
頭の働きは、試験によって逆の結果だった
脚の血管で守れるなら、頭はどうか。ここで結果が割れる。
2022年の無作為化クロスオーバー試験は、健康な男性13人に、脂肪と精製された糖の多い西洋型の食事をとってもらい、180分座る間に1分揺らして4分止める条件と、揺らさない条件を比べた[4]。頭の働きのうち実行機能を測る線つなぎの検査で、揺らさない条件では、完了の時間が延び(平均の差5.2秒)、誤りが増え(3.33)、認知の疲れが強まった(0.73)[4]。揺らす条件は、揺らさない条件に比べて完了の時間を縮め(2.3秒)、認知の疲れと誤りの数の悪化も防いだ[4]。
おもしろいのは、脳への血流の目安には変化がなかったことだ[4]。首の動脈の血流も、前頭部の血液の量も変わらず、著者らは頭の働きの改善が脳の血流の変化によるものではないかもしれないと書く[4]。
一方、2019年の試験は逆の結果を出した。健康な若い20人(70%が女性)を、3時間座る間に10分ごとに10回のかかとの上げ下げをする条件と、しない条件を比べた[8]。3時間後、かかとを上げた条件では前頭部の血液の量が低く、色と文字の検査の完了の時間も長かった[8]。差はミリ秒の単位で、文字の課題で1.6ミリ秒、色の課題で1.3ミリ秒で、色の課題は95%信頼区間が−0.2〜2.8と0をまたいでいた[8]。著者らは、かかとの上げ下げは脳の血流と頭の働きをどちらも下げたと結論し、貧乏ゆすりやかかとの上げ下げのような簡単な方法は、脚の血管を守るとされても、脳の血流や頭の働きを助けるには足りないようだと書いた[8]。
2本は、動きの種類(揺らすか、かかとを上げるか)も、参加者の顔ぶれも違い、揺らした試験は西洋型の食事のあとだった[4]。どちらかが間違っているというより、条件が違えば結果も違う段階にある、と読むのがいまの時点で言えることだと私は考える。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
脚は守れても、大動脈と中年の脚は別の話
体の中心の血管も調べられた。2019年のもう1本の試験は、同じく健康な若い20人で、3時間座ると大動脈の硬さの指標(脈の波が伝わる速さ)が毎秒0.30m上がることを示した[9]。10分ごとのかかとの上げ下げをしても、この上昇は防げなかった[9]。著者らは、貧乏ゆすりやかかとの上げ下げのような方法は脚の血管を守るのには足りても、心臓と血管の病気につながる中心の血管の健康を保つには足りないと書く[9]。
年齢と体格の違いも大きい。座る前に45分の脚の自転車こぎをしておくと、3時間座っても膝の裏の動脈の反応は落ちず(3.8%から3.6%)、3時間立っていても落ちなかった(4.1%から4.3%)という若い15人の試験がある[6]。ところが、運動の習慣がなく過体重か肥満の中年の会社員13人(平均38歳)では、4時間座る間を10分の立ち時間4回で区切っても、机の下でペダルを4回10分こいでも、反応の低下は防げなかった(どちらも3.2%から1.9%)[14]。区切らずに座った場合は3.1%から1.6%だった[14]。
この中年の試験は、貧乏ゆすりそのものを試してはいない。それでも、若い人で効いた区切り方が、そのまま中年でも効くとは限らないことを示している。11人の貧乏ゆすりの試験も、若い健康な人のものだった[1]。

座っているより、1分あたり0.2kcal多いだけ
貧乏ゆすりでやせる、という話も聞く。太ももに加速度計をつけ、吐く息でエネルギー消費を測った2026年の研究では、健康な15人(平均35.6歳)の貧乏ゆすりのエネルギー消費は毎分1.69kcalで、座っているときの1.49kcal、立っているときの1.47kcalと有意に違い、ゆっくり歩くときは4.10kcalだった[20]。加速度計による貧乏ゆすりの見分けの正確さは95.0%だった[20]。
差は毎分0.2kcalである。1時間揺らし続けても、引き算では12kcalほどにしかならない。著者らも、座るより少しだけ多いと書き、日常の中での意味は今後の課題としている[20]。
運動以外の日常の動きと体重の関係は、同じサイトの「NEATと座りすぎの科学 運動以外の日常の動きはダイエットをどこまで支えるか」に譲る。
よくある誤解
「貧乏ゆすりは体に悪い」。血管の試験が示したのはむしろ逆の向きで、若い健康な11人では、3時間座ったあとの脚の動脈の反応を保った[1]。周りの人がどう感じるかは、血管の試験とは別の問題である。
「貧乏ゆすりをしていれば、座りっぱなしでも体は守られる」。守られたのは脚の血管と筋肉で[1][3]、大動脈の硬さは別の簡単な動きでは防げず[9]、頭の働きは試験によって逆の結果だった[4][8]。中年の人では立って区切っても脚の反応の低下を防げなかった試験もある[14]。
「貧乏ゆすりでやせる」。座っているより毎分0.2kcal多い程度だった[20]。体重のための方法として読む数字ではない。

今日からできること
- 長く座る日は、1分揺らして4分止めるのを試す。11人の試験も、西洋型の食事のあとの13人の試験も、この間隔だった[1][4]
- 揺らすなら両脚で。片脚だけ揺らした試験では、じっとしていた脚の血流は下がったままだった[1]
- 甘い物を食べたあとに座りっぱなしになる日は、脚を動かす間を作る。肥満のある20人では、2.5分ごとに揺らすと食後の血糖の面積が小さくなった[5]
- 長く座る日の前に、脚を使う運動をしておく。座る前の45分の自転車こぎで、3時間座っても脚の動脈の反応は落ちなかった[6]
- 脚が守れても頭は別と考える。頭の働きは試験で結果が割れている[4][8]
- 落ち着かなさが急に強まり、暮らしに支障が出るなら、医師に相談する[17]
4分に1回の揺れを、オンザショアの1時間へ
1分揺らして4分止める。試験の貧乏ゆすりは、決まった間隔をくり返す動きだった[1]。体を動かす時間も、気が向いたときより、決まった曜日と時刻に置くほうが私は続けやすいと思う。オンザショア立川店は、その時刻を週に1〜2回の決まった枠として置ける場所である。
レッスンの開始は曜日で違う。平日の朝いちばんは月曜から木曜が10時、金曜が13時で、8時の回は土曜と日曜だけ。夜の遅い回は水曜と金曜の21時に始まり、店は8:00〜23:30の営業である。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガ、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上ある。場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。
体験レッスン(ヨガ)は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない(体験の予約・料金・店のトップ)。
参考文献
