クリパルヨガとは、インドの行者スワミ・クリパルヴァナンダ(1913〜1981年)の弟子アムリット・デサイが1960年代後半から米国で教え、マサチューセッツ州ストックブリッジのクリパル・センターが受け継いできた、自分の内側の感覚と思いやりを重んじるヨガの様式です。名の「クリパル」は「慈悲」「慈悲深い者」を意味し、練習は、形と呼吸を覚える第1段階、ポーズの中で自分を判断せずに見つめる第2段階、体の内から湧く動きに任せる第3段階の3つで語られます。1994年に創設者が指導者の座を退いた後、組織はグル(guru)を中心とする共同体から理事会が治める教育団体に変わり、今は指導者の養成と研究の拠点になっています。
クリパルヨガとは、どんなヨガですか
クリパルヨガは、ポーズの完成形よりも、ポーズの中で起きていることを見る練習です。クリパル・センター(以下、本部)は、クリパルヨガを「ヨガの一つのスタイルという以上のもの」と呼び、「自己探究と思いやり、目覚めた生き方への道」と説明しています。使う道具は、アーサナ(āsana、ポーズ)、呼吸法、瞑想という、ヨガの古くからの三つです[1]。
本部の説明には、二つの言葉がくり返し出てきます。一つはプラーナ(prāṇa)。「体と呼吸と心を生かしている、生命の力、微細なエネルギー」のことです。もう一つはチッタ(citta)、心です。練習を通じてプラーナを目覚めさせ、チッタを静める。その過程で、自分の内側の体験を、判断もせず、しがみつきもせずに見つめる力が育つ。本部はこの力を「目撃する意識(witness consciousness)」と呼びます[1]。名の由来となった師スワミ・クリパルは、瞑想的な練習が「判断しない自己観察」を育てると教えました。クリパルヨガは、その教えをそのまま練習の中心に置いた様式です[4]。
もう一つの芯が、思いやりです。師は弟子たちに、自分自身と他者への思いやりを育てるよう勧めました[1]。名前そのものが、それを指しています。「クリパル(kṛpālu)」は「慈悲」「慈悲深い者」を意味すると本部は説明し[2]、師の評伝の抜粋は「恵み、あるいは慈悲」の意味だと書いています[5]。上手にできたかではなく、いま何を感じているかを問う。前屈が浅い日の自分を責めない。こうした態度は、やさしさのための飾りではなく、自分を正確に観察するための条件なのだと、クリパルヨガは考えます。責める目で見た体は、ありのままには見えないからです。
本部は、クリパルヨガを「どんな体にも、人生のどの時期にも合わせられる学びと練習の連続」と書き、今では年齢も能力も背景も違う人々が実践していると紹介しています[1]。温度や湿度の決まり、毎回同じポーズの順番といった外側の規則は、本部の解説には出てきません。規則が少ないぶん、何をどこまでやるかの判断が、練習する人自身に返ってきます。それがこの様式の自由であり、難しさでもあります。
3つの段階──形を覚え、見つめ、任せる
クリパルヨガの練習は、3つの段階で語られます。本部の説明を表にまとめます[1]。
| 段階 | 本部の呼び名 | 何をするか | 本部の言葉から |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | Willful Practice(意志をもった練習) | 基本のポーズ、呼吸の技法、体の並び(アライメント)の原則を学ぶ | 規律、集中、努力を重んじ、筋力・柔軟性・持久力を育てる |
| 第2段階 | Sustaining & Deepening(保ち、深める) | 重心を外側の形から内側の体験へ移し、ポーズを保ちながら自分を判断せずに観察する | チッタとプラーナが一緒に強まり、器が生き生きとした感じで満たされる |
| 第3段階 | Meditation in Motion(動く瞑想) | 体に本来そなわる知恵に身を委ね、動きと呼吸が自然に湧くのに任せる | 意識的な努力ではなくプラーナの知恵に導かれる。「恵みの状態」と表されることが多い |
第1段階は、どのヨガにもある入口です。ポーズの形を覚え、呼吸と動きを合わせ、体の並びを整える。ここでは努力が主役です。第2段階で向きが変わります。同じポーズを長めに保ちながら、太ももの震え、呼吸の浅さ、早く終わってほしいという気持ちといった、その場で起きていることを、良い悪いをつけずに眺める。ポーズは目的ではなく、観察のための場所になります。第3段階では、決められた形を手放し、体の内から湧く動きに任せます。本部はこれを、練習が内なる自分のそのままの表れになる状態だと説明しています[1]。
3つの段階は、一度上がったら戻らない階段ではありません。同じ一回のクラスの中でも、形を確かめる時間と、内側を見つめる時間が行き来します。指導者養成の現場で教えられる手順に「BRFWA」があります。Breathe(呼吸する)、Relax(ゆるめる)、Feel(感じる)、Watch(見つめる)、Allow(許す)の頭文字で、クリパルヨガの指導者養成でこれを学んだ書き手は、「力を抜いて」「呼吸を送って」といった抽象的な声かけを、実際にできる手順に変えてくれるものだと書いています[8]。痛みや緊張のような扱いにくい感覚が出てきたとき、まず呼吸し、ゆるめ、感じ、見つめ、それがそこにあることを許す。5つの動詞の順番そのものが、第2段階の練習の縮図です。
