
439人を1年追った4群の試験:血液の数字と、食べ方の変化
閉経後の女性で、食事と運動を一つずつ、また合わせて比べた最も大きな試験は、この束の中では1年の4群の試験だった。2005年から2009年に行われた単盲検のランダム化試験で、50〜75歳、BMIが25を超え、運動が週100分未満の閉経後の女性を、食事の群118人、運動の群117人、食事と運動の群117人、対照の群87人に分けた[2]。参加者の平均は58歳、BMIは30.9だった[2]。食事の群は体重の10%減を目標にし、運動の群は週225分の中くらい〜強めの有酸素運動を行った[14][17]。同じ群の人数と設計で、血液の指標や食べ方を調べた報告が複数出ており、同じ試験の報告と読める。
性ホルモンの報告では、対照と比べて、エストロンは食事の群で9.6%、運動の群で5.5%、食事と運動の群で11.1%下がった[2]。エストラジオールは食事の群で16.2%、食事と運動の群で20.3%下がったが、運動の群の4.9%の低下は有意ではなかった[2]。体重の減りが大きいほど、エストロゲンと性ホルモン結合グロブリンへの作用は強かった[2]。著者らは、体重の減少が血中のエストロゲンと遊離テストステロンを下げ、乳がんの指標への曝露を減らす方法として減量を支持すると結論している[2]。
食べ方の報告もある。食事の群では、対照と比べて、むちゃ食いの得点が23.7%、抑えのきかない食べ方が24.3%、感情に流される食べ方が31.7%下がり、意識して食べる量を抑える傾向が60.6%上がった[14]。食事と運動の群も、抑えのきかない食べ方と感情に流される食べ方が下がり、抑える傾向が上がった[14]。運動だけの群では、食べ方の得点は対照と比べて有意に変わらなかった[14]。著者らは、食事の減量の介入が女性の食べ方を変える助けになったと結論している[14]。
空腹のときの血中のグレリンも測られた[17]。グレリンの増加は、減量にともなう代償の変化の一つで、体重の戻りと長い維持の難しさに関わるとされている[17]。対照と比べて、グレリンは食事と運動の群で7.4%有意に上がったが、食事の群の6.5%と運動の群の1.0%の上昇は有意ではなかった[17]。介入の種類にかかわらず、体重の減りが大きいほどグレリンは高くなっていた[17]。著者らは、食事か運動で大きく減量するほど、グレリンの濃度が上がることと結びついていると結論している[17]。
食事を変えた群では、むちゃ食いや感情に流される食べ方の得点が下がった。一方で、体重を大きく減らした人ほど、体の側では、戻ろうとする向きの数字も上がっていた。どちらも同じ1年の試験の中で起きていたことだ。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
体の調子の感じ方は、食事と運動を合わせた群で多く改善した
同じ1年の試験は、健康にかかわる生活の質と、気持ちの面も調べている[4]。体の機能、体の具合による役割の制限、活力、心の健康、ストレス、抑うつ、不安、周りからの支えを、始めと12か月で測った[4]。
食事と運動を合わせた群は、対照と比べて生活の質の4つの面(体の機能、体の具合による役割の制限、活力、心の健康)と、ストレスが改善した[4]。食事の群は活力の得点が上がった[4]。運動の群の生活の質は、対照と違う変わり方をしなかった[4]。
ただし、どの群かにかかわらず、体重の減少は体の機能、役割の制限、活力、心の健康の改善を予測し、持久力の伸びは体の機能の改善を予測していた[4]。抑うつ、ストレス、周りからの支えのよい変化は、体重と持久力の変化を調整した後も、生活の質の改善と結びついていた[4]。著者らは、食事と運動を合わせた介入は生活の質と心の健康によい効果を持ち、その効果は運動だけや食事だけより大きいかもしれず、体重、持久力、気持ちの面の改善がその効果を仲立ちしているかもしれないとしている[4]。
体重の数字の側では食事だけでも減ったが、体の調子の感じ方の側では、合わせた群で改善の項目が多かった。運動なしで足りるか、という問いは、何を目的にするかで答えが変わる。

骨は運動を足した側に差が出た:13試験のメタ分析と総説
閉経後の体で見落とせないのが骨である。2021年のメタ分析は、2020年2月までに出たランダム化試験から、食事の制限だけで体重を減らした大人と、運動と食事の制限で減らした大人の骨密度と骨塩量を比べた[12]。入ったのは13研究、合わせて852人だった[12]。
運動と食事の制限の群は、食事の制限だけの群より、股関節の骨密度が高く(加重平均の差0.03g/cm²、95%信頼区間0.01〜0.04)、大腿骨の首の部分の骨密度も高かった(0.03g/cm²、同0.01〜0.05)[12]。一方、全身の骨密度と腰の骨の骨密度の差は、有意ではなかった[12]。参加者の多くは閉経後の女性だったが、性別ごとの証拠は少なく、閉経の状態で分けた解析はできなかった[12]。著者らは、減量の間の体の訓練は股関節と大腿骨の首の骨量を保ち、有意に増やすことさえできるかもしれず、運動の種類によって効く部位が違ったとしている[12]。
