
昔の食卓を、そのまま正解にしなくてよい
和食を取り入れるときに迷うのは、伝統的なものを増やせば増やすほどよいのか、という点だ。塩辛い食品も評価に含めた従来の日本食指標と、そうした食品を少なく評価する新しい指標を比べた研究は、この迷いに近い問いを扱っている。対象は45〜74歳の93,049人で、複数の食事指標と、その後の死亡との関連を検討した。[1]
伝統的な型、塩辛い食品を少なくする型、乳製品やコーヒーを加えた型など、検討した指標はいずれも、男女で全死亡の低さと関連した。特に男性では、乳製品とコーヒーを加え、塩辛い食品を少なく評価した指標の高得点群で、伝統的な指標より全死亡と心血管疾患死亡の点推定値が低かった。点推定値とは、幅を持つ推定を代表する値のことである。[1]
ただし、この比較から、特定の食品を足せば死亡リスクがその分だけ下がる、とまでは読めない。食事を割り付けた試験ではなく、人々の食習慣を異なる物差しで評価した研究だからだ。それでも、和食らしさと健康を考える際に、塩辛い食品を多く食べることまで守るべき伝統とする理由は見当たらない。研究上も、塩辛い食品を少なくする評価法が検討されている。[1]
血圧に注目した和食の研究にも、献立を組み替える発想がある。和食を取り入れた血圧対策の食事を調べた研究では、緑黄色野菜、海藻、乳、きのこが多く、漬物や甘辛く煮た貝類などが少ない食事を提供した。未治療で血圧が高め、または軽度の高血圧の参加者55人の質問票を解析した研究である。[15]
提供した期間は2か月、その後は4か月間、普段の食事に戻った。提供終了後にその献立を広く模した食習慣が見られ、終了から4か月後の血圧は開始時より低かった。ただし主眼は栄養面の特徴や血圧であり、この結果だけで減量幅を示すことはできない。ここから献立を考えるヒントとして受け取れるのは、和食の材料を使いながら内容を調整する、という発想だ。[15]
家庭で生かすなら、例えば魚と野菜のおかずがある食事に、漬物まで毎回そろえなければ和食にならない、と考えなくてよい。買い置きの海藻や豆製品を使う日も、作り置きの野菜を添える日もあってよい。これらは日本食スコアに含まれる食品を日常の食卓に置き直した案であり、掲載した試験の献立を再現したものとは区別したい。[1][3][15]
また、用意された料理を食べる期間が終われば、自分で選んで続ける段階になる。同じ血圧対策の食事研究の別解析では、43人の回答を調べ、過去の生活を振り返る、新しい経験や知識から学ぶ、自分の健康を保ちたいと思う、という過程が見いだされた。自己効力感、つまり自分にも行動できるという感覚と、健康行動の変化にも関連があった。[13]
この解析は、どんな声かけなら体重が何kg減るかを比べたものではない。それでも、食事の実行を食品の知識だけで済ませず、経験を通じて自分なりのやり方を見つける過程として扱っている点は参考になる。最初から台所全体を変えるより、何が作りやすく、何なら仕事の後にも選べるかを試す。その小さな検討を、和食への取り組みの一部にしてよい。[13]
食事が届く条件も、続け方を考えるうえで見落とせない。行動面を調べた解析は、食事を宅配で受け取った参加者の経験を対象としている。料理を用意する手間も自分で担う家庭の生活とは、出発点が異なる。そこで家庭の工夫としては、食材の選択と調理の作業を分け、買ってすぐ使えるものを献立の候補に置く案も考えられる。これは解析を踏まえた実生活への応用案であり、宅配と自炊の減量効果を比べた結果ではない。[13]
自分に合う組み合わせが見つかれば、次は同じ食材を別の料理にも使えるか考えてみる。新しい調理法を毎回覚えるより、普段から作っている料理に研究で扱われた食品群をどう置くかを検討する方が、具体的に献立を描きやすい。食事の経験から学ぶという視点を、完成した理想の食卓より、次に自分で用意できる食卓へ向けるのである。[3][13]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「日本食の点数が高いほど、同じように体重が減る」という理解には飛躍がある。日本食指標の大規模研究で報告されたのは、その後の死亡との関連だ。短期の食事提供試験ではBMIや体脂肪量の変化が検討されているが、観察研究の点数をそのまま減量量に換算する方法は示されていない。健康によさそうな食べ方という評価と、減量の実測値を別々に受け取るのが適切である。[6][19]
「1975年型なのだから、昔の家庭料理なら何でも試験と同じ」という理解も広すぎる。試験で使われたのは、その時代の特徴を強めて設計し、参加者に提供した食事である。家庭ごとの料理の量や組み合わせまで、同じ条件で比べられたわけではない。昔の料理名をメニューに足すことより、食事全体がどう変わったかを問う研究として読む方が、結果の範囲に近い。[19]