本部の指導者養成には「Meditation in Motion」と名づけた講座もあり、本部はそれを「クリパル流のヴィンヤサ(vinyāsa)」と紹介しています[10]。呼吸に合わせてポーズを流れるようにつなぐヴィンヤサの講座に、第3段階と同じ名をつけているわけです。
名の由来──スワミ・クリパルヴァナンダという人
クリパルヨガの名は、一人の行者から来ています。スワミ・クリパルヴァナンダは、1913年1月13日にインド西部のグジャラートで生まれ、バローダ(現ヴァドーダラー)近くのダボイ村で育ちました。本名はハリダス・ジャムナダス・マジュムンダル。1942年に出家して、クリパルヴァナンダの名を受けました[2]。「クリパルヴァナンダ」はしばしば「クリパル」と縮めて呼ばれます[5]。弟子たちは親しみをこめて「バプジ(Bapuji)」と呼びました[1]。
本部の伝える経歴によれば、師はおよそ20年の学びを経た1950年ごろから、毎日6時間の瞑想とプラーナーヤーマ(prāṇāyāma、呼吸法)に加えて、アーサナの修行を始めました。晩年の1981年の記述には、1日10時間の瞑想の日課という言葉も見えます[2]。長い年月、独りで内側を探り続けた人の修行が、のちに大勢が教室で行う練習の原型になった。クリパルヨガの第2段階と第3段階は、この長い独りの時間を、ふつうの人が週に数回の練習で少しずつたどれるように開いたもの、と筆者は見ています。
師が米国に来たのは、弟子が団体を作ってから11年後の1977年です。ペンシルベニア州のサミット・ステーションとサムニータウンにあったクリパルの施設に滞在し、1981年9月27日、体調の悪化のためにインドへ戻りました。同じ年の12月29日、インドで亡くなっています[2]。1977年5月20日に到着した師を迎え、2年をともに過ごした本部の歴史担当者は、師の言葉として「賢者たちは、愛こそがただ一つの道であり、ただ一つの聖典であると説く」を伝えています。師は、身近な人と愛ある関係をつくることを、修行の課題として重んじました[4]。また、魂はプラーナという、呼吸と深く結びついた微細な生命の力を発している、とも教えました[4]。
リチャード・フォールズが書いた師の評伝は、『Dharma Then Moksha(まずダルマ、それからモークシャ)』と題されています[5]。ダルマ(dharma)は人が社会の中で果たす務め、モークシャ(mokṣa)は迷いからの解放を指すサンスクリット語です。山にこもって悟りだけを求めるのではなく、まず目の前の務めと人との関係を果たし、その先に解放がある。身近な人との愛ある関係を修行の課題とした師の教えと、よく響き合う題です。クリパルヨガが、マットの上の練習を日々の暮らしに持ち帰ることを重んじるのも、この順番の感覚とつながっているように見えます。
ここで一つ、はっきりさせておきます。クリパルヨガという様式を米国で形にし、広めたのは、師その人ではなく弟子のアムリット・デサイと、彼の作った団体です[2][3]。師が米国にいたのは晩年の約4年にすぎません。様式は師の名を冠していますが、教室での形は弟子たちの手でつくられました。
ペンシルベニアからマサチューセッツへ──組織の歩み
クリパルヨガの歴史は、一つの組織の歴史でもあります。本部の年表をもとに、主な出来事を並べます[3]。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1966年 | 師の弟子アムリット・デサイが、西洋でヨガの学びを進めるためにペンシルベニア・ヨガ協会を設立[3] |
| 1972年 | ペンシルベニア州サムニータウンに最初のクリパルのアシュラム(āśrama、修行の共同体)を開く。翌1973年に最初の指導者養成[3] |
| 1974年 | アシュラムの名を「クリパル・ヨガ・フェローシップ」に改める[3] |
| 1975年 | 近くのサミット・ステーションの、より大きな施設へ移る[3] |
| 1977〜1981年 | 師スワミ・クリパルが米国に滞在[2] |
| 1983年 | マサチューセッツ州ストックブリッジへ移り、クリパル・センターを設立。アシュラムの居住者がここでともに働く[3] |
| 1991年 | 指導者養成と外部講師の講座を増やし、クリパルヨガ指導者協会を結成[3] |
| 1994年 | デサイが、権力の濫用が明らかになる中で精神的指導者の座を退くよう求められる[3] |
| 1999年 | 宗教的な共同体から、理事会が治める教育団体へ転換[3] |
| 2005年 | アーユルヴェーダ(āyurveda、インドの伝統医学)の学校を設立[3] |
| 2010年 | ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究者と組み、研究所がヨガの心身への影響の研究を始める[3] |
| 2016年 | 統合ヨガ療法の学校を設立[3] |
| 2017年 | 研究所の活動が、職業人向けのストレス耐性の講座「RISE」に引き継がれる[3] |
1983年に移ったストックブリッジの本館「シャドウブルック」には、それ自体の歴史があります。もとは1893年に実業家アンソン・フェルプス・ストークスが建てた、100室の邸宅でした。1922年にイエズス会が買い取って舞踏室を礼拝堂に変え、寝室は150人の司祭の卵のための寮と教室になりました。建物は1956年の火事で焼けて4人が亡くなり、イエズス会は元の場所のすぐそばに建て直しました。テラスには再建を記す1957年の銘板が残っています[6]。本部の年表は、ここを鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが所有した屋敷の跡に建つ、元イエズス会の修道院と紹介しています[3]。富豪の別荘、カトリックの修道院、インドの行者の名を冠したヨガの共同体。一つの場所が、アメリカの精神史の三つの層を重ねているのです。
