
チョコを色で仕分ける想像のほうが、食べる想像より欲しくさせた
色が出てくる実験で、いちばん意外な結果はこれかもしれない。平均23.65歳の女性86人を3つの想像の条件に無作為に分け、耳で聞く台本に沿って想像してもらった[19]。色とりどりのボタン形のチョコレート30粒を食べる想像、同じチョコ30粒を色ごとに仕分ける想像、ビー玉30個を色ごとに仕分ける想像である[19]。
そのあとでチョコとビー玉の画像を見せ、脳波と、食べたい気持ちの強さを記録した[19]。食べる想像は、チョコの画像の「食べたさ」を下げなかった[19]。チョコを仕分ける想像をした群は、ほかの2つの群より食べたい気持ちが強く、チョコの画像が出てから300〜600ミリ秒あとの脳波の反応も大きかった[19]。
著者らの結論は、食べ物を手で扱う想像は、食べ物の手がかりへの反応を強める、そして食べる想像は食欲を減らす確かな方法ではない、というものだ[19]。
ここで色の役を取り違えないでおきたい。色ごとに仕分ける作業は、チョコの群にもビー玉の群にも共通していた[19]。違ったのは、仕分けた物が食べ物かどうかである。この実験は、色そのものが食欲を上げたと示したものではない。食べ物の粒をつまんで分ける場面を思い描くこと、それ自体が食べたさを育てたらしい。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
食感や味と並んで、色が偏食に関わる子どもたち
色は、食べる量を増やす方向にだけ働くわけではない。自閉スペクトラム症の子どもの偏食を調べた2026年の叙述的な総説は、503本の抄録を選別して24本の研究を含めた[12]。
偏食の割合は研究によって21%から77%まで開き、多くは食感、味、色への感じやすさに関わっていた[12]。感覚の過敏さと、行動の切り替えにくさが一貫した予測因子で、親の食べさせ方やお腹の症状も影響していた[12]。結果として、ビタミンD、カルシウム、食物繊維の不足、主な栄養素の偏り、そして低栄養と過体重の両方が報告された[12]。家族は、ストレスの増加や食卓での衝突を訴えていた[12]。
治療の研究はまだ薄い。行動への介入で改善を示したのは1本だけで、それも短期の改善で、食べる物の幅が長く広がったわけではなかった[12]。
この総説の対象は自閉スペクトラム症の子どもで、ほかの子どもの好き嫌いにそのまま当てはめる結果ではない。偏食がどの程度なら心配なのかを判断するのは医師の仕事で、この記事の仕事ではない。

偽薬は、色まで本物に似せてある
色が人の受け止め方を変えうることを、研究者は実験の作り方で示している。抑うつの症状がある多発性硬化症の患者50人で、ポリフェノールの一種のサプリメントを12週間試した三重盲検の試験では、試すサプリメントを、偽薬と形も色も匂いも同じにした[13]。見た目で区別がつかないようにするためである。食欲の研究ではないが、私はこれを、研究者が色を中立なものとして扱っていない一例として読む。
逆に、食べ物の色のもとになる成分の話は、見た目の話とは別の道を通る。2021年の総説は、ポリフェノールはおもに食べ物の色や味と結びつけて語られてきたが、その一種のフラボノイドが、コレステロールの合成、食欲と食べる量、血圧、血小板の働きなどを調節するものとして注目されつつあると整理した[20]。同じ総説は、細胞を使った今の実験の組み方に伴う注意点と課題も論じている[20]。
目で見た赤が食欲を動かすかという問いと、食べ物の色のもとになる成分が体の中で何をするかという問いは、言葉が似ていても別物である。前者は皿の試験で、後者は成分の研究で、混ぜて語ると両方を読み違える。
論文の「プレート」は、皿とは限らない
色と皿で論文を探すと、食卓から遠い研究がたくさん出てくる。笑える例を挙げておく。金の微粒子が、狙ったDNAの断片と結びつくと赤からピンクがかった紫へ色を変え、乾かしたプレートの上では青く見える、というDNAを見分ける方法の研究[1]。細胞が色素を変えた度合いを、穴のたくさん並んだプレートを読む機械で測り、細胞が生きているかを調べる方法の総説[3]。爪の異常の総説では、色の変化は爪の板(爪甲)にも、その下の皮膚にも現れるとされる[7]。どれも色が変わり、どれもプレートが出てくるが、誰も食べていない。

よくある誤解
「赤は食欲をそそる色だから、赤い皿だと食べ過ぎる」。皿の色の試験では、黒の皿でも同じように増え、赤と黒に差はなかった[15]。差が出たのは白に比べてで、赤だけの特別な働きは示されていない。
「青い食器にすれば食欲が落ちる」。青について言えるのは、水の青や木々の緑を思わせる刺激が、味の感じ方や好ましさ、選び方に影響しうるという総説の整理までである[8]。青い皿で食べる量が何kcal減るという数字ではない。
「色で満腹感がごまかされる」。54人の試験で動いたのは食べた量で、満腹の感じ方の数字は皿の間で有意な差がなかった[15]。色が満腹感をだましたというより、満腹感とは別に量が動いた、と読むほうが試験の数字に近い。
今日からできること
- 食べた量を日ごとに比べたいなら、皿の色をそろえる。54人の試験では、皿の色だけで昼食に150kcal前後の差が出た[15]
- 皿を変えた日は、「お腹の満ち方」と「よそった量」を別々にメモする。試験では、満腹の感じ方と食べた量が別々に動いた[15]
- 食卓から見える所に、窓の外の緑や、水辺や森の写真を置いてみる。自然を思わせる色が味の感じ方や選び方に影響しうるという整理がある。証拠の一部はまだ試みの段階である[8]
- 色分けの表示は「何を選ぶか」の手がかりとして使う。全粒の表示の実験では、全粒がいちばん多い品を選ぶ割合が1.33〜1.77倍になった[4]
- 食べたい物を想像で打ち消そうとしない。食べる想像は欲しさを下げず、食べ物を仕分ける想像は欲しさを上げた[19]
- 子どもが色を理由に食べない状態が続き、体重や体調が気になるなら、医師に相談する[12]
皿の次のプレートは、オンザショアの床にある
皿の話から、もう一つのプレートの話へ移る。オンザショア立川店のホットヨガは、溶岩プレートを敷いたスタジオで行う。皿の試験が見せたのは、満腹の感じ方に有意な差が出ないまま、周りの条件で行動が動く一例だった[15]。運動も、気分を待つより先に、通う曜日と時間という条件を決めておく手がある、と私は考えている。当店は、その条件を週に1〜2回の決まった時間として置ける場所である。
初めてなら体験レッスン(ヨガ)が税込1,980円で、60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く(体験の予約)。溶岩ホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。店は8:00〜23:30の年中無休で、レッスンの開始は曜日で違う。8時の回は土曜と日曜、平日の朝いちばんは月曜から木曜が10時、金曜が13時、夜の遅い回は水曜と金曜の21時開始である(料金・店のトップ)。
