
発作のデジャヴと、ふだんのデジャヴは別物か
74%と22%を並べると、妙なことになる。デジャヴの経験率が高いのは健康な人のほうで、てんかんの人の発作中のデジャヴは5人に1人強だ[9]。もちろん、ふだんの経験と発作の症状を同じ物差しで比べてよいわけではない。
2024年のメタ分析の著者らの結論はこうだ。発作のないときのデジャヴ、発作の合間のデジャヴ、発作中のデジャヴを同質の体験とする考えは支持されない。性別、年齢、頻度、持続時間、感情の色合い、解離の症状、脳の構造と働きを調べると、いくつかの領域に有意な違いが見られた。そのうえで、発作中のデジャヴをてんかんの症状として、国際疾病分類ICD-11の今後の改訂に含めることを検討すべきだとしている[9]。
体験する本人にも違いが分かることがある。両方を経験した人は、2つをしばしば区別できるという調査がある[14]。
2021年の症例報告は、そこに1人の例を加えた。側頭葉の内側から始まる発作の既往があり、両方のデジャヴを経験してきた人に、若い大人でデジャヴを引き起こすと示されていた仮想ツアーの課題をしてもらう。この人はふつうのデジャヴを報告し、そのとき頭蓋内の脳波に異常は伴わなかった[14]。1人の例なので一般化はできない。
一方で、同じ報告は、頻繁なデジャヴが局所発作と結びつくことも述べている[14]。発作の症状としてのデジャヴには、連れがいることが多い。1994年の報告では、胃のあたりの症状や恐怖を伴うことが多く、そのあと周囲との接触が途切れ、口や食べる動きの自動的な動作が続いた[1]。28歳の男性がデジャヴと失神を繰り返して救急外来を受診し、脳波の異常と同時に心停止が記録された例もある。抗てんかん薬の治療を始めたあと、約2年の経過で失神は再び起きなかった[17]。これも1例の報告である。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
なじみの感覚は、記憶だけから来るのではない
話を日常のデジャヴに戻す。2025年のレビューによれば、なじみの主観的な感覚は、処理の滑らかさの信号を「前に出会ったからだ」と解釈することで生まれる。滑らかさの源は記憶に限らない。レビューは、滑らかさが記憶のせいとは解釈されない場合を論じ、その例の1つにデジャヴを挙げている[13]。
なじみには仕事もある。自分の過去の記憶を扱う2023年のレビューは、「これ、何かに似ている」という感覚が、意識して過去を探す検索を導くと提案した。鍵になるのは、情報がどれほどすんなり心に浮かぶかだという。このレビューは、デジャヴと、ふいに浮かぶ思い出とを並べて論じている[18]。
私の読みでは、デジャヴは、検索を始める合図だけが鳴って、検索結果が0件だった状態に近い。合図そのものはふだん役に立っている。駅で知人らしき顔を見かけて名前を探し始めるのも、同じ種類の働きだろう。ふだんは検索が当たるので、合図のことなど誰も気にしない。外れた日だけ、階段の上で足が止まる。
2003年のレビューがデジャヴを「認識の錯覚」と呼んだのは、この意味で分かりやすい[3]。目の錯覚で線の長さを読み違えても、目が悪いとは誰も言わない。

よくある誤解
デジャヴは脳の病気のサインである。 健康な人の統合値は74%である[9]。経験があること自体を、異常の印と読む根拠にはならない。ただし頻繁なデジャヴと局所発作の結びつきは報告されていて[14]、連れの症状があるときは話が別になる。
記憶力が落ちてきた印である。 向きは逆で、頻度は年齢とともに下がり、山は若い大人にある[3][10]。20代でよく起きるからといって、記憶の老化を疑う材料にはならない。
前世の記憶である。 生まれ変わりや夢は、小説や詩がデジャヴに与えてきた説明である[20]。2003年のレビューが整理した科学の説明4系統に、その項目はない[3]。研究者が調べているのは、電極と仮想現実で手の届く範囲の話だ。
今日からできること
- デジャヴが来たら、その場の配置を見る。入口、窓、棚の並びを確かめ、同じ並びの場所を1つ探してみる。実験で報告が高まった条件は、配置の一致と、思い出せないことの組み合わせだった[4]
- 疲れている日かどうかを書き留める。ストレスと疲れとの関連が報告されている[3]。起きた日時とその日の疲れを1行ずつ残すと、自分の傾向が見える
- 74%という数字を覚えておく。健康な人のおよそ4人に3人である[9]。起きたこと自体で慌てなくてよい
- 胃のあたりの違和感や恐怖を伴う、そのあと周りに反応しない時間があったと言われた、口を動かしていたと言われた、という場合は医師に伝える。側頭葉の内側から始まる発作の流れとして記述されている[1]
- デジャヴのあとに気を失うことがあるなら、医師に伝える。デジャヴと失神を繰り返した人の報告がある[17]

オンザショアは、本当に来たことのある場所に
デジャヴは、来たことがないのに来た気がする感覚だった。ならば逆の場所を1つ持っておくのも悪くない。本当に何度も来ていて、部屋の様子を思い出せる場所である。
JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fのオンザショア立川店は、溶岩プレートを敷いたスタジオでホットヨガをする店だ。常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。デジャヴが減るとは言わない。決まった曜日に体を動かす時間を続ける仕組みとして使ってもらえればよい。
ただし妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。試すなら体験レッスン(ヨガ)が税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが入る。店は8:00〜23:30の年中無休で、体験の予約、料金、店の案内はそれぞれのページから見られる。
参考文献