本部は今、自らを北米で最大のリトリート施設だと紹介し、100エーカーを超える敷地をもつ非営利の教育団体として運営されています[7]。本部の記事によれば、毎年5万人がここを訪れます[9]。指導者養成も続いていて、200時間と300時間のクリパルヨガ指導者養成講座があり、本部は50年を超えてヨガの指導者を育ててきたと書いています[10]。
日本のクリパルヨガ
本部の記事によれば、米国で4年暮らす間にクリパルヨガと師に出会った日本人の男性が、1981年に当時の妻で米国人のクリパルヨガの指導者とともに日本へ戻り、神奈川県小田原市でクラスを始めました。町にはヨガのクラスが一つもなく、妻が教え、夫が通訳したといいます。当時はクリパルヨガとは名乗っていなかったものの、それが日本で最初のクリパルヨガだったと、男性は語っています。この男性は、1991年のデサイの来日に励まされ、1994年にクリパルヨガの指導者養成を修了しました。のちには、リチャード・フォールズの著書『Kripalu Yoga: A Guide to Practice On and Off the Mat』の日本語版も訳しています[11]。日本のクリパルヨガは、40年あまり前の、小さな町の小さなクラスから始まったわけです。
クリパル・センターは今、何をしているのか
今の本部は、ヨガのクラスを開くだけの場所ではありません。年表を追うと、1994年以降、教える中身が少しずつ広がってきたことが分かります。2001年には、ふだんヨガに触れる機会のない人々へヨガを届ける指導者を支える基金を作りました。2005年にはインドの伝統医学アーユルヴェーダの学校、2016年にはヨガを療法として生かすための統合ヨガ療法の学校、2018年には自然の中でマインドフルネスを導く案内人を育てる学校を開いています。年表の2019年の項で本部は、ヨガの指導者や療法士、アーユルヴェーダの実践者、野外の案内人を目指す人、RISEに参加する前線の職業人のために、年に25万ドルの奨学金を出していると書いています[3]。
研究にも手を広げました。2010年、本部の研究所はボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究者と組んで、ヨガが体と心に与える影響の研究を始めました。2017年には、その活動を、警察、教育、医療、福祉の現場で働く人のためのストレス耐性の講座RISEへ引き継いでいます[3]。毎年5万人が訪れる施設を「生きた実験室」として研究に使える、と本部の上級研究顧問は語っています[9]。かつて一人のグルを囲んで暮らした共同体が、半世紀をかけて、学校と研究所と奨学金をもつ教育団体になった。クリパルヨガを知ることは、この組織の変わり方を知ることでもあります。
1994年に何が起きたのか──グルのいない伝統へ
クリパルヨガの歩みには、避けて通れない年があります。1994年、本部の年表の言葉を借りれば、デサイは「権力の濫用が明らかになる中で」精神的指導者の座を退くよう求められました[3]。創設者を失った団体は、そこで解散しませんでした。本部は、もとの教えの確かさが、この団体に「グルを中心とするアシュラムから、世俗のリトリート施設へ」の移行を乗り越えさせたと書いています。そして1999年、宗教的な共同体から、理事会が治める教育団体へ姿を変えました[3]。
グルを外しても、様式が残った。これがクリパルヨガのいちばんの特徴かもしれません。名前は創設者のものではなく、その師のものでした。練習の中心にあるのは、創設者の命令ではなく、自分の内側を判断せずに見つめるという方法でした。方法は、それを教えた人がいなくなっても、練習する人の中に残ります。
同じように、米国でインド出身の指導者の名とともに広まったビクラムヨガは、創始者が2016年に元法律顧問への賠償を命じられ[20]、2017年には彼の名を冠した会社などについて連邦破産法11章の手続きが申し立てられました[19]。ビクラムヨガは創始者自身の名を冠し、創始者の定めた台詞(ダイアログ)に沿って進むクラスを特徴としてきた様式です[21]。二つの道の違いを、すべて様式の性格に帰すことはできません。それでも、人の名ではなく方法に重心を置いた伝統の方が、人が倒れたときに持ちこたえやすい。二つの歴史を並べると、そう見えてきます。
ほかの様式とどう違うのか
同じ米国育ちのビクラムヨガと並べると、クリパルヨガの性格がはっきりします。
| 項目 | クリパルヨガ | ビクラムヨガ |
|---|---|---|
| 名の由来 | 創設者の師スワミ・クリパルの名(「慈悲」の意)[2] | 創始者ビクラム・チョードリー自身の名 |
| 始まり | 1966年、ペンシルベニア州[3] | 1970年代、カリフォルニア州[21] |
| ポーズの順番 | 決まった順番は掲げない。3つの段階で深める[1] | 26のポーズと2つの呼吸法で固定[18] |
| 部屋の条件 | 本部の解説に温度の決まりは出てこない[1] | 105°F(約40.6℃)・湿度40%・90分[18] |