参考文献
[1] Selective colorimetric detection of polynucleotides based on the distance-dependent optical properties of gold nanoparticles — Elghanian R, Storhoff JJ, Mucic RC, Letsinger RL, Mirkin CA., 1997, Science (New York, N.Y.). DOI: 10.1126/science.277.5329.1078
[3] An overview of colorimetric assay methods used to assess survival or proliferation of mammalian cells — Vega-Avila E, Pugsley MK., 2011, Proceedings of the Western Pharmacology Society. DOI: なし
[4] Impact of whole-grain labelling on food choice and perceived healthfulness: A randomised choice experiment — Sengupta A, Trieu K, Beck EJ, Wu JH, Pettigrew S, Barrett EM., 2026, Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases : NMCD. DOI: 10.1016/j.numecd.2025.104406
[7] Nail Abnormalities — Leggit JC., 2025, American family physician. DOI: なし
[8] Assessing the impact of exposure to nature on food perception and choice behaviour — Spence C, Pillay M., 2025, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2025.108213
[9] Nutrition Interventions to Improve the Military Nutrition Environment Positively Impact Service Members — Rittenhouse M, Khurana S., 2025, Journal of nutrition education and behavior. DOI: 10.1016/j.jneb.2024.12.005
[12] Beyond the plate: nutritional gaps and health risks in selective eaters with ASD – a narrative review — Pancheva-Dimitrova R, Braykova R, Toneva A, Ahmed F, Iotova V., 2026, BMC pediatrics. DOI: 10.1186/s12887-026-06977-2
[13] The effects of Ellagic acid supplementation on neurotrophic, inflammation, and oxidative stress factors, and indoleamine 2, 3-dioxygenase gene expression in multiple sclerosis patients with mild to moderate depressive symptoms: A randomized, triple-blind, placebo-controlled trial — Hajiluian G, Karegar SJ, Shidfar F, Aryaeian N, Salehi M, Lotfi T, Farhangnia P,, 2023, Phytomedicine : international journal of phytotherapy and phytopharmacology. DOI: 10.1016/j.phymed.2023.155094
[14] Efficacy of a New Low-Protein Multimedia Diet App for PKU — Evans S, Ashmore C, Daly A, Dhadwar P, Syed A, Lecocq O, Jackson R, Pinto A, Mac, 2022, Nutrients. DOI: 10.3390/nu14112182
[15] Impact of three different plate colours on short-term satiety and energy intake: a randomized controlled trial — Akyol A, Ayaz A, Inan-Eroglu E, Cetin C, Samur G., 2018, Nutrition journal. DOI: 10.1186/s12937-018-0350-1
[19] The effects of imaginary eating on visual food cue reactivity: An event-related potential study — Zorjan S, Schwab D, Schienle A., 2020, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2020.104743
[20] Going “Green” in the Prevention and Management of Atherothrombotic Diseases: The Role of Dietary Polyphenols — Reis A, Rocha S, de Freitas V., 2021, Journal of clinical medicine. DOI: 10.3390/jcm10071490
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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