メトホルミンで体重はどれだけ減るのか 糖尿病のない人の試験で見えた減量幅

血糖値を測定するための血糖測定器とその測定に用いる付属品を写した写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

長く保てた体重を、薬だけの手柄にできるか

減った重さの次に気になるのは、その後だ。肥満のあるPCOS女性25人を追った観察研究では、メトホルミンと生活への介入にセマグルチドを追加し、16週間後にセマグルチドを中止した。その後もメトホルミンと生活への働きかけを続け、2年後まで経過を調べた。参加者の平均年齢は33.7歳だった。[10]

体重の中央値は、開始時101kgからセマグルチド治療後92kgとなり、中止2年後には95kgだった。25人中21人は開始時より軽かったが、中止後には減量分のおよそ3分の1が戻った。開始時と比べた体重の低下は、中止2年後にも統計学的に有意だった(p=0.003)。[10]

この経過は、メトホルミンを続ける中で体重がどう推移したかを示す。ただし、メトホルミンを使わず同じ生活支援を受ける比較群がない。そのため、体重が開始時より軽く保たれた理由をメトホルミンだけに帰することはできない。別の薬による減量の持続、生活の変化、参加者の特徴などを切り分ける設計になっていないためだ。[10]

血液検査の動きも興味深い。セマグルチド治療中に改善した総コレステロールや空腹時血糖などは、中止後に開始時の方向へ戻った。体重が開始時より軽いままでも、代謝に関する改善が同じように残るとは限らなかった。体重と血液検査を別々に追った結果である。[10]

この追跡では、遊離テストステロンというホルモンの値も測っている。セマグルチド治療中に中央値は6.16nmol/lから4.12nmol/lへ有意に低下し、中止後には有意な悪化を認めなかった。総コレステロール、LDLコレステロール、空腹時血糖、経口ブドウ糖負荷試験後の血糖が開始時の方向へ戻った一方で、ホルモンの経過は異なっていた。体重、代謝、内分泌の測定結果を別々に追ったことで、維持された変化と戻った変化が同じ参加者の中にあると分かる。[10]

薬を使った減量を振り返るなら、「いちばん軽かった時」だけを成果の写真にしないほうがよい。開始時、治療中、治療が変わった後を並べると、この研究の意味が見えやすくなる。減量の大きさと維持の難しさが同じ経過に含まれている。服薬の変更と、その後に何を確かめるかは医師に相談する内容である。[10]

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作用の仕組みと副作用は、体重と分けて確かめる

なぜ体重に影響するのか。仕組みをまとめたレビューでは、食欲を調整する脳の働きや、腸内の微生物の変化など、複数の経路が論じられている。肝臓で糖が作られる過程など、従来注目されていた代謝作用だけで説明するより広い見方だ。ただし、仕組みの説明が精密になっても、個人が何kg減るかの答えが自動的に決まるわけではない。[16]

GDF15という、食物摂取や体重に関わるホルモンを調べた研究もある。ヒトの独立した無作為化試験では、メトホルミンによって血中のGDF15が増えることが示された。一方、体重やエネルギー収支への作用にGDF15が必要であることを確かめた重要な実験は、マウスで行われている。ヒトで測った結果と動物で確かめた因果の仕組みは、分けて伝えるべき情報である。[20]

マウスでは、メトホルミンを与えた後のGDF15の発現増加は主に腸の遠位部と腎臓で見られた。通常のマウスでは高脂肪食による体重増加が抑えられたが、GDF15や、その受容体であるGFRALを欠くマウスでは抑えられなかった。受容体は信号を受け取る側の分子である。また、高脂肪食で肥満になったマウスにGFRALの働きを妨げる抗体を使うと、メトホルミンによる体重減少作用が逆転した。信号を作る側と受け取る側の両方を調べた実験だった。[20]

この動物実験では、GDF15の作用がなくても血糖を下げる作用は残った。少なくともこの実験では、血糖に関する働きと体重に関する働きを完全に同一視できなかった。血糖が変わったから同じ程度に体重も動くはず、と考える前に、どの指標を直接調べた話なのかを見る必要がある。[20]

安全性も、体重と同じように対象と条件に戻して読む。PCOSを対象にした24週間の試験では、メトホルミン群と併用群のいずれも、参加者の64%超が下痢を報告した。これは特定の用法と対象における報告割合であり、すべての使用者に同じ頻度で起こるという数字ではない。それでも、減った重さだけを伝えて胃腸の症状を省くと、判断材料が欠ける。[1]

子どもや青年の肥満に関する系統的レビューでは、生活への介入を伴うメトホルミンと、生活への介入を伴うプラセボを比較した24試験、計1,623人を検討した。年齢は4〜19歳、追跡期間は2か月〜2年だった。体重関連指標への効果は控えめで、研究間の違いも大きいと評価されている。各試験の参加者数は16〜151人と幅があり、研究の質も一定ではなかった。[19]

