ゲーミフィケーションで運動は続くか アプリの達成と本当に動いた量を分ける科学

隣り合って座る二人の手元と脚片方が持つタブレットに表示された神経衰弱のゲーム画面 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

よく開くアプリでも、客観的な運動量は別に確かめる

平均年齢41歳、女性74%のオーストラリアの成人444人を対象とする試験では、チーム単位で無作為に振り分け、交流とゲーム要素を備えたアプリ、基本的な自己記録アプリ、待機群を比較した。ゲーム付きの介入は100日間だった。[15] 仕事や家庭のある大人が使う場面に近い対象だが、結果は単純な成功とはならなかった。

身体の動きを測る機器による客観的な身体活動には、3か月時点でも9か月時点でも有意な群間差がなかった。一方、本人の回答による中高強度の活動は、9か月時点でゲーム群のほうが多かった。[15] 中高強度とは活動の強さを分けた分類であり、ここでは研究で測定された運動行動を指す。

ゲーム群では歩数を記録した日が平均72日、交流やゲーム機能を使った回数が平均89回と、利用は活発だった。[15] アプリが忘れられていたから結果が出なかった、とだけ説明することはできない。開く、参加する、動くという段階の間に、確かめるべき差が残った。

同じ試験に由来するデータを詳しく見た分析では、ゲーム付きの134人とゲームなしの155人を比較している。平均利用日数は113日対81日とゲーム付きで長かったが、歩数目標の達成日数に差はなかった。[14] 元の試験と重なるデータなので、独立した別の成功例として数えないほうがよい。

この分析ではゲーム機能の利用と身体活動の増加に関連も見られた。[14] ただし、機能をよく使った人の特徴を調べる分析と、無作為に割り当てた群の効果は別の問いである。機能を見る回数を増やせば同じだけ運動が増える、という因果の証明には置き換えられない。

この違いを生活に移すなら、アプリの利用履歴に加えて「実際にどこで動いたか」を振り返る方法がある。商店街を歩いたのか、移動を徒歩に替えたのか、それともソファで仲間の投稿を見たのか。交流を楽しむことにも意味はあるが、運動の支援として採点するなら、歩いた場面と合わせて評価したい。[14][15]

画面には参加した記録がきちんと残る。椅子はその記録に驚かない。こうしたずれを知っておけば、利用日数だけが伸びたときも、自分の努力不足と決めず、仕掛けが狙った行動につながっているかを見直せる。研究が示すのは、利用の継続と活動の増加を別々に測る価値である。[14][15]

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長く続く差と、体重が変わる差を混ぜない

より長い介入を調べた試験には、心血管疾患があるか、その発症リスクが高い1062人が参加した。平均年齢67歳、女性61%で、ゲーム、金銭的な報酬、その併用を、比較群に対して評価している。参加者は歩数計測機器を使い、普段から増やす目標を選んだ。[17]

12か月の介入中、ゲーム単独群の調整後の差は1日538.0歩で、95%信頼区間186.2〜889.9歩だった。報酬との併用群では868.0歩、95%信頼区間516.3〜1219.7歩である。[17] 長い介入中にも平均差が確認された点は、短期間の珍しさだけで終わるという見方を修正する材料になる。

ただし、終了後6か月の追跡では、多重比較を調整した後にも有意な差が残ったのは併用群で、ゲーム単独群では有意と判定されなかった。[17] 多重比較の調整とは、いくつもの比較を行うことで偶然の差を拾いやすくなる点を考慮する処理だ。終了後のゲーム単独群にも歩数差の推定値はあったが、研究が採用した判断基準まで含めて結果を受け取るべきである。

この試験から、一般の働き盛りの人にも同じ歩数差が出るとは言い切れない。対象は高齢で心血管リスクの高い人が中心であり、調べた主な結果も歩数である。[17] 歩数の増加を、減った体重や病気の発症減少の数値へ換算する根拠にはできない。

体組成まで評価した大学生160人の8週間の試験もある。18〜25歳を対象に、両群で同じ時計とアプリ、同じ活動目標を使い、ゲーム群だけにチームの競争、ポイント、順位表、反応の提示や報酬を加えた。平均の歩数差は1日2114歩で、体脂肪率の差もゲーム群に有利な0.46ポイントだった。[1]

この試験は道具と目標をそろえて比較した点に特徴がある。ただし若い大学生での短期の結果であり、立川で暮らす中年の大人に同じ体脂肪率の差を約束する材料にはならない。[1] 体脂肪率のポイント差を、体重の減少割合と読み替えないことも大切だ。

減量そのものについては、過体重で減量を望む91人に、生活習慣への働きかけとゲーム化した作業記憶の訓練を組み合わせた試験が参考になる。[13] 作業記憶とは情報を一時的に保ちながら使う働きで、この研究では歩行のゲームではなく、その働きを鍛える課題が使われた。[13]

