
接触の研究は、まだ地図を描いている段階にある
大人の親しい関係での接触については、2017年の総説が、ほとんど調べられてこなかったと書いている[4]。同じ総説は、接触を受けると、ストレスを減らす道と、ストレスとは別に健やかさを高める道の2つを通るという理論のモデルを提案した。接触の直後に起きる変化として、相手との関係についての考え方の変化と、神経生物学的な変化を仕組みに置く[4]。あくまで理論の提案で、検証はこれからだと著者らも今後の課題を示している[4]。
眠りについては2024年の総説がある。多くの研究はマッサージなどの接触療法を患者で調べたもので、ハグのような接触の研究はまだ少ない[8]。ハグや肌の接触は良い眠りを予測する予備的な証拠があり、接触の不足や接触を嫌う傾向は悪い眠りと関連していた[8]。全体として関連は支持されるが、接触の形ごとの確認と仕組みの検証は今後の課題だと著者らは書く[8]。
赤ちゃんの側の研究は先を行く。養育者の早期からの一貫した愛情ある接触は、乳児の心理社会と神経生理の発達に幅広い利益をもたらすとされ、結びつきの効果は主にオキシトシン系を介すると総説は整理している[11]。ここが分厚いぶん、大人の話にもそのまま当てはまるように聞こえやすい。別の年齢の話である。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
血圧と傷の数字は、パートナーのいる人のものである
対象の偏りも見ておきたい。血圧の研究は夫やパートナーのいる閉経前の女性で[1]、傷の試験は健康な異性カップルだった[7]。どちらも、決まった相手がいる人のデータである。恋人のいない20代も、同性のカップルも、この2本の数字の外にいる。
風邪の研究の404人は健康な成人で、受けたハグを電話で尋ねており[5]、割り付け試験の159人は18〜35歳の健康な人で、他者からのハグを受ける条件だった[6]。こちらはパートナーとのハグだけを見た研究ではない。「パートナーとのハグ」の数字と「ハグ」一般の数字は、もともと別の集団から出ている。まとめて「ハグの効果」と呼ぶと、この違いが消える。
もう1つ。よく聞く「ハグは何秒がいい」という話に、これらの研究は答えない。血圧の研究が尋ねたのはハグの頻度で[1]、2021年の試験が分けたのは接触の種類で[6]、傷の試験が割り付けたのはオキシトシンと感謝のやりとりである[7]。

「ハグ」と名のつく論文は、ハグをしているとは限らない
論文を自分で探す人に、1つ笑える注意を書いておく。集中治療の「Fast Hug」は、栄養、鎮痛、鎮静、血栓の予防、頭の挙上、潰瘍の予防、血糖の管理の頭文字を集めた点検項目である[3]。「BABY HUG」は、鎌状赤血球症の乳児に薬を試した試験だ[2]。「collagen hug」は、細菌の表面のタンパク質がコラーゲンに結合する仕組みの呼び名である[18]。誰も誰かを抱きしめていない。
逆に、ハグが避けるべきものとして書かれた時期もあった。2020年の総説は、新型コロナの予防として、あいさつの握手やハグを避けることを勧めている[20]。先の自己接触の試験も、他人の接触が使えない、不快である、安全でないと考えられる場面の代わりを探す動機で組まれた[6]。ハグは、効くと言われる前に場面を選ぶ。
よくある誤解
「ハグでオキシトシンが出て血圧が下がる」。この鎖を丸ごと言える結果ではない。59人の研究は安静時の相関で、接触後のストレスの場面のオキシトシンは血圧と関係がなかった[1]。
「ハグで免疫が上がる」。風邪の研究で結果として示されたのは感染と症状の徴候で、ハグは参加者の自己申告の回数である[5]。傷の試験はオキシトシンとの組み合わせの話だ[7]。免疫が上がると一言で言える結果ではない。
「ハグをすれば気持ちが楽になる」。割り付け試験では、コルチゾールに差が出ても自己申告のストレスには差が出なかった[6]。楽になる人はいるとして、指標の差と実感を同じものとして語るのは早い。

今日からできること
- 2週間だけ、その日にハグがあったか、誰かともめたかを夜にメモする。風邪の研究は14晩の聞き取りで測った[5]。効果の判定ではなく、自分の生活を眺める道具として。
- ストレスの強い場面の前後に、片手を胸に当ててみる。割り付け試験の著者らが自己接触の例に挙げるしぐさで、自分に触れた人はコルチゾールが低かった[6]。実感の差は出ていないので、楽にならなくても失敗ではない。
- 触れられたくない日は触れない。接触が不快な場面の代わりを探した試験があり[6]、接触を嫌う傾向と悪い眠りの関連も報告されている[8]。無理に触れることを勧める結果ではない。
- 相手への感謝を言葉にしてみる。80組の試験のやりとりは1週間で合計3回までだった[7]。効果が示されたのはオキシトシンとの組み合わせで、それも感度分析で安定しなかったので、期待は控えめでいい。
- 眠りが気になるなら、重い毛布のような人以外の選択肢も候補に入れる。証拠は予備的である[8]。
- オキシトシンの鼻スプレーは自己判断で試さない。7日間で1日2回という投与は試験の設定で[7]、使うかどうかは医師に相談する話だ。
触れ合いの数字をオンザショアに持ち込まない
研究が測ったのはハグで、ヨガではない。だからこの記事の数字を当店のレッスンに持ち込まない。オンザショア立川店が用意できるのは、週の決まった時間のほうである。
平日のいちばん早い回は月曜から木曜が10時、金曜が13時で、土曜と日曜は8時の回がある。遅い回は水曜と金曜の21時開始。店の営業は8:00〜23:30で年中無休、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分にある(店のトップ)。
選べるのは、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガ、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングで、ヨガだけで25種類以上ある。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できないが、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
試すなら体験レッスン(ヨガ)が税込1,980円、60分のレッスンにバスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが入っている(体験の予約・料金)。