同レビューの胃腸の有害事象の報告割合は、メトホルミン群で2〜74%、比較群で0〜42%という幅があった。この両端を平均的な発生率として扱ってはいけない。試験ごとの条件が違うことも含む範囲である。大きな統合研究であっても、ひとつのきれいな数字にまとまらない場合がある。[19]

同レビューでは、年齢や性別で体格を調整したBMI zスコアも検討された。平均変化の範囲はメトホルミン群で−0.37〜−0.03、比較群で−0.22〜0.15だった。これは各試験の平均値が分布する範囲で、統合した群間差や信頼区間とは異なる。BMIに加え、インスリンの働きにくさを表す指標も評価し、著者らは体重とインスリン抵抗性に控えめながら好ましい効果があると結論した。[19]

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よくある誤解

「糖尿病のない人なら、誰でも同程度に減る」。糖尿病の有無は対象条件の一部にすぎない。クロザピン使用中のメタ分析と、PCOS女性の短期試験では対象も比較相手も違い、結果の示し方も群間差と群内変化で異なる。片方の数字を、もう片方の人へ運ぶことはできない。[5][8]

「併用して大きく減ったなら、メトホルミンの効果も大きい」。PCOS女性の試験では、単独群が平均2.25kg減、セマグルチド併用群が平均6.09kg減だった。併用の成績を単独使用の成績として紹介すると、比較の意味が消える。多く減った数字ほど、何を足した群なのかを先に確かめたい。[18]

「体重が軽く保てていれば、血糖や脂質も改善したまま」。併用薬を中止したPCOS女性の追跡では、体重が開始時より低い一方、複数の代謝指標は開始時の方向へ戻った。体重の経過と健康指標の経過は、それぞれに確認する対象である。薬を続ける価値も、体重の減り幅だけで自己採点しないことが重要だ。[10]

今日からできること

  • 食事への支援を受けている人は、普段の献立で変更する内容を選び、買い物をして実際に作る。
  • 運動への支援を受けている人は、取り組んでいる活動を続ける曜日と開始時刻を自分で決め、実行する。
  • 体重の経過は、開始時・治療中・治療変更後の3つの時点を分けて整理し、次の診察に持参する。
  • 次の受診日を確認し、体重と血液検査の2種類の結果を医師と確認する機会にする。
  • 胃腸の症状で食事や活動に困っている場合は、その内容を1枚に整理して医師へ伝える。
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

メトホルミンを服用中のヨガ選び

常温のヨガも選べるオンザショア立川店には、ヨガだけでも25種類以上のレッスンがある。溶岩プレートを敷いたホットヨガのほか、ピラティスや女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも扱っている。

メトホルミンを服用している人は、溶岩ホットヨガを利用できるか主治医に確かめ、まず常温のヨガから考える。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガの体験は60分、料金は税込1,980円で、マットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルが含まれる。ヨガ体験の予約のほか、料金の案内と店のトップも参照できる。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分。年中無休で8:00〜23:30に営業している。メトホルミンの服用状況を主治医に伝えて利用条件を確かめたうえで、常温ヨガの内容を選ぶ。

参考文献

[1] Impact of combined hormonal contraceptives and metformin on metabolic syndrome in women with hyperandrogenic polycystic ovary syndrome and obesity: The COMET-PCOS randomized clinical trial. — Dokras et al., 2025, PLoS medicine. DOI: 10.1371/journal.pmed.1004662

[5] Metformin for Clozapine Associated Obesity: A Systematic Review and Meta-Analysis. — Siskind et al., 2016, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0156208

[8] Short term monotherapy with GLP-1 receptor agonist liraglutide or PDE 4 inhibitor roflumilast is superior to metformin in weight loss in obese PCOS women: a pilot randomized study. — Jensterle et al., 2015, Journal of ovarian research. DOI: 10.1186/s13048-015-0161-3

[10] The maintenance of long-term weight loss after semaglutide withdrawal in obese women with PCOS treated with metformin: a 2-year observational study. — Jensterle et al., 2024, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2024.1366940

[16] Metformin: Mechanisms in Human Obesity and Weight Loss. — Yerevanian et al., 2019, Current obesity reports. DOI: 10.1007/s13679-019-00335-3

[18] Effects of combined metformin and semaglutide therapy on body weight, metabolic parameters, and reproductive outcomes in overweight/obese women with polycystic ovary syndrome: a prospective, randomized, controlled, open-label clinical trial. — Chen et al., 2025, Reproductive biology and endocrinology : RB&E. DOI: 10.1186/s12958-025-01447-3

[19] Efficacy and Safety of Metformin for Obesity: A Systematic Review. — Masarwa et al., 2021, Pediatrics. DOI: 10.1542/peds.2020-1610

[20] GDF15 mediates the effects of metformin on body weight and energy balance. — Coll et al., 2020, Nature. DOI: 10.1038/s41586-019-1911-y

冒頭の写真: 血糖値を測定するための血糖測定器と、その測定に用いる付属品を写した写真(写真: Roy Zuo / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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