[1] Prolonged sitting-induced leg endothelial dysfunction is prevented by fidgeting — Morishima T, Restaino RM, Walsh LK, Kanaley JA, Fadel PJ, Padilla J., 2016, American journal of physiology. Heart and circulatory physiology. DOI: 10.1152/ajpheart.00297.2016
[2] Everyday attention and lecture retention: the effects of time, fidgeting, and mind wandering — Farley J, Risko EF, Kingstone A., 2013, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2013.00619
[3] Leg fidgeting alleviates reduced oxygen extraction in the gastrocnemius muscle caused by prolonged sitting: a randomized crossover trial — Tamiya H, Hotta K, Hoshiai M, Kurosawa Y, Hamaoka T, Tsubaki A., 2025, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-024-05613-0
[4] Leg Fidgeting Improves Executive Function following Prolonged Sitting with a Typical Western Meal: A Randomized, Controlled Cross-Over Trial — Fryer S, Paterson C, Stoner L, Brown MA, Faulkner J, Turner LA, Aguirre-Betolaza, 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph19031357
[5] Leg Fidgeting During Prolonged Sitting Improves Postprandial Glycemic Control in People with Obesity — Pettit-Mee RJ, Ready ST, Padilla J, Kanaley JA., 2021, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.23173
[6] Prior exercise and standing as strategies to circumvent sitting-induced leg endothelial dysfunction — Morishima T, Restaino RM, Walsh LK, Kanaley JA, Padilla J., 2017, Clinical science (London, England : 1979). DOI: 10.1042/cs20170031
[8] Effects of acute prolonged sitting on cerebral perfusion and executive function in young adults: A randomized cross-over trial — Stoner L, Willey Q, Evans WS, Burnet K, Credeur DP, Fryer S, Hanson ED., 2019, Psychophysiology. DOI: 10.1111/psyp.13457
[9] Local exercise does not prevent the aortic stiffening response to acute prolonged sitting: a randomized crossover trial — Evans WS, Stoner L, Willey Q, Kelsch E, Credeur DP, Hanson ED., 2019, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00318.2019
[12] Twitches, Blinks, and Fidgets: Important Generators of Ongoing Neural Activity — Drew PJ, Winder AT, Zhang Q., 2019, The Neuroscientist : a review journal bringing neurobiology, neurology and psychiatry. DOI: 10.1177/1073858418805427
[14] Workplace Strategies to Prevent Sitting-induced Endothelial Dysfunction — Kruse NT, Hughes WE, Benzo RM, Carr LJ, Casey DP., 2018, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000001484
[17] Meditation therapy for anxiety disorders — Krisanaprakornkit T, Krisanaprakornkit W, Piyavhatkul N, Laopaiboon M., 2006, The Cochrane database of systematic reviews. DOI: 10.1002/14651858.cd004998.pub2
[20] Evaluation of a thigh-worn accelerometer for detecting leg fidgeting and estimating its energetic cost via indirect calorimetry — Narayanan A, Wood M, Duncan S, Stewart T., 2026, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-025-33921-8
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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