| 重んじるもの | 内側の観察(目撃する意識)と思いやり[1] | 同じ型をくり返す再現性 |
| 創設者のその後 | 1994年に退任、1999年に教育団体へ[3] | 2016年に賠償の評決、2017年に彼の名を冠した会社などの破産法の手続き[20][19] |
ビクラムヨガが、どこでも同じ90分を再現することに価値を置くのに対し、クリパルヨガは、同じポーズでも人によって、日によって中で起きることが違うという前提に立っています。前者は外側の物差しをそろえ、後者は内側の物差しを育てる。どちらが優れているかではなく、何を確かめたいかで選ぶ様式です。
ほかのヨガとの違いも、段階の考え方に表れます。ポーズの形を整えることを目標に置く練習と比べると、クリパルヨガでは、形を整える第1段階はあくまで入口で、そこから先は形が観察の場所に変わり、最後には形そのものを手放します。ポーズや呼吸法という道具はほかのヨガと同じでも、その道具を何のために使うのかが違うのです。
研究で分かっていること
まず、ヨガ全体について公的機関が言っていることを確かめておきます。米国立衛生研究所の国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、ヨガは正しく行えば健康な人にとって一般に安全な運動だとしています。そのうえで、腰痛には多くの研究があり、わずかな効果が示されていること、健康な成人を対象にした研究のまとめではストレスの感じ方によい影響が見られたことを挙げます。うつ病については治療に加えるものとして役立ちうるとし、不安については、症状には役立つかもしれないが、不安障害の人への効果の根拠は乏しいと書いています。そして、研究で使われるヨガの種類の違いが、結果に影響しうるとも書いています[17]。クリパルヨガだけを対象にした研究は、この中のごく一部です。
クリパルヨガを名指しした研究には、本部の研究責任者らが加わったものが多くあります[9]。主なものを、規模と比べた相手つきで並べます。
| 研究 | 対象と方法 | 結果 | 強さ |
|---|---|---|---|
| 若い職業音楽家(2009年)[12] | 2か月のヨガと瞑想の講座に自ら参加した若い職業音楽家。生活指導つきヨガ15人とヨガと瞑想のみ15人に無作為に分け、別に集めた練習なし15人と比べた。週3回のクリパルヨガか瞑想 | ヨガの2組で演奏不安が減る傾向、全般的な不安・緊張、落ち込み、怒りが有意に減少。演奏による体の不調、ストレス、睡眠は変わらず | 小規模。対照の組は無作為ではない |
| 米国の高校の体育(2012年)[13] | 11〜12年生51人を、クラスごとにクリパル式ヨガの組と通常の体育の組に2対1で無作為に分けた。週2〜3回、10週間 | 気分の乱れの合計はヨガの組で改善し体育の組で悪化。緊張・不安と否定的な気分も同様。二次的な指標は有意差なし | 小規模で組の人数が不ぞろい。著者自身が因果は言えないとする |
| 警察学校の訓練生(2013年)[14] | 訓練生42人が6回のクリパルヨガを受け、前後を比べた | ストレスの感じ方と気分が改善し、緊張と疲れが減少。マインドフルネスは変化なし | 比べる組がない予備研究 |
| 前線で働く職業人の滞在型講座RISE(2018年)[15] | 教育・医療・福祉・矯正の職業人が本部での滞在型の講座を受け、前後と2か月後を比べた | マインドフルネス、ストレス、回復力、気分、睡眠の質が改善(55人)。2か月後も続いた(40人) | 比べる組がない予備研究 |
表の数字の後ろにある細部も、読む価値があります。音楽家の研究では、生活指導まで含む濃い講座の組と、ヨガと瞑想だけの組で、結果がよく似ていました。そこから研究者は、改善をもたらしたのは話し合いなどの付け足しではなく、ヨガと瞑想の技法そのものだった可能性があると考えました[12]。高校の研究では、通常の体育の組の生徒たちの気分の指標が学期の間に下がっていったのに対し、ヨガの組は保つか上向きました。出席はほどほどだったものの、生徒たちはヨガの授業をかなり高く評価しています[13]。RISEの研究では、講座の後に運動と果物・野菜をとる量が増え、運動以外は2か月後も続いていました[15]。警察学校の研究でも、終了時のアンケートで一部の訓練生がヨガの役立ちを感じたと答えています[14]。
本部の記事は、RISEの最近の研究で、受講者のストレスの感じ方が32%下がり、マインドフルネスが13%、自分で状況を動かせるという感覚が10%上がったと紹介しています[9]。RISEはこれまでに120を超える組織で行われ、2,000人を超える人が受けたとも書いています[9]。いずれも受講者自身が答える質問票の結果で、比べる組がない研究です。
読み方の注意を三つ添えます。第一に、どの研究も数十人規模で、無作為に分けたものは一部です。第二に、多くは本部の関係者が加わった研究で、外部の独立した研究ではありません。第三に、測っているのは気分やストレスの自己評価が中心で、病気が治るかどうかを調べたものではありません。学校でのヨガの研究全体をまとめた2016年の総説も、見つかった47本の論文のうち米国が30本、インドが15本で、多くは予備的で規模が小さく(参加者の中央値は74人)、研究の設計が弱いと指摘しています[16]。NCCIHは、米国のヨガの研究の参加者が、女性で、白人で、高い教育を受け、収入の多い人に偏りがちだとも書いています[17]。日本で暮らす私たちにそのまま当てはまるかどうかも、まだ分かっていません。今の段階で言えるのは、クリパルヨガが気分やストレスの感じ方によい変化をもたらすかもしれないという手がかりがあり、それを確かめるもっと大きな研究が待たれている、というところまでです。研究がまだ少ないことは、効果がないことの証明ではありません。けれど、効果が確かめられたことの証明でもありません。