2026年の総説も同じ向きを整理している。食事の制限による生活の減量は、臨床的に意味のある大きさの減量になると、股関節の骨密度の低下と一貫して結びついていた[9]。一方で、最近のランダム化試験は、筋力トレーニングと十分な栄養の支えを組み込んだ生活の介入が、骨の減りを和らげ、骨の強さを保ちうることを示していると書く[9]。
体重を減らす方法として食事だけで足りても、骨の側から見れば、運動を外さないことに意味がある。この束の研究は、そう読める。
閉経の前と後で、減り方は違ったか
「中年になると体重が落ちない」という声に、近い問いを立てたメタ分析がある。2020年の研究は、2000年1月から2020年6月の、食事の要素を持つ減量の介入(運動の有無は問わない)で、閉経前と閉経後の女性の体重の減少を報告したものを集めた[11]。入ったのは7本(10の介入、791人)で、片方の群だけの試験が3本、ランダム化試験が2本、効果を比べる試験が2本だった[11]。
メタ分析では、閉経前と閉経後の女性の間に、体重(閉経前から閉経後を引いた差0.58kg、95%信頼区間−0.12〜1.28、7介入)、脂肪の量(0.73kg、同−0.25〜1.70、6介入)、除脂肪量(−0.56kg、同−1.48〜0.36、4介入)の変化の統計的に有意な差はなかった[11]。
ただし、脂肪の量の変化には、介入の種類による差があった。閉経前から閉経後を引いた差は、食事だけの4つの介入で1.28kg(0.23〜2.33)、食事と運動の2つの介入で−0.09kg(−0.51〜0.32)で、この違いは統計的に有意だった[11]。変化を減った量として負の数で書くなら、食事だけの介入では閉経後の女性のほうが脂肪が多く減った向きになる、と私は読む。ほかの小分けの比較では差はなかった[11]。
著者らは、減量の介入を閉経の状態に合わせて変える必要はないかもしれないという、いくらかの証拠になるとしつつ、研究の数が少なく、多くは6か月以内と短く、一部では群ごとに最後まで残った割合がはっきりしないので、閉経の前後の差は今後の試験で確かめるべきだとしている[11]。

よくある誤解
「閉経後は、食事を変えても体重は動かない」。閉経の前後から閉経後の女性の11研究では、食事の介入は対照より体重を大きく減らした[13]。閉経前と閉経後を比べ、7本の研究を集めたメタ分析でも、体重の変化に有意な差はなかった[11]。
「運動を足せば、お腹の脂肪から減る」。同じだけ体重を減らした20週の試験では、内臓脂肪の減りは3群とも約25%で、運動を足しても選んで減るわけではなかった[5]。オランダの16週の試験でも、運動を足して大きく減ったのは皮下脂肪で、お腹の内側の脂肪の差は有意でなかった[16]。
「体重が同じだけ減れば、中身も同じ」。食事だけの群は除脂肪量を相対的に多く失い[5]、減量中の股関節の骨密度は運動を足した群で高かった[12]。ただし、運動を足した群のほうが体重の減りが大きく、除脂肪量の減りも大きかったとするメタ分析もあり[13]、ここは研究で答えが割れている。
今日からできること
- 体重を減らすかどうか自体を、まず医師と考える。ここで読んだ試験の多くは、BMIが25を超える閉経後の女性などが対象だった[2][13]。
- 体重計の数字と一緒に、何が減ったかを見る。完了した人の平均で12.1kg減り、群の差がなかった試験でも、食事だけの群は除脂肪量を相対的に多く失った[5]。
- 食事を見直す時期にも、体を動かす習慣を外さない。13研究のメタ分析では、運動を足した減量で股関節の骨密度が0.03g/cm²高かった[12]。
- 体重が動かない時期も、体の中身は動いているかもしれないと知っておく。2型糖尿病の閉経後の女性17人の試験では、体重が変わらなかった16週の運動で、除脂肪量が2〜3%増えた[6]。
- 食べ方の癖を、量ではなく場面で記録する。1年の試験では、食事の介入の群で感情に流される食べ方の得点が31.7%下がった[14]。
- 大きく減らした後は、空腹の側の数字も上がりうると知っておく。体重の減りが大きいほど、グレリンは高かった[17]。
体重の数字が止まった月にも、体を動かす時間を。オンザショア立川店
閉経後の女性を多く含む試験が示したのは、食事だけで体重は減っても、運動を足した側で筋肉などや骨の数字が違ったことだった[5][12]。ここでは、食事を見直す時期にも体を動かす時間を外さないための場所として、店の事実を書く。オンザショアのレッスンで体重が減る、と示した研究はない。
一度試すなら、体験レッスン(ヨガ)は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く。平日の朝いちばんの回は月曜から木曜が10時、金曜が13時、夜の遅い回は水曜と金曜の21時開始で、8時の回は土曜と日曜だけである。8:00〜23:30の年中無休は店の開閉の時刻で、レッスンの開始は別だ。12月29日から1月3日は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。予約は体験の予約、料金は料金のページ、店の全体はトップページで見られる。
参考文献
[2] Reduced-calorie dietary weight loss, exercise, and sex hormones in postmenopausal women: randomized controlled trial — Campbell KL, Foster-Schubert KE, Alfano CM, Wang CC, Wang CY, Duggan CR, et al., 2012, Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology. DOI: 10.1200/jco.2011.37.9792
[3] Effects of diet and/or exercise on the adipocytokine and inflammatory cytokine levels of postmenopausal women with type 2 diabetes — Giannopoulou I, Fernhall B, Carhart R, Weinstock RS, Baynard T, Figueroa A, Kanaley JA., 2005, Metabolism: clinical and experimental. DOI: 10.1016/j.metabol.2005.01.033
[4] Dietary weight loss and exercise interventions effects on quality of life in overweight/obese postmenopausal women: a randomized controlled trial — Imayama I, Alfano CM, Kong A, Foster-Schubert KE, Bain CE, Xiao L, et al., 2011, The international journal of behavioral nutrition and physical activity. DOI: 10.1186/1479-5868-8-118
[5] Effect of exercise intensity on abdominal fat loss during calorie restriction in overweight and obese postmenopausal women: a randomized, controlled trial — Nicklas BJ, Wang X, You T, Lyles MF, Demons J, Easter L, et al., 2009, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.3945/ajcn.2008.26938
[6] High-intensity interval training reduces abdominal fat mass in postmenopausal women with type 2 diabetes — Maillard F, Rousset S, Pereira B, Traore A, de Pradel Del Amaze P, Boirie Y, et al., 2016, Diabetes & metabolism. DOI: 10.1016/j.diabet.2016.07.031
[9] Revisiting the relationship between weight loss and bone health in people living with obesity: insights from the latest evidence — Paccou J., 2026, Current opinion in endocrinology, diabetes, and obesity. DOI: 10.1097/med.0000000000000962
[11] Weight loss outcomes in premenopausal versus postmenopausal women during behavioral weight loss interventions: a systematic review and meta-analysis — Thomson ZO, Kelly JT, Sainsbury A, Reeves MM., 2020, Menopause (New York, N.Y.). DOI: 10.1097/gme.0000000000001684
[12] Beneficial impact of exercise on bone mass in individuals under calorie restriction: a systematic review and Meta-analysis of randomized clinical trials — Yarizadeh H, Asadi S, Baharlooi H, Setayesh L, Kakavandi NR, Hambly C, et al., 2021, Critical reviews in food science and nutrition. DOI: 10.1080/10408398.2020.1739620
[13] Effects of dietary and exercise intervention on weight loss and body composition in obese postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis — Cheng CC, Hsu CY, Liu JF., 2018, Menopause (New York, N.Y.). DOI: 10.1097/gme.0000000000001085
[14] Eating behaviors and weight loss outcomes in a 12-month randomized trial of diet and/or exercise intervention in postmenopausal women — Mason C, de Dieu Tapsoba J, Duggan C, Wang CY, Alfano CM, McTiernan A., 2019, The international journal of behavioral nutrition and physical activity. DOI: 10.1186/s12966-019-0887-1
[16] Effect of diet with or without exercise on abdominal fat in postmenopausal women – a randomised trial — van Gemert WA, Peeters PH, May AM, Doornbos AJH, Elias SG, van der Palen J, et al., 2019, BMC public health. DOI: 10.1186/s12889-019-6510-1
[17] The effects of separate and combined dietary weight loss and exercise on fasting ghrelin concentrations in overweight and obese women: a randomized controlled trial — Mason C, Xiao L, Imayama I, Duggan CR, Campbell KL, Kong A, et al., 2015, Clinical endocrinology. DOI: 10.1111/cen.12483
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 新生児のしゃっくりはなぜ多い?お腹の中から始まる横隔膜の動きを研究で読む
- 集合体恐怖症と鳥肌、なぜぞわっとする?ぶつぶつの模様を嫌がる理由を研究で読む
- 酸素ルームは運動の前と後どちらに使う?軽い加圧と医療の高気圧酸素を分けて研究で読む
- 献血の前の睡眠時間は大事?寝不足と空腹で気分が悪くなるか、結果が割れた献血者の研究を読む
- 陸上の試合前の睡眠時間は?眠れなかった前夜と記録の関係を競泳や超長距離の選手の研究で読む
- 運転の前の睡眠時間は何時間必要?寝不足と事故の危険、高速道路と模擬運転の試験を読む
- 蹲踞(そんきょ)の姿勢の効果は?かかとを上げたスクワットの研究で違いを読む
- 結婚式のダイエットはリバウンドする?式の前の減量と新婚期の体重を追った研究を読む
- 子供の歯ぎしりはなぜ起きる?親の歯ぎしりや眠り、心の緊張との関係を研究で読む
- 陰ヨガとストレッチの違いは?直接比べた試験はなく、気分と柔軟性の研究から読む
- バイシクルクランチで腹筋は割れる?ひねる腹筋の筋電図とお腹の脂肪の試験を分けて読む
- 体調が悪い時のサウナは効く?熱い空気を吸う風邪の試験とサウナ習慣の研究
- 汗を止めるにはどこを冷やす?首と全身を冷やした実験で汗の量と涼しさを読む
- 星座で性格は分かる?生まれ月と気質の研究、星占いを信じる人の心理を読む
- 外反母趾だと運動能力は落ちる?親指の角度とバランス、転びやすさの研究を読む
- 眼のストレッチで視力はよくなる?目の体操と近視の試験、訓練で上がった視力の中身を読む
- 腕の筋トレは一日おきがいい?週の回数と量をそろえた研究で筋肉の太さを読む
- 久々の運動で頭痛がするのはなぜ?運動で起きる頭痛の特徴と受診の目安を読む
- 体脂肪率と骨格筋率の平均はどのくらい?骨格筋の基準値を国と年齢と機械で読み分ける
- ホットヨガの滝汗は効果の証?1回で失う汗の量と体の変化を研究で読み分ける
- 激しい運動で生理が遅れるのはなぜ?食べる量の不足と、軽い乱れから無月経までを研究で読む
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
2








