男性ホルモンと体重の関係 減量で戻る検査値と補充治療で変わる体の中身を分ける

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補充の研究では、脂肪と脂肪以外を別々に測る

では、テストステロンを外から補ったときはどうか。性腺機能低下症の男性227人を対象に、塗るゲルと貼る製剤を比較した研究では、180日間の治療が調べられた。性腺機能低下症とは、ここではテストステロンを作る働きが低下した状態を指す。肥満があるという理由だけで集めた人々の試験とは、出発点が違う。[3]

90日時点の除脂肪量の増加は、高用量のゲル群で平均2.74kg、低用量のゲル群で1.28kg、貼る製剤の群で1.20kgであった。除脂肪量は脂肪を除いた組織の量で、筋肉だけの重さを直接表す言葉とは区別したい。体の中身を見る研究では、こうした指標の名称をそのまま確かめることが役立つ。[3]

脂肪量はゲルの群でそれぞれ平均0.90kg、1.05kg減ったが、貼る製剤の群では有意な減少が認められなかった。つまり、ホルモン補充という大きなくくりが同じでも、比較した治療条件によって結果はそろっていない。また、脂肪が減る一方で除脂肪量が増えれば、両者の変化を体重の減少だけに置き換えることはできない。[3]

この試験には、ホルモンを投与しない群との比較がない。製剤の違いは比較できても、肥満のある男性が通常の生活を続けた場合と比べてどれだけ体重が減るかを、この数字で答えるのは難しい。体組成への効果を認めることと、減量のための第一選択として勧めることは、別の判断になる。[3][6]

さらに、治療前の濃度によって変わり方が違う可能性もある。低いテストステロン値の男性を対象に、全員が補充を受けた非盲検試験の二次解析では、18か月後の全身の除脂肪量の増加が、開始時264ng/dL未満の群で4.2%、それ以上の群で2.7%であった。差は統計的に有意と報告された。[10]

ただし、これは開始時の濃度ごとに治療を無作為に割り付けた比較ではなく、同じ治療を受けた人を後から分けた解析である。低い人ほど必ず得をするとも、264ng/dLを自分の治療開始の境界にしてよいとも読めない。同じ解析では代謝関連の指標について、むしろ開始時の濃度が高い群に有利な変化もあった。筋肉に関係する指標と血糖などの指標が、同じ順番で改善するとは限らない。[10]

ここで生活に戻って考える。服のゆとり、体重、筋肉に関わる測定、血液の値は、それぞれ別の窓から体を見ている。どれかの変化が小さいからといって、別の指標の変化まで打ち消す必要はない。補充の研究を読む場合にも、「痩せた」という言葉に集約せず、どの組織や機能が変わったのかを確認したい。[3][10]

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肯定的なレビューと慎重なレビューは、何が違うか

補充治療を前向きに扱ったレビューもある。2014年のレビューは、テストステロンが不足している過体重・肥満の男性について、長期の補充が持続的な体重減少、腹囲の縮小、体組成の改善につながると論じた。治療に伴う活力や活動の変化なども、考えられる経路として挙げている。[11]

この見解を「補充には何の期待もない」と消してしまうのは公平さを欠く。一方、レビューによる総括を、そのまま無作為化比較試験の平均効果として紹介することもできない。対象はテストステロン不足を伴う過体重・肥満の男性である。レビューは、腹囲や体格指数に加えて、代謝症候群の構成要素の改善にも言及している。[11]

同じ2014年の別のレビューは、補充で脂肪量が中等度減ることを認めつつ、症状を伴う男性ホルモン不足がない場合、肥満だけは確立した補充の適応にならないと記している。食事と運動による減量に補充を加える効果は、適切に設計された無作為化比較試験で評価すべきだという立場である。未治療の睡眠時無呼吸の悪化や、妊娠に関わる生殖機能への影響も挙げられている。[4]

より新しい2025年の臨床レビューは、肥満に伴う可逆的な低値と、構造的・遺伝的な障害などによる病的な性腺機能低下症を明確に区別する。後者では補充が必要となる一方、前者では減量や併存疾患への対応を重視し、病的な機能低下がなければテストステロン治療の適応はないと論じている。[6]

同レビューが挙げる不適切な補充の問題には、不妊、血液中の赤血球の割合を表すヘマトクリットの上昇、血栓ができやすい状態などがある。これは、すべての人に必ず起きるという予測ではなく、不要な投与を避ける判断材料である。「もともと体内にある物質だから気軽に足せる」という感覚では扱えない。[6]