どんな人に向くのか
ここからは、本部の説明と様式の特徴から考えた筆者の見立てです。クリパルヨガが合いやすいのは、まず、ヨガを始めたいけれど体の硬さや年齢に自信がない人です。本部は、どんな体にも人生のどの時期にも合わせられる練習だとしています[1]。形の完成度を競わない様式なので、できない自分を責めずに始めやすいはずです。
次に、ポーズの中で自分の内側に注意を向ける練習をしたい人です。忙しい日々の中で、呼吸の浅さや肩のこわばりに気づかないまま過ごしている人にとって、第2段階の「判断せずに見つめる」練習は、運動というより注意の訓練に近いものになります。ヨガを、体を動かす時間であると同時に、自分の状態を確かめる時間にしたい人に向いています。
もう一つ、ヨガの時間の外にも練習を持ち出したい人です。BRFWAを紹介した書き手は、気持ちが張りつめたときにこの5つの動詞を思い出すと、不安が一段から三段ほど下がるのを助けてくれると書いています[8]。一人の書き手の体験であって研究の結果ではありませんが、呼吸する、ゆるめる、感じる、見つめる、許すという手順は、マットの上でなくても、満員電車の中でも、眠れない夜の布団の中でも試せます。クリパルヨガの入門書の一つが『Kripalu Yoga: A Guide to Practice On and Off the Mat(マットの上でも外でも行う練習の手引き)』と題されているのも[11]、この持ち運びやすさを指しているのでしょう。
逆に、たくさん汗をかいて追い込みたい人、毎回はっきりした運動量の目安が欲しい人には、物足りなく感じられる場面があるかもしれません。もっとも、第1段階には筋力・柔軟性・持久力を育てる努力の練習も含まれていて[1]、穏やかさだけの様式ではありません。
心の不調を抱えている人は、慎重に考えてください。NCCIHは、ヨガをうつ病の治療に加えるものとして挙げていますが、治療の代わりとはしていません[17]。内側の感覚を見つめる練習は、つらい記憶や強い感情を呼び起こすこともありえます。治療中の人は、始める前に主治医に相談し、自己判断で治療を変えないでください。
はじめて試すときに
持病のある方、けがをしている方、薬を飲んでいる方は、始める前に医師に相談してください。妊娠中の方について、NCCIHは、多くの妊婦にとって体を動かすことは安全で有益だとしつつ、先に医療者の評価を受けること、ヨガを含む活動を調整する必要が出る場合があること、長くじっとしていたり仰向けになったりするポーズは避ける必要があることを挙げています[17]。
ヨガで多いけがは、捻挫や筋を痛める程度のものだとNCCIHは書いています。また、指導者のいないところで独りでヨガを覚えることは、けがの危険が高まることと結びついているとも指摘しています[17]。クリパルヨガの第3段階のように、決まった形を手放して体の内から湧く動きに任せる練習は、とくに経験のある指導者のもとで行う方が安心です。痛みが出たら、それを観察の対象にするのではなく、まず止めること。思いやりの様式は、無理をしないことを最初の思いやりに数えます。
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よくある質問
クリパルヨガとはどんなヨガですか?
クリパルヨガは、ポーズ・呼吸法・瞑想を使い、ポーズの中で起きている感覚を判断せずに見つめることと、自分と他者への思いやりを重んじるヨガです。インドの行者スワミ・クリパルヴァナンダの教えをもとに、弟子のアムリット・デサイが米国で広め、マサチューセッツ州のクリパル・センターが受け継いでいます。
「クリパル」とはどういう意味ですか?
「慈悲」「慈悲深い者」という意味です。師スワミ・クリパルヴァナンダの名から取られ、クリパル・センターはこの名を「compassion(慈悲・思いやり)」と説明しています。
クリパルヨガの3つの段階とは何ですか?
形と呼吸と体の並びを学ぶ第1段階(意志をもった練習)、ポーズを保ちながら内側の体験を判断せずに観察する第2段階(保ち、深める)、体の内から湧く動きと呼吸に任せる第3段階(動く瞑想)の3つです。
クリパルヨガは初心者や体の硬い人でもできますか?
クリパル・センターは、どんな体にも人生のどの時期にも合わせられる練習だと説明しています。形の完成度を競わない様式なので始めやすい一方、持病やけがのある方は事前に医師に相談してください。
クリパルヨガに効果はありますか?
気分やストレスの感じ方が改善したという報告はありますが、42〜55人ほどの小さな研究が中心で、無作為に比べたものは一部です。病気が治ると確かめた研究はなく、効果を確かめるより大きな研究が待たれています。
クリパルヨガとビクラムヨガの違いは何ですか?
ビクラムヨガは約40℃・湿度40%の部屋で決まった26のポーズと2つの呼吸法を90分で行う様式で、クリパルヨガは決まった順番や部屋の温度を掲げず、3つの段階で内側の観察を深める様式です。
クリパル・センターはどこにありますか?
