
予防の側の話:サウナの習慣と肺炎を25年追った男性たち
ここからは、風邪をひいた日の話ではなく、元気なときの習慣の話になる。
2017年の研究は、42〜61歳の男性2,210人に、最初にサウナの習慣を質問票で尋ね、その後を追った前向きのコホート研究である(コホート研究は、集団を時間を追って観察する研究)[3]。追跡の中央値は25.6年で、その間に病院で診断された肺炎が375件記録された[3]。週に1回以下の人と比べた肺炎のハザード比は、年齢だけを補正した解析で、週2〜3回の人が0.67(95%信頼区間0.53〜0.83)、週4回以上の人が0.53(0.34〜0.84)だった[3]。
おもな危険因子を加えて補正すると、ハザード比は0.69と0.56になった[3]。さらに、食事の総エネルギー、社会経済的な状況、体を動かす量、炎症の指標のC反応性たんぱくを加えても結びつきは残り、0.72(0.57〜0.90)と0.63(0.39〜1.00)だった[3]。補正を重ねるにつれ、週4回以上の群の値は0.53、0.56、0.63と1に近づき、最後の信頼区間の上限は1.00に届いている。著者らは、頻繁なサウナは、中年の白人男性の集団で肺炎の危険の低さと結びついていると結論した[3]。
同じ著者らの別の解析は、42〜61歳の白人男性1,935人で、慢性閉塞性肺疾患、ぜんそく、肺炎を合わせた呼吸器の病気を調べた[1]。追跡の中央値25.6年で、病院で診断された呼吸器の病気が379件あった[1]。おもな危険因子などを補正したハザード比は、週2〜3回で0.73(0.58〜0.92)、週4回以上で0.59(0.37〜0.94)だった[1]。著者らは、頻繁なサウナが急性と慢性の呼吸器の病気の危険の低さと結びついているかもしれない、と書いている[1]。
どちらも観察研究で、サウナが肺炎を防いだという因果までは決められない。対象は中年の男性だけで、女性は含まれていない。元気で時間に余裕のある人がサウナに通いやすい、という別の説明を、観察だけで完全に消すことはできない、と私は読む。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
体力とサウナ、片方だけでは有意にならなかった組み合わせ
サウナの習慣と体力を並べた解析もある。2021年の研究は、42〜61歳の男性2,275人で、客観的に測った心肺の体力と、本人の申告によるサウナの頻度を、最初に調べた[5]。体力は中央値で高いと低いに分け、サウナは週1回以下を少ない、週2〜7回を多いとした[5]。
追跡の中央値26.6年で、肺炎は529件起きた[5]。体力が高い人は低い人と比べて、補正したハザード比が0.75(0.61〜0.91)、サウナの多い人は少ない人と比べて0.81(0.68〜0.97)だった[5]。
組み合わせで見ると、話が変わる。体力が低くサウナも少ない男性と比べて、体力が高くサウナが少ない群は0.88(0.65〜1.20)、体力が低くサウナが多い群は0.89(0.71〜1.13)で、どちらも信頼区間が1をまたいだ[5]。体力が高くサウナも多い群だけが、0.62(0.48〜0.80)だった[5]。著者らは、高い体力と頻繁なサウナの組み合わせは、それぞれ単独よりもかなり低い将来の肺炎の危険と結びついている、と結論した[5]。
体力が低くサウナだけが多い群の数字は、この解析では有意な低さに届いていない[5]。

ボランティア50人の6か月:風邪の回数は減り、長さと重さは変わらなかった
風邪の予防としてのサウナの習慣を、介入として試した古い試験がある。1990年の比較の臨床試験は、ボランティア25人にサウナに入ってもらい、対照の25人にはサウナやそれに近いことを控えてもらって、6か月間、風邪の回数、長さ、重さを記録した[2]。
サウナの群では、風邪にかかった回数が有意に少なかった[2]。とくに最後の3か月は、対照の群と比べておよそ半分だった[2]。一方で、かかった風邪の平均の長さと平均の重さには、群の間に有意な差がなかった[2]。著者らは、定期的なサウナはおそらく風邪の回数を減らすが、それを証明するにはさらに研究が要る、と結論した[2]。
この試験は、風邪をひく前からの習慣の話である。そして、ひいてしまった風邪の長さと重さは変わらなかった[2]。サウナの中で熱い空気を吸っても症状の合計が変わらなかった2010年の試験[17]と、向きはそろっている。
2023年には、先のコホート研究と同じ著者らの総説が、観察研究と介入研究のいくつかは、定期的なサウナが呼吸器の病気などを減らし、インフルエンザなどの重さを和らげるかもしれないと示唆している、とまとめている[6]。ただ、この記事で読んだ風邪の治療の試験のうち、偽の条件を置いた2つの大きな試験では、症状の重さに有意な差は出ていない[7][17]。
熱がある日と具合が悪い日は、研究の外側にある