ここには、結果の示し方についても注意点がある。若い成人の試験で示された1975年型群の開始前からの改善と、過体重の試験の現代型群との比較を、同じ証拠として重ねないことだ。前後の変化では、時間とともに起こる変化も含まれる。比較相手との差が示されているかを確認すると、印象的な「低下した」という言葉から、結果を一段具体的に捉えられる。[8][19]
「伝統的な和食なら、漬物も塩辛い魚も多いほどよい」という読み方も、現在の研究の幅を狭める。従来の指標には塩辛い食品が含まれていても、新しい研究はその扱いを変えた指標を調べている。さらに、血圧対策として調整した食事には、漬物などを少なくする特徴があった。昔らしさを保つことを優先して、食品の選択を固定する必要はない。[1][15]
一方で、これらを読んで牛乳やコーヒーを自分の食事に必ず足すと決めるのも急ぎすぎだ。新しい指標は食習慣を評価する物差しであり、追加する食品の効果を切り分けた試験ではない。好みや体調、治療中の条件がある人は、それも含めて食事を考える。病気の治療のための変更や、健診結果に応じた判断は医師に相談する領域である。[1][15]
食事法を比較するときは、「どの国の食事か」に加えて、「何と比べたか」「誰が食べたか」「何を測ったか」を手元に残したい。北欧の食事や別の食事法にも個別の検討があるが、日本食の試験だけから、それらとの優劣まで順位を付けることはできない。ここで扱った試験の比較相手は現代型の日本の食事であり、その条件の中で結果を評価する。[8][19]

今日からできること
- 次の買い物で魚か豆製品を1種類買い、翌日の夕食の主菜に使う。[3]
- 今日の夕食に、野菜、きのこ、海藻のいずれかを使った付け合わせを1品添える。[3]
- 今週の夕食のうち1回は、いつも添える漬物の代わりに、味を薄くした野菜のおかずを1品用意する。[1][15]
- 忙しい日の夕食用に、次の買い物でそのまま使える豆製品を1種類用意し、野菜のおかずと組み合わせて食べる。[3][13]
- 食事法の情報を次に読むときは、対象、比較相手、測った結果の3点を確認する。[6][19]
和食の献立と、体を動かす習慣を並べる
和食の献立を暮らしに合わせて組み立てるように、オンザショア立川店での運動も生活に組み込む道筋を考えたい。JR立川駅北口から徒歩1分の距離にあり、年中無休で8:00〜23:30に営業しているため、仕事の前後や休日に通えるかを検討できる。
溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングを行っている。ヨガの選択肢は25種類以上ある。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。
ヨガの体験を申し込む場合は、税込1,980円で60分のレッスンに参加でき、レンタルとしてバスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットも利用できる。足を運ぶ先は東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fだ。店舗案内、料金、ヨガ体験の予約から詳細を確認できる。和食の献立を決める日に、ヨガへ通う日の食事の支度も組み立ててみよう。

参考文献
- Japanese Diet Index Score and Cause-Specific Mortality in Japanese Men and Women: The Japan Public Health Center-Based Prospective Study. — Murai et al., 2025, The Journal of nutrition. DOI: 10.1016/j.tjnut.2025.09.003
- The Japanese food score and risk of all-cause, CVD and cancer mortality: the Japan Collaborative Cohort Study. — Okada et al., 2018, The British journal of nutrition. DOI: 10.1017/S000711451800154X
- Association between adherence to the Japanese diet and all-cause and cause-specific mortality: the Japan Public Health Center-based Prospective Study. — Matsuyama et al., 2021, European journal of nutrition. DOI: 10.1007/s00394-020-02330-0
- Diet based on the Japanese Food Guide Spinning Top and subsequent mortality among men and women in a general Japanese population. — Oba et al., 2009, Journal of the American Dietetic Association. DOI: 10.1016/j.jada.2009.06.367