米国マサチューセッツ州ストックブリッジにあります。1983年にペンシルベニア州から移り、元イエズス会の修道院だった建物「シャドウブルック」を本館にしています。
出典
- Kripalu Center for Yoga & Health(Sam Chase)「What Is Kripalu Yoga? A Guide to Its Philosophy, Stages, and Benefits」(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/what-kripalu-yoga-guide-its-philosophy-stages-and-benefits
- Kripalu Center for Yoga & Health「The Life of Swami Kripalu」(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/life-swami-kripalu
- Kripalu Center for Yoga & Health「Moments That Made Us: A Kripalu Timeline」(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/moments-made-us-kripalu-timeline
- Vandita Kate Marchesiello「Teachings of Swami Kripalu」Kripalu Center(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/teachings-swami-kripalu
- Richard Faulds『Dharma Then Moksha: The Untold Story of Swami Kripalu』の抜粋「The Wandering Swami」Kripalu Center(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/wandering-swami-excerpt-new-history-swami-kripalu
- Lara Tupper「Stories from Shadowbrook’s Past」Kripalu Center(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/stories-shadowbrooks-past-tracing-imprints-remain
- Kripalu Center for Yoga & Health「About Kripalu」(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/about-kripalu
- Valerie Reiss「The BRFWA Prescription」Kripalu Center(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/brfwa-prescription
- Kripalu Center for Yoga & Health「A Living Laboratory for Yoga Research」(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/living-laboratory-yoga-research
- Kripalu School of Yoga(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/schools/school-of-yoga
- Kripalu Center for Yoga & Health「Outside Our Walls: Kripalu Yoga in Japan」(2026年10月閲覧) https://kripalu.org/living-kripalu/outside-our-walls-kripalu-yoga-japan
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- Trent NL, Miraglia M, Dusek JA, Pasalis E, Khalsa SBS「Improvements in Psychological Health Following a Residential Yoga-Based Program for Frontline Professionals」Journal of Occupational and Environmental Medicine(2018) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29111989/
- Khalsa SB, Butzer B「Yoga in school settings: a research review」Annals of the New York Academy of Sciences(2016) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26919395/
- National Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH)「Yoga: What You Need To Know」(2026年10月現在は “Yoga: Effectiveness and Safety”(2023年8月更新)の頁へ転送) https://www.nccih.nih.gov/health/yoga-what-you-need-to-know
- Bikram Yoga 公式サイト(2026年10月閲覧) https://www.bikramyoga.com/
- United States Bankruptcy Court, Central District of California「Court News」2018年5・6月号 https://www.cacb.uscourts.gov/sites/cacb/files/documents/publications/Court%20News%20May-June%202018.pdf
- AP通信(Amanda Lee Myers)「Bikram Yoga Founder Ordered to Pay $6.5M in Punitive Damages for Harassment」Claims Journal(2016年1月28日) https://amp.claimsjournal.com/news/west/2016/01/28/268446.htm