参考文献
[1] More frequent partner hugs and higher oxytocin levels are linked to lower blood pressure and heart rate in premenopausal women — Light KC, Grewen KM, Amico JA., 2005, Biological psychology. DOI: 10.1016/j.biopsycho.2004.11.002
[2] Impact of hydroxyurea on clinical events in the BABY HUG trial — Thornburg CD, Files BA, Luo Z, Miller ST, Kalpatthi R, Iyer R, Seaman P, Lebensb, 2012, Blood. DOI: 10.1182/blood-2012-03-419879
[3] Give your patient a fast hug (at least) once a day — Vincent JL., 2005, Critical care medicine. DOI: 10.1097/01.ccm.0000165962.16682.46
[4] Affectionate Touch to Promote Relational, Psychological, and Physical Well-Being in Adulthood: A Theoretical Model and Review of the Research — Jakubiak BK, Feeney BC., 2017, Personality and social psychology review : an official journal of the Society for Personality and Social Psychology, Inc. DOI: 10.1177/1088868316650307
[5] Does hugging provide stress-buffering social support? A study of susceptibility to upper respiratory infection and illness — Cohen S, Janicki-Deverts D, Turner RB, Doyle WJ., 2015, Psychological science. DOI: 10.1177/0956797614559284
[6] Self-soothing touch and being hugged reduce cortisol responses to stress: A randomized controlled trial on stress, physical touch, and social identity — Dreisoerner A, Junker NM, Schlotz W, Heimrich J, Bloemeke S, Ditzen B, van Dick , 2021, Comprehensive psychoneuroendocrinology. DOI: 10.1016/j.cpnec.2021.100091
[7] Intranasal Oxytocin and Physical Intimacy for Dermatological Wound Healing and Neuroendocrine Stress: A Randomized Clinical Trial — Schneider E, Hernández C, Brock R, Eckstein M, Bodenmann G, Heinrichs M, Ehlert , 2026, JAMA psychiatry. DOI: 10.1001/jamapsychiatry.2025.3705
[8] A narrative review of research linking non-sexual social touch to sleep quality — Xie Y, Feeney BC., 2024, Journal of sleep research. DOI: 10.1111/jsr.14174
[11] The Role of Affectionate Caregiver Touch in Early Neurodevelopment and Parent-Infant Interactional Synchrony — Carozza S, Leong V., 2020, Frontiers in neuroscience. DOI: 10.3389/fnins.2020.613378
[13] A huggable device can reduce the stress of calling an unfamiliar person on the phone for individuals with ASD — Sumioka H, Kumazaki H, Muramatsu T, Yoshikawa Y, Ishiguro H, Higashida H, Yuhi T, 2021, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0254675
[18] The MSCRAMM Family of Cell-Wall-Anchored Surface Proteins of Gram-Positive Cocci — Foster TJ., 2019, Trends in microbiology. DOI: 10.1016/j.tim.2019.06.007
[20] COVID-19: An International Public Health Concern — Ayenigbara IO., 2020, Central Asian journal of global health. DOI: 10.5195/cajgh.2020.466
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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