- The 1975 Type Japanese Diet Improves Lipid Metabolic Parameters in Younger Adults: A Randomized Controlled Trial. — Sugawara et al., 2018, Journal of oleo science. DOI: 10.5650/jos.ess17259
- Dietary Adherence, Self-Efficacy, and Health Behavior Change of WASHOKU-Modified DASH Diet: A Sub-analysis of the DASH-JUMP Study. — Kawamura et al., 2020, Current hypertension reviews. DOI: 10.2174/1573402115666190318125006
- The Nutritional Characteristics of the Hypotensive WASHOKU-modified DASH Diet: A Sub-analysis of the DASH-JUMP Study. — Kawamura et al., 2018, Current hypertension reviews. DOI: 10.2174/1573402114666180405100430
- Abdominal Fat in Individuals with Overweight Reduced by Consumption of a 1975 Japanese Diet: A Randomized Controlled Trial. — Asano et al., 2019, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.22448
冒頭の写真: ご飯と牛肉のおかずなどを、一つの容器に詰め合わせた幕の内弁当の写真(写真: 毒島みるく / CC0 / Wikimedia Commons)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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- 屋外運動は続けやすいのか 室内との比較で見える楽しさと減量までの距離
- 山歩きとダイエットの科学 ハイキングの体重減少と歩く力を分けて考える
- 呼吸法はストレス食いを減らすか 不安が和らぐ研究と体重への期待を分けて考える
- ACTとダイエットの科学 受け入れて進む心理療法は減量とその後をどう変えるか
- 認知行動療法とダイエットの科学 過食が減ることと体重が減ることの違いを知る
- 催眠療法とダイエットの科学 食べ方の改善と体重が減ることの間にある距離
- 孤独と肥満はどう関係するか 食べ方と体重、人との距離を分けて考える科学
- ストレスとコルチゾールでお腹に脂肪がつくのか 腹部肥満を決めつけない研究の見方
- 甲状腺機能低下と体重増加の関係 治療で減る重さと脂肪の違いを知るために
- インスリン抵抗性と減量の科学 体重が減る前にも運動で変わる体の反応を知る
- 親の食べ方と子どもの体重 お手本と口出しの違いを家族の食卓の研究から考える
- 減量手術後の運動は何を変えるか 体重と筋力、動く暮らしを分けて考える
- 体重の自己認識は減量につながるか 正しく知ることと自分を責めることの境界
- 腹囲身長比で分かる健康リスク 体重だけでは見えない情報と目安の使い方
- 代謝的に健康な肥満はあるのか 健診の異常なしと将来の安心を分けて考える
- 体重と寿命の関係、BMIで答えは変わるか 死亡率が低い研究と高い研究の分かれ道
- 退職後の体重はどう変わるか 定年で消える仕事の動きと増える余暇を見直す
- 食べたい衝動とダイエットの科学 渇望を弱める工夫と食べる量が変わる条件
- リバウンド予防と食べ過ぎ後の立て直し 一度の脱線を長い中断にしない研究
- にんにくとダイエットの科学 体重と腹囲で違う補給試験の答えを見分ける
- グリーンコーヒーとダイエット −1.22kgと−0.585kgを分けた試験条件
- カルニチンとダイエットの科学 脂肪を運ぶ役割と補給で減る体重の距離を知る
- CLAと体脂肪の科学 共役リノール酸の小さな変化と体重が減らない理由を知る
- クロムとダイエットの科学 食欲への期待と小さな体重差を分けて考える補給試験
- ベルベリンは天然のやせ薬か 小さな体重差と内臓脂肪の試験で見えた期待の境界
- 朝食シリアルとダイエットの科学 太るか痩せるかを分ける置き換えの条件を知る