- 米国第9巡回区控訴裁判所「Bikram’s Yoga College of India, L.P. 対 相手方」判決 803 F.3d 1032(2015年10月8日) https://caselaw.findlaw.com/us-9th-circuit/1715117.html
この記事の情報は2026年10月時点のものです。
以前の解説(旧版・根拠を確かめていない記述を含みます。いまの説明は上の本文です)
クリパルヨガ (Kripalu Yoga) について
1. クリパルヨガの背景と成立
クリパルヨガ (Kripalu Yoga) は、インド系アメリカ人のヨギ スワミ・クリパルヴァーナンダ (Swami Kripalvananda, 1913-1981) の教えをもとに、アミルト・デサイ (Amrit Desai) をはじめとする弟子たちがアメリカで発展させたヨガの一派です。スワミ・クリパルヴァーナンダは、若い頃に厳格なヨガ修行や瞑想、宗教的苦行を積んだ後、アメリカへ渡ってヨガを普及する活動を展開しました。そのスピリチュアルな教えは「思いやり (compassion) と自己探求」を重視し、後年、アミルト・デサイがその理念を「クリパルヨガ」という形で一般の人々に伝えやすく体系化したとされています。
「クリパル (Kripalu)」という名称は、サンスクリット語で「慈悲深い」や「憐れみ深い」という意味もあり、実践を通じて自分自身や他者に対する慈悲、内的気づきを育むことが大きなテーマとなっています。現在では、マサチューセッツ州にある「クリパルセンター (Kripalu Center for Yoga & Health)」が本拠地となり、世界各地から多くの人がヨガリトリートやトレーニングプログラムに参加しています。
2. クリパルヨガの理念と特徴
2-1. 「身体・心・精神を尊重し、ありのままの自分を受容する」アプローチ
クリパルヨガは、伝統的なハタヨガをベースにしつつ、身体的な健康だけでなく、心理的・霊的な成長を包括的に目指すスタイルです。激しい競争や自己批判に陥りやすい現代人に対し、「自分の身体をやさしく見つめ、今の状態を受け入れながらポーズを探求する」ことを強調します。無理をして難易度の高いポーズを取るのではなく、身体が自然に開くのを待ち、内なる声を尊重するという精神性がベースにあります。
2-2. 3つの段階(ステージ)を踏む実践
多くのクリパルヨガの指導者は、アミルト・デサイが提唱した**3つの段階(ステージ)**を基にクラスを構成することがあります。これは、参加者の内面の進展に合わせてヨガを深めるガイドラインと言えます。
ステージ1: 意識的呼吸と身体の動きを学ぶ
まずは、アーサナ(ポーズ)を呼吸と連動させながら安全に学び、身体感覚を高める段階。無理なく基本のポーズを習得し、痛みや不快感がある場合はすぐに緩和バリエーションを取り入れる。ここでは「身体に耳を傾け、呼吸をしっかり感じる」ことが中心テーマ。ステージ2: 意識的ホールドと内観の深まり
一つひとつのポーズを少し長めにキープし、身体が発するサイン—筋肉の緊張や心の抵抗—をより明確に見つめる。呼吸を通じて徐々に緊張を解放しながら、心の奥にある感情やパターンに気づいていく。ポーズを保持する時間が増すため、身体的にも心理的にも深い探求が可能になる。ステージ3: 自発的な動きと自由な表現
呼吸と身体が一体化し、意識を向けることで自然に身体が動いていく感覚を味わう。いわゆる「プラーナ(生命エネルギー)」が身体を導くような感覚や、自由な動きが出てくることを認め、さらに自己表現や浄化の体験を深める。この段階では、踊るような動きや微妙な身体の揺れなどが自然発生しやすいとされる。
2-3. カウンセリング的・心理的アプローチ
クリパルヨガは、身体と心を切り離さず、「ポーズ中に湧き上がる感情や思考を観察し、受けとめる」ことを重要視します。レッスン内でインストラクターが参加者に対して「いま身体はどんな感じですか?」「この不快感はどこからきますか?」と問いかける場面や、セラピー的な要素を取り入れたワークを行うことも珍しくありません。こうしたスタイルは、トラウマリリースや自己肯定感の回復など、メンタルヘルス面での効果も期待される一因となっています。
3. クリパルヨガのクラス構成
クリパルヨガのクラスは、長さやインストラクターの方針にもよりますが、以下のような流れが一般的です。
オープニング / センタリング
静かな座り方や仰向けの姿勢で呼吸を整え、身体感覚に意識を向ける。「今日の自分はどんな状態か?」を観察し、無理なく始められるよう心と身体を調整する。ウォーミングアップと呼吸法
やさしいストレッチや太陽礼拝(スローフローの場合が多い)を行い、筋肉や関節を温める。呼吸法(プラーナーヤーマ)としてカパーラバーティやナーディ・ショーダナなどを短時間組み込むこともある。アーサナ(ポーズ)プラクティス
ステージ1: 基本のポーズを学びつつ、痛みや強い抵抗感がないかをチェック。呼吸との連動や正しい骨格配置を確認する。
ステージ2: ポーズのホールドを少し長めにし、身体が訴える微妙なサインを丁寧に観察。必要に応じてプロップスやバリエーションを使い、心地よさと挑戦のバランスを取る。
ステージ3(指導者によっては触れない場合もある): 参加者が十分に身体・心・呼吸の調和を感じられるようになったら、自然な動きが出てくるのを歓迎する。フロー的に自由な動作が展開されることもあれば、瞑想的な静けさの中に微妙な揺れを感じるだけの場合もある。
クールダウンとシャヴァーサナ
ゆったりとした座位や前屈、ねじりなどで身体を落ち着かせ、最後にシャヴァーサナ(屍のポーズ)で深いリラクゼーションを味わう。ここでは精神的な解放感や安心感を促す声かけが行われることが多い。クロージング / シェアリング(場合によって)
インストラクターが簡単にまとめをし、「今日どんな気づきがあったか」「いま心と身体はどう感じるか」といった問いかけをする場合がある。参加者同士で短いシェアリングを行うスタイルのクラスもあり、心理面でのサポートを大切にする雰囲気が感じられる。
4. クリパルヨガの効果とメリット
4-1. 身体面:柔軟性・バランス・筋力アップ
あくまでハタヨガがベースなので、筋力や柔軟性を高める効果は得られる。呼吸とポーズを連動させる基本を大切にしながら、段階的にコアや下半身を強化したり、肩や背中を開いたりするシークエンスが取り入れられる。
4-2. 心理的効果:ストレス解消・トラウマヒーリング
自己探求や自己受容を深めるプロセスが強調されるため、ストレス解消やトラウマの緩和、心の安定など心理的恩恵が大きいと言われる。ステージ2やステージ3の実践中には、感情が揺れたり涙が出たりするケースも珍しくないが、インストラクターのサポート下でそれを肯定的に受け止める雰囲気がある。
4-3. 自己肯定感・セルフコンパッションの向上
