抗精神病薬による体重増加に食事と運動はどこまで効くか 治療を続けるための支援

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平均の減量幅と、体重の外側も一緒に見る

メトホルミンに関する更新された系統的レビューとメタ分析は、二重盲検の偽薬対照試験20件、計1070人をまとめている。二重盲検とは、参加者と研究者がどちらの処置かを知らない形で比較する方法である。抗精神病薬を使用する患者で、偽薬に比べた体重変化の平均差は−3.32kg、95%信頼区間は−4.57〜−2.07kgだった。[1]

信頼区間は、平均的な効果の推定にどの程度の幅があるかを示す。ここで示すのは偽薬に対する群の平均差であり、個人の減量幅の予測には使えない。研究では12〜24週間の効果の維持が示されているが、著者らはさらに大規模な検証を求めている。[1]

同じ更新メタ分析では、体格指数の偽薬との差も−1.24kg/m2、95%信頼区間は−1.70〜−0.77kg/m2と報告された。体重と体格指数の両方で改善が認められており、著者らは抗精神病薬に伴う体重増加への対応として評価している。[1]

体重への効果だけを伝えると、薬の相談が商品選びに似てしまう。21件、計1547人のランダム化比較試験をまとめた別のメタ分析では、メトホルミン群で吐き気・嘔吐と下痢の頻度が偽薬群より高かった。メトホルミン群での頻度はそれぞれ14%、7%だった。[5] 平均的に体重が改善するという結果と、負担が起こりうるという結果を同じ説明に入れておくべきだ。

薬物療法を追加する選択肢を検討した系統的レビューとメタ分析では、統合失調症の患者を対象とする二重盲検の偽薬対照試験40件、19種類の介入が扱われた。体重について最も広く研究されていたのがメトホルミンで、偽薬との差は平均−3.17kg、95%信頼区間は−4.44〜−1.90kgだった。[7] 更新された分析の値と大きく離れてはいないが、共通する試験が含まれうる研究のまとめを、別々の患者全員で繰り返し確認した回数として数えることはできない。

このレビューでは、体重の変化を主要な評価項目とし、血糖、インスリン抵抗性、コレステロール、中性脂肪などを副次的に調べていた。メトホルミンには、体重への効果に加えて、インスリン抵抗性と血中脂質の改善も認められた。[7]

このレビューが想定していたのは、非薬物的な方法だけで十分でなく、体重への影響が比較的小さい抗精神病薬への切り替えも難しい状況である。[7] 生活への支援、治療薬の選択、併用薬の検討は、現実の診療では互いに関係する。その条件を抜いて「体重が増えたらこの薬」と短絡させると、研究を使う場面がずれる。体重の困りごとを話す際は、今の治療を続けるうえで何が負担になっているかも一緒に伝えたい。

21件の試験をまとめたメタ分析では、対象の民族的背景、予防か治療か、投与量、研究期間、平均年齢によって主要な結果が影響を受けていた。[5] 研究の数字を診療に結びつける際には、こうした条件も照らし合わせる。個々の適応、使い方、負担への対応は主治医が判断する領域である。

この分析では、予防と治療の違いをさらに分けて示している。抗精神病薬の使用経験がない患者で予防を調べた3件では、体重の標準化平均差は−0.91、95%信頼区間は−1.40〜−0.41だった。治療開始から1年以内に介入した5件では−0.66、95%信頼区間は−1.02〜−0.30、慢性期の患者に介入した9件では−0.50、95%信頼区間は−0.73〜−0.27だった。[5] 標準化平均差は、異なる試験の変化を共通の尺度で表す値で、単位はkgと異なる。対象や介入の時期が違うため、この並びだけで、早く始めるほど個人の減量幅が大きくなるという因果関係までは決められない。[5]

短期の結果と継続後の結果も分けたい。臨床的に安定した初回精神病エピソードの患者を対象にした試験では、抗精神病薬開始後に体重が5%以上増えた16〜40歳の17人が参加した。メトホルミン群8人、偽薬群9人を比較し、治療期間は24週間、評価は36週まで行われた。投薬中はメトホルミン群の方が体重を管理できたが、中止後にはその効果は続かなかった。[16]

少人数の予備的な試験ではあるが、終了後の追跡も含めて体重の経過を調べている。[16] 体重管理の相談では、開始するときの計画だけでなく、何を見て続け方を判断するかも話題にしたい。短い成功と長く保つことは、研究でも別の問いとして残っている。

さらに、体重が増えていなければ代謝も変わっていない、とは判断できない。健康な参加者を各群10人として、オランザピン、アリピプラゾール、偽薬を9日間投与した実験では、入院下で活動を維持していたにもかかわらず、薬を使った群にインスリン抵抗性が認められた。体重、食事量、空腹感の増加を伴わずに起きた変化だった。[15]

実験では投薬の前後に、食事への反応を調べる検査と、血糖を一定に保ちながらインスリンへの反応を測る検査を行った。体重に加え、糖の処理に関わる体の反応を直接評価していた点が特徴である。[15]

オランザピンでは食後のインスリンなどのホルモンにも変化があり、アリピプラゾールでは食後のホルモンへの影響は認められなかった。[15] 薬ごとに同じ変化が起きたわけでもない。この実験では、体重に先行して代謝の指標に変化が現れた。[15]

