乳がん治療後の体重管理 食事と運動で変わる体脂肪、筋力と暮らしの見直し方

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体重が減れば、疲れや物忘れも改善するのか

減量の成果を、身体のあらゆる悩みに広げたくなることがある。だが、認知機能を調べた試験では慎重な結果が出ている。過体重または肥満がある閉経後の乳がん経験者333人を対象に、減量介入の有無と薬剤介入の有無を組み合わせたランダム化試験では、6か月間の認知機能の変化を評価した。評価した5領域について、減量介入による統計的に有意な効果は見られなかった。[11]

開始時の体格によって言語機能の変化に違いがある可能性は示されたものの、その違いは達成した減量割合とは独立していた。体重が多く減ったから頭の働きがよくなる、という単純な説明にはつながらない。減量を目指すかどうかと、物忘れへの対応をどうするかは、それぞれの問題として扱いたい。[11]

運動全般の認知機能への結果は、別の研究群から得られている。11件のランダム化比較試験、890人を集めたメタ分析では、注意や作業記憶などに有利な結果が見られた。作業記憶は、情報を一時的に保ちながら扱う働きである。注意・作業記憶の標準化平均差は0.43で、95%信頼区間は0.20〜0.66だった。標準化平均差は異なる検査の結果を共通の尺度で比較するための値であり、点数や改善率そのものとは違う。[12]

このメタ分析でも、認知機能の評価方法の違いが指摘されている。本人が感じる困りごとと、検査で確かめる働きは、それぞれ情報を持つ。体重が変わっていなくても、日常で何に困るかを医師に伝える意味はある。認知機能については、本人の訴えと検査の結果を照らし合わせて考えたい。[12]

生活の質や疲労についても、肯定的な研究だけがあるわけではない。乳がん経験者573人を運動群と対照群に分けた試験では、12か月の運動プログラムによって、方向転換を含む走行テストには有利な結果が見られた。しかし歩行テスト、身体活動量、生活の質、疲労、抑うつの評価には、有意な群間差が見られなかった。[20]

その一方で、身体活動の増加と生活の質の改善には、介入群かどうかを問わず関連があった。これは研究内で見つかった関連であり、無作為に割り付けた運動プログラムの効果と同じ扱いにはできない。運動した人に改善が見られたという話と、プログラムを提供すると比較群より改善したという話を、研究は別々に示している。[20]

こうした違いを知ると、成果の置き方は穏やかになる。体脂肪が変わること、動作の成績がよくなること、疲れの感じ方が変わることを、同じ欄に丸ごと入れない。運動を続けていて困りごとが残るときも、「努力が足りない」と結論する前に、どの評価項目の話なのかを立ち止まって確かめられる。

運動と気分の変化を調べた25研究のメタ分析では、抑うつと不安に有意な改善が報告されている。有酸素運動と筋トレなどを組み合わせた介入では、抑うつの標準化平均差が−0.86、不安が−0.66だった。頻度と時間で分けた分析を踏まえ、研究者は週3回以上、1回60分以内の複合的な運動を提案している。これは抑うつや不安を評価した研究の整理であり、減量のための必要量を示す値とは区別したい。[8]

この分析で有酸素運動だけを見た場合、抑うつには有意な改善が見られ、標準化平均差は−0.44だった。一方、不安の有意な改善が見られたのは複合的な運動だった。運動の種類ごとに、気分に関する結果にも違いがある。体重や体脂肪の変化と合わせて、どの困りごとを評価した研究なのかを確認すると、運動を選ぶ目的が具体的になる。[8]

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続く支援には、運動の内容以外も含まれる

研究のプログラムを読むと、種目や食事の内容に目が行く。けれども、生活に戻したときに問題になるのは、食べたい献立か、ひとりで続けるのか、支援が終わったあとも実行できるのか、といった条件である。こうした経験を探った研究もある。[4]

リンパ浮腫があり、過体重または肥満がある乳がん経験者の減量介入について、17人に聞き取りをした質的研究では、教育、周囲の支え、日課、目標設定、食事の提供、監督下の運動などが継続を助ける要素として挙がった。質的研究は、体重への平均的な効果を算出するより、参加者の経験や理由を詳しく捉える研究である。[4]

妨げとなったのは、生活上の事情や健康の問題、食事への不満、季節、運動の物足りなさ、ひとりで運動することなどだった。ここには、「きつすぎるから続かない」だけでは捉えられない事情がある。内容に納得できない、支えがないという理由も、続け方を組み直す手がかりになる。[4]

研究者は、集団での運動、個別に合わせた食事と運動、介入後への移行を助ける道具、本人が選べる自己管理の方法を提案している。ただし、参加者の声を整理した結果であり、それぞれの工夫が何kgの減量を生むかを比較したものではない。使いやすい支援を選ぶための情報として読むのが適切だ。[4]

指導を受ける回数については、直接比較した試験がある。併存する病気や治療関連の症状などがあり、活動が十分でない乳がん経験者60人を対象に、12週間の運動プログラムで、監督付きの回数を5回と20回に分けたランダム化研究である。[13]

追跡時点のリンパ浮腫の頻度は両群で同程度だった。両群とも開始前後では疲労、身体機能、睡眠、不安、抑うつなどに改善が見られた一方、監督の多い群では腕の機能や痛みなどに追加の利益の可能性が示された。二次的な評価項目の探索的分析であることも含め、少ない監督でも利益を得る余地と、より手厚い支援を検討する余地が並んでいる。[13]

「通える回数が少ないから意味がない」と切り捨てるより、限られた支援を何に使うかを考えたい。動作を確認するのか、負荷を見直すのか、続かない理由を話すのか。運動の許可だけを聞いて終えるのでなく、腕の症状や生活上の困りごとも医師に伝えると、確認すべき内容が具体的になる。[13]