訓練後の味見課題で食べた量は訓練群で少なかったが、体格指数の小さな減少は両群に見られ、減量への追加価値は確立できなかった。[13] 運動ゲームの効果を直接否定する研究ではないものの、ゲーム化された課題で何かが改善しても、体重まで同じように変わるとは限らない例となる。

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よくある誤解

「ゲーム要素なら、誰でも歩数が増える」という理解は広すぎる。統合研究では平均的な活動増加が認められた一方、母子の試験や成人のチーム型アプリ試験には、歩数の上乗せや客観的活動量の群間差が確認されない結果がある。[4][11][15] 使う人の暮らしと、具体的なルールを合わせて見るほうがよい。

「長く使えていれば、運動も続いている」という見方にも注意したい。利用日数が113日対81日と異なっても、歩数目標の達成日数に差がなかった分析は、その境界をよく示す。[14] 順位を見るのが楽しいなら、その楽しさは残しつつ、歩いた量の評価を別に置けばよい。

「ポイントを外したら効果は全部なくなる」と決めつけるのも早い。家族試験では終了後も比較群との差が残り、統合研究でも小さな追跡効果があった。[7][11] ただし長期の試験ではゲーム単独の差が終了後に有意とならず、条件によって経過が違う。[17] 始めるための道具として評価しながら、終えた後に残せる歩き方も考えたい。

研究を読み比べる際には、活動量を測った方法、比較群が受けた支援、終了後の追跡、対象者の順に目を向けると、食い違いの場所が見えやすい。前後で増えたという数字だけで判断せず、比較群にも起きた変化を差し引いて読む視点である。[7][11][15] 派手な達成表示より、この地味な確認のほうが期待の置き場所を決めてくれる。

今日からできること

  • 歩行を増やしたい人は、今日の用事から徒歩で行く往路を1つ決め、その移動をゲームの達成条件にする。[7][15]
  • 家族と取り組む人は、今週、家族1人と一緒に歩く用事を1回つくり、終えたら互いの達成を伝える。[7]
  • アプリを使う人は、次の1週間、週3回の買い物で自分が無理なく歩ける区間を歩き、歩数を達成表示につなげる。[7][14]
  • 仕掛けを試した人は、1週間後に1回、アプリを使った日数と実際の歩数を並べて振り返る。[14][15]
  • ゲームを終える人は、翌週も続ける徒歩の用事を1つ残し、週1回はその用事で歩く。[7][11]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

達成表示の先に、通う場所を持つ

ゲームの達成条件に体を動かす機会を入れるなら、オンザショア立川店への参加も行動の候補になる。毎日8:00〜23:30に営業し、年中無休なので、自分が参加できる時間帯から通い方を組み立てられる。

体験で参加するヨガは60分で、料金は税込1,980円。バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットをレンタルでき、その分も体験料金に入っている。画面に残す達成だけでなく、移動からレッスンへの参加までを思い描く入口にしたい。

店があるのは東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分の距離だ。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズなどに対応し、ヨガのレッスンは25種類以上ある。

医師から運動を止められている方は利用できない。

妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

種目は店のトップ、費用は料金、参加の入口は体験の予約で確認できる。まずはゲームの達成に数える1回目として、ヨガの体験を申し込んでみよう。

参考文献

  1. A Gamified Mobile Health Intervention to Promote Physical Activity, Executive Function, and Mental Health in College Students: Randomized Controlled Trial. — Yang et al., 2026, Journal of medical Internet research. DOI: 10.2196/82769
  2. Gamification to Promote Physical Activity in Youth and Mothers With Obesity. — Parks et al., 2025, Pediatric exercise science. DOI: 10.1123/pes.2023-0053
  3. Effect of a Game-Based Intervention Designed to Enhance Social Incentives to Increase Physical Activity Among Families: The BE FIT Randomized Clinical Trial. — Patel et al., 2017, JAMA internal medicine. DOI: 10.1001/jamainternmed.2017.3458
  4. Evaluating the Effectiveness of Gamification on Physical Activity: Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. — Mazeas et al., 2022, Journal of medical Internet research. DOI: 10.2196/26779
  5. Gamified working memory training in overweight individuals reduces food intake but not body weight. — Dassen et al., 2018, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2017.05.009
  6. Gamification in a Physical Activity App: What Gamification Features Are Being Used, by Whom, and Does It Make a Difference? — Maher et al., 2022, Games for health journal. DOI: 10.1089/g4h.2021.0207
  7. A Social Networking and Gamified App to Increase Physical Activity: Cluster RCT. — Edney et al., 2020, American journal of preventive medicine. DOI: 10.1016/j.amepre.2019.09.009
  8. Effect of Gamification, Financial Incentives, or Both to Increase Physical Activity Among Patients at High Risk of Cardiovascular Events: The BE ACTIVE Randomized Controlled Trial. — Fanaroff et al., 2024, Circulation. DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.124.069531

冒頭の写真: 隣り合って座る二人の手元と脚、片方が持つタブレットに表示された神経衰弱のゲーム画面(写真: InclusiveGameLab / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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