
食べる量の不足だけではない:男性ホルモンの高い一群
「運動で生理が遅れるのは、食べる量が足りないから」。多くの場合はそう説明されるが、別の道筋を示した研究もある。2003年の研究は、大学病院の女性の健康の臨床研究の部門で、持久系の競技をしていて生理の乱れがある選手とない選手、そして生理の周期が規則的で運動をしない対照を、年齢とBMIをそろえて比べた横断研究である[5]。
生理の乱れのある選手25人のうち8人は、ほかのどの群より、遊離と総テストステロン、アンドロステンジオン、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの比が有意に高く、性ホルモン結合グロブリンが低かった[5]。残りの乱れのある選手は、生理が規則的な選手や対照と同じくらいの正常な値だった[5]。
男性ホルモンの高い一群は、体の組成がより同化の側に寄っていて、全身の骨密度と、上半身と下半身の脂肪の量の比が、男性ホルモンが正常な乱れのある選手より高かった[5]。最大酸素摂取量も、成績の値も、この一群がいちばん高かった[5]。著者らは、選手の生理の乱れは視床下部の抑制とカロリーの不足の結果として説明されることが多いが、一部の選手では、もともとの男性ホルモンの高さが別の仕組みになっており、それが競技の成績には有利に働くのかもしれないと示唆している[5]。
2009年の系統的レビューも、同じ点を問いにしている[17]。運動する女性の希発月経は、多嚢胞性卵巣症候群の軽い型で、運動がその典型の形から守っているのか、それともエネルギーの不足による乱れの幅の一部なのか、という問いである[17]。レビューは、これまでの研究の多くが無月経と希発月経の選手を一つの群にまとめ、主に本人の申告による生理の経過に頼ってきたと指摘する[17]。
そのうえで、データはまだ少ないものの、多嚢胞性卵巣症候群に見られるような男性ホルモンの高さが運動する女性の希発月経と結びついている可能性が高く、それがいつもエネルギーの不足による視床下部の抑制を表すとは限らないとしている[17]。エネルギーの不足による乱れと、男性ホルモンの高さにさかのぼれる乱れとでは手当ての考え方が違うので、生理の乱れのある女性の代謝とホルモンの状態をよく調べることが欠かせない、というのがレビューの結論である[17]。
「たくさん運動しているから遅れているのだろう」と自分で決めて、食べる量だけを変えて様子を見る。その判断の前に、医師の側で調べてもらう理由がここにある。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
同じくらいの体脂肪率の体操の選手とランナー:乱れの割合と骨の違い
生理の乱れが骨に響くことは知られてきたが、競技によって骨の出方が違ったという研究がある。1995年の研究は、大学の体操の選手21人、走る競技の選手(ランナー)20人、運動をしない大学の女性19人の骨密度を、DXA(X線で骨や体の組成を測る方法)で測った[1]。研究は、二つの競技を、骨にかかる負荷の型が違う群として比べている[1]。
走る選手と体操の選手の体脂肪率は14.7±2.2%と15.6±2.9%で似ており、対照の22.3±3.0%より低かった[1]。初経の年齢は、体操の選手で16.2歳と、走る選手の14.4歳、対照の13.0歳より遅かった[1]。希発月経か無月経の割合は、体操の選手で47%(無月経6人、希発月経4人)、走る選手で30%(無月経3人、希発月経3人)、対照で0%だった[1]。
骨は違った。腰の骨の骨密度は、走る選手で0.98g/cm²と、体操の選手の1.17g/cm²、対照の1.11g/cm²より低かった[1]。太ももの骨の首の部分では、体操の選手1.09g/cm²、対照0.97g/cm²、走る選手0.88g/cm²の順に、三つの群がすべて違った[1]。体操の選手は、体の大きさで補正した除脂肪量が多く、太ももの前、腕、股の内側の筋力も強かった[1]。同じ競技の中では、生理の状態で骨密度に有意な差はなかったが、規則的に生理が来る選手の値がやや高い傾向があった[1]。
体脂肪率が似ていて、生理の乱れも両方の群にある。それでも、骨の数字は競技で分かれた。一つの研究の小さな群の比べなので、ここから「体操なら骨は守られる」とは言えない。言えるのは、生理の乱れと骨の関係は一本の線ではなく、体にかかる負荷の型も重なっているらしい、ということまでである。

生理の乱れと、けがと、ほかのホルモン
生理の乱れは、けがの記録とも並んで出てくる。2010年の研究は、南カリフォルニアの高校の8つの競技の女子選手163人を、2003〜2004年の学年のそれぞれの競技の季節の間、追跡した前向きの研究である[6]。毎日のけがの報告、食行動の乱れの質問票、DXAでの骨密度と除脂肪の組織の量、体の計測、生理の経過の質問紙を集めた[6]。
61人(37.4%)が、合わせて90件の筋肉や骨のけがをした[6]。骨密度のzスコア(同じ年代の平均からのずれ)が−1以下を低いとする解析では、過去1年の希発月経か無月経の経過と低い骨密度が、季節中のけがと結びついていた[6]。−2以下を低いとする解析では、食行動の乱れの得点の高さも加わった[6]。著者らは、食行動の乱れと生理の乱れを見つけて防ぎ、骨量を増やす取り組みが、選手のけがを減らす助けになるかもしれないとしている[6]。
2024年の総説は、問題になるほどの、つまり長く続くか深いエネルギーの不足が、スポーツにおける相対的エネルギー不足として、健康と競技の成績に多くの悪い影響を持つと書く[8]。エネルギーの不足による性ホルモンの変化は生理の乱れとして表れ、ほかのホルモンの軸の乱れもともなって、骨、代謝、体の組成、免疫、心臓と血管、鉄の不足、持久力と力の発揮に悪い結果をもたらしうるという[8]。生理の乱れがはっきり分かるとき、それは視床下部・下垂体・卵巣の軸の乱れを示しており、ほかの軸の乱れとその影響も認識しなければならないとしている[8]。一方で、ホルモンの乱れと成績の低下を明確に結びつける科学的な証拠は限られているとも書いている[8]。