意見の違いを読む鍵は、単に発表年の新旧を並べることではなく、誰を治療対象としているかを見ることだ。病的な不足に対する補充の意義、肥満に伴う検査値の低下への対応、減量の上乗せとしての期待を混ぜると、強い結論だけが独り歩きする。自分に補充が必要かという問いは、体重の悩みだけで答えを出さず、医師に判断を求める。[4][6][11]

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よくある誤解

「低い値が出たら、体はもう自力で戻れない」。肥満に伴う低値には、体重や関連する病状の改善により回復しうるものがある。薬による減量治療や手術後の追跡で、補充をせずに血中濃度が上がった結果もある。ただし、これを理由に、病的なホルモン産生の障害まで生活だけで解決すると考えるのも行き過ぎである。[6][7][15]

「補充で脂肪が減ったのだから、体重も同じだけ落ちる」。補充の比較研究では、脂肪量の減少と除脂肪量の増加が同時に報告されている。脂肪だけの引き算を体全体の重さの変化として扱うと、研究が測ったものを取り違える。製剤によって脂肪量に有意な変化が見られない群もあった。[3]

「夫の減量でホルモンが上がるなら、妻も上げるのが目標だ」。男女を追った観察研究では、体重減少に対する総テストステロンの変化の方向が逆であった。男性の結果を女性へ広げたり、男女とも高いほどよいと判断したりする根拠にはならない。勃起機能への生活介入の効果は、「減量で勃起の機能は戻るのか」の記事に譲る。ホルモン濃度と性機能は別の評価項目である。[16]

今日からできること

  • 食事による減量に取り組むなら、普段の食事量を見直し、続けられる量に調整して食べる。
  • 運動を始めるなら、生活の中で実行できる種目を選び、実際に体を動かす。
  • ホルモン補充を減量の手段として自己判断で始めず、肥満に伴う低値と病的な不足を分けて考える。[4][6]
  • 次の受診には検査表と体重の経過を持参し、総量と遊離型、症状、併用薬を医師に確認する。妊娠を望む事情も伝える。[4][6][9]
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男性ホルモンと体組成、その先のヨガ選び

男性ホルモンの検査値を確かめる受診と、日常で続ける運動の場を選ぶことは、それぞれ分けて考えたい。溶岩ホットヨガへの参加が自分の健康状態に合うかは、主治医に確かめる。

常温のヨガも受けられるオンザショア立川店では、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、ピラティスやパーソナルトレーニングも扱っている。ヨガだけでも選べるレッスンは25種類以上だ。

ヨガの60分体験は税込1,980円で、ヨガマット、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルを含む。内容を確かめる窓口として、店舗の案内、料金のページ、ヨガ体験の予約ページがある。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。所在地は東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fで、JR立川駅北口から歩いて1分。毎日の営業は8:00〜23:30、休業日は設けていない。男性ホルモンと体組成の違いを確かめたら、ヨガの案内で自分が参加したいレッスンを選ぶ。

参考文献

[3] Transdermal testosterone gel improves sexual function, mood, muscle strength, and body composition parameters in hypogonadal men. — Wang et al., 2000, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/jcem.85.8.6747

[4] Lowered testosterone in male obesity: mechanisms, morbidity and management. — Fui et al., 2014, Asian journal of andrology. DOI: 10.4103/1008-682X.122365

[6] Approach to the Patient: Low Testosterone Concentrations in Men With Obesity. — Muir et al., 2025, The Journal of clinical endocrinology and metabolism. DOI: 10.1210/clinem/dgaf137

[7] Metabolism of testosterone during weight loss in men with obesity. — Van de Velde et al., 2021, The Journal of steroid biochemistry and molecular biology. DOI: 10.1016/j.jsbmb.2021.105851

[9] Current controversies in testosterone testing: aging and obesity. — Elin et al., 2004, Clinics in laboratory medicine. DOI: 10.1016/j.cll.2004.01.010

[10] Baseline Testosterone Predicts Body Composition and Metabolic Response to Testosterone Therapy. — Deepika et al., 2022, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2022.915309

[11] Testosterone and weight loss: the evidence. — Traish, 2014, Current opinion in endocrinology, diabetes, and obesity. DOI: 10.1097/MED.0000000000000086

[15] Effect of Incretin-Based Weight Loss Drugs on Testosterone Concentrations in Men. — Portillo-Canales et al., 2026, Endocrine practice : official journal of the American College of Endocrinology and the American Association of Clinical Endocrinologists. DOI: 10.1016/j.eprac.2026.01.003

[16] Sex-differential testosterone response to long-term weight loss. — Brzozowska et al., 2024, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-024-01591-7

冒頭の写真: 長いシャフトの両端に円盤状の重りを取り付けた、筋力トレーニング用のバーベル(写真: Richardkiwi at Dutch Wikipedia / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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