この記事で読んだ研究の中に、熱がある人がサウナに入って安全かを確かめたものはない。170人の試験は、インフルエンザの検査が陰性の人を対象にしていた[7]。温かい蒸気の試験では、2004年の版のレビューで熱の負担による軽い副作用がすべての研究で報告され[12]、2017年の版でも鼻の不快感や刺激などの軽い有害な出来事を報告した研究があった[8]。重い有害な出来事がなかったのは、条件を決めて行った試験の中の話である[7]。
だから、ここで書けることは控えめになる。次の線は特定の研究の結論ではなく、安全を確かめた研究が無いことからの用心である。熱がある日、具合が悪い日、だるくて立っているのもつらい日は、サウナを控える。症状が強いとき、長引くときは、医師に相談する。
サウナと免疫の細胞の数字の話は、同じサイトの「岩盤浴とサウナで免疫力は上がった?白血球の数と細胞の働きを分けて読む」に譲る。こちらは、風邪をひいた後の治療の試験と、元気なときの習慣の研究を分けることに絞った。

よくある誤解
「風邪はサウナで汗をかいて治す」。ベルリンのサウナで風邪の157人に熱い空気を吸わせた試験では、症状の重さの合計に有意な差がなかった[17]。ただし両群ともサウナの中でコートを着ていたので、汗をかくこと自体を比べた試験ではない。汗で風邪が治ると確かめた試験も、この記事で読んだ中にはない。鼻に41度の湿った空気を送った170人の試験でも、症状の重さと治るまでの日数は偽の処置と変わらなかった[7]。
「サウナに通う人は肺炎が少ないのだから、サウナが肺炎を防ぐ」。もとになったのは中年の男性の観察研究で、結びつきを示したもので因果までは決められない[1][3]。体力と組み合わせた解析では、体力が低くサウナだけ多い群の値は有意でなかった[5]。
「温かい蒸気を吸えば、熱でウイルスが減る」。2017年のレビューでは、鼻の洗浄液のウイルスの量に処置と偽薬の差はなく[8]、2004年の版でもウイルスが減った証拠はなかった[12]。
今日からできること
- 熱がある日、具合が悪い日はサウナを控え、つらいときは医師に相談する。熱がある人の安全を確かめた試験は、この記事で読んだ中にない。
- 風邪のひき始めに、熱い空気を治療として当てにしない。サウナの157人の試験でも[17]、鼻の170人の試験でも[7]、症状の重さは偽の条件と変わらなかった。
- サウナは、元気な週の習慣として考える。週2〜3回以上の中年男性で呼吸器の病気が少なかった観察研究がある[1]。女性は対象に入っていない。
- サウナだけに頼らず、体を動かす習慣も持つ。体力とサウナの4つの組み合わせのうち、肺炎の危険が有意に低かったのは、高い体力と頻繁なサウナがそろった群だけだった[5]。
- 蒸気で鼻が楽に感じても、ウイルスが減った合図にはしない。鼻の洗浄液のウイルスの量に差はなかった[8]。
- 鼻の不快感や刺激が出たら、温かい蒸気をやめる。軽い有害な出来事として報告されている[8]。
元気な週に続ける場所としてのオンザショア立川店
研究が予防の側で示したのは、元気なときの習慣と、その後の病気の少なさの結びつきだった[1][2][3]。具合の悪い日に熱で治す話ではない。溶岩ホットヨガも暑い部屋で行うので、熱がある日、具合の悪い日は休み、元気な週に通う場所として、店の事実だけを書く。当店のレッスンで風邪を防げる、と示した研究はない。
レッスンの時刻から書く。8時の回は土曜と日曜だけで、平日の朝いちばんは月曜から木曜が10時、金曜が13時。夜の遅い回は水曜と金曜の21時に始まる。12月29日から1月3日は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。体験レッスン(ヨガ)は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
参考文献
[1] Sauna bathing reduces the risk of respiratory diseases: a long-term prospective cohort study — Kunutsor SK, Laukkanen T, Laukkanen JA., 2017, European journal of epidemiology. DOI: 10.1007/s10654-017-0311-6
[2] Regular sauna bathing and the incidence of common colds — Ernst E, Pecho E, Wirz P, Saradeth T., 1990, Annals of medicine. DOI: 10.3109/07853899009148930
