al., 2016, Mayo Clinic proceedings. DOI: 10.1016/j.mayocp.2015.09.017

[7] ADHD Symptoms and Obesity in Chinese Children and Adolescents: A Longitudinal Study With Abnormal Eating Behaviors as Moderating Factors. — Zhang et al., 2022, Journal of attention disorders. DOI: 10.1177/10870547221081005

[8] Attention deficit disorder, stimulant use, and childhood body mass index trajectory. — Schwartz et al., 2014, Pediatrics. DOI: 10.1542/peds.2013-3427

[10] ADHD symptoms and body composition changes in childhood: a longitudinal study evaluating directionality of associations. — Bowling et al., 2018, Pediatric obesity. DOI: 10.1111/ijpo.12288

[14] Attention deficit/hyperactivity-disorder and obesity: A review and model of current hypotheses explaining their comorbidity. — Hanć et al., 2018, Neuroscience and biobehavioral reviews. DOI: 10.1016/j.neubiorev.2018.05.017

[15] Attention deficit hyperactivity disorder symptomatology and pediatric obesity: Psychopathology or sleep deprivation? — Lundahl et al., 2016, Journal of health psychology. DOI: 10.1177/1359105314544991

[16] Attention-deficit/hyperactivity disorder (ADHD) and being overweight/obesity: New data and meta-analysis. — Nigg et al., 2016, Clinical psychology review. DOI: 10.1016/j.cpr.2015.11.005

[19] The relationship between ADHD and obesity: implications for therapy. — Cortese et al., 2014, Expert review of neurotherapeutics. DOI: 10.1586/14737175.2014.904748

[20] Body mass index and childhood symptoms of depression, anxiety, and attention-deficit hyperactivity disorder: A within-family Mendelian randomization study. — Hughes et al., 2022, eLife. DOI: 10.7554/eLife.74320

冒頭の写真: 日付ごとに予定を書き込むための、オランダ語のスケジュール手帳。(写真: M.Minderhoud / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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