相対的エネルギー不足そのものの統合の結果は、同じサイトの「REDs(スポーツにおける相対的エネルギー不足)|男性のほうが多いという統合結果」に譲る。生理の遅れは、生理だけの話ではない、と総説は読ませる。表に出た一つの数字の裏で、ほかの数字も動いているかもしれない、ということである。
「激しい運動の、害のない副作用」ではない
運動選手の生理が止まることを、どう受け止めるか。1996年の総説は、女性の選手の生理が止まるのは、練習と競技にともなう環境と暮らしのストレスに適応できないことの表れかもしれないと書く[18]。そして、運動による生理の乱れを激しい運動の害のない結果とみる人もいるが、むしろ練習のし過ぎの強い指標であり、のちの成績の低下の目印で、長く続く健康への影響を持ちうると続ける[18]。だから、活動的な女性には、生理の乱れの悪い影響と、取れる手立てを正しく伝えることが欠かせないという[18]。
2013年の総説は、利用可能なエネルギーの低さ、月経の周期の乱れ、骨密度の低下からなる女性の選手の三つの問題を見渡している[10]。三つの結びつきから表れる摂食障害、無月経、骨粗しょう症といった臨床の状態は、いつも同時にそろうわけではなく、予防が大事で、診断と治療は複雑で、いくつもの分野の専門家の関わりが要ることが多い[10]。予防や早い手当てには、食べるエネルギーの総量を増やすか、行き過ぎた運動によるエネルギーの消費を減らすかで、利用できるエネルギーを増やすことが必要だとし、健康な暮らし方と、親やコーチの支えも含めるべきだとしている[10]。
「生理が来ないのは、ちゃんと練習している証拠」。部活やサークルでそう言われたことがあるなら、1996年の総説はその言い方をはっきり退けている。

よくある誤解
「生理が遅れるのは、練習の量が多すぎるから」。ノルウェーの代表選手の全国の調査では、今の乱れの割合は選手と対照でほぼ同じで、差が出たのは細さを重んじる競技かどうかだった[3]。主な道筋とされるのは、運動の分を食事で埋め合わせられないことである[17]。
「運動で生理が乱れるのは、全部エネルギーの不足」。乱れのある持久系の選手25人のうち8人は男性ホルモンが高く、ほかの選手と違う体の組成と成績を持っていた[5]。希発月経の一部は、エネルギーの不足によるものとは限らないとするレビューもある[17]。
「生理が止まるのは、よく練習している証拠で害はない」。総説は、運動による生理の乱れを害のない結果とみる見方を退け、練習のし過ぎの指標で長い健康への影響を持ちうるとした[18]。高校の選手の追跡では、過去1年の希発月経か無月経がけがと結びついていた[6]。
今日からできること
- 生理の始まった日を記録し、遅れた周期と来なかった月を数える。乱れには、黄体期の不全や無排卵から無月経までの幅がある[16]。
- 練習を増やした月は、食べる量も同じように増えていたかを振り返る。運動の分を食事で埋め合わせられないことが、主な道筋とされる[17]。
- 体重や体の細さを重く見る環境にいるなら、乱れを見逃さない。ノルウェーの代表選手の調査では、細さを重んじる競技の選手の24.8%が今の乱れを報告した[3]。
- 生理が遅れる、止まる状態が続くときは、自分で原因を決めずに医師に相談する。乱れのある選手25人のうち8人は男性ホルモンが高く[5]、原因によって手当ての考え方が違う[17]。
- 生理のことを、チームやコーチ、家族と話せる形にしておく。高校の選手163人の追跡では、過去1年の生理の乱れがけがと結びついていた[6]。
追い込む場所ではなく、週に決まった時間を。オンザショア立川店
選手と運動する女性の研究が指したのは、練習の量そのものより、運動に見合うだけ食べていない状態や、細さを求められる環境のほうに、生理の乱れの道筋があることだった[3][17]。ここでは、体を追い込む場所としてではなく、週の決まった時間に体を動かす場所として、店の事実だけを書く。オンザショアのレッスンで生理が整う、と示した研究はない。
まず、医師から運動を止められている方は利用できない。生理が遅れている、止まっているときに運動を続けてよいかは、先に医師に確かめてほしい。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。8時の回は土曜と日曜だけで、平日の朝いちばんは月曜から木曜が10時、金曜が13時、夜の遅い回は水曜と金曜の21時開始である。店の開閉は8:00〜23:30の年中無休だが、レッスンの開始は別で、12月29日から1月3日は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。体験レッスン(ヨガ)は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く。体験の予約、料金のページ、店のトップページ。
参考文献
[1] Gymnasts exhibit higher bone mass than runners despite similar prevalence of amenorrhea and oligomenorrhea — Robinson TL, Snow-Harter C, Taaffe DR, Gillis D, Shaw J, Marcus R., 1995, Journal of bone and mineral research : the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research. DOI: 10.1002/jbmr.5650100107