[3] Frequent sauna bathing may reduce the risk of pneumonia in middle-aged Caucasian men: The KIHD prospective cohort study — Kunutsor SK, Laukkanen T, Laukkanen JA., 2017, Respiratory medicine. DOI: 10.1016/j.rmed.2017.10.018
[5] High fitness levels, frequent sauna bathing and risk of pneumonia in a cohort study: Are there potential implications for COVID-19? — Kunutsor SK, Laukkanen JA., 2021, European journal of clinical investigation. DOI: 10.1111/eci.13490
[6] Does the Combination of Finnish Sauna Bathing and Other Lifestyle Factors Confer Additional Health Benefits? A Review of the Evidence — Kunutsor SK, Laukkanen JA., 2023, Mayo Clinic proceedings. DOI: 10.1016/j.mayocp.2023.01.008
[7] Rhinothermy delivered by nasal high flow therapy in the treatment of the common cold: a randomised controlled trial — Bird G, Braithwaite I, Harper J, Koorevaar I, van den Berg M, Maijers I, Kearns, 2021, BMJ open. DOI: 10.1136/bmjopen-2020-047760
[8] Heated, humidified air for the common cold — Singh M, Singh M, Jaiswal N, Chauhan A., 2017, The Cochrane database of systematic reviews. DOI: 10.1002/14651858.cd001728.pub6
[9] Randomised controlled trial of rhinothermy for treatment of the common cold: a feasibility study — Hei SV, McKinstry S, Bardsley G, Weatherall M, Beasley R, Fingleton J., 2018, BMJ open. DOI: 10.1136/bmjopen-2017-019350
[10] Heated, humidified air for the common cold — Singh M, Singh M., 2013, The Cochrane database of systematic reviews. DOI: 10.1002/14651858.cd001728.pub5
[12] Heated, humidified air for the common cold — Singh M., 2004, The Cochrane database of systematic reviews. DOI: 10.1002/14651858.cd001728.pub2
[17] Visiting a sauna: does inhaling hot dry air reduce common cold symptoms? A randomised controlled trial — Pach D, Knöchel B, Lüdtke R, Wruck K, Willich SN, Witt CM., 2010, The Medical journal of Australia. DOI: 10.5694/j.1326-5377.2010.tb04127.x
[18] Effect of inhaling heated vapor on symptoms of the common cold — Macknin ML, Mathew S, Medendorp SV., 1990, JAMA. DOI: 10.1001/jama.1990.03450080075034
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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