服が緩くなったか、体重が減ったかという本人の実感と、診療で見る代謝の評価は役割が違う。体重の結果がよい日にも、医師と決めた評価を続ける意味がある。[15] 体重が変わらない期間にも、代謝の指標は別に確認する対象となる。

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よくある誤解

「生活を変えても無駄だ」という見方は、行動面の支援に利益があった研究と合わない。栄養相談と運動の組み合わせは、控えめながら比較的一貫した効果を示している。[14] ただし、これを「努力すれば必ず元の体重に戻せる」に置き換えると、今度は研究を超える。支援の価値を認めながら、体重の結果を本人の能力の判定にしないことが肝心だ。

「薬を足す話になったら、食事と運動は失敗だった」という誤解もある。併用を検討したメタ分析では、メトホルミンと生活習慣への介入を組み合わせた群に、それぞれ単独の群よりも利益があった。[10] 比較したのは治療の組み合わせである。足りない部分を別の支援で補うという見方ができる。

「薬を替えれば長期の問題は解決する」とも限らない。行動面と薬物療法を扱ったレビューでは、抗精神病薬の切り替えは長期的な解決策として確立されていなかった。[14] また、短期の実験では、代謝への影響が比較的小さいと考えられていた薬でも、体重変化を伴わずにインスリン抵抗性が起きていた。[15] 自己判断で薬を減らしたり替えたりせず、体重の悩みを治療の相談に含めることが出発点になる。

このテーマの数字を読むときは、対象、比較相手、評価期間をひとまとまりで見たい。生活習慣への介入の結果なのか、薬との併用なのか。開始時からの減少なのか、偽薬との差なのか。投薬中の変化なのか、中止後まで確かめたのか。[1][10][16] ここが違えば、同じ「減った」でも日常で持てる見通しは変わる。大きな数字を探すより、自分が相談したい問いに合う数字を選ぶ方が役に立つ。

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今日からできること

  • 栄養相談で扱った食べ方の変更を、実際の食事で試す。取り組む食事の場面は自分の暮らしから選ぶ。[14]
  • 運動を行う曜日と場所を選び、参加できる活動を始める。[14]
  • 次の診察では、服薬開始後の体重の経過と、増加を抑えたいのか減量を目指したいのかを伝え、食事・運動・薬物療法を含む支援を相談する。
  • 体重が変わらない時期も、診療で案内された代謝の評価を受ける。

抗精神病薬の服用中に選ぶ常温ヨガ

オンザショア立川店には、溶岩ホットヨガのほかに常温で行うヨガもある。抗精神病薬の服用中は、暑い環境での体温調節への配慮も含め、溶岩ホットヨガの利用を主治医に確かめ、まず常温のヨガから考える。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガの体験料金は税込1,980円で、60分のレッスンと、バスタオル2枚・フェイスタオル1枚・ヨガマットの貸し出しが含まれる。ヨガには25種類以上のレッスンがあり、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも扱う。

JR立川駅の北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fが店舗の所在地だ。営業は8:00〜23:30で年中無休。服薬を続けながら運動の機会を設けるなら、この営業時間の中で、通院や日々の生活と両立できる時間帯を考えたい。店舗情報、料金、ヨガの体験予約を確認し、抗精神病薬の服用中に参加できるヨガを選ぶ。

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参考文献

[1] The Optimal Dosage and Duration of Metformin for Prevention and Treatment of Antipsychotic-Induced Weight Gain: An Updated Systematic Review and Meta-Analysis. — Peng et al., 2025, Schizophrenia bulletin. DOI: 10.1093/schbul/sbae173

[5] Metformin for Weight Gain and Metabolic Abnormalities Associated With Antipsychotic Treatment: Meta-Analysis of Randomized Placebo-Controlled Trials. — Zheng et al., 2015, Journal of clinical psychopharmacology. DOI: 10.1097/JCP.0000000000000392

[7] Pharmacological strategies to counteract antipsychotic-induced weight gain and metabolic adverse effects in schizophrenia: a systematic review and meta-analysis. — Mizuno et al., 2014, Schizophrenia bulletin. DOI: 10.1093/schbul/sbu030

[10] Combination of Metformin and Lifestyle Intervention for Antipsychotic-Related Weight Gain: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. — Zheng et al., 2019, Pharmacopsychiatry. DOI: 10.1055/s-0044-101466

[14] Second-generation antipsychotic use in schizophrenia and associated weight gain: a critical review and meta-analysis of behavioral and pharmacologic treatments. — Das et al., 2012, Annals of clinical psychiatry : official journal of the American Academy of Clinical Psychiatrists.

[15] Antipsychotic-induced insulin resistance and postprandial hormonal dysregulation independent of weight gain or psychiatric disease. — Teff et al., 2013, Diabetes. DOI: 10.2337/db13-0430

[16] Twenty-Four Week, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial of Metformin for Antipsychotic-Induced Weight Gain in Patients with First-Episode Psychosis: A Pilot Study. — Tang et al., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph19010137

[18] Management of atypical antipsychotic drug-induced weight gain: focus on metformin. — Miller, 2009, Pharmacotherapy. DOI: 10.1592/phco.29.6.725

冒頭の写真: 薬を分けて入れるための仕切りが設けられた、服薬用のピルケース。(写真: Jacek Halicki / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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