[3] Participation in leanness sports but not training volume is associated with menstrual dysfunction: a national survey of 1276 elite athletes and controls — Torstveit MK, Sundgot-Borgen J., 2005, British journal of sports medicine. DOI: 10.1136/bjsm.2003.011338
[4] The prevalence of disordered eating, menstrual dysfunction, and low bone mineral density among US collegiate athletes — Beals KA, Hill AK., 2006, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.16.1.1
[5] Hyperandrogenicity is an alternative mechanism underlying oligomenorrhea or amenorrhea in female athletes and may improve physical performance — Rickenlund A, Carlström K, Ekblom B, Brismar TB, von Schoultz B, Hirschberg AL., 2003, Fertility and sterility. DOI: 10.1016/s0015-0282(02)04850-1
[6] Relationships among injury and disordered eating, menstrual dysfunction, and low bone mineral density in high school athletes: a prospective study — Rauh MJ, Nichols JF, Barrack MT., 2010, Journal of athletic training. DOI: 10.4085/1062-6050-45.3.243
[7] Menstrual Dysfunction in Adolescent Female Athletes — Calcaterra V, Vandoni M, Bianchi A, Pirazzi A, Tiranini L, Baldassarre P, et al., 2024, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports12090245
[8] Beyond Menstrual Dysfunction: Does Altered Endocrine Function Caused by Problematic Low Energy Availability Impair Health and Sports Performance in Female Athletes? — Ihalainen JK, Mikkonen RS, Ackerman KE, Heikura IA, Mjøsund K, Valtonen M, et al., 2024, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-024-02065-6
[10] Energy availability, menstrual dysfunction and bone health in sports; an overview of the female athlete triad — Márquez S, Molinero O., 2013, Nutricion hospitalaria. DOI: 10.3305/nh.2013.28.4.6542
[16] Dietary recommendations and athletic menstrual dysfunction — Manore MM., 2002, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.2165/00007256-200232140-00002
[17] Oligomenorrhoea in exercising women: a polycystic ovarian syndrome phenotype or distinct entity? — Awdishu S, Williams NI, Laredo SE, De Souza MJ., 2009, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.2165/11317910-000000000-00000
[18] Role of energy balance in athletic menstrual dysfunction — Dueck CA, Manore MM, Matt KS., 1996, International journal of sport nutrition. DOI: 10.1123/ijsn.6.2.165
[19] Menstrual dysfunction in athletes: an energetic challenge — Harber VJ., 2000, Exercise and sport sciences reviews. DOI: なし
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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