食事の支援でも同じ視点が使える。研究で使われた献立をそのまま再現するより、提供された食事のどこが合わなかったのか、用意する手間はどうかを考える。聞き取り研究では食事の提供が助けになった一方、食事への不満も障壁になっていた。同じ仕組みが助けにも妨げにもなるからこそ、本人が選べる部分を残す意味がある。[4]

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よくある誤解

「体重が変わらなければ、運動の成果はない」。筋トレとインターバル運動の比較試験は、体組成に加えて筋力と心肺体力を測り、運動の種類による違いを報告した。体重だけを成果にすると、押す力や息が続く力の変化を取りこぼす。体重の記録とは別に、何をできるようになりたいかを持っておきたい。[3]

「筋トレより、強度の高い運動を選ぶべきだ」。比較試験では、筋力に有利な運動と、心肺体力に有利な運動が分かれた。また、早期閉経後の女性の試験では、組み合わせた運動による体脂肪率の増加予防が示された。運動を強さだけで順位づけするより、身体の状態と目標に合う組み合わせを検討するほうが、研究の結果に沿っている。[3][10]

「体重を落とせば、治療後の不調もまとめてよくなる」。減量介入の試験では、認知機能全般への有意な効果は見られなかった。大規模な運動試験でも、生活の質や疲労の群間差は確認されなかった。困りごとが残ることを減量の失敗にせず、それぞれを医師と扱う視点が役立つ。[11][20]

ここで取り上げた体重、体脂肪、筋力、認知機能、生活の質の結果から、乳がん再発を防げる割合を示すことはできない。体脂肪が減ったことを、そのまま再発予防の証明へ置き換えない。治療と経過観察を続けながら、体重管理には、研究で実際に測られた範囲の期待を置く。[3][6][11][20]

今日からできること

  • 筋トレと有酸素運動の組み合わせが可能な人は、週3回以上、1回60分以内という研究の提案を参考に、生活に入れられる曜日と運動を選ぶ。強度は身体の状態に合わせる。[8]
  • 食事の支援を受けている人は、提供された献立から食べ続けられる料理を選んで作る。好みに合わない料理は、食事の支援者と差し替えを考える。[4]
  • 運動支援を選ぶ際は、12週間で監督5回と20回を比較した研究を参考に、通える回数と、腕の動作や痛みを確認してもらう機会を検討する。[13]
  • 運動の目標を筋力と心肺体力に分け、12週間の比較試験を参考に、取り組みを振り返る日を自分で決める。受けている支援の中で、押す力と息が続く力のどちらが変わったかを確認する。[3]
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乳がん治療後、常温ヨガの内容を確かめる

常温のヨガも受けられるオンザショア立川店には、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。乳がん治療後、とくにリンパ浮腫がある人は、溶岩ホットヨガの利用を主治医に確かめ、まず常温のヨガから考える。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

乳がん治療後に参加できる条件を確認したうえでヨガを体験する場合、60分のレッスンを税込1,980円で受けられる。ヨガマットのほか、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚のレンタルが含まれている。所在地は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビルの3Fで、JR立川駅北口から歩いて1分の距離だ。

溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、ピラティスやパーソナルトレーニング、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもある。治療後の通院と両立できるかを考える際は、年中無休で毎日8:00〜23:30という営業時間も確認材料になる。店のトップに加え、料金とヨガ体験の予約も確認できる。乳がん治療後の運動として参加できる条件を主治医に確かめ、常温ヨガのレッスン内容を選ぶ。

参考文献

[3] Effects of resistance training vs high intensity interval training on body composition, muscle strength, cardiorespiratory fitness, and quality of life in survivors of breast cancer: a randomized trial. — Bettariga et al., 2025, Breast cancer research and treatment. DOI: 10.1007/s10549-024-07559-5

[4] Acceptability of a structured diet and exercise weight loss intervention in breast cancer survivors living with an overweight condition or obesity: A qualitative analysis. — Beckenstein et al., 2021, Cancer reports (Hoboken, N.J.). DOI: 10.1002/cnr2.1337

[6] Effects of Diet and Exercise Lifestyle Interventions on Physical and Psychological Health in Breast Cancer Survivors: A Systematic Review. — Asencio-Mas et al., 2026, Nutrients. DOI: 10.3390/nu18111815

[8] Effects of Exercise on Depression and Anxiety in Breast Cancer Survivors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. — Zhang et al., 2025, Cancer medicine. DOI: 10.1002/cam4.70671

[10] Impact + resistance training improves bone health and body composition in prematurely menopausal breast cancer survivors: a randomized controlled trial. — Winters-Stone et al., 2013, Osteoporosis international : a journal established as result of cooperation between the European Foundation for Osteoporosis and the National Osteoporosis Foundation of the USA. DOI: 10.1007/s00198-012-2143-2

[11] The effects of weight loss and metformin on cognition among breast cancer survivors: Evidence from the Reach for Health study. — Hartman et al., 2019, Psycho-oncology. DOI: 10.1002/pon.5129

[12] The effect of exercise on cognitive function in breast cancer survivors: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. — Pinheiro et al., 2025, Supportive care in cancer : official journal of the Multinational Association of Supportive Care in Cancer. DOI: 10.1007/s00520-025-09647-8

[13] Comparison of the effects of low- versus high-supervision exercise on breast cancer survivorship outcomes. — Bloomquist et al., 2026, JNCI cancer spectrum. DOI: 10.1093/jncics/pkag004

[20] Effectiveness of a 12-month exercise program on physical performance and quality of life of breast cancer survivors. — Saarto et al., 2012, Anticancer research. DOI:

冒頭の写真: 夕暮れの街路を歩く女性の姿を捉えた、屋外での日常的な歩行風景の写真(写真: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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