- なわとびとダイエットの科学 跳ぶ時間より先に知りたい体力と体脂肪の違い
- トランポリン運動とダイエットの科学 跳ねて変わる体力と減量の証拠を見分ける
- ケトルベルとダイエットの科学 振る運動で変わる筋力と体脂肪の意外なずれ
- 有酸素運動と筋トレの組み合わせ方 順番より先に決めたい体脂肪と筋力の目標
- 加圧トレーニングは軽い重さで効くか 筋肉の大きさと力で違う血流制限の科学
- 機能的トレーニングとダイエット 日常の動く力と脂肪が減ることの違いを知る
- サーキットトレーニングと体脂肪の科学 種目を回す運動で変わる重さと体の中身
- 踏み台昇降は続けやすいか ステップ運動の実施率と体脂肪の変化を分けて考える
- 寝る前の間食は太るのか たんぱく質補給と翌朝の代謝、減量を分けて考える
- 揚げ物の回数と体重の科学 週何回の線引きより先に知りたい肥満研究の答え
- 一食分の食品とダイエット 量をそろえた主菜が減量を助ける条件と続け方を知る
- ゲーミフィケーションで運動は続くか アプリの達成と本当に動いた量を分ける科学
- セルフ・コンパッションとダイエット 自分への優しさは食べ方と体重をどう変えるか
- 退屈で食べてしまう理由と間食の科学 空いた手が袋に伸びる前の行動を決める
- 朝の光とダイエットの科学 体重が変わらない試験から考える明るさと時刻の関係
- 大気汚染と肥満の関係 空気の汚れを体重増加の原因と決める前に知りたい科学
- 歩きやすい街とダイエットの科学 引っ越しで増える歩数と体重が変わる条件
- 痛風と減量で尿酸は下がるか 体重の改善と開始直後の発作を分けて考える
- 胸やけと減量の科学 逆流性食道炎は体重を落とせば軽くなるのか、その条件を知る
- 腰痛と体重の科学 減量で腰は楽になるか、運動の成果を重さだけで決めない
- 減量と認知機能の科学 体重が減ったとき、記憶や頭の切り替えも変わるのか
- 体重と妊娠しやすさの科学 減量で変わることと出生までの距離を考える
- 減量成功の予測因子はどこまで当たるか 始める前の特徴と途中の変化を分けて考える
- はちみつとダイエットの科学 砂糖を替えて変わる血糖と体重、比較条件で違う答え
- ごまとダイエットの科学 体重と血中脂質で違う補給試験の答えを食卓に生かす
- ざくろとダイエットの科学 果汁と抽出物で見分ける体重と検査値の意外なずれ
- 亜鉛とダイエットの科学 不足を補う話と体重を減らす話が分かれる理由を知る
- マグネシウムと体重の科学 食事で少ない肥満リスクと補給試験の小さな差を考える
- レスベラトロールと体脂肪の科学 平均マイナス0.3kgに何を期待するか
- メラトニンの補給とダイエットの科学 睡眠の改善と体重の減少は同じなのか
- 気功・八段錦とダイエットの科学 体重と腹囲で分かれる試験の答えと続け方
- 振動マシンと体脂肪の科学 乗るだけの期待と運動に加える価値を試験で見分ける
- 全身EMSとダイエットの科学 筋肉が増える試験と脂肪が減らない試験の分かれ道
- 北欧食とダイエットの科学 半年の減量と支援終了後の体重の戻りを分けて考える
- パレオダイエットと減量の科学 旧石器時代の食事を選ぶ前に知りたい継続と栄養
- 市販の減量プログラムの効果はどこまでか 申し込む前に見たい体重差と継続率
- 医師の減量の助言で体重は変わるか かかりつけ医の一言を続く支援につなぐ条件
- 目標体重は高望みでもよいのか 減量への期待と結果のずれを研究から考える
- 食事の多様性とダイエットの科学 種類を増やす前に分けたい食品と体重の関係
- むちゃ食いと体重の科学 過食の治療と減量で違う成果をどう確かめるか
- ぜんそくと体重の科学 減量で呼吸は楽になるのか、食事と手術で違う改善の意味
- 2型糖尿病は減量で寛解するのか 食事介入の成功率と長く保つための条件を知る
- 尿もれと体重の関係 減量で回数が減る試験と症状が消えることの違いを知る
- 乾せんと体重、減量で皮膚は変わるか 治療への上乗せと完全改善の違いを知る
- 心房細動と体重、減量で不整脈は減るのか 発症リスクと症状で違う研究の答え
- 急な減量と胆石の関係 体重が落ちる速さだけでは見えない胆のうの変化を知る
- 片頭痛と体重の科学 減量で頭痛の日は減るのか、体重計と別に確かめたい変化
- 妊娠中の体重増加はどこまでよいか 食事と運動の試験で見える支援と数字の限界
- クレアチンと体脂肪の科学 筋トレへの上乗せで減るのは脂肪量か体脂肪率か
- うま味とダイエットの科学 満腹感が増しても食べる量が減るとは限らない理由
- アジア人のBMI基準はなぜ低いのか 病気を見つける境界と目標体重の違い
- ダイエットは結局何が効くのか アンブレラレビューで見分ける効果と確かさ
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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