[1] Anatomical origin of déjà vu and vivid ‘memories’ in human temporal lobe epilepsy — Bancaud J, Brunet-Bourgin F, Chauvel P, Halgren E., 1994, Brain : a journal of neurology. DOI: 10.1093/brain/117.1.71
[2] Cortical stimulation study of the role of rhinal cortex in déjà vu and reminiscence of memories — Bartolomei F, Barbeau E, Gavaret M, Guye M, McGonigal A, Régis J, Chauvel P., 2004, Neurology. DOI: 10.1212/01.wnl.0000137037.56916.3f
[3] A review of the déjà vu experience — Brown AS., 2003, Psychological bulletin. DOI: 10.1037/0033-2909.129.3.394
[4] Familiarity from the configuration of objects in 3-dimensional space and its relation to déjà vu: a virtual reality investigation — Cleary AM, Brown AS, Sawyer BD, Nomi JS, Ajoku AC, Ryals AJ., 2012, Consciousness and cognition. DOI: 10.1016/j.concog.2011.12.010
[9] Non-ictal, interictal and ictal déjà vu: a systematic review and meta-analysis — Hadzic A, Andersson S., 2024, Frontiers in neurology. DOI: 10.3389/fneur.2024.1406889
[10] Towards a conflict account of déjà vu: The role of memory errors and memory expectation conflict in the experience of déjà vu — Aitken CBA, Jentzsch I, O’Connor AR., 2023, Neuroscience and biobehavioral reviews. DOI: 10.1016/j.neubiorev.2023.105467
[13] The Multiple Dimensions of Familiarity: From Representations to Phenomenology — Gardette J, Delhaye E, Bastin C., 2025, Wiley interdisciplinary reviews. Cognitive science. DOI: 10.1002/wcs.1698
[14] Subjective distinguishability of seizure and non-seizure Déjà Vu: A case report, brief literature review, and research prospects — Cleary AM, Neisser J, McMahan T, Parsons TD, Alwaki A, Okada N, Vosoughi A, Khed, 2021, Epilepsy & behavior : E&B. DOI: 10.1016/j.yebeh.2021.108373
[16] What déjà vu and the “dreamy state” tell us about episodic memory networks — Gillinder L, Liegeois-Chauvel C, Chauvel P., 2022, Clinical neurophysiology : official journal of the International Federation of Clinical Neurophysiology. DOI: 10.1016/j.clinph.2022.01.126
[17] Epilepsy and syncope – A case report and narrative review of arrhythmias connected to temporal lobe epilepsy — Bianco M, Breviario S, Fraccalini T, Ferri R, Biolè C, Destefains P, Varalda G, 2022, Journal of electrocardiology. DOI: 10.1016/j.jelectrocard.2022.06.001
[18] The phenomenology of autobiographical retrieval — Moulin CJA, Carreras F, Barzykowski K., 2023, Wiley interdisciplinary reviews. Cognitive science. DOI: 10.1002/wcs.1638
[20] Many Faces of Déjà Vu: a Narrative Review — Bošnjak Pašić M, Horvat Velić E, Fotak L, Pašić H, Srkalović Imširagić A, Milat, 2018, Psychiatria Danubina. DOI: 10.24869/psyd.2018.21
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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