クリパルヨガのメソッドを通じて「今の自分のままでよい」というメッセージを受け取りやすく、過度な完璧主義や自己否定感が和らぐ。身体を通じて自己受容を実感することで、日常生活でもセルフコンパッション(自分に対して思いやりを持つ態度)が育ちやすい。
4-4. 初心者や中高年にもやさしい
力づくでポーズを深めるのではなく、段階的に身体と心を探究するスタイルのため、ヨガが初めての方や、年齢・体力に自信がない人でも入りやすい。また、激しい動きよりもマイルドな動きや静止時間が中心となるため、無理なく継続できるという利点がある。
5. クリパルヨガの注意点
大きな運動量や派手なポーズを求める人には向かない
アシュタンガやパワーヨガのような汗をかく運動量・フィットネス効果を重視する人には、クリパルヨガの穏やかな性格は物足りなく感じるかもしれない。感情面でのサポートが必要な場合も
トラウマや強いストレスを抱えている方は、ポーズ中に感情が大きく揺れることがある。クリパルヨガは心理的ケアに配慮したアプローチではあるものの、必要に応じて専門のセラピストや医師と連携するほうが安心な場合も。インストラクターの経験や指導力に左右される
クリパルヨガは身体的・心理的要素が交錯するため、指導者のスキルや経験、カウンセリング的センスがクラスの質を大きく左右する。クラスを選ぶ際は、公式のクリパルヨガ認定資格を持つ講師を探すと良い。
6. クリパルヨガを学ぶ方法
クリパルセンター (Kripalu Center for Yoga & Health) への参加
マサチューセッツ州にあるクリパルセンターは、クリパルヨガの総本山。リトリートやティーチャートレーニング、ワークショップが定期的に開催されており、世界中から参加者が訪れる。一般ヨガスタジオのクラス
「クリパルヨガ」という名前でクラスを行っているスタジオは、北米を中心にある程度数がある。海外ではオンラインクラスも増えているため、日本からでも時間や言語の面で対応できれば参加可能な場合がある。日本国内でも、クリパルヨガのトレーニングを受けたインストラクターがクラスを開くケースが見られるので、情報を探してみるとよい。オンラインレッスン・動画プラットフォーム
一部のインストラクターはZoomや動画配信を通じてクリパルヨガのレッスンを提供している。現地へ行けない人や忙しい人でも、オンラインで基本的な理論やポーズ構成、ステージの進め方を学ぶことができる。関連書籍・資料
アミルト・デサイやクリパルセンターの指導者による著書、ガイドブックが出版されている。身体的・心理的なアプローチを体系的に学ぶには書籍を合わせて読むと理解が深まりやすい。
7. まとめ
クリパルヨガ (Kripalu Yoga) は、身体的なハタヨガの要素に加え、「自己受容」「感情の解放」「スピリチュアルな成長」を重視する総合的なヨガスタイルです。3つのステージ(段階)を通じて、呼吸と身体と心のつながりを探究し、最終的には自己の内なる声に耳を傾けながら自由に動いたり、感情を解放したりする深い癒やしをもたらすとされています。
特徴
段階的に身体と心を開いていく(ステージ1~3)
ポーズを力任せに行うのではなく、呼吸を鍵に自己探究を深める
心理的サポートやカウンセリング的要素を含むことが多い
「コンパッション(慈悲)」や「セルフアウェアネス(自己認識)」が重要なキーワード
効果
ストレス軽減や感情解放、自己肯定感の向上
無理なく続けられるハタヨガで柔軟性や筋力も維持・向上
瞑想・呼吸法を通じたマインドフルネス効果
心身両面で穏やかに変化を感じやすい
注意点
大きな運動量を求める場合には不向きかもしれない
感情的な動きやシェアリングがある分、心理的に不安定な人は専門家と連携しつつ参加すると安心
指導者の経験や共感力がクラスの質を大きく左右する
もし「ヨガを通じて身体の健康だけでなく、心の声や感情の深い部分もケアしたい」「柔らかいアプローチで自己探究を進めたい」と感じるなら、クリパルヨガはとても魅力的な選択肢となるでしょう。穏やかな呼吸とやさしいポーズの中で、新たな自己発見と感情の解放が起こるかもしれません。人生の変化やトラウマに寄り添う手段として、一度クリパルヨガのクラスを体験してみる価値は大いにあります。
立川で学ぶ「ヨガの思想」
『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(1)
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『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(15)
バガヴァッド・ギーターの教え(ヨガの古典の経典を通してヨガを学ぶ)
バガヴァッド・ギーターの教え(ヨガの古典の経典を通してヨガを学ぶ)(2)
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バガヴァッド・ギーターの教え(ヨガの古典の経典を通してヨガを学ぶ)(8)
お勧めのヨガスタジオ
ヨガを定期的にレッスンしたい方や、豊富なバリエーションからヨガやピラティスだけで無く、ボクササイズやキックボクササイズ、HIITなどのエクササイズをしたい方には、立川駅徒歩1分、イタリア産の天然溶岩石「バサルティーナ」を使用した、立川溶岩ホットヨガスタジオ「オンザショア」をおすすめしたいと思います。バサルティーナは火山石の中で最も美しい色調と流れがある溶岩石で、古代ローマの時代より建築家に愛されてきました。現在も国内外の有名ブランドや、美術館などにも好まれて利用されています。イタリア中部バーニョレッジョで採掘されるバサルティーナについて、また溶岩石の効果についてより詳しくお知りになりたい方はこちらをどうぞ!
| スタジオ名 | イタリア産天然溶岩石を使った溶岩ホットヨガスタジオ「オンザショア」 |
| 住所 | 〒190-0012 東京都立川市曙町2丁目14−10 エトロワビル 3F |
| TEL | 042-595-8039 |
| 事業内容 | 溶岩ホットヨガ、ピラティス、キックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、バトルロープ、総合格闘技、パーソナルトレーニングなど |
| 特徴 | 50種類の豊富なレッスンと早朝から深夜まで開催しているヨガのレッスンなど |
| 対応エリア | 立川、西国分寺、国分寺、国立、昭島、東大和、日野、青梅、あきる野、府中、武蔵村山、福生、羽村、八王子など |
| 定休日 | 年中無休 |
| URL | https://ontheshore.jp/ |
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| 【監修者】 | 宮川涼 |
| プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |






