結婚式のダイエットはリバウンドする?式の前の減量と新婚期の体重を追った研究を読む

結婚式のダイエットはリバウンドするのか。南オーストラリアの花嫁の研究では50%近くが式の前に減らしたいと答えたが平均の体重は式まで変わらず、式の6か月後に約2kg増えていた。結婚そのものと体重の増加の結びつきを追った各国の研究と分けて読む。

式まであと12週。返信はがきが少しずつ戻り、ドレスの最後の試着の日がカレンダーに入る。その頃から、昼のお弁当のご飯を半分残す人がいる。そして、よく聞く心配がある。式のために落とした体重は、式が終わったら戻ってくるのではないか。

南オーストラリアのブライダルフェアで集めた花嫁343人の研究では、式の前に体重を減らしたいと答えた人が50%近くいたが、統計のモデルで見た平均の体重は、式までの間に変わっていなかった[1]。それでも式の6か月後には、参加者の体重はおよそ2kg増えていた[1]。式の前に体重を減らすよう言われていた花嫁は、言われていなかった花嫁より、式の後に有意に多く増えていた[1]。

この研究に見えたのは、「落としたものが戻る」という形ではなく、「式の前は平均で動かず、式の後に増える」という形だった。さらに、結婚そのものと体重の増加の結びつきは、式のダイエットを調べていない各国の追跡研究とレビューでも繰り返し報告されている[5][6][7][18]。式の前の減量と、新婚期の体重は、別々の研究で別の問いとして調べられてきた。この記事も二つを分けて読む。先に断っておくと、この記事で読んだ研究の中に、式の前の極端な食事制限とその後の体重を比べて試したものはない。

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花嫁の50%近くが減らしたいと答え、平均の体重は式まで動かなかった

2014年の研究は、南オーストラリアのブライダルフェアで参加者を集めた[1]。対象は式を控えた花嫁343人で、属性と体重についての質問に、3つの時点で答えてもらった[1]。研究に入った時点、式の1か月前、式の6か月後である[1]。

答えた人数は時点ごとに違う。入った時点は343人、式の1か月前は130人、式の6か月後は112人だった[1]。後の時点ほど人数が少ないので、式の後の数字は、最初の343人のうち一部の人の答えから出ていることになる。

結果の一つめは、気持ちと数字のずれだった。式の前に体重を減らしたいと答えた花嫁は50%近くいたのに、線形混合モデルという、人ごとの繰り返しの測定をまとめて扱う方法で見ると、平均の体重は式に向かう期間に変わっていなかった[1]。減らしたい、という半数近くの気持ちは、少なくとも平均の上では、式に向かう期間の体重には表れていなかったことになる。

平均が動かなかったことは、誰も減らさなかったことと同じではない。減らした人も増えた人もいて、足し合わせると動かなかった、という場合もある。ただ、「式の前には、たいてい体重が落ちる」という思い込みは、この研究の平均の数字とは合わない。

結果の二つめが、式の後だった。式の6か月後には、参加者の体重はおよそ2kg増えていた[1]。リバウンドという言葉は、落とした体重が戻ることを指して使われることが多い。この研究では、平均で見れば戻るほどには落ちていなかった。それでも、式の後には増えていた。

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減らすよう言われていた花嫁は、式の後に多く増えていた

同じ研究には、もう一つ気になる結果がある。式の前に体重を減らすよう言われていた花嫁は、言われていなかった花嫁より、式の後に有意に多く体重が増えていた[1]。

この結果は、言われたかどうかと、その後の増え方が結びついていたことを示している。言われたことが増えた原因かどうかまでは、この型の研究からは決められない。もともとの体格や、式の前の過ごし方が違っていた可能性もある。

著者らは、結婚式にまつわる体重の変化が、新婚期の人のボディイメージ(自分の体をどう見て、どう感じるか)にとって大事な要素になりうると結論している[1]。そして、臨床の現場の人は、式の後の体重の増加にともなう体への不満の可能性に気を配るべきだとしている[1]。

著者らの結論は、体重を減らせとも、増やすなとも言っていない。言っているのは、式の後に体重が動いたとき、自分の体への気持ちが揺れうる、ということだ。式の写真は何年も残る。だからこそ、式の後の半年の体を、写真の中の体と比べて責める見方からは、少し距離を置いていい。私はこの結論を、そう読んだ。

式の前のヨガやピラティスと、写真への満足の話は、同じサイトの「結婚式前のピラティスとホットヨガ、写真への満足と体の変化を分けて考える」に譲る。こちらは体重の数字の動きに絞る。

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新郎の側も、今と理想の差は平均9.61ポンドだった

式の前に体重を気にするのは、花嫁だけではない。2013年の研究は、婚約中の男性163人に横断の質問紙調査を行い、今の身長と体重、式の日の理想の体重、その体重であることの重要さ、体重の管理の行動、式の格式、属性を尋ねた[3]。

今の体重と、式の日の理想の体重の差は、平均で9.61ポンド(約4.4kg)だった[3]。多くの男性は、式の日に一定の体重であることを「ある程度大事」と考えていた[3]。式のために減量を試みていたのは約39%で、37%は体重を変えようとしていなかった[3]。減量を試みることは、BMI(体格の指標)の高い男性、格式の高い式を計画している男性、式の日にふさわしい体重であることを大事と考える男性で多かった[3]。著者らは、体重にかかわる見た目の規範と減量の行動が、婚約中の男性にも表れているとまとめている[3]。

一方、まだ婚約していない大学生の調査では、見え方が少し違う。2008年の研究は、未婚の大学生275人に、今の体重と体型、ふだんの理想、式の日に望む体重と体型、将来の式を思い浮かべたときに食事制限や運動をするつもりかを尋ねた[4]。式の規模の思い描き方は男女で似ていたが、体重を含む式の日の見た目は、男性より女性で大事とされていた[4]。ふだんの理想と違う、式の日だけの体重と体型を思い描いた人は、男女とも少なかった[4]。式の日を思い浮かべたときに体重を管理するつもりがあると答えるのは女性に多く、男女とも、食事制限より運動のほうが選ばれていた[4]。

著者らは、若い大人は式の日の体について極端に非現実的な期待を持っておらず、式のためだけの体重や体型をたいてい組み立てていないと結論し、結婚が身近になるにつれてこの関係は変わるかもしれないと付け加えている[4]。

花嫁、婚約中の男性、未婚の学生の三つの研究は、対象も時期も、尋ね方も違う。数字を並べて比べることはできない。それでも、まだ遠い式を思い浮かべた学生と、式が決まった人とでは、体重への構えが違って見えるという点は、学生の研究の著者ら自身の書き添えと重なっている。

成功した減量の多くは短く、休暇や結婚式がきっかけだった:中年の72人の聞き取り

「式のための減量は長続きしない」という話に、いちばん近い言葉が出てくるのは、結婚式の研究ではなく、中年の体重の聞き取りである。2002年の研究は、イギリスの二つの診療所の登録者から、35〜55歳、BMIが22〜29.9の男女72人を選び、大人になってからの体重の変化について、自宅で半構造化の面接(決めた質問を軸に自由に話してもらう聞き取り)を行った[11]。

体重を減らそうとしたことがあると答えたのは、女性の87%(38人中33人)、男性の59%(34人中20人)だった[11]。減量に成功した経験を少なくとも1回話した人は、女性で58%、男性で47%いたが、その多くは比較的短く終わり、休暇や結婚式のような特定の目標がきっかけになっていることが多かった[11]。

回答した人たちは、かなりの我慢をしなければ体重は管理できないのではないかと疑っていた[11]。中年になってからの体重の増加の理由としては、体を動かさない暮らしに加え、女性ではホルモンの変化や気を紛らす食べ方、男性ではビールが挙げられた[11]。著者らは、中年に体重が増えた人は、必要な努力への悲観から、それ以上の増加を防ぐことをあきらめてしまうかもしれないと結論し、食事と体の動かし方の比較的小さな置き換えを促す働きかけの効き目は、試して確かめる必要があるとしている[11]。

この聞き取りは、結婚式の前の減量を追って測った研究ではない。対象も中年で、式を控えた20代、30代とは違う。それでも、成功した減量の多くが短く終わり、休暇や結婚式のような目標がきっかけだったという語りは、式という期限のある目標を考えるうえで、一つの手がかりになる。期限の日の先まで、暮らしの形をどう続けるかは、別の問いとして残る。

数字で読む結婚式と体重

  • 50%近く: 南オーストラリアの花嫁343人のうち、式の前に体重を減らしたいと答えた人の割合[1]。
  • 約2kg: 同じ研究で、式の6か月後に増えていた体重。式までの平均の体重は変わっていなかった[1]。
  • 112人: 式の6か月後に答えた花嫁の人数。参加の時点の343人から減っている[1]。
  • 9.61ポンド: 婚約中の男性163人の、今の体重と式の日の理想の体重の差の平均[3]。
  • 39%: 同じ調査で、式のために減量を試みていた男性の割合。37%は体重を変えようとしていなかった[3]。
  • 58%と47%: 中年の72人の聞き取りで、減量に成功した経験を話した女性と男性の割合。その多くは短く終わった[11]。

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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